2017/4/7  12:30

大同スラグ裁判・・・新年度の異動とともに送られてきた恒例の指定代理人交替による通知書と指定書  スラグ不法投棄問題

■4月は異動の季節です。特に役所の異動は4月に集中しがちですので、行政訴訟をしていると、ちょくちょく行政側の訴訟代理人弁護士事務所名の書かれた封筒の郵便物が送り付けられてきます。4月4日にも次の1通が普通郵便で送られてきました。

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4月3日付の文書が同封されていたのに、なぜか前橋中央郵便局29の消印は「4月1日12-18」となっている。被告群馬県は、前日の3月31日金曜日にフライングで書面を作り郵便局に持ち込んだらしい。エイプリルフールじゃあるまいし。


 封を開けると次の3つの書類が入っていました。

*****送付書兼受領書*****PDF ⇒ 20170403wlm.pdf
前橋地方裁判所民事第2部合議係
ご担当 清宮書記官 殿
原 告 小川 賢 殿
原 告 鈴木 庸 殿
                      平成29年4月3日
                    前橋市大手町3丁目4番16号
                    被告訴訟代理人
                    石原・関・猿谷法律事務所
                    弁護士 関   夕 三 郎
                    電話027−235−2040
           送  付  書
事件の表示  :  前橋地方裁判所
          平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
当 事 者  :  原 告  小 川  賢 外1名
          被 告  群 馬 県
次 回 期 日  :  平成29年4月14日(金)午前10時00分

下記書類を送付致します。
  1 訴訟代理権消滅通知書(写し)      1通(1枚)
  2 指定代理人指定書(写し)        1通(1枚)
                      本書含み 3枚
                              以 上

--------------------切らずにこのままでお送り下さい--------------------
           受  領  書
上記書類、本日受領致しました。
                    平成29年 月 日
        被 告

前橋地方裁判所(清宮書記官)御中 :FAX 027-233-0901
石原・関・猿谷法律事務所  行  :FAX 027-230-9622

*****訴訟代理権消滅通知書*****PDF ⇒ 20170403wlm.pdf
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             訴訟代理権消滅通知書
 前橋地方裁判所民事第2部合議係 御中

 御庁平成27年(行ウ)第7号住民訴訟事件に関し、次の者について被告群馬県の訴訟代理権を消滅させたことを通知します。

      群馬県職員 福島 計之
      群馬県職員 松井 秀夫
      群馬県職員 阿野 光志

 平成29年4月3日
                前橋市大手町1丁目1番1号
                 群馬県知事 大 澤 正 明

*****指定代理人指定書*****PDF ⇒ 20170403wlm.pdf
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             指定代理人指定書
     群馬県職員  宮澤 貞夫  (農政部農村整備課)
     群馬県職員  澤下 勲   (農政部農村整備課)
     群馬県職員  稲木 一秀  (農政部農村整備課)

 地方自治法第153条第1項の規定により、上記の者を群馬県のため下記事件において裁判上の行為を行う職員に指定する。
                記
 前橋地方裁判所 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
  原 告 小川 賢 他1名
  被 告 群馬県知事 大澤 正明

  平成29年4月3日

                 群 馬 県
                  代表者 群馬県知事 大 澤 正 明
**********

■大同スラグ裁判では、公務時間中にもかかわらず大勢の県職員が、訴訟代理人の弁護士に連れられて、裁判所にゾロゾロと足を運んでいます。彼らは、もちろん我々の税金を原資とした俸給をたんまりともらっていますから、日ごろのデスクワークとは異なる裁判所という非日常空間に足を運ぶ際でも、時間当たりにして民間では想像もつかないほどの高額な給料や手当を受け取っています。

 一方、我々住民側は、仕事をやりくりして、すべて自腹で裁判所に駆けつけ、弁論を行っています。当初のスタンスからして、かくも異なる立場にあることを認識されられます。「お上」に盾突くからだ、と言う人もいるかもしれません。しかしオンブズマンとしては、住民訴訟を通じて公務員に行政訴訟の実態を経験させることで、お役人への一種の“指南役”をすることも、その活動の重要な役目だと思っています。

■さて、4月1日の異動により、それまで農政部農村整備課に所属していた3名の職員の氏名と、彼らにかわって、新たに異動で農政部農村整備課に配属となった3名の職員の氏名が、それぞれ「訴訟代理権消滅通知書」と「指定代理人指定書」に記されています。

 指定代理人指定書にある地方自治法第153条第1項の規定というのは、次の内容です。

**********
第百五十三条  普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部をその補助機関である職員に委任し、又はこれに臨時に代理させることができる。
**********

