2017/5/20  23:19

議長公用車目的外使用訴訟で前橋地裁が出した県議会と地元代議士との協力関係重視判決  県内の税金無駄使い実態

■当会の副代表が提起した群馬県議会議長公用車の目的外使用に係る公金の無駄遣い事件については、2016年7月25日に前橋地裁に提訴したあと、数度にわたる口頭弁論を経ましたが、前橋地裁は結局証人尋問を認めないまま2017年2月16日に結審し、4月26日に判決公判が開かれました。この件に関するこれまでの経緯については、当会の次のブログを参照ください。
〇2016年5月24日:議長公用車の目的外使用に係る住民監査請求で陳述と追加証拠提出の結果判った監査制度の形骸化の実態
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2011.html#readmore
〇2016年6月22日:議長公用車の目的外使用に係る住民監査請求の監査結果が本日到来か?
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2037.html#readmore
〇2016年7月25日:オブチ「姫」後援会集会参加のために議長公用車を目的外使用してもよいのか?で大澤知事を提訴
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2090.html#readmore
○2017年2月16日:【速報】議長公用車目的外使用訴訟で証人尋問をしないまま前橋地裁が結審!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2239.html#readmore
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判決文の冒頭ページ。


 平成29年4月26日付の判決文は次のとおりです。

*****判決文*****PDF ⇒
20170426_hanketubun.pdf
<P1>
平成29年4月26日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 森山ひとみ
平成28年(行ウ)第15号 議長公用車目的外使用損害賠償請求事件
口頭弁論終結日 平成29年2月15日
             判          決
   群馬県高崎市片岡町X丁目XXXX−X−XXX
       原       告  大 河 原 宗 平
   前橋市大手町一丁目1番1号
       被       告  群馬県知事大澤正明
       同訴訟代理人弁護士  関   夕 三 郎
       同指定代理人     小  宮   利  支
       同          山 崎 香 代 子
       同          木  暮   和  巳
       同          川  田  純  子
       同          稲  垣  貞  利
             主          文
      1 原告の請求を棄却する。
      2 訴訟費用は原告の負担とする。
             事 実 及 び 理 由
第1 請求の趣旨
 被告は,大澤正明に対し,6万5148円及びこれに対する平成27年10月20日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める請求をせよ。
第2 事案の概要
 本件は,群馬県の住民である原告が,群馬県議会議長が地元選出の小渕優子衆議院議員(以下「小渕議員」という。)の後援会である政治団体の会合に出席するために議長公用車を使用したことは,議長公用車の使用基準に違背しており,違法な目的外使用に当たるから,予算執行の最終権限者である群馬県知事

<P2>
であった大澤正明(以下「大澤」という。)が上記使用に係る議長公用車のりース料,燃料代,潤滑油等消耗代及び人件費の合計6万5148円を支出したことは違法な公金の支出であり,これにより群馬県は上記金員相当額の損害を被ったにもかかわらず,群馬県の執行機関である被告は,大澤に対する不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を違法に怠っていると主張して,被告に対し,地方自治法(以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づいて,大澤を相手に上記6万5148円及びこれに対する上記使用の日である平成27年10月20日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求すべきことの義務付けを求める住民訴訟である。
1 本件に関連する法令等の定め
 群馬県議会において管理する公用車に係る議員の使用については,平成22年3月3日付け群馬県議会公用車使用基準(以下「公用車使用基準」という。)により,以下のとおり定められている(甲3)。
「1 公用車の区分
 (1) 専用車  議長及び副議長用公用車
 ((2)以下略)
  2 使用基準
 (2) 専用車
   議長及び副議長が,議会を代表して各種団体等の会議,諸行事に出席するとき。
 ((2)以下略)」
2 前提事実(証拠を掲げた部分以外は,当事者間に争いがない。)
(1) 当事者等
 ア 原告は,群馬県の住民である。
 イ 被告は,群馬県の執行機関であり,大澤は,平成27年10月20日当時から現在に至るまで群馬県知事の職にある者である(弁論の全趣旨)。

