2017/4/9  22:39

大同有毒スラグ問題を斬る!・・上武道路建設工事に使用された建設資材の書類を入手(その1)!  スラグ不法投棄問題

■国道17号の大規模バイパス「上武道路」が平成29年3月19日、全線開通し、前橋市で開通式典が行われました。この「上武道路」は、群馬県渋川市にある大同特殊鋼(株)・渋川工場の有害スラグを、(株)佐藤建設工業がレキ質土や下層路盤材という仕様の建設資材に大量に使用したことから、「有害スラグ街道」の異名をほしいままにしています。この経緯において、国土交通省は有害スラグが使用されているのを知りながら、施工業者に撤去させることができたにもかかわらず、そうすることを怠り、有害スラグの殆どをそのままに残置させて工事を完成させてしまった・・・と当会は考えています。
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特別管理産業廃棄物である大同特殊鋼由来のスラグが大量に投棄されている上武道路田口町工区で開催された3月19日の開通式典の様子。


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開通式典が行われた上武道路の周りは、有害スラグがザックザク。

■この“有害スラグ街道”について、一部を除いてアスファルト舗装や高価な銀色のシートで蓋をされてスラグを見ることができなくなってしまいましたが、この程どのような建設資材を使用して上武道路が建造されたのか、その実情を確認できる書類を入手しました。さっそく読者の皆様と共に見ていきましょう。最初は「工事打合せ簿」です。

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■工事打合せ簿■ PDF ⇒ rc40.pdf
 「工事打合せ簿」と書かれた表題のこの文書について、以下、ポイントを列挙してみましょう。
・発議年月日 平成25年10月10日
・工事名 上武道路関根改良他函渠工事
(注:「函渠」という難しい感じのこの専門用語は「かんきょ」と入力したら変換できました。箱形の水路(ボックスカルバート等による水路)を意味するそうです)
・内容 使用材料(山砕100〜0・RC40〜0)について
    表記について、土木工事共通仕様書第2編第1章第2節4に基づき、本工事で使用する材料(山砕100〜0・RC40〜0)について試験結果報告書を提出します。

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■試験結果報告書■ PDF ⇒ rc402.pdf
 再生砕石(RC40−0)の「試験結果報告書」という標題が記入されています。
 工事施工会社は、「沼田土建株式会社」という業者です。
 そして、試験成績表を発行しているのは、「株式会社○○建設工業」となっています。何やら知られてもらっては困る情報なのでしょうか。○○部分を黒塗りにして情報公開されています。余程、試験結果報告書の発行主を知られては困ると考えたのでしょう。国土交通省のお役人様の情報秘匿体質にも困ったものです。

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■試験結果通知書■ PDF ⇒ rc403.pdf
 試験結果報告書の中身を少しだけ見ていきましょう。
 まず、「株式会社○○建設工業」と黒塗りにして知られたくなかった報告書の発行主情報ですが、なんと「株式会社佐藤建設工業 様」と、この試験結果通知書に、宛先として表記されています。したがって、株式会社佐藤建設工業が依頼した試験結果報告書であることが分かります。
・試験依頼日 平成25年5月21日
・備考 産地:(株)佐藤建設工業 山砕石+大同スラグ(20%)

 最後に「本書は原本と相違ないことを証明します。」と書かれています。

■このように「原本と相違ない」偽りのない試験結果報告書のようです。

 ポイントを整理するまでもなく目につくのは、次の箇所です。再生砕石40〜0(RC40)の試験結果報告書であるはずが、あろうことか、
・試験依頼日 平成25年5月21日
・備考 産地:(株)佐藤建設工業 山砕石+大同スラグ(20%)

となっていることです。

■ここで確認しておきたいことがあります。「再生砕石」とは何でしょう?

 廃棄物をリサイクルしたもの、ということは、皆さんお分かりかと存じます。

 法律を見ていきましょう。廃棄物は廃棄物処理法施行令第7条の処理施設に持ち込まれます。そこでリサイクルに該当するものとして規定されているのは同八の二号「がれき類の破砕施設」のみです。

 後の処理施設は汚泥の脱水施設や最終処分場であり、リサイクルに当たるのは、がれき類の破砕施設であると考えられます。「がれき類」とはコンクリートやアスファルト等のことです。

