2009/4/18  9:41

安全無視の突貫工事で国道に落とし穴を作った?ガスパッチョ東京ガス  東京ガス高圧パイプライン問題

■安中市民にとって、高崎方面に通勤、通学あるいはショッピングに利用する大切な生活道路であり、首都圏の交通や産業にとっても重要な動脈である国道18号線。私たちの国有財産であるその国道を、沿線住民に説明もなく勝手に掘削していた東京ガスがあろうことか、大型トラックや乗用車がひっきりなしに走る道路の下に、大きな落とし穴までこさえていたとなると、大変なことです。

 当会会員の皆さんも、陥没現場の走行車線を毎日、車で通行しておりますが、あやうく北海道のゴルフ場で4月2日(木)に起きた陥没事故で、家族の目前で女性が転落死した事故の二の舞になるところでした。

 4月16日に発生した今回の国道陥没事故では、未明だったこともあり交通量も少なく、幸いけが人も出ず、物損事故だけで済みましたが、事故にあった人は度肝を抜かれ、肝を潰したことと思います。

■東京ガスが作ったかもしれない落とし穴に軽自動車が車輪を取られた場所は、安中と高崎を結ぶ国道18号の群馬県高崎市藤塚町47番地先の上り2車線の歩道側の走行車線です。道路情報によれば、4月6日の午後9時から4月24日午前6時まで、東京ガスが高圧ガス導管敷設工事を行っていました。しかし、どうして、落とし穴ができたのでしょうか。4月17日の朝刊各紙の記事の内容をみてみましょう。


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深さ2m陥没 高崎の国道18号
 16日午前4時50分ごろ(4時半頃という情報もある)、高崎市藤塚町47番地先の国道18号で「道路の一部が陥没している」と110番通報があり、高崎署員が現場に駆け付けたところ、幅約0.7m、長さ約1.9mにわたり、深さ約2m(深さ1mという報道もある)の穴が片側2車線の走行車線の中で見つかり、穴の上を通った軽乗用車の左側の前後輪がパンクして、付近に駐車していた(陥没部分にはまり脱輪していた、という情報や、車体の左側が壊れた、という情報もある)。車を運転していた高崎市の女性(28)にけがはなかった。この事故の影響で、国道18号線は片側2車線のうち1車線が、午前5時ごろから約8時間(8時間半という情報もある)通行止めとなった。現場はJR群馬八幡駅の南約500m。
 高崎河川国道事務所や東京ガス群馬支社などによると、陥没した部分は地下の土が何らかの原因で抜けていたという。陥没した場所のほぼ真下では、東京ガスが民間会社に輸送用ガス管を埋設するためにトンネルの掘削工事を発注。昨年9月(11月からという情報もある)から、国道18号に沿って安中市板鼻から高崎市藤塚町にかけて長さ約1.4キロ、直径2mのトンネルを「シールド工法」と呼ばれる方法で掘り進めていた。今月13日に陥没場所の地下7mを掘削機が通過しており、国土交通省高崎河川国道事務所が陥没とガス導管掘削工事との関連を調べている。
 一方、東京ガス広報部によると、一帯では08年11月から、地下約7mにガスの鋼管を入れるトンネル(直径2m、長さ約1.4km)を埋設する掘削工事を24時間体制で行っていた。現場直下は既に工事を終えており、この日は現場から約20m先の地点で5人の作業員が地中で作業をしていた。東京ガスと同事務所は毎日、道路パトロールを実施し、道路の陥没や隆起などがないかチェックしていたが、異常はなかったという。東京ガスのこれまでのトンネル掘削工事では道路が陥没した例はないという。
 陥没場所の近くでは、電線や電話線の地中化のため、電線共同溝を地中約1mに設ける工事が2007年8月から昨年2月にかけて行われた。同事務所は「道路陥没と二つの工事の因果関係を調べたい」としている。
 現場では、16日の午後4時45分ごろ、最初に大型トラックの運転手が陥没を発見。穴の手前でUターンしていたところを、軽乗用車が追い抜き、穴の上を走り過ぎたためパンクしたとみられる。現地では午前6時ごろから砕石や土で穴埋めし、アスファルトを流し込む仮復旧作業が始まり、午後1時10分ごろに完了(通行規制が解除という記事もある)した。
 付近に住む住民らによると、現場の国道は交通量が多く、夜間も大型トラックなどの通行が頻繁にあるといい、実際に「昨夜、車で通った時はなんともなかったのに、驚いた」「前日の夕方までは何の異常もなかった。家の目の前でこんな事故が起きるとは」と驚くとともに「トラックの通行も多いので、大きな事故にならなくて幸いだった」とホッとした表情で話していた。
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■この報道内容から推測するに、東京ガスと談合して、安中市磯部から高崎市下小塙町までの高圧パイプライン建設工事を受注した住金パイプエンジニアリングが、交通量の多い国道の下に高圧ガス導管を通すため、推進工法でトンネルを掘り、直径2mの大きなヒューム管を埋設して、その円形断面のトンネルの中に、直径50cmの高圧ガス導管を配置しようとして、トンネル掘削専門会社に、トンネル工事を丸投げで外注に出していた工事に手抜きがあり、今回の事故を起こした可能性があります。