<P3>
(2) 群馬県議会議長による議長公用車の使用等
 平成27年10月20日当時の群馬県議会議長であった岩井均(以下「岩井議長」という。)は,同日午後2時過ぎ,渋川市内にある渋川ホワイトパークで開催された「小渕優子後援会幹部役員県議団合同会議」(以下「本件会合」という。)に出席するため,前橋市大手町所在の議会庁舎から群馬県議会事務局職員が運転する同事務局管理の公用車(レクサス(黒),登録番号330は8138。 以下「本件公用車」という。)に乗って出発しだ(甲2,7)。岩井議長は,同日午後3時から開催された本件会合に出席し,その後,同日午後4時45分頃,本件公用車に乗って本件会合の会場を出発した(以下,岩井議長による本件会合出席のための本件公用車の使用を「本件公用車使用」という。)。
 本件会合は,群馬県選出の衆議院議員である小渕議員の経済産業大臣在任中に発覚した政治資金規正法違反事件に関して,小渕議員の後援会である政治団体が主催した会合である(弁論の全趣旨)。
(3) 本件訴訟に至る経緯等
 ア 原告は,平成28年4月11日,群馬県監査委員に対し,本件公用車使用は,公用車使用基準に違背した目的外使用に当たり,群馬県議会事務局のしかるべき責任者が本件公用車使用に係る本件公用車のリース料,燃料代,潤滑油等消耗代及び人件費の合計6万
5148円を支出したことは違法,不当な財務上の支出であるから,知事はこれらの支出による損害を回収する措置をとる義務があると主張し,知事に対して「本件公用車の目的外使用にともなうリース代,燃料代,消耗代,運転手の人件費を議会事務局のしかるべき責任者に支払を命」ずる措置を講ずるよう勧告することを求めて,住民監査請求をした(甲1)。
 イ 群馬県監査委員は,同年6月24日,岩井議長による本件会合への出席は,公務であるというべきであり,そのための本件公用車使用も公用車

<P4>
を公務に使用したものであって,それが違法又は不当であるということはできないとして,原告の請求を棄却する旨の判断をし,その監査結果は,遅くとも同月26日頃には原告に到達した(甲8,弁論の全趣旨)。
 ウ 原告は,同年7月25日,法242条の2第1項4号の「怠る事実に係る相手方」を「群馬県議会事務局のしかるべき責任者」とした上で,本件訴訟を提起した。その後,原告は,同年8月16日付けで訴状を訂正して,上記「怠る事実に係る相手方」を群馬県議会事務局長とし,更に平成29年2月6日付けで訴状を訂正して,上記「怠る事実に係る相手方」を大澤とした(顕著な事実)。
3 争点
(1) 本件公用車使用は,公用車使用基準に違反する目的外使用に当たるか。
 (原告の主張)
   公用車使用基準によれば,議長公用車である本件公用車は,専用車に区分されており,「議長及び副議長が,議会を代表して各種団体等の会議,諸行事に出席するとき」に使用することができるとされている。
 岩井議長が,一代議士の後援会である政治団体の会合に群馬県議会を代表して出席することはあり得ず,仮に,岩井議長が本件会合に出席することがあり得るとしても,その場合には,岩井議長が所属する自由民主党群馬県支部連合会関係の県議団団長,広報委員長,筆頭政務調査会副会長,政務調査会副会長又は組織副委員長としての肩書や立場で出席するはずである。したがって,岩井議長が本件会合に出席したことは公務とは認められず,本件公用車使用は,公用車使用基準に反する目的外使用に当たることは明らかである。
 (被告の主張)
 普通地方公共団体の議会の議長の交際は,普通地方公共団体の住民の福祉の増進を図ることを基本として地域における行政を自主的かつ総合的に

