2017/11/8  23:31

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス不要根拠文書不存在訴訟で地裁が原告敗訴の問答無用判決  東北関東大震災・東電福島原発事故

■関電工による放射能汚染木材を大量に集荷し、チップにしてから、機械的に油圧プレスで脱水し、ボイラーに投入して燃焼させ、発生した高温高圧の蒸気でタービンを回すことで、発電機を駆動させて電気を起こし販売するというバイオマス発電施設設置計画は、地元住民や県民の不安や懸念をよそに工事がどんどん進んでしまい、年内に試運転という話も聞こえてきます。このため、当会では地元住民団体を支援すべく、現在、群馬県知事を相手取り次の2件の住民訴訟を係争中です。
(1)平成28年(行ウ)第24号公文書不存在決定処分取消請求事件
(2)平成28年(行ウ)第27号住民訴訟によるバイオマス補助金支払い差止請求事件
 このうち(1)の第24号事件の最終弁論となる判決言渡が、2017年11月8日(水)13:10から前橋地裁第21号法廷で行われました。
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前橋バイオマス発電の環境アセスを不要とした根拠文書の情報不存在取消請求事件の判決言渡し弁論が11月8日に行われた前橋地裁。


*****前橋地裁開廷表*****
第21号法廷(本館2階)開廷表
平成29年11月8日 水曜日
●開始/終了/予定 13:10/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名 平成28年(行ウ)第24号/公文書不存在決定処分取消請求事件
○当事者      市民オンブズマン群馬/群馬県
○代理人           −    /石原栄一
○担当       民事第1部合議係
          裁判長 塩田直也
          裁判官 高橋浩美
          裁判官 佐藤秀海
          書記官 森山ひとみ

**********

 いつもは午前、午後ともにいくつかの事件の審理が行われる第21号法廷ですが、この日は当会が提起した事件のみでした。13時10分に始まった判決言渡弁論には、前橋バイオマス発電施設が建設されている電中研のすぐ近くに住んでいる赤城ビュータウンの住民の皆さんが10名傍聴に駆けつけてくれました。

 一方、被告群馬県の職員ら3名が傍聴席にやってきました。法廷内には当会の代表が原告として、群馬県の訴訟代理人である石原・関・猿谷法律事務所から石原弁護士ら2名が被告として着席しました。裁判所の書記官が被告の指定代理人である群馬県の職員らに法廷内への入場を促しましたが、なぜか群馬県の職員らは法廷の中に入ろうとしませんでした。

 そのため、当会代表は「なぜ被告として法廷内で判決を聞こうとしないのか。弁護士に任せきりなのであれば、公務時間中にここに来ること自体、税金の無駄遣いではないか」と、疑問をぶつけましたが、なんの反応もありませんでした。

 弁護士に任せきりなのであれば、指定代理人として公務時間中に裁判所に来ること自体、意味がありません。

■さて、定刻きっかりに塩田裁判長が陪席裁判官2名を伴い、正面の観音開きのドアから入廷してきました。一同お辞儀をすると、例によって裁判長は「こんにちは」と声を出して挨拶しました。原告もいつものように「こんにちは」と声をかけました。

 書記官が「平成28年行ウ第24号公文書不存在決定処分取消請求事件、原告市民オンブズマン群馬、被告群馬県」と述べると、続いて裁判長が同様に事件番号を言ったあと「主文1 原告の請求を棄却する。2 訴訟費用は原告の負担とする。事実及び理由は省略する」と淡々と述べ終える否や、椅子から立ち上がり、法廷を後にして、観音ドアの向こうに去って行きました。入場から退場までわずか30数秒間の出来事でした。

■判決後、書記官から判決文の交付を3階で行うというので、被告の弁護士らとともに3階のエレベータ前のロビーに行き、準備ができるまで待機しました。数分後にお呼びがかかり、事務係の窓口で、受領書に署名と押印をして、判決文を受け取りました。また、切手代の余りも受け取りました。

 判決文の全文は次の通りです。赤色で着色した箇所にご注目ください。

*****判決文*****PDF ⇒ 20171108_maebashi_biomass_hatuden_fusonzai_shobun_torikesi_soshou_hanketubun.pdf
<P1>
平成29年11月8日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 森山ひとみ
平成28年(行ウ)第24号公文書不存在決定処分取消請求事件
口頭弁論終結日 平成29年8月23日
              判         決
   前橋市文京町一丁目15−10
       原    告   市民オンブズマン群馬
       同代表者代表   小  川     賢
   前橋市大手町一丁目1番1号
       被        告   群    馬    県
       同代表者兼処分行政庁   群馬県知事 大澤正明
       被告訴訟代理人弁護士   石  原  栄  一
       同            関     夕 三 郎
       同            織  田  直  樹
       被告指定代理人      森  下  留 美 子
       同            増  田  一  郎
       同            小  菅  健  久
       同            星  野  智  史
              主         文
      1 原告の請求を棄却する。
      2 訴訟費用は原告の負担とする。
              事 実 及 び 理 由
第1 請求の趣旨
 群馬県知事が原告に対し平成28年5月6日付けでした別紙文書目録記載の公文書を開示しない旨の決定を取り消す。
第2 事実の概要
 本件は,地方公共団体等の不正,不当な行為の監視と是正を目的とする

