2016/10/25  23:46

館林市内の湿地の埋め土にスラグ状の物質が大量投入?  スラグ不法投棄問題

■館林在住の当会会員から、10月に入って間もなく、同市赤生田町と赤生田本町の境界付近の沼地状の農地で、現在は葦が生い茂っている場所に、何やら得体の知れない業者が鉄鋼スラグのようなものを埋め立てているという報告がありましたので、さっそく調査をしてみました。

クリックすると元のサイズで表示します
館林市内の埋立て現場の様子。

 たまたまこの現場付近に住む議員のかたがこの件でブログ記事を書かれておりました。その情報によれば、スラグ状の物質はJFEスチールの関係先で製造されたようです。それまで連日11トンダンプトラックで数百台分、スラグのようなものが持ち込まれていましたが、10月5日午後4時半に電話で問い合わせたところ、翌日の10月6日から搬入作業がピタリと止まったようです。

 当会会員がさっそく現場に出向いたところ、約2800uの土地にビッシリとスラグ状の物質が埋め土として敷きこまれていることが判明しました。次の写真をご覧ください。

クリックすると元のサイズで表示します
クリックすると元のサイズで表示します
大同のデカスラグや角張スラグと異なり、砂のように細かいスラグ状のシロモノだ。

■会員からの報告を受けた当会では、10月14日夜にJFEスチールのホームページの問い合わせ欄に次の内容の質問を投稿しました。

*****JFEスチールへの投稿内容*****
<内容確認>
以下の内容で送信してかまわなければ「確認」を、修正が必要な場合は「内容修正」を選んで下さい。
会社名・学校・団体名: 市民オンブズマン群馬
所属・部署名: 代表
お名前: 小川賢
郵便番号: 379-0114
連絡先住所: 群馬県安中市野殿980番地
電話番号(半角): 09053028312
FAX番号(半角): 0273810364
メールアドレス(半角): ogawakenpg@gmail.com
標題: 10月初めにJFE千葉から館林市赤生田町に搬入された高炉水砕スラグについて(質問)
内容: 私は市民オンブズマン群馬の代表をしております小川賢という者です。
10月初旬に館林市赤生田町と赤生田本町の境界付近の湿地帯に大量の高炉スラグと思しき資材が投入されています。(場所は次の地図を参照ください)
https://www.google.co.jp/maps/dir//%E7%9C%8C%E9%81%93362%E5%8F%B7%E7%B7%9A/@36.223365,139.5624456,359m/data=!3m1!1e3!4m8!4m
7!1m0!1m5!1m1!1s0x601f31ac76919b4f:0xffe1031255b009f1!2m2!1d139.5634398!2d36.2229619

地元の情報によるとJFE千葉製鉄所から11トン積みトラックで数百台搬入されたとのことです。
また、地元議員さんが御社の鉄鋼スラグ担当者に「スラグに含まれている六価クロムやフッ素などの有害物質の成分分析結果を教えてください」と依頼したそうですが、回答がまだないとのことです。 当会の館林在住の会員のかたにスラグの写真をとってもらっておくってもらいましたが、どうやら高炉水砕スラグのようにも見えます。 そこで、ご多忙中恐縮ですが周辺住民の不安解消のために、当会のほうにも、当該スラグの性状、製法、搬入量、成分分析結果、搬入ルート、逆有償性の有無などの必要情報を送っていただけると幸いです。
**********
■すると10月17日(月)午後遅くJFEスチールから次の回答が届きました。

---------- 受信メッセージ ----------
From: O.H.
日付: 2016年10月17日 16:54
件名: スラグに関するお問い合わせについて
To: ogawakenpg

市民オンブズマン群馬
小川代表様

JFEスチール スラグ事業推進部のOHと申します。
当社のホームページ宛てにお問い合わせいただいた件について回答させていただきます。

ご連絡いただいた場所で使用されたスラグは、当社(JFEスチール)の鉄鋼スラグではなく、JFEグループのジャパン・リサイクル株式会社の溶融スラグです。(高炉スラグ等、鉄鋼製造工程において副産物として発生する鉄鋼スラグではありません。)

ジャパン・リサイクル社に確認したところ、六価クロムやフッ素について、国で定める基準値未満、とのことです。

なお、地元(館林)市議の方からの問い合わせについてですが、先々週、当社(JFEスチール)にY館林市市議からお問い合わせをいただきましたので、当社の鉄鋼スラグではないことを回答させていただいております。併せて、10/7にジャパン・リサイクルの溶融スラグを取り扱っている三恵(サンケイ)からY市議殿に対して回答申し上げ、その後分析表を提示しています。

小川様のお問い合わせ事項についても三恵(サンケイ)から対応させていただきますので、同社からご連絡差し上げるように手配してよろしいでしょうか?
(ご希望の連絡方法(携帯へ電話、電子メールでの連絡等)をご指定ください。)

以上


***************************************************************
このメールには機密情報が含まれる可能性があります。
内容の転送・コピー・プリント等 取り扱いには十分ご注意下さい。
また、このメールを間違って受信された場合は、直ちに送信者まで
お知らせいただき、受信されたメールを削除下さい。
***************************************************************

O.H.

