2016/12/26  23:45

【続報】大同有毒スラグを斬る!・・・大同特殊鋼などを不起訴の報道ぶり  スラグ不法投棄問題

■大きな事件を幕引きする場合、5月連休、9月連休、そして年末年始連休の直前に不起訴処分通知を出すケースが頻発しています。当会が手掛けてきた小渕優子元経産相の公選法・政治資金規正法違反の告発に対する東京地検の対応もそうでした。今回の大同有毒スラグ不法投棄問題については、当会が3年越しで取り組んでまいりましたが、やはり政治的な圧力に検察が屈した形になったとみるのが妥当でしょう。
 今回はこの事件の続報として、NHKが12月22日の夕方に報じた地元ニュースを見てみましょう。


**********2016年12月22日NHK NEWS WEB(ほっとぐんま640)
鉄鋼スラグ大同特殊鋼を不起訴
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 鉄鋼の製造工程で出た有害物質を含む鉄鋼スラグの処分を無許可の業者に委託したとして、廃棄物処理法違反の疑いで書類送検された大手鉄鋼メーカーの「大同特殊鋼」などについて、前橋地方検察庁は、「鉄鋼スラグを廃棄物と認定するのは困難だ」などとして嫌疑不十分で不起訴にしました。

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 名古屋市に本社がある大手鉄鋼メーカーの「大同特殊鋼」は、平成23年3月からおよそ1年間にわたって、渋川市にある工場から鉄鋼の製造工程で出た有害物質を含む鉄鋼スラグおよそ2万8300トンの処分を無許可の関連会社に委託したなどとして、

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 関連会社など2社やそれぞれの会社の役員らあわせて5人とともに廃棄物処理法違反の疑いでことし4月に書類送検されました。

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 これについて前橋地方検察庁は、「鉄鋼スラグを廃棄物と認定することや、故意だったとすることが証拠上、困難だ」として22日、嫌疑不十分で不起訴にしました。

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 大同特殊鋼の広報室は、取材に対して、「弁護人を通じて全員の不起訴の連絡を受けた。皆様のご心配やご懸念に対して引き続き誠実に対応したい」とコメントしています。

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 告発した群馬県の大沢知事は「不起訴処分は意外で、理由をよく確認し、今後の対応を決めたい。県としては鉄鋼スラグの使用場所や環境への影響の調査を進め、県民の安全と安心の確保に努めたい」というコメントを発表しました。

■次に、衝撃のBreaking Newsから一夜明けた翌12月23日の各紙が報じた記事を見てみましょう。

**********2016年12月23日朝日新聞デジタル
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大同特殊鋼など不起訴 スラグ問題「立証困難」 /群馬県
 大手鉄鋼メーカー、大同特殊鋼(本社・名古屋市)の渋川市の工場から、基準値を超える有害物質を含む鉄鋼スラグが出荷された問題で、前橋地検は22日、廃棄物処理法違反(委託基準違反など)の疑いで書類送検された同社を含む計3社と大同特殊鋼の男性役員ら5人を不起訴処分(嫌疑不十分)にし、発表した。
 地検によると、過去の裁判例や法律の趣旨から考えて、「(スラグを)廃棄物と認定し、立証することは難しい」とした。また、男性役員らの違法性の認識についても「裁判で、スラグを廃棄物として故意に扱ったと立証できるまでの証拠が不十分」だったとしている。
 この問題をめぐっては、県が2015年9月に3社などを刑事告発。県警は今年4月、大同特殊鋼は、大同エコメット(愛知県東海市)が産業廃棄物の中間処理業の許可を得ていないことを知りながら、スラグ約2万8300トンの処理を依頼し、エコメットが処理、佐藤建設工業(渋川市)は無許可でその一部を委託収集したとして廃棄物処理法違反の疑いで書類送検した。
 不起訴処分の発表を受け、大沢正明知事は「県警は『被疑事実あり』として送検しており不起訴処分は意外。引き続き、スラグの使用箇所や環境への影響の調査を進めたい」とのコメントを出した。県は今後、検察審査会への申し出を含め、検討するという。
 大同特殊鋼総務部広報室は「皆様のご心配、ご懸念に対して、引き続き誠実に対応したい」とコメントしている。