<P2>
権利能力なき社団である原告が,群馬県情報公開条例(以下「情報公開条例」という。)の規定に基づいて,群馬県知事に対し,別紙文書目録記載の公文書(以下「本件文書」という。)の開示を請求(以下「本件開示請求」という。)したところ,群馬県知事から本件文書を保有していないことを理由に本件文書を開示しない旨の決定(以下「本件決定」という。)を受けたので,本件決定の取消しを求めた事案である。
1 本件に関する法令等の規定
(1) 情報公開条例の定め
 ア 情報公開条例において,実施機関」とは,知事,議会等をいい,「公文書」とは,原則として実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画及び電磁的記録であって,当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているものをいう(情報公開条例2条1項,4項)。
 イ 何人も,情報公開条例に定めるところにより,実施機関に対し,当該実施機関の保有する公文書の開示を請求することができる(情報公開条例11条)。
 ウ 実施機関は,開示請求があったときは,開示請求に係る公文書に情報公開条例所定の非開示情報のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し,当該公文書を開示しなければならない(情報公開条例13条,14条)
 エ 実施機関は,開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(開示請求に係る公文書を保有していないとき等を含む。)は,開示をしない旨の決定をし,開示請求者に対し,その旨を書面により通知しなければならない(情報公開条例18条2項)。
(2)群馬県環境影響評価条例(以下「環境影響評価条例」という)及び同条例施行規則の定め

<P3>
 ア 環境影響評価条例における「環境影響評価」とは,事業(特定の目的のために行われる一連の土地の形状の変更(これと併せて行うしゅんせつを含む。)並びに工作物の新設及び増改築をいう。)の実施が環境に及ぼす影響(当該事業の実施後の土地又は工作物において行われることが予定される事業活動その他の人の活動が当該事業の目的に含まれる場合には,これらの活動に伴って生ずる影響を含む。)について環境の構成要素に係る項目ごとに調査,予測及び評価を行うとともに,これらを行う過程においてその事業に係る環境の保全のための措置を検討し,この措置が講じられた場合における環境影響を総合的に評価することをいう(同条例2条1項)。
 イ 環境影響評価条例における「第一種事業」とは,同条例別表に掲げる事業であって,規模が大きく,環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあるものとして,同条例施行規則別表第一の第一欄に掲げる事業の種類ごとにそれぞれ同表の第二欄及び第三欄に掲げる要件に該当する事業等をいう(同条例2条2項,同条例施行規則3条)。
 ウ 環境影響評価条例における「第二種事業」とは,同条例別表に掲げる事業であって,第一種事業に準ずる規模を有し,環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあるものとして,同条例施行規則別表第一の第一領に掲げる事業の種類ごとにそれぞれ同表の第二欄及び第四欄に掲げる要件に該当する事業等をいう(同条例2条3項,同条例施行規則4条)。
 エ 電気工作物の設置又は変更の工事の事業は,火力発電所(地熱を利用するものに限る。),水力発電所及び送電線路の設置又は変更の工事並びに変電所又は開閑所の建設の用に供するためになされる土地の造成に関する事業のうち一定のものが第一種事業とされ,水力発電所及び送電線路の設置又は変更の工事並びに変電所又は開閑所の建設

<P4>
の用に供するためになされる土地の造成に関する事業のうち一定のものが第二種事業とされるが,バイオマス発電所の設置又は変更の工事の事業は,環境影響評価条例における第一種事業及び第二種事業には該当しない(同条例2条2項,3項,別表の五,同条例旅行規則3条,4条,別表第1の5)。
 オ 工場又は事業場の新設又は増設の事業は,電気供給業に係る工場又は事業場であって,大気汚染防止法所定のばい煙発生施設又は水質汚濁防止法所定の特定施設を有するものの新設の事業で,排出ガス量(温度が零度で圧力が1気圧の状態に換算した1時間当たりの湿り排出ガスの最大量をいう。)が4万㎥以上であるものは,第一種事業に該当する(環境影響評価条例2条2項,別表の六,同条例施行規則3条,別表第1の6)。
 カ 第一種事業に係る環境影響評価に関する手続等
 (ア) 事業者は,第一種事業に係る環境影響評価を行う方法(調査,予測及び評価に係るものに限る。)について,@事業者の氏名及び住所(法人にあってはその名称,代表者の氏名及び主たる事務所の所在地),A第一種事業の目的及び内容,B第一種事業が実施されるべき区域及びその周囲の概況,C第一種事業に係る環境影響評価の項目並びに調査,予測及び評価の手法を記載した環境影響評価方法書(以下「第一種事業方法書」という。)を作成し,知事等に対し,第一種事業方法書を送付しなければならない(環境影響評価条例5条,6条1項)。
 (イ) 事業者は,同条例の規定に基づく第一種事業方法書についての知事の意見を勘案するなどして,第一種事業に係る環境影響評価の項目並びに調査,予測及び評価の手法を選定しなければならない(同条例11条)。