 請け負った会社は、シールド掘削機と呼ばれるトンネル機械で、国道18号の道路下を掘り進み、20m先の縦坑まで進みましたが、その際、掘削部の崩落を防ぐために、ベントナイト溶液をポンプで掘削機の切刃先に循環させて、掘削した土砂を地表に運び出し、土砂をタンクで分離した後、再度ポンプで掘削機の前面に循環供給していたはずです。ところが、この際に、土質に適した圧力設定をせずに、やわらかい周辺の土までも一緒に削り取ってしまい、道路下に空洞ができた可能性が考えられます。ということは、事前の土質調査を怠った可能性も考えられます。

 また、このような推進工法では、掘削時に、推進方向の上部に空洞ができないように、常に高周波の電磁波による地中レーダー探査で確認しながら行いますが、今回、そのような確認は行われなかった可能性があります。

 補修工事の写真や新聞記事を見ると、深さ約2m程度の穴と報じられていますが、実際には、深さ7mのトンネルまで影響が及んでいるはずです。従って、今回の仮復旧工事だけでは不十分であり、さらに深部の空洞状況と、地質の密度等を精密に調査して、最善の対策をとる必要があることは明らかです。

■それにしても、東京ガスは原因がガス工事にある可能性が高いことを認識しているようですが、まだ謝罪の言葉を発していません。人身事故にならなかったので、謝罪する必要がないと判断したのかもしれません。あるいは、たとえ人身事故が発生しても、さっさと示談で済まし、目前の問題が片付けば、あとは下請け先の問題だとして、突っぱねることもやりかねません。実際に、同社はこの重大事故について、いまのところホームページ上のCSRコーナーでも取り上げていません。

 東京ガスの広報部では「これまでのトンネル掘削工事では道路が陥没した例はない」とマスコミの取材に答えていますが、信用できません。安中市岩野谷地区や高崎市鼻高地区では、県道や市道を交通規制してガス管埋設のため掘削してきましたが、事前に土質条件をロクに調査せずに着工したため、岩石がゴロゴロ出てきて、工期が大幅に遅れ、地元住民はおろか、道路を利用する不特定多数の通行者に対して、深刻な迷惑を与えてきました。

 高圧ガス導管埋設後の、ズサンな埋め戻しや、凹凸の激しい仮舗装工事のため、そこを通行するたびに、二輪車のハンドルを取られて不安を覚えた住民が、行政に直訴してはじめて、東京ガスはしぶしぶ道路補修に応じるといった具合で、親方日の丸の官営企業体質の名残をいまだに引きずっているようです。

■おりしも、4月16日に東京ガスは、2008年度のガス販売量実績を発表しました。それによると、同社の2008年度のガス販売量実績は、景気低迷による工業用の落ち込みが響き、前年比3.3%減の135億8861万立方メートルに留まり、ガス販売量が前年実績を割り込むのは、1977年度以来、実に31年ぶりで、減少幅は75年度以降、最大となったということです。

 このうち、工業用ガス販売量は、前年度比5.6%減の52億7964万立方メートルに留まり、昨年7月までは、前年同月を大きく上回るペースで推移していましたが、昨夏以降、世界的な景気悪化で工場の減産の動きが強まり、8月に18カ月ぶりに販売量が前年同月を下回ってからは、景気の底が見えないまま、11月には、減少幅は12.2%で過去最大を更新、今年3月には減少幅が31.3%まで広がり、歯止めがかからない状況が続いています。家庭用も、暖冬の影響で暖房や給湯需要が減り、1.7%減の33億6804万立方メートルになりました。

 東京ガスは、2009年度のガス販売量を、2008年度比4.8%減の129億4100万立方メートルと予想しています。家庭用販売量が33億8800万立方メートルで0.6%増える一方、工業用は10.5%減の47億2700万立方メートルになると見込んでいます。2010年度以降は、景気の回復でガス販売量も徐々に持ち直すと見ているようですが、景気の先行きには不透明感が漂います。ガス販売量全体の4割全体を占める工業用の減少が続けば、業績に大きな影響を与えるのは避けられませんが、東京ガスは、きちんと事故の原因を究明し、責任の所在を明らかにして、再発防止対策を公表しないかぎり、信頼回復はおぼつかないと思われます。

 当会では、引き続き、工事中の高圧ガスのパイプライン工事について、住民説明会と公害防止協定、そして情報公開を東京ガスに求めていく所存です。また、今回の事故に関する公開質問状も近々、東京ガスに提出する予定です。

【ひらく会情報部・東京ガス高圧導管敷設問題調査班】
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