**********2016年12月22日毎日新聞群馬
大同特殊鋼など5人不起訴処分 前橋地検
 大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から出た鉄鋼スラグに環境基準を超える有害物質が含まれていた問題で、前橋地検は22日、廃棄物処理法違反容疑で書類送検されていた大同特殊鋼など法人3社と、各社の役員ら計5人を不起訴処分(容疑不十分)にした。地検は「スラグは廃棄物だと立証するには疑義が残った」と説明した。
 スラグは鉄を精製する際に発生する副産物で、有害物質が含まれていなければ再生利用できる。群馬県は関係先を調査した結果、大同がスラグに環境基準を超えるフッ素が含まれていることを把握していたことや取引形態から、再生資材を装った廃棄物処理だったと判断。処理に必要な許可を受けていない会社に処理を委託したなどとして昨年9月に3社を刑事告発し、県警が今年4月に書類送検した。一方、大同は「再生資材だ」と主張していた。
【尾崎修二、山本有紀】
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■今回も報道のポイントを整理してみましょう。

●ポイント@廃棄物処理法違反容疑の中身が不法投棄容疑でなく委託違反容疑などであったこと。

●ポイントA「鉄鋼スラグを廃棄物と認定することや、故意だったとすることが証拠上、困難だ」としていること。

●ポイントB群馬県知事は「県警は『被疑事実あり』として送検しており不起訴処分は意外」としていること。

 ではそれぞれのポイントごとに検証してみます。

●ポイント@
廃棄物処理法違反容疑の中身が不法投棄容疑でなく委託違反容疑などであったこと。

 大同特殊鋼由来のスラグの場合、スラグそのものを分析調査すれば必ずフッ素が基準値を超えて検出されます。有害スラグと土や石と混合しても、常温では混ざり合うことはないため、有害スラグそのものの毒性が問題となってきます。有害スラグは監督官庁の群馬県が「廃棄物」と認定していますので、有毒スラグは遮断型最終処分場に埋設処分することが、廃棄物処理法が定めたルールになります。ルールをみだりに破り道路や公園の駐車場・ソーラー発電所に埋設処分された有害スラグは不法投棄にあたります(廃棄物処理法第16条)。

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前橋市田口町の上武道路の側道に投棄された有害スラグ。赤くサビが浮き見るからに有毒そうだ。石と混合して投棄してあるが、写真でもわかる通り常温では混ざり合う事は無くスラグは有害スラグのまま存在している。国土交通省は日輪寺改良工事では、土と混ざった状態で粉にして水につけ分析調査をして基準値を下回ったとして工事を再開しているが、我々の目をごまかすことはできない。

 毎日新聞の報道では「前橋地検は22日、廃棄物処理法違反(委託基準違反など)の疑いで書類送検された同社を含む計3社と大同特殊鋼の男性役員ら5人を不起訴処分(嫌疑不十分)にし、発表した。」となっていますが、最初の刑事告発段階で委託基準違反などとしたことから、ボタンを掛け違えた、とも考えられます。

●ポイントA
「鉄鋼スラグを廃棄物と認定することや、故意だったとすることが証拠上、困難だ」としていること。

 検察が「鉄鋼スラグを廃棄物と認定することが証拠上困難」とすることによって有害スラグの毒が消えてなくなるのでしょうか?不起訴になっても有害スラグにはフッ素毒や六価クロムの毒が存在し続けます。群馬県に広くばら撒かれてしまった有害スラグはそのほとんどが放置されたままです。当会は“きれいな群馬ちゃん”を取り戻すため微力ながら活動を続けてまいります。

●ポイントB
群馬県知事は「県警は『被疑事実あり』として送検しており不起訴処分は意外」としていること。

 朝日新聞の報道記事によれば、

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不起訴処分の発表を受け、大沢正明知事は「県警は『被疑事実あり』として送検しており不起訴処分は意外。引き続き、スラグの使用箇所や環境への影響の調査を進めたい」とのコメントを出した。県は今後、検察審査会への申し出を含め、検討するという。
*******

と、群馬県の考えを報道しています。群馬県内の廃棄物行政の監督官庁は群馬県です。法に基づき権限を与えられた群馬県が大同特殊鋼由来のスラグを廃棄物と認定しています。その群馬県の認定を「(スラグを)廃棄物と認定し、立証することは難しい」と言われては、群馬県知事として「意外」であることでしょう。

 「県は今後、検察審査会への申し出を含め、検討するという。」と報道されていますが当然の対応だと評価できます。是非二枚舌を使わず、検討だけにとどまらず検察審査会への申し出をされますことを切に希望します。

■冬になるとTDKという会社が、「加湿器を探しています」という広告を出しているのを目にします。もう何年広告を出しているのでしょうか?

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 TDKのホームページはこちらです↓↓
http://www.tdk.co.jp/index.htm

 このような対応が優良企業の誠実な対応というものではないでしょうか?

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群馬県渋川市橘北小学校にばら撒かれた生一本有害スラグ。せめて学校のスラグぐらい自主回収する考えは無かったのか!どこが誠実な対応なんだ!不起訴になることで群馬県中にばら撒かれた有害スラグはどうなるのか?

