2017/8/16  23:20

旅行業界の寡占に関心の薄い公正取引委員会から通知書が到来・・・その内容は?  はらぼじ観光被疑事件


■旅行業界に造詣の深い当会会員から、今年2017年3月27日に経営破綻した格安旅行会社「てるみくらぶ」(東京)による3万6000件超え、総額約100億円にも上る旅行代金踏み倒し事件を教訓に、我が国の旅行業界に巣食う利権団体である全国旅行業法協会と日本旅行業協会による業界操作の悪弊の実態を消費者庁と公正取引委員会に通報していたところ、この度、8月8日付で公正取引委員会から書面で通知書が送られてきました。本件については次のブログを参照ください。
○2017年4月6日:長年顧客に喜ばれた「はらぼじ観光」が証明した「てるみくらぶ」破産で何万人を大損させた旅行業法の無意味
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2284.html#readmore
○2017年5月18日:被害者ゼロのはらぼじ観光を訴え百億円詐欺のてるみくらぶを訴えない旅行業協会の実態を公取委に直訴
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2312.html#readmore
クリックすると元のサイズで表示します
公取委から簡易書留で送られてきた通知書の入った封筒。


*****公取委からの通知書*****PDF ⇒ 20170808.pdf
クリックすると元のサイズで表示します
                         公審通第217号
                         平成29年8月8日
市民オンブズマン群馬
 代表 小川 賢 殿
                         公正取引委員会
          通  知  書
 平成29年4月6日及び同年5月16日に書面にて報告いただいた件について下記のとおり処理したので,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)第45条第3項の規定に基づき通知します。
               記
 報告いただいた情報は,独占禁止法上の問題には該当しないため,措置は採りませんでした。
**********

■このように、誠に遺憾ですが「不作為」を露呈した通知書の内容となっております。

 市民オンブズマン群馬では、当会会員からの提案に基づき、独占禁止法第45条第1項に定めのある「何人も、この法律の規定に違反する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。」とする条項に基づき、本年4月5日付と5月15日付で次の2通の書面を公取委に郵送で提出しました。

*****公取委への申入書*****PDF ⇒ 2017005.pdf
                           2017年4月5日
〒100-8987 東京都千代田区霞が関1-1-1
公正取引委員会 御中
               〒371-0801 群馬県前橋市文京町一丁目15-10
               市民オンブズマン群馬
               代  表 小川 賢
               事務局長 鈴木 庸
               連絡先:電話 090-5302-8312(小川携帯)
                   電話 027-224-8567(事務局)
                   FAX 027-224-6624(事務局)
件名:全国旅行業協会が賛助会員として積極的に営業を認めている総合案内所の違法性について(旅行業界における「官製カルテル」の存在)
前略 平素より、消費者・生活者の立場に立ち、国民全体の利益を考えて、厚く御礼申し上げます。
 当会は、群馬県において行政の違法不当な権限の行使による税金の無駄遣いや、住民の不利益を住民の立場から是正を図ることを活動としている民間の市民団体です。
 さて、本状は旅行業界における「官製カルテル」とでも呼べる不公正な実態について、ぜひ御庁の権限で強く是正措置をとり、違法業者や行政関係者を取り締まってくださるよう強く願って、発出いたしました。
 この事件は、当会会員である松浦紀之氏が直面した業界の実態と、それに伴う二重基準の存在について、当会として到底看過できないことから支援し続けているものです。この事件の概要を次に示します。

1.事件の概要
 同氏は小さな旅行会社を経営していましたが、業種転換をはかり、旅行業者の許認可を返して、総合案内所と同じ業態で営業していました。
 即ち、お客さんから対価を受け取らず、債務が派生しない仕事に限定して、ホテル旅館の広告営業していました。しかし、群馬県警の捜査を受け、営業を休業しました。
 半年後、同氏が自分自身の事件を広く公開したところ、群馬県警から検察庁に書類送検されました。そしてさらに半年がたって、起訴されました。
 群馬県警が同氏を捜査したのは、全国旅行業協会が同氏を刑事告発したからだということを、同氏は起訴されてから法廷に提出された証拠書類を見て知りました。
 同氏は、刑事裁判において、「私を告訴した旅行業協会がその営業を認めている総合案内所と同じ事をしているのだから、私は無罪だ」と主張をしましたが、前橋簡裁では受け入れられず、1審で罰金刑が下されました。
 その後、控訴、上告しましたが、2審も3審も何の審理も行われずに、最高裁での同氏の罰金刑が確定しました。
当会は1審から上告審まで一貫して、同氏の支援を行ってまいりました。