<P5>
実施するという役割を果たすため相手方との友好,信頼関係の維持増進を図ることを目的とすると客観的にみることができ,かつ,社会通念上儀礼の範囲にとどまる限り,普通地方公共団体の議会の事務に含まれる。
 本件会合は,小渕議員が,経済産業大臣在任中に発覚した政治資金規正法違反事件について自ら報告する場であり,小渕議員の国会議員としての進退をも左右するものであったが,国の行う事務,施策及び事業が,地方公共団体の行い得る施策の内容や社会的及び経済的な環境の整備拡充に多大な影響を及ぼし得るものであることを考慮すれば,地方公共団体の議会の議長が地元選出の国会議員の地位を左右するような重大な問題に関する重要な会合に出席することは,地元選出の国会議員との間に緊密な関係を築き,地方公共団体の円滑な運営や維持発展を期するものであるということができる。そして,群馬県議会としては,小渕議員本人からの報告を正確に把握するとともに,同議員の進退等について確認し,県政に係る県議会と同議員との連携を一層強固にする必要性が客観的にあり,かつ,本件会合に出席することが社会通念上儀礼の範回に止まることは明らかである。
 したがって,岩井議長が本件会合に本件公用車で出席したことは何ら違法ではない。
(2) 被告が,大澤に対し,本件公用車使用に伴う本件公用車のりース料,燃料代,潤滑油等消耗代及び人件費を支出したことについて,不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を違法に怠っているか。
 (原告の主張)
 ア 上記のとおり本件公用車使用は,公用車使用基準に反する目的外使用に当たるところ,法138条の2が,普通地方公共団体の執行機関に対してその事務を誠実に管理し及び執行ずる義務を課し,法2条14項が,地方公共団体に対し,事務処理に当たって最小の経費で最大の効果を挙げるべきことを求め,地方財政法4条1項が,地方公共団体の経費はその目的を

<P6>
達成するための必要且つ最小の限度をこえてこれを支出してはならない旨を定めていることに鑑みれば,本件公用車使用に伴う以下のリース料,燃料代,潤滑油等消耗代及び人件費の各支出は違法・不当な財務上の支出である。
 (ア) リース料             4488円
   本件公用車リース料は,4年間で898万1380円であり,年換算額224万5345円であるところ,1年当たりの平均使用日数を250日,1日当たりの平均使用時間を8時間として計算すると,本件公用車の1時間当たりのリース料は1122円となるから,岩井議長が平成27年10月20日午後2時過ぎに議会庁舎を出発して,同日午後6時頃に県庁に戻るまでの4時間の本件公用車のリース料は4488円となる。
 (イ) 燃料代               600円
   本件公用車使用によりレギュラーガソリン5リットル相当の燃料を使用したとすると,燃料代は600円か相当である。
 (ウ) 潤滑油等消耗代            60円
   潤滑油等消耗代は,燃料代の10%程度と想定するのが相当である。
 (エ) 人件費            6万0000円
   本件公用車の運転手の人件費を1時間当たり1万5000円と想定すると,岩井議長が平成27年10月20日午後2時過ぎに議会庁舎を出発して,同日午後6時頃に県庁に戻るまでの4時間の人件費は6万円となる。
 イ 法149条2号によれば,予算執行の最終権限は知事にあると解されるから,当時の知事であった大澤は,本件公用車使用に伴う上記各支出について,不法行為に基づく損害賠償義務を負い,被告は上記各支出による損害を回収する措置をとる義務がある。したがって,被告が,上記各支出に

<P7>
ついて,大澤に対する不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠っていることは違法である。
(被告の主張)
 否認する。
 本件公用車は,4年間のリース契約により使用しているものであり,リース料は本件公用車の使用の有無にかかわらず固定的に要する経費である(なお,リース料には車検費用,定期点検費用等の維持管理費用を含む。)。したがって,リース料は,本件公用車使用によって発生した経費たり得ない。
 本件公用車使用により発生した経費は,燃料代354円,高速代300円及び人件費3075円(時間外勤務手当を含む。)の合計3729円である。
第3 当裁判所の判断
1 争点(1)(本件公用車使用は,公用車使用基準に違反する目的外使用に当たるか。)について
 前提事実(2)のとおり,本件公用車使用は,当時の群馬県議会議長であった岩井議長が,群馬県選出の衆議院議員である小渕議員の経済産業大臣在任中に発覚した政治資金規正法違反事件に関して,小渕議員の後複合である政治団体が主催した会合である本件会合に出席するため本件公用車を使用したというものである。
 原告は,岩井議長が本件会合に出席したことは公務とは認められず,本件公用車使用は,公用車使用基準に反する目的外使用に当たることは明らかであると主張する。
 普通地方公共団体の議会の議長は,議場の秩序を保持し,議事を整理する役割だけでなく,議会の事務を統理し,議会を代表するものとされている(法104条)。普通地方公共団体の議事機関である議会も議会としての活動ないし事務を遂行する過程においては,社会との接触及び交渉を持たざるを得ない。そうである以上,議会の事務を統理し,議会を代表する議長が,社会との接触及