■不起訴処分についてNHKの報道では、

『大同特殊鋼の広報室は、取材に対して、「弁護人を通じて全員の不起訴の連絡を受けた。皆様のご心配やご懸念に対して引き続き誠実に対応したい」』

と大同特殊鋼のコメントを紹介しています。

 しかし、これまでも大同特殊鋼は、明らかに問題のある有害スラグを自主回収する動きを見せたことはありません。当会ではせめて日本の将来を担う子供たちが集う小学校にばら撒かれたスラグを撤去するよう願っていましたが、有害スラグを撤去すること無くアスファルトで蓋をしてしまいました。

 これが誠実な対応と言えるのでしょうか?不起訴になったことにより、引き続き“口先だけの誠実な対応”を繰り広げることでしょう。

■これだけ社会的に重大な影響を与えている大きな環境問題事件が不起訴処分とされた背景には、国や県、市町村が絡んでいることが挙げられます。なにしろ群馬県が通達で有毒スラグを再生砕石と同等品と見なして公共工事に使用してもよい、などとお墨付きを与えたことから、我々の血税を使って有毒サンパイの野放図な不法投棄が行われ、県土一帯が産廃処分場化されてしまったためです。

 こうした官業癒着の事件では、かならず政治力が働き、とんでもない司直の判断が下されてしまうのです。安中市土地開発公社51億円事件でも元職員の単独犯行とされていますが、実際には市役所や市議会、県や国、金融機関などを巻き込んだ一大スキャンダル事件でした。当会は収集した事件のさまざまな情報を全て警察に提供しましたが、警察や検察はそうした情報をむしろ市民がどの程度まで真相に迫っているかを判断する材料としか、見ていなかったのです。

 地方自治体を巻き込んだ事件では、当然のことながら当該自治体が自ら事件のケジメを法に基づいて決着させようという気概に欠けてしまいます。今回も、不起訴処分の理由として、そうした構図が見えてきてしまいます。

 前述のように一部報道によれば、告発した群馬県が、不起訴処分を不服として検察審査会に審査申立をするのではないか、ということも示唆されています。本当に群馬県が法律順守の法治行政を身に染みて認識しているのであれば、当然、検察審査会に審査申立をすべきでしょう。しかし、当会が群馬県に対してどのような内容の告発状を提出したのか情報開示を要請しても、群馬県はかたくなに固辞し続けてきました。まずは、告発の内容について、県民に公表してもらいたいものです。

■当会は、大同有毒スラグの公共事業における取り扱いを巡り、現在、群馬県を相手取って住民訴訟を行っています。今回の前橋地検の不起訴処分がどのような影響を、この住民訴訟に与えるのかどうか、これも来月1月20日(金)の午前11時に前橋地裁で開かれる第8回口頭弁論期日における裁判長の指揮が注目されます。

 基本的な疑問として、前橋地検が有毒スラグを排出した大同特殊鋼とその子会社の大同エコメット、そして有毒スラグを県土にまき散らした佐藤建設工業をいずれも嫌疑不十分で不起訴処分にすれば、これまで違法に投棄されてきたおびただしい有毒スラグの毒性が消えるのか?ということが挙げられます。

 おそらく前橋地検の検察官は、そうしたところまでは考慮していないのではないでしょうか?つまり、不起訴処分の判断は、環境基本法などとは全く別の次元の、いわゆる「超法規的措置」というヤツなのではないのでしょうか。

 いずれにしても、これまでスラグ=鉱滓=産業廃棄物として見なしてきた当会では、”きれいな群馬ちゃん”を守る立場から、このサンパイ違法投棄事件が起訴されようが不起訴になろうが、毒が消えて、安心・安全な生活・営農・自然環境が確保できればよいのです。盛り土や天然石と有毒スラグを混ぜても、有害スラグのフッ素や六価クロムは消えていません。有毒物質が、道路や駐車場、ソーラー発電施設などから消えてなくなるまで、当会は粘り強く、この問題に取り組み続けてまいります

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考資料:大同特殊鋼はスラグにフッ素毒が基準値を超えて含まれていることを承知しています。
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循環型社会の裏側(杉本修作著)一部抜粋
※循環型社会の裏側(1)PDF ⇒ zp.pdf
※循環型社会の裏側(2)PDF ⇒ zq.pdf
薄めてもゴミはゴミ
 2013年11月8日、大同渋川工場の会議室で、責任者である環境室長ら四人とはじめて相対した。冒頭、環境室長から飛び出した発言に驚かされた。
 「環境基準を超えるフッ素が含まれているのはやむを得ないんですよ。だから天然砕石と混ぜてフッ素の低減化をしている」
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