安中市慣例の政治家による有権者への金品配布・・・前橋検審からの審査申立受理通知で意見書を提出  政治とカネ


■安中市議会の元市議会議長の議員による地元有権者への清酒配布に関する報道記事をもとに、当会が元議長を公職選挙法違反の容疑で告発していた件で、前橋地検が起訴猶予を理由に2016年2月29日に不起訴処分にしたことを受けて、当会は2016年10月18日に前橋検察審査会に対して審査申立書を提出しました。すると、翌10月19日付で同審査会から受理通知が届きました。

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*****審査申立の受理通知*****PDF ⇒ 20161019orm.pdf
                        平成28年10月19日
審査申立人 小 川   賢 殿

                        前橋検察審査会

     審査申立の受理について(通知)
 貴殿から提出された審査申立書は、10月18日(火)付けで、平成28年前橋検察審査会審査事件(申立)第20号として受理しました。
 本件について、意見書等を提出できますが、その際は、当検察審査会事務局あてに、平成28年11月18日(金)までに提出してください。
 なお、上記提出期限以降に提出する場合には、下記の問い合わせ先へ事前に連絡してください。
 おって、検察審査会の行った議決に対しては、不服を申し立てることはできませんので、予めご承知ください。
                  記
(問い合わせ先)
   〒371−8531
   群馬県前橋市大手町三丁目1番34号
     前橋検察審査会事務局
       電話番号 027−231−4275(内線470) 
**********

■そこで、当会はさっそく今回の前橋地検による不起訴処分に関して、率直な疑問や感想を意見書のかたちにまとめて、本日10月26日に前橋検察審査会事務局あてに郵送で提出しました。内容は次のとおりです。