JFEスチール株式会社 スラグ事業推進部
東京都千代田区内幸町2-2-3 日比谷国際ビル
Tel:03-3597-4657
Fax:03-3597-3415
E-Mail: xxxxxxxxxxx@jfe-steel.co.jp
**********

■これによると、どうやら電炉由来の鉄鋼スラグや製鉄所からの高炉スラグではなさそうです。JFEグループのジャパン・リサイクル株式会社のホームページで確認したところ、JFEスチールの千葉製鉄所構内に同社の溶融施設があり、フロー図を見ると、どうやら各種のサンパイを圧縮したうえで、誘導加熱式の炉に投入し、蒸し焼き状態にしたあと、酸素を炉内に吹き込んで、2000度まで昇温し溶融させて金属やスラグに分離するシステムのようです。
※ジャパン・リサイクル社のHP:http://www.japan-recycle.co.jp/
※同社千葉リサイクルセンターのガス化溶融フロー図:PDF ⇒

 そこで次の返事を発信しました。

--------- 発信メッセージ ----------
From: masaru ogawa
日付: 2016年10月18日 1:03
件名: Re: スラグに関するお問い合わせについて
To: O.H.

JFEスチール
OH様

毎々お世話になっております。
御社のHPを拝見しました。溶融スラグのもとは各種サンパイで、それらを高温の溶融炉で溶かしたものが溶融スラグとして製品化されリサイクル品として販売されているようですね。

ところで、2つほど質問があるのですが、@御社のグループ会社のジャパンリサイクル社から三恵(サンケイ)に溶融スラグを卸す場合、トン当たりいくらで売り渡していますか?
またA溶融スラグの原料の産業廃棄物として、毎月どのような物質をどれくらい受け入れているのでしょうか?

もし、これらのことについてもジャパンリサイクル社でないとわからないという場合、ジ社の連絡先及びご担当者をご紹介いただけますでしょうか?よろしくお願いします。

市民オンブズマン群馬
小川

**********

■当会としては、現在、大同特殊鋼渋川工場由来の有毒スラグ問題に取り組んでいる関係上、スラグと聞くとどうしても詳しく確認したいという気持ちになります。そのため、特に逆有償性の有無を調べるためにいくらでスラグが取引されたのかを確認する必要があると考えました。また、溶融スラグの原料であるサンパイの量と種類についても確認したいと思いました。

 そこで、上記の再質問をJFEスチールに投げかけたところ、早速同社から回答がありました。

---------- 受信メッセージ ----------
From: O.H.
日付: 2016年10月18日 14:37
件名: Re: スラグに関するお問い合わせについて
To: masaru ogawa

市民オンブズマン群馬
小川代表様

JFEスチール スラグ事業推進部のOHです。

メールにて問い合わせいただいた件につきましては、ジャパン・リサイクルから回答させていただきます。
つきましては、先にメールにていただいた小川様の連絡先にジャパン・リサイクルの担当よりご連絡差し上げます。

以上

**********

■すると10月18日(火)午後5時過ぎに電話がありましたが、生憎不在だったため、今度はメールで連絡がありました。

---------- 受信メッセージ ----------
From: S.S.
日付: 2016年10月21日 9:17
件名: ご質問の件について(回答)
To: 小川 賢 様

市民オンブズマン群馬
代表  小川 賢 様

JFEグループのジャパン・リサイクル株式会社・総務部のSSと申します。
 JFEスチール株式会社の岡本氏より下記ご質問2点につきまして弊社より小川様まで連絡するように依頼を受けましたので、ご回答させていただきます。

1.ジャパン・リサイクルから三恵にスラグを卸す場合、トン当りいくらで売り渡しているのか?

