2016/11/6  21:10

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・環境影響評価条例を歪めた証拠文書不存在でオンブズが県を提訴  東北関東大震災・東電福島原発事故


■庶民は通常、行政というのは法令・規則をきちんと守る組織だとイメージしているかもしれません。しかしこれは大間違いです。民間では最近は特に「コンプライアンス」(法令遵守)とか「コーポレート・ガバナンス」(企業統治)などというカタカナの標語が飛び交っています。企業の社会的責任として「CSR」という標語もあります。これらは社会的な信用を勝ち得ない限りまっとうな企業活動をする資格がないということであり、企業として生き残るための最低限の必要条件として、民間では認知されているからです。


 ところで民間には持たされない権限というものを持つ行政組織では、その根幹となるこうした標語で表される原理・原則が、実は全く重視されていないのです。その背景と理由には、なによりも「特権の付与」と「守秘義務」が挙げられます。なにしろ「公務員=性善説」という間違った前提で自分たちの都合の良いように行政ルールが作られているため、悪事がばれても、せいぜい執行猶予付きの判決しか出ません。彼らにとって、行政というのは納税者・住民に内緒でふところを肥やせる温室のような環境なのです。

■さて、現在、東電グループの主要企業である関電工がトーセンや群馬県林業関連団体と組んで、あろうことか群馬県の山間部から放射能汚染木材を集め、それを赤城山の南麓の電中研の敷地内でチップ化して水分を絞り出し、バイオマス燃料として20年間にわたり毎年8万トンも燃焼させ、放射能が濃縮された搾り汁や焼却灰、燃焼ガスを県土に垂れ流そうとしています。

 本来、県民の安心・安全な生活環境保全上の観点から群馬県は住民から言われなくても率先して、こうしたあくどい事業に対しては、県民の健全な生活、健康、財産を守る立場で、きちんと環境関連のルールを適用して、関電工に対して計画の撤回を強く求めるはずです。

 ところが群馬県の場合、県民より特定の企業の方の都合を重視し、そのためにはルールさえ捻じ曲げて解釈し適用するというのです。その典型的な一例が関電工を事業主体とする前橋バイオマス発電事業です。この施設では大容量のボイラーを設置し、明らかに毎時4万ノルマル㎥を遥かに超える排ガスを排出する燃焼施設であるにもかかわらず、持ち込まれる放射能汚染木材チップの水分量が「石油系燃料に比べると著しく多いから」という根拠のいい加減な理由をでっちあげ、相談を受けた群馬県も東電グループの大企業だからということで、その申し入れを鵜呑みにして、本来のルールを捻じ曲げて、排ガス量を過少評価し、環境アセスを不要にするという暴挙を行ったのです。

 このルール破りの経緯を確認するために当会では2016年4月22日、群馬県に対して条例の運用に関する関連情報の公開請求を行いました。しかし群馬県環境政策課は、2016年5月6日に、そうした情報はないとして、当会に対して不存在決定通知書を送ってきたのでした。

 ところがその後、前橋バイオマス発電計画に反対する住民団体の関係者が、群馬県にさまざまな関係文書の情報公開を請求したところ、本来不存在であるべき文書が、実は存在していることが判明したのです。

 不存在と断定したのに、実際に該当する書類が存在しているとなると、考えられるのは住民に対して「ウソをついていたこと」「隠していたこと」あるいは「後日でっち上げたこと」が考えられます。

■そこで司法の場で、こうした群馬県の一連の不可思議な行動・言動を質し、群馬県がどのように関電工と協議をして、何を根拠にこうした理不尽な理由で環境アセスメントを不要にする判断をしたのかを検証すべく、当会は11月4日付で前橋地裁に群馬県を提訴しました。

**********
               訴  状
                             平成28年11月4日
前橋地方裁判所 御中
                        原 告   小 川   賢   

〒371−0801 群馬県前橋市文京町一丁目15−10(送達先)
               原    告    小 川   賢
               電話:090−5302−8312
                  (市民オンブズマン群馬代表・小川賢)
                  又は 027−224−8567
                  (市民オンブズマン群馬事務局長・鈴木庸)
               ファクシミリ:027−224−6624
〒371−8570 群馬県前橋市大手町1−1−1
被    告   群馬県知事 大 澤 正 明
               電話:027−223−3131(代表)

公文書不存在決定処分取消請求事件 

  訴訟物の価格  金160万円(算定不能)
  貼用印紙額   金13,000円

                請求の趣旨

1 被告が原告に対し、平成28年5月6日付環政第30066−1号で行った次の文書:
関電工とトーセンが赤城山南麓の電中研の敷地内で計画中の「前橋バイオマス発電施設」に関する情報のうち、次のもの。
B環境政策課が、上記施設について群馬県環境影響評価条例に定める毎時4万ノルマルuの排ガス量の観点から、対象除外と判断した根拠と経緯等を示す一切の情報(とくに関電工から提供された排ガス量に関する情報、条例に基づく判断基準、その判断基準の根拠となった議論の経緯が分かる会議録等、当該判断基準の運用を最終決定した協議の議事録、そして当該判断基準の運用を開始した年月日と県庁関係出先等への通達内容、さらに関電工との間でこの件について交わしたすべてのやり取りを示す情報を含む)。
の不存在決定処分を取り消す。 
2 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決を求める。
                 請求の原因