2.旅行業法による判断と判決の相反性
 判決では「予約業務をした対価をお客さん(=消費者)から受け取ろうが、受入(=ホテル)から受け取ろうが、予約業務の対価を受け取ることは許認可がなければできない」と旅行業法にあるので、同氏が行ってきた仕事は違法だ、とされました。
 そうであれば、当然のことですが、「総合案内所も違法行為をしている」ということになります。
 このため、当会では、群馬県旅行業協会を刑事告発しました。
 「違法行為に荷担しているのに、もう一方では、同じことをしている業者を組織を使ってつぶす。これは許されることではない」という内容の告訴です。
 群馬県旅行業協会への告発を受け、総合案内所に事情を聞いた前橋東警察署は、当会に対して、摘発に至らない理由を「お客さんから対価を受け取らないから債務が派生しないためだ」と答えています。
 同封したのは同氏の再審請求に対しての前橋地方裁判所の答えです。
 このまま総合案内所が旅行業の許認可なしで営業を行う。
 そして、旅行業協会は総合案内所から定期的に会費を徴収する。
 かたや旅行業違反だとしてペナルティーを科せられ、かたや、このような違法行為が堂々と、まかり通る・・・、わかっていても警察も動かない・・・、それが法治国家のそれも違法行為を監視する立場の人たちがすることでしょうか?

3.一連の裁判の記録
 群馬県旅行業協会への告発文とそれに対する前橋東警察署の対応の記録などは証拠として文章にしてあります。それらの証拠を御庁に提出する用意もあります。
 
4.おわりに
 旅行業者の倒産で供託金の問題も出ています。インバウンドを扱う業者の多くが無資格だと言う現実があります。ネットでの予約の急増は旅行業法での想定外のことばかりです。健全な観光産業の発展のためにも、真剣な対応をお願い致します。なお、この事件の詳細は市民オンブズマン群馬代表の小川の運営するホームページ「市政をひらく安中市民の会」でも説明しています。
                        以上

*****意見書*****PDF ⇒ 20170515.pdf
                         2017年5月15日
〒100-8987 東京都千代田区霞が関1-1-1
公正取引委員会 御中
                 〒371-0801 群馬県前橋市文京町一丁目15-10
                 市民オンブズマン群馬
                 代  表 小川 賢
                 事務局長 鈴木 庸
                 連絡先:電話 090-5302-8312(小川携帯)
                     電話 027-224-8567(事務局)
                     FAX 027-224-6624(事務局)
          意 見 書
件名:てるみくらぶの倒産と旅行業法の弁財業務保証金分担金制度の弊害について

前略 当市民オンブズマン群馬より今年の4月5日付で「件名:全国旅行業協会が賛助会員として積極的に営業を認めている総合案内所の違法性について(旅行業界における『官製カルテル』の存在)」の文章はすでに送ってあります。

それに関連して、旅行業法と旅行業協会の現状が消費者被害を拡大させているという典型的な「事件」が起こりました。2017年3月27日に東京地裁に破産を申し立て倒産した“てるみくらぶ”のことです。

負債総額151億円は、旅行業ではリーマンショック後で最大と言われており、そのうち約100億円が、一般旅行者約3万6000人のもので、春休みの旅行シーズンに現地でホテルがキャンセルとなったり、帰国できない可能性が生じたり、新卒内定者50人が内定取り消しを通告されたりと、その衝撃は甚大です。

そのため、公正な取引という観点から、調査と対応をお願いしたいと思い意見書を送付致します。

旅行業法には旅行業者として認可を受けるためには供託金を観光庁または各都道府県へ納入するという事が義務づけられています。

供託金を納入する代わりに、観光庁の下部組織である日本旅行業協会、または国土交通通省の下部組織である全国旅行業協会へ「弁財業務保証金分担金」(以下「弁財保証金」と省略)を納入して旅行業の認可を受ける事もできます。

報道によれば、てるみクラブは日本旅行業協会の会員であり、観光庁への供託金ではなく、日本旅行業協会へ弁財保証金を納入し、旅行業の認可を受けていました。

てるみクラブの弁財保証金の額は1億2千万円です。また、弁財保証金の額は本来の供託金の額の5分の1です。

てるみクラブの倒産により、旅行代金を支払ったにもかかわらず、そのサービスが提供されない「被害額」の総額は、弁財保証金の1億2千万円の100倍相当だという報道があります。100万円払ったのに返還されるのはたったの1万円。

供託金の5分の1の弁財保証金という制度そのものが、消費者の被害額を少なくとも、5倍にしているということです。

さらに、てるみクラブは日本旅行業協会の会員だということを広告に盛り込むことで、公的機関が何かを保証するようなイメージを消費者に与えています。日本旅行業協会のホームページには「てるみくらぶは当協会の保証社員です」とあり、間接的にでも協会が詐欺行為とも見られているまゆみクラブの行為に荷担しているという見方もできます。

ちなみに、前回「官製カルテル」の文章は、国土交通省の下部組織である「全国」旅行業協会の違法性についてを指摘したものです。

全国旅行業協会は“はらぼじ観光”の事件に見られるように、消費者から代金を預からない債務が発生しないという業態に対してまでも登録を強要し、協会に会費を支払ってさえいれば、登録なしでの営業を認めています。これでは、やくざの“みか締め料”といっしょです。

全国旅行業協会にしても、日本旅行業協会にしても、「営業許可料」を5分の1に減額する代わりに多額の入会金を徴収しています。さらに年会費も徴収しています。入会金や年会費が、被害を受けた消費者に返還されるべき金額に換算されることはありません。
“てるみくらぶ”から多額の入会金と会費を徴収し、供託金の5分の1の額である弁財保証金を預かっているにもかかわらず、これほど多額の被害を出さないための対策を取っていたのかどうかも調査すべきです。