****意見書******PDF ⇒ 20161026_ikensho.pdf
                        平成28年10月26日

前橋検察審査会 御中

                   審査申立人 小川 賢

      平成28年度前橋検察審査会審査事件(申立)第20号
               意見書等の提出

 表記事件に関する意見書等を次のとおり提出いたします。
 申立人は常に疑問を抱いているのですが、なぜ、通常の場合であれば当然起訴されてしかるべき公職選挙法違反行為が、長年政治に携わっている政治家の場合、同じ違反を犯しても、有罪判決にならず、不起訴相当、嫌疑不十分という理由で無罪になるのでしょうか。
 小渕優子代議士や甘利明代議士の事件からも明らかなように、著名な政治家の場合は本人はもとより、秘書でさえも不起訴相当となるケースが多々あります。小渕代議士の場合、申立人は東京地検に政治資金規正法違反に加えて公選法違反、旅行業法違反で告発をしました。しかし、いずれもおとがめなしに終わりました。結局秘書をしていた前中之条町長の折田謙一郎が、「自分がすべてやった」と早期に犯行を宣言していたためか、さすがに東京地検もおとがめなしとするわけにもいかなかったのか書類送検に踏み切ったものの、東京地裁では最終的に有罪判決をくだしましたが、執行猶予付きでした。
 旅行業法違反では、毎年大型バスを26台も連ねて午前と午後、明治座に観劇ツアーと称して選挙区内の有権者らを対象に旅行業法に定める登録もしないまま、長年に亘り参加者から料金を徴収していました。
 しかし、前橋市在住の長年旅行業を営んできた男性の場合、宿泊施設を紹介しただけで顧客からおカネを受け取らずに営業をしていたにも関わらず、「斡旋」だとして群馬県旅行業協会が全国旅行業協会を促して前橋東署に告発をさせ、結局、その男性を廃業に追い込んだばかりか、旅行業法違反として、罰金30万円の判決が前橋地裁、東京地裁で出され、どうしても合点がいかない男性が上告したにもかかわらず、最高裁でも東京地裁の判決が支持されてしまいました。
 一方で、旅行案内所など、旅行業法の登録をしないまま客に旅行のための宿泊情報を提供しているにもかかわらず、旅行業協会に加盟しているというだけで、全くお咎めがありません。当会が警察に告発しましたが、警察は旅行案内所側の説明に理解を示したのか、一向に埒が開きません。
 これらは明らかに司法のもとでの平等の精神に反しています。著名な政治家であれば、金品を配布しても不起訴相当だとしてすべておとがめなしになるのであれば、公職選挙法や政治資金規正法はすべてザル法ということになり、社会に無用な混乱を与えかねませんから、直ちに廃止すべきです。
 しかしそうなると選挙のルールがなくなってしまい、当選するためには手段を選ばないカネにあかせた乱脈選挙が復活してしまいます。
 だから、違反行為の尺度をきちんと決めて、選挙民に対して金品を配布したりすれば、有罪になるということをひろく社会に示す必要があります。
 今回の元市議会議長による地元有権者に対する清酒等の配布事件は、その直後に行われた市議会選挙で実際に本人が当選しているだけに、毅然とした対応が求められてしかるべきでした。新聞報道でこのことを知った申立人は、新聞記者にも確かめて、すべて事実であることを確認したうえで、安中署に告発をしました。告発をしないと、あとでどのような処罰が適用されたのか否かが分からないからです。
 事実、一昨年の安中市長選の投票日の午後5時ごろ、安中市内の某投票所でなりすまし投票が行われるという事件が起きました。しかし、結局警察は私の告発状を受理しようとせず、そのため、前橋地検にその後の処分結果をヒヤリングしようと訪れましたが、「告発人ではないから」という理由で、処分結果について検事らは申立人に対して何も語らず、追い返したのです。
 今回の事件では、安中署の高柳刑事課長に「前回のように受理をしたのかしないのか、曖昧な対応は困るので、きちんと受理してほしい」と申し入れました。安中署刑事課では、「既に新聞報道を見るまでもなく、きちんと捜査をしているから」としました。そして、当初は「まだ捜査の端緒だから」して、申立人の告発状の受理をためらっていましたが、その後捜査が済んだとして、「告発状を受理する」との連絡をいただきました。
 そのようにして提出した告発状ですから、犯罪の態様は新聞記事に書かれていた通り、間違いないはずであり、安中署の刑事らも、関係先をすべて当たって供述をとったうえで、容疑者を特定し送検したことをうかがわせていました。
 にもかかわらず、前橋地検からは不起訴処分通知が、告発人である申立人に対して届けられたのです。警察が公費を遣い一所懸命捜査をしたその処分理由を聞いたところ、不起訴相当だというのです。何がなんだかわからないので、申立人は直接前橋地検に赴き、検事から話を聞こうとしましたが、対応した若い検事は、「何も話すことはない」という態度で、なぜ不起訴処分となったのか、全く語ろうとしませんでした。
 これでは、公選法が骨抜き同然です。申立人はこれまで4度、市長選挙に出馬した経験がありますが、候補者説明会で、安中署の刑事課長から「公選法を遵守するように。留置所はいつでも開いている」と常に厳しいアドバイスを賜りました。事実、支援者による選挙用チラシの戸別投げ込み行為について、警察から厳しく戒められたり、安中市の選挙管理委員会からは農地に立看板を立ててはならないことや、ポスターにおける候補者名の漢字と通称名のひらがな表記の食い違いなど些細なことまでも指摘を受け、直ちに是正した経緯があります。
 ところが実際には、保護司などをしている候補者の場合、検察や警察に顔が利くのかどうか定かではありませんが、選挙後に地域の有力者らに票まとめの謝礼に商品券や清酒を配る輩も存在し、見かねた関係者から「警察に通報しても全然取り合ってもらえなかった」という証言も聞いています。
 今回の事件では明らかに地元の有権者らに常習的に清酒等を配布していたことを本人も認めています。「知らなかった。大変なことをしてしまった」などと反省の意を示していたとはいえ、議長まで勤め上げた人物です。情状酌量ではなく、一罰百戒の意味を込めて、起訴し、法廷での判断にゆだねるべきです。その結果、執行猶予付き有罪判決が出るのか、配布した金品相当の罰金を科すのか、きちんと処罰の軽重を世間に示すべきです。
 もっとも、議長を務めあげた大物政治家であるからこそ、「その名誉を傷つけるから」として、無罪放免にするという、通常の一般市民には適用されることのない「特別ルール」が適用されるのだ、という穿った見方をする向きもあります。これは、換言すればそれだけ罪の軽重を判断する検察が、その判断の尺度を明らかにしてこなかったからだとも言うことができます。
 このため、せっかく警察が手間と費用をかけて関係者らを取り調べても、その捜査結果を判断する立場の検察が勝手に独自の非公表の基準をかざして、結果のみを告発人に伝えるだけで、なぜそうなったのかを公表しないという姿勢は、検察の威信を弱めることはあっても、決して強めることはあり得ません。
 今回の事件のように起事実関係が明瞭で、当然ながら起訴訴相当であるべき事件も、検察官の裁量という曖昧な判断基準に基づく「不起訴相当」という訳の分からない処分が下されたことは、明るい選挙の実現に対してブレーキとなるものであり、既に議員によって骨抜き同然となっている公職選挙法など、明るい選挙の最低限のルールとして明文化されている拠り所が、完全に葬り去られてしまいかねません。   
 検察審査会に置かれては、もう一度、一般市民の常識を駆使して、この事件についての賢察の処分結果を再考し、このまま不起訴処分相当とするのか、それとももう一度検察にきちんと正しい判断基準に基づいて判断させるためにも、起訴処分相当とするのか、市民の常識と明るい選挙実現のためにも、慎重に協議の上、審査をして下さるよう強くお願いをする次第です。

                              以 上
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■当会がこのような意見書を提出した背景には、完全に骨抜きとなってしまった公職選挙法を改めて問い直し、一定額の金品を選挙民や利害関係者に配布しても公選法はおろか、政治資金規正法や斡旋利得処罰法の違反でしょっぴかれても、せいぜい起訴猶予までで不起訴処分になるかどうかの判断基準を、この際はっきりさせておきたいという気持ちがあります。

 これによって、安心して選挙運動や政治活動に励めるかどうかのグレーゾーンをなくし、きちんと線引きを行えることになります。ひいては政治家の皆さんや、これから政治家を志す若い人たちにとっても、「きっと有用であるに違いない」と確信をしております。

【ひらく会情報部より】
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タグ: 政治 カネ 世襲



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