<P8>
び交渉に当たって各種団体等の主催する会合に出席するなどの一定の儀礼や交際をすることも直ちに許されないとすることはできない。
 ところで,国は,地方公共団体が住民の福祉の増進を図ることを基本として,地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を十分に果たすことができるようにするため,全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動又は地方自治に関する基本的な準則に関する事務又は全国的な規模で若しくは全国的な視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施等を行うものとされており(法1条の2第2項),国の行う上記のような事務,施策及び事業が,地方公共団体の行い得る施策の内容や社会的及び経済的な環境の整備拡充に多大な影響を及ぼし得るものである。したがって,普通地方公共団体の長や執行機関が地元選出の国会議員との間に良好な関係を築き,地方行政の円滑な運営や維持発展を図ろうとすることは,当然,それら普通地方公共団体の事務のうちに含まれ得るということができる。そして,普通地方公共団体の議会は,当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行うことができる(法100条1項)のであるから,上記の普通地方公共団体の長々執行機開かどの地元選出の国会議員と良好な関係を築こうとしているのかやその関係の築き方についても調査を行うことができることとなる。また,普通地方公共団体の議会は,当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができるものとされている(法99条)。これらのことを考慮すれば,普通地方公共団体の議会は執行機関ではないとはいえ,普通地方公共団体の長や執行機関の活動についての調査に協力してもらうため,または,当該普通地方公共団体の公益に関する意見を国政に反映させるため,普通地方公共団体の議会と地元選出の国会議員との間に情報提供などについての協力的な信頼関係を構築し,その維持を図ることは,なお,議長が代表してなすべき議会の事務に含まれるというべきである。
 本件会合は,地元選出の衆議院議員である小渕議員の経済産業大臣在任中に

<P9>
発覚した政治資金規正法違反事件に関する会合であり,仮に,小渕議員が議員辞職する場合には,群馬県議会は,他の国会議員や新たに選出されるかもしれない議員の中の誰との間で信頼関係の構築等を図ればよいかなど本件会合の内容を踏まえた対応が求められる可能性があったのであるから,議会の代表者で ある議長がこのような会合に出席することは,議会と地元選出の国会議員との間の協力的な信頼関係の構築及びその維持を図る上で必要な活動であるといえる。また,前提事実A記載の岩井議長による本件会合への出席は,その経緯及び態様等に照らし,社会通念上相当性を欠くと認めるに足りる事情はない。
 したがって,岩井議長による本件会合への出席は,群馬県議会の議長がなすべき議会の事務であるというべきであり,そのための本件公用車使用も,公用車を公務に使用したものであって,違法であるということはできない。よって,原告の上記主張は採用することが付きない。
2 結論
 以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。

    前橋地方裁判所民事第1部

      裁判長裁判官     塩  田  直  也
         裁判官     佐  藤  秀  海

<P10>
 裁判官後藤英時郎は,転勤のため,署名押印することができない。

      裁判長裁判官     塩  田  直  也

<P11>
 これは正本である。

  平成29年4月26日
   前橋地方裁判所民事第1部
     裁判所書記官 森 山 ひとみ
**********

■この判決文は5月の連休直前に簡易書留で裁判所から郵送されてきましたが、当会の副代表はちょうどしばらくの期間、家を空けていたため、配達されずに郵便局に留め置かれていましたが、取りに行けなかったため、裁判所に返戻しされました。

 そのため、裁判所の書記官から2017年5月8日付で当会の副代表あてに、判決正本が再度簡易書留で郵送されましたが、これに加えて次の通知が副代表に届けられました。どうやら副代表が受取り拒否をするのではないか、と懸念したようです。実際には、当会の副代表にはそのような意思はなく、再送された判決正本は、今度は在宅していたため、円滑に受領できました。