調査をしても、業者側からの一方的な取扱高の報告を受け取るだけで、それを例えば税務書類などと照らし合わせることもしていませんから、弁財保証金の額を決めるための表面上のことしかしていないことは関係者ならすぐにわかることです。

事件がおきてから形式上の補償の提示をホームページでしたところで、1%が返還されるだけでは、消費者保護のために何もしていないのと同様です。ホームページには「被害額は1億2千万円を超える見通しです」という表現で現実に1%しかもどらないということに比べれば現実を偽った表現だとも言えます。

インターネットの普及などでこれだけ1社あたりの取扱額が増えている現状で、民間の取引を「保証」するということ自体が無理なことではないでしょうか。

旅行業協会なる組織がなぜ2つあるのかも疑問視されます。
税金の無駄遣いをなくすという当会の目的から考えれば、1つにまとめるべき組織だとも考えられます。

天下りの問題も大きく報道されました。観光産業の健全な発展のためにも、2つある旅行業協会が、自分たちの収入のためではなく、観光客の利益のための仕事をするように変わることに期待し、御庁におかれましては、“てるみくらぶ”の事件に関しては日本旅行業協会の調査と指導を、官製カルテルの存在については全国旅行業協会への調査と指導をお願いしたいと思います。

また、観光産業の底辺は個人や小さな会社が知識や経験により、サービスや情報の提供を行うことで支えているということもあります。インバウンドを扱う多くの業者が無資格であること。インバウンドを扱う多くの観光バスが、国交省やバス協会の基準とはかけはなれたところで営業しています。その理由は、役所の規制が大きな会社や既存の業者の利益を優先し、新規参入の業者や資本力の弱い業者は「もぐり」にならざるをえないという現状があります。

御委員会のホームページに「創意ある事業者と消費者の保護のために」とあります。日本旅行業協会と全国旅行業協会のような「みか締め料を支払わなければ営業させない」という組織、そして、そのみか締め料の制度が、消費者の被害を増幅させてしまった、その責任を追求しないと、既得権を持ったものが他社排除を行い、創意ある事業者がつぶされていくという現状に歯止めがききません。

なお、この問題について、御庁から折り返し文書で当会の意見に関してなにかコメントをアドバイス賜れれば幸いです。
                以上
**********

■上記の公取委宛ての申入書と意見書の意義は、現在の旅行業界の発展は、もはや旅行業法のような現実離れをしたルールでは却って弊害があることを公取委に知らしめることでした。図らずも今回のてるみくらぶ破産事件がその実態を証明したからです。

 業界に君臨する官製の旅行業協会という無駄な組織を淘汰するためにも、公正取引委員会の積極的な行動を期待していましたが、やはり全国旅行業協会も日本旅行業協会も民間団体とは程遠く、役所との結びつきが強い組織であり、天下りの受皿にもなっていることから、公取委は、独禁法に基づくしかるべき措置を採ることについて、躊躇したことになります。

■「違反事実の報告、探知」に関する独禁法第45条第1項に基づき、当会は旅行業法協会の二重基準問題について提起しましたが、公取委は同条第2項に定めた「前項に規定する報告があつたときは、公正取引委員会は、事件について必要な調査をしなければならない。」とされる必要な調査を果たして行ったのでしょうか。

 確かに今年5月16日以降、8月8日付で公取委から通知書が発出されるまで、3カ月近い日にちが経過したことになります。そのため公取委として何らかの調査を行った可能性は否定できませんが、結果的には、独禁法第45条第3項に基づき、「第1項の規定による報告が、公正取引委員会規則で定めるところにより、書面で具体的な事実を摘示してされた場合において、当該報告に係る事件について、適当な措置をとり、又は措置をとらないこととしたときは、公正取引委員会は、速やかに、その旨を当該報告をした者に通知しなければならない。」として、措置の不作為の方針が伝えられてきたのです。

 本来、全国旅行業法協会が特定の業者のみを対象に旅行業法違反を宣告し、一方で、同協会に会費を支払っていれば、漁港業法の登録なしでも旅行の斡旋行為を認めていることは、明らかに公正な取引の確保に違反しています。だから、独禁法第45条第4項に定める「公正取引委員会は、この法律の規定に違反する事実又は独占的状態に該当する事実があると思料するときは、職権をもつて適当な措置をとることができる。」はずです。

 ところが公取委は、その強大な行政権限を、役所の息のかかった社団法人に対しては、厳しく行使して対処するつもりのないことが、今回の一連の公取委の対応から明らかになりました。

■それでも一応独禁法のルールに基づいて、返事の通知を寄こしたことは、無視を決め込む群馬県内の行政側の仕打ちに比べれば、まだマシだと言えるかもしれません。当会会員や読者の皆様には、公正な取引を損なうような実態を把握したら、すぐに公取委に通報しましょう。とりわけ、群馬県の場合は行政による不公正取引や情報秘匿傾向が顕著なので市民オンブズマンとしては今後も目が離せません。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
1



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