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国土交通省が定めた「建設副産物適正処理推進要綱」にも建設工事に係る資材の再資源化等に関する法 律施行令(平成 12 年政令第 495 号。以下「建設リサイクル法施行令」という。)を準用する形でこのことが記載されています。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S46/S46SE300.html
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/recycle/pdf/recyclehou/recycle_kihon/youkou.pdf
************
で規定されています。

■さて再生砕石がコンクリート等を破砕したものであることが分かったところで、(株)佐藤建設工業の再生砕石40−0とはどんなものでしょう。もう一度見てみると・・・・
・試験依頼日 平成25年5月21日
・備考 産地:(株)佐藤建設工業 山砕石+大同スラグ(20%)

何と!山砕石に大同スラグを20%も混合したものであるとのことです。

●大同スラグとは?
 この大同スラグ(20%)は、県内の廃棄物の監督官庁である群馬県が「鉱さい」という分類の廃棄物と認定しています。

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これは大同特殊鋼が不法投棄の手下として佐藤建設工業を使い、山砕石+大同スラグを無許可で混合していた東吾妻町のアジトに、群馬県廃棄物リサイクル課が掲示させた産業廃棄物保管場所の看板です。産業廃棄物の種類としてはっきり「鉱さい」と記されています。

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平成26年4月22日群馬県廃棄物リサイクル課が発出した「廃棄物処理に関する指示書」。指示としていることから行政指導の形を取っていますが、佐藤建設工業を含む大同不法投棄グループが認めていることから、行政処分があったことと同等であると考えられます。

 しかもこの指定は、平成27年11月正式に廃棄物として認定され、平成29年4月9日現在群馬県のホームページで確認できます。
http://www.gunma-sanpai.jp/gp26/003.htm

 また、この認定をよく読むと「鉱さい」という分類の廃棄物であることが分かります。決してコンクリートなどの「がれき類」という分類ではありません。

 さらにそれに留まらず、詳しく廃棄物認定を読むと、
「ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、」
と特別管理産業廃棄物と認定していることが分かるのです。

山砕石+大同スラグ(20%)とは?
 山砕石とは、天然石を砕いたもので再生砕石ではありません。また考察した通り、大同スラグは「鉱さい」、しかも特別管理産業廃棄物の恐れがある廃棄物であり、最終処分するしか処分の方法がありません。到底、リサイクルなどできません。また(株)佐藤建設工業は、長期固定的に、また大量に廃棄物をリサイクルできる許可を持っていませんでした。

 無許可で無知な(株)佐藤建設工業が販売した「特別管理産業廃棄物入り建設資材」というしろものを、どうして再生砕石と呼べるのでしょうか?

■工事打合せ簿に記載された「大同スラグ」という特別管理産業廃棄物が、「上武道路関根改良他函渠工事」の現場に埋め立てされていることが明らかとなりました。特別管理産業廃棄物が埋設処分できるのは、廃棄物処理法施行令第7条第14号イの遮断型最終処分場のみです。

 国土交通省様におかれましては、上武道路は遮断型最終処分場ではないので、すみやかに違法な特別管理産業廃棄物を撤去するよう強く勧告いたします。

 また、この工事を施工した建設会社ならびに国土交通省様におかれましては、使用材料について欺かれているのと判断するのであれば(当然そのように判断すべきですが)、被害届を速やかに提出し、詐欺罪などの刑事告発を真剣に検討することをお勧めいたします。

■一方で、鉄鋼スラグには、日本工業規格JIS A 5015に基づき、平成25年より環境安全性の考えが導入され環境基準を上回るスラグは使用できなくなることが明文化されました。

 これまでグレーゾーンを無理押しして渡ってきた鉄鋼メーカーも、有害スラグの使用という一線を超えることは控えるべきだという方針を堅持してきたのでしたが、大同特殊鋼の場合は異なりました。政治的に突破できると目論んだのでしょうか。ところが、盤石だと思われた目論見に想定外のことが起きてしまったのです。

 それは、当会が群馬県にいることに思いを馳せなかったことです。世間をあまり舐めてもらっては困るということでしょう。

 ここまで、上武道路が特別管理産業廃棄物の捨て場になっている証拠がそろえば、黙っていても追及の火の手が次々と上がり始めることでしょう。当会は微力ながら“きれいな群馬ちゃん”を取り戻すため活動を続けてまいります。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・このシリーズ続く】

※参考資料「日本工業規格 JIS A 5015道路用鉄鋼スラグ」↓↓
http://kikakurui.com/a5/A5015-2013-01.html
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