*****通知書*****PDF ⇒ 20170508_tuuchisho_from_maebashichisai.pdf
     〒370-0XXX
     群馬県高崎市片岡町X丁目XXXX−X−XXX

      大河原宗平 様

             P0117001170001361

事件番号 平成28年(行ウ)第15号
議長公用車目的外使用損害賠償請求事件
原告 大河原宗平
被告 群馬県知事 大澤正明

         通    知    書

                      平成29年5月8日
原告 大河原宗平 様

             〒371-8531
             前橋市大手町3−1−34
             前橋地方裁判所民事第1部合議係
               裁判所書記官 森 山 ひ と み
                 電話027-231-4275
                 FAX
 頭書の事件について,下記書類を本日,あなたに宛てて書留郵便で送付しましたので通知します。
 仮に,あなたがこの書類を受領されない場合でも,民事訴訟法107条3項により,本日あなたに対して下記書類が送達されたものとみなされ,手続が進行し不利益を受けることかありますので,必ずお受け取りください。
               記
書類の名称 判決正本
**********

■今回の判決で、裁判所は「群馬県議会を代表する議長が、社会との接触および交渉に当たって各種団体等の主催する会合に出席するなどの一定の儀礼や交際をすることも直ちに許されないとすることはできない」という判断をしました。

 その根拠として、「国は、前項の規定の趣旨を達成するため、国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事務又は全国的な規模で若しくは全国的な視点に立つて行わなければならない施策及び事業の実施その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として、地方公共団体との間で適切に役割を分担するとともに、地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たつて、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない。」とする地方自治法1条の2第2項を引用したうえで、国と群馬県の事務事業の間には多大な影響が及んでおり、だから、群馬県選出の国会議員と、群馬県の知事や市町村長との間には良好な関係が必要で、地方行政の円滑な運営や維持発展を図ることは群馬県内の地方公共団体の事務のひとつだとしました。

 そして、地方自治法100条1項に定めた「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により議会の調査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。次項において同じ。)に関する調査を行うことができる。この場合において、当該調査を行うため特に必要があると認めるときは、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。」を引用しつつ、群馬県議会は、群馬県の事務について調査ができるのだから、地元選出の国会議員との良好な関係を維持するのは調査の対象であるとしました。

 したがって、小渕優子代議士の政治資金不正使用事件による同後援会への報告会に岩井議長が出席することは、「群馬県議会の代表者として、また(議長と同じ群馬五区選出の)小渕優子代議士が議員辞職するかもしれない重大な会合に出席して、不祥事件の報告について自ら司会をするなど、その場を取り仕切ることは、群馬県議会と地元選出の小渕代議士との協力的な信頼関係の構築と維持を図るうえで必要だ」という理屈で、議長公用車を使って、議会事務局職員に運転させて、小渕優子の後援会に出席したことは、違法ではないから原告の主張は採用できないというのが裁判所の結論というのです。

 これは、今回の住民訴訟に先立ち、行われた住民監査請求における群馬県監査委員の監査結果の判断理由とほぼ一致しています。
○2016年【6月27日】住民監査請求の監査結果について(監査委員事務局)
http://www.pref.gunma.jp/houdou/v0200010.html

 この論理で行くと、議長や副議長や議会関係者が、今後地元選出の代議士の後援会の会合に顔を出す場合には、どんどん公用車を使って、議会事務局の職員に運転させることができることになります。

■このように、議会公用車の使用基準が幅広く解釈できることを裁判所が認めたのですから、今後は公用車の利用率が格段に高まることでしょう。

 こうしたことは税金の無駄遣いを追及するオンブズマンとしては、認めがたいことですが、裁判所が、議会関係者が公用車を使って議会事務局職員に運転させて地元選出の代議士の後援会のイベントにどしどし出席することは税金の無駄遣いではない、とのお墨付きを与えたことから、控訴しても時間と費用の無駄と考えて、5月20日の当会の例会において、本件について控訴しないことに決しました。

 なお、群馬県議会事務局においては、今回の裁判所の判決を受けて、公用車の使用基準を改正しなければなりません。

 ちなみに、当会の副代表はブログで次の記事を掲載しています。こうした住民の常識が、裁判所によって覆されるのですから、やはり裁判所は行政側の目線でものごとを判断していると言わざるを得ません。
○2016年05月10日:群馬県議会議長(岩井均氏)の 公用車使用は適切か??
http://ookawara.doorblog.jp/archives/47531088.html

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
1



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