 弊社からスラグを販売している相手先は有限会社三恵ではなく、有限会社ケイユウ商事でございます。三恵にはスラグの収集運搬を依頼しています。
 弊社では、スラグを土木資材として販売しております。
販売しているスラグは、土壌汚染対策法の基準を満足する品質であり、土木資材として使用されることに問題はないものと認識しております。
 ケイユウ商事への販売単価につきましては、契約上の守秘義務もあり開示致しかねますので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

2.スラグ原料の産業廃棄物として、毎月どのような物質をどれくらい受け入れているのか?

 弊社が受け入ている産業廃棄物の内訳は、昨年度の実績で、廃プラスチック等約50%、ASR(自動車シュレッダーダスト)約30%、汚泥類約20%となっております。
 月々の受入量の詳細につきましては、弊社ホームページに掲載しておりますのでご確認ください。
http://www.japan-recycle.co.jp/
 ジャパン・リサイクルHP → 情報公開 → 焼却施設に関する情報 → 施設の維持管理の状況に関する情報


ジャパン・リサイクル株式会社
総務部  SS

〒260-0835 千葉市中央区川崎町1番地
TEL 043-262-4716
FAX 043-262-4786
E-mail xxxxxx@japan-recycle.co.jp
**********

■ジャパン・ルサイクル社のHP情報によれば、同社では年間約8万トン近い廃棄物を受け入れており、それらを主に焼却による熱回収と、残さを溶融することで金属とスラグの形で回収しています。廃棄物の割合はサンパイが65%、一般ごみが20%、容りプラ(容器リサイクル容器包装リサイクル法で対象になっているプラスチック製の容器と包装のこと)が15%であり、上記の担当者の説明では、サンパイの半分は廃プラで、30%が車の解体で生じるシュレッダーダスト、残りが汚泥類とのことです。

 つまり、高カロリーのプラスチック廃棄物を主体に受け入れて、蒸し焼きによる乾溜ガスの製造と、燃焼によるサーマルリサイクルが主体と思われます。
※同社の情報公開: http://www.japan-recycle.co.jp/information.html#06
※廃棄物処理施設の維持管理の状況に関する情報:
http://www.japan-recycle.co.jp/pdf/kanrijokyo1610.pdf

 しかし肝心の溶融スラグの外部への売り渡し金額について、守秘義務をたてに開示を拒否されてしまいました。これでは、逆有償取引の疑念が晴れません。そこで、あらためて再考を促すべく、次の依頼メッセージを同社あてに発信しました。

---------- 発信メッセージ ----------
From: masaru ogawa
日付: 2016年10月21日 9:57
件名: Re: ご質問の件について(回答)
To: S.S.

ジャパン・リサイクル株式会社
総務部
SS様

毎々お世話になります。
一昨日弊員の携帯にお電話を賜り恐縮です。
こちらからお電話を差し上げようと思っていたところ、メールにて連絡を賜りありがとうございます。

質問1ですが、守秘義務とのことですが、逆有償性の有無について確認させていただくためにどうしても必要な情報であると認識しております。
この情報について共有させていただけないとすると、どうしてもその疑念が払しょくできません。

できる限りの開示努力をお願いする次第です。
再考をお願い申し上げます。

市民オンブズマン群馬
代表 小川賢
Mobile 090-5302-8312
**********

■以降、同社からは何の連絡もありません。

 一方、館林市内の農地に大量に搬入されたこの溶融スラグは、毒性についてはさほど心配はなさそうですが、分析データの開示も受けていないことから、予断は許されません。また、JFEスチールのある千葉市中央区から館林市内の現場まで直線距離にして85qほどあります。これだけ長距離をトラック輸送すれば、それなりにコストがかかります、

 JFEグループのジャパン・リサイクル社が、千葉リサイクルセンターで排出したスラグを、有限会社ケイユウ商事(所在地:千葉県千葉市中央区千葉港8番2号ブラウシア1524号か?)がタダ同然で溶融スラグを売り渡したとして、つまり、ケイユウ商事がタダ同然でジャパン・リサイクル社から溶融スラグを仕入れたとして、それを85q離れた場所で、埋立業者にそれなりの価格で埋め土材料として売り渡したことになります。

 その間、有限会社三恵が運搬したことになっていますが、果たして運搬コストをケイユウ商事が負担したら、いったいいくらで埋立業者に売り渡せば利益がでるのか、きちんとした情報を知りたいものです。

 こうした情報は、上記の関係業者から答えてもらえるのかどうか、製造元のJFEグループのジャパン・リサイクル社でさえ、販売価格を守秘義務だとして口をつぐむのですから、先が思いやられます。やはり権限を持つ役所が主体となって調査しないと、円滑な情報収集は困難かもしれません。

 それにもかかわらず、一応できる範囲でこの件を調べてみたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
2



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