第1 原告の情報公開請求と被告の不存在決定処分
1 原告は、平成28年4月22日、被告に対し、群馬県情報公開条例(以下「本件条例という)第12条第1項の規定に基づき、請求の趣旨記載の公文書(以下「本件文書」という)の開示請求を行った(甲1号証)。
2 しかるに、被告は、平成28年5月6日付環政第30066−1号の本件文書の不存在決定通知書をもって、不存在処分をなした(甲2号証)。
3 上記不存在決定通知書には、不存在の理由について、本件条例第18条第2項に該当するとして、以下のとおりの記載があった。 
環境影響評価は、「群馬県環境影響評価条例」及び「群馬県環境影響評価条例施行規則」に定める事業の種類ごとに、「群馬県環境影響評価条例」及び「群馬県環境影響評価条例施行規則」で定める規模要件等を勘案し、環境影響評価を行うべき事業に該当するか否かを事業者が自ら判断する制度となっている。したがって、環境影響評価に関する手続きの要否について、県に対して書類を提供することや協議することは必要とされていないことから、当該請求に係る文書を保有していないため。

第2 本件処分の違法性について
 被告が挙げる不存在の理由は全くのデタラメ=虚偽である。その事由は以下の通りである。
1 本件文書の存在情報
  原告が平成28年10月中旬に伝え聞いたところでは、少なくとも、本件条例のは運用に関して平成27年3月30日に起案され、翌31日に決裁された文書が存在している可能性のあることが分かった。
2 本件条例第18条第2項の非該当性
  本件条例第18条第2項には、「2 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。」と記してある。
  このため、前項1の情報が真実だとすると、実際には、少なくとも、本件条例の運用に関して平成27年3月30日付で被告が作成している公文書が存在していることになり、本件条例第18条第2項には該当しないことになる。
3 事業者の説明に基づく情報
  前橋バイオマス発電施設が群馬県環境評価条例で定めた排ガス量4万ノルマル㎥を超えるかどうかについて、前橋バイオマス発電事業者である関電工は、地元説明会で、「平成27年1月に環境アセスメントの適用有無について被告と協議を開始し、平成27年3月には本計画(前橋バイオマス発電計画のこと)については被告の環境アセスメントの適用対象とならないことを群馬県環境政策課に確認。」というふうに説明している(甲3号証)。
  よって、本件文書が存在しないという被告の処分理由は極めて疑わしい。

第3 むすび
 以上のとおり、本件文書を不存在とした本件処分が違法であることは明らかであるから、本件処分の取消を求めるため本訴を提起した次第である。
                                以上

              証 拠 方 法

1. 甲1号証    公文書開示請求書  PDF ⇒ b1jioocixj.pdf
2. 甲2号証    公文書不存在決定通知書 PDF ⇒ b2sm.pdf
3.  甲3号証    本事業の経緯 PDF ⇒ b3o.jpg

              添 付 書 類

訴状副本          1 通
証拠説明書         各1通
甲号証写し         各1通
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■提訴に先立ち、本当に本件に関連する資料が存在しないのか、群馬県環境政策課には何度も念押ししましたが、バイオマス発電施設の場合の排ガス量の特例を民間に公表した様子はありません。今回の前橋バイオマス発電計画に関与する関電工にしか、伝えていないことがうかがえます。

 裁判を通じて、群馬県と関電工及びトーセンとの癒着の実態を明らかにしたいと考えています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※11月11日追記※
 本日、前橋地裁民事第一部の事務官から当会に電話がありました。本件は、地裁の第一部が扱うとのことでした。地裁からの要件は次の2点です。
(1)訴状の「被告」の呼称について、訴状では「被告大澤知事」とあるが、正確には「群馬県」を相手取っている訳なので、「被告 代表者大澤正明」というふうに、記述してほしい。つまり「被告 群馬県大澤知事」と「被告 群馬県 代表者大澤知事」では微妙に違うので、正確を期したいため。
(2)訴状の「第2」のところで、群馬県環境影響評価条例のことを述べているようだが、不存在になった文書が実は存在していたというくだりで、どのような文書が不存在なのかどうか、一読しても判然としない部分があるので、一度話をしたうえで、補正なりするかどうかを決めたい。
 これに対して当会では11月18日午前中に前橋地裁3階の民事受付を訪れるのでその際、地裁からの説明を聞いたうえで判断したい、と申し入れました。
 門前払いにされないことを祈る次第です。

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