 当会では、わざわざ地方自治法153条でこのように特定されていても、あるいはされていなくても、お役人様と話すときはいつもその地方公共団体の長と話すつもりで対応しています。ですから、本来であれば、もともと地方公共団体の長が、訴訟代理人として顧問弁護士を指名しているわけですので、わざわざ指定代理人として実務レベルの職員らを指名して、公務時間中裁判所で“遊ばせる”ことはおよそ不要なはずです。

 にもかかわらず、このような無駄なシステムがまかり通るのでしょうか。このことについて、考えてみました。

■自治体が当事者となる裁判においては「指定代理人」という用語をよく聞きます。

 この「指定代理人」については、いつも「訴訟代理人」と紛らわしいな、と思っています。ネットで調べると、指定代理人とは「自治体の訴訟事務について、その代表者の首庁から、地方自治法に基づき、訴訟事務遂行の権限委任を受けた補助機関である職員」と位置付ける場合があるようです。

 一方で、「国を当事者又は参加人とする訴訟については、法務大臣が、国を代表する」(国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律第1条)ものとされ、その「所部の職員」または「行政庁の職員で法務大臣の指定するものにその訴訟を行わせることができる」(同法第2条第1項及び第2項)とされています。

 また、「地方公共団体、独立行政法人その他政令で定める公法人は、その事務に関する訴訟について、法務大臣にその所部の職員でその指定するものに当該訴訟を行わせることを求めることができ」(同法第7条第1項)、「法務大臣は、国の利害を考慮して必要があると認めるときは、所部の職員でその指定するものにその訴訟を行わせることができる」(同条第3項)とされています。

 どうもよくわかりませんが、顧問弁護士に訴訟代理人をしてもらっているのだから、公務員の職員をわざわざ指定代理人として任命する必要はないというのが当会の考えです。

 したがって、裁判の口頭弁論期日のたびに、ゾロゾロと徒党を組んで裁判所にやってくる指定代理人の一行を見るたびに、税金の無駄遣いだなあ、と感じるのです。

■あるいは、指定代理人である行政職員は、当然行政の事務事業についてのプロであり、法的な知識や経験も十分に持ち合わせているはずですから、なにも高いカネを支払ってまで弁護士を起用する必要はないはずです。

 指定代理人は弁護士ではありませんが、訴訟の代理権を持っているので、与された権限の範囲内で指定代理人が為した行為や発言は、当然ながら自治体の行為・発言をみなされます。

 よって、各準備書面を提出・送付することも、各準備書面を受領し受領書を返送することも、上申書を提出することも、期日請書を提出することも、指定代理人の判断で行うことは可能であり、問題はないはずです。

 もちろん、それにより発生する責任も、指定代理人が被ることになるので、その行為や発言には細心の注意を払う必要があるのでしょう。

 せっかく当会が弁護士を起用せずに本人訴訟を提起しているのに、行政側が弁護士の傘の下に指定代理人として職員を任命するのは、職員の教育訓練の観点からも、費用の面からも無駄なことだと思います。

言い換えれば、自治体の長が、訴訟代理人として顧問弁護士を起用したうえで、さらに関係職員から構成する指定代理人を選出するのは、屋上屋を重ねる行為だと見做せます。

 指定代理人に選ばれた職員は、首長や幹部職員らに報告・連絡・相談をする役割を担うべきであり、特に控訴・上告や和解など重要な局面においては、議会対応を含めて、重要な役割に携わることになるでしょう。絶好のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)ということができます。

■当会は現在、群馬高専=国立高等専門学校機構との間で係争中ですが、被告からの答弁書を見てお分かりのとおり、被告欄には訴訟代理人の弁護士の住所と氏名しか書かれていません。

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 ところが、群馬県の場合は、訴訟代理人弁護士に加えて指定代理人として通常6名程度の職員の名前が列挙して書かれています。

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 これだけ大勢のそうそうたる「行政のプロ」が被告として名を連ねているのですから、弁護士の存在など不要のはずです。にもかかわらず、弁護士を盾にしてその傘の下に指定代理人の立場で、ゾロゾロと裁判所の被告席を温めているのが現実です。

 先日、おそらく休み明けだったのでしょうか。急ぎで裁判資料を提出する際に、6名の指定代理人の氏名の脇に、担当する弁護士印が全員分押印されていました。おそらく指定代理人の数が多すぎて、休み明けに全員の押印をもらうのは手間がかかりすぎると判断して、こうした便宜的な措置を取ったと思われます。

 ことほど左様に、群馬県の住民訴訟への対応方針は、中途半端であり、群馬高専のように弁護士に訴訟代理人として一任するか、あるいは職員の法律学の実践教育と訓練を兼ねて、複数名(2名もいれば十分)を指定代理人として任命し訴訟業務を推敲させるか、どちらかを選択して効率容易行政を目指すべきでしょう。

■なお、この件については当会として、時間に余裕ができたら住民監査請求をすることも考えています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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