<P5>
 (ウ) 事業者は,上記(イ)により選定した項目及び手法に基づいて,第一種事業に係る環境影響評価を行わなければならない(同条例12条)。
2 前提事実(証拠を掲げた部分以外は当事者間に争いがない。)
 (1) 原告は,地方公共団体等の不正,不当な行為の監視と是正を目的とする権利能力なき社団である(甲4)。
 (2) 原告は,平成28年4月22日,群馬県知事に対し,株式会社関電工と株式会社トーセンが赤城山南麓の電力中央研究所の敷地内で設置を計画している前橋バイオマス発電施設(以下「本件発電施設」という。)に関し,本件文書を含む公文書の開示を求める本件開示請求をした。
 (3) 群馬県知事は,同年5月6日,本件文書を開示しない旨の本件決定をし,原告に通知した。同日付け「公文書不存在決定通知書](甲2)には,開示をしない理由として,以下のとおり記載されている。
 「環境影響評価は,「群馬県環境影響評価条例」及び「群馬県環境影響評価条例施行規則」に定める事業の種類ごとに,「群馬県環境影響評価条例」及び「群馬県環境影響評価条例施行規則」で定める規模要件等を勘案し,環境影響評価を行うべき事業に該当するか否かを事業者が自ら判断する制度となっている。したがって,環境影響評価に関する手続きの要否について,県に対して書類を提出することや協議することは必要とされていないことから,当該請求に係る文書を保有していないため。」
 (4) 原告は,同年11月4日,本件訴訟を提起した(当裁判所に顕著な事実)。
3 争点
 本件の争点は,被告が本件決定当時において本件文書を保有していたか否かである.
(原告の主張)
 株式会社関電工の担当者は,本件発電施設の地元説明会において,平成2

<P6>
7年1月に被告との間で本件発電施設の設置工事が環境影響評価条例に基づく環境影響評価(以下「条例アセスメント」という。)の適用対象となるか否かについて協議を開始し,同年3月には群馬県環境森林部環境政策課(以下「環境政策課」という。)に対し本件発電施設の設置工事が条例アセスメントの適用対象とならないことを確認した旨を説明している。また,環境政策課の職員は,平成28年3月31目,原告代表者に対し,本件発電施設の設置工事が条例アセスメントの適用対象となるか否かに関する本件発電施設の事業者からの相談に対して,口頭で説明したことを認めており,同事業者に対する説明の根拠となる内部資料が存在しなければならない。
 さらに,原告の会員のひとりである羽鳥昌行(以下「羽鳥」という。)が,同年9月13日,群馬県知事に対し,本件開示請求と同じ趣旨の内容で公文書開示請求を行ったところ,群馬県知事は,同月27日、「未利用材による木質バイオマス発電の環境アセスメントについて」との件名の書面(甲10)を開示した。群馬県知事は,原告に対しては本件文書が不存在であるとして本件決定を行ったのに対し,他方で,羽鳥に対しては,本件文書が存在するとして開示に応じているのであって,本件文書が存在しないという被告の言い分は信用できない。
 したがって,被告は,本件文書を保有している可能性が高いというべきであり,本件文書を不開示とした本件決定は違法である。
(被告の主張)
 本件文書は,環境政策課が本件発電施設の設置工事について,環境影響評価条例に定める環境影響評価の対象除外と判断した根拠,経緯を示す情報を記録する公文書であるところ、条例アセスメントは,事業者において,その対象となるか否かを自ら判断するものとされており,行政機関は,条例アセスメントにつき,その対象となるか否かを判断する立場にはない。したがって,被告が,本件発電施設の設置工事が条例アセスメントの対象とならない

<P7>
と判断した根拠及び経緯を示す情報を記録した公文書は存在せず,被告は,本件文書を保有していない。よって,本件決定は適法である。
第3 当裁判所の判断
1 情報公開条例に基づき公文書の開示を請求することができるのは,実施機関が保有している公文書であるから,ある公文書の開示請求権が発生するためには,実施機関において当該公文書を保有していることが必要であり,実施機関が文書を保有していることは,当該公文書の開示請求権発生の要件ということができる。
 したがって,開示請求の対象である公文書を実施機関が保有していないこと(当該公文書の不存在)を理由とする不開示決定の取消訴訟においては,同訴訟の原告である開示請求者が,実施機関が当該公文書を保有していること(当該公文書の存在)について主張立証責任を負うと解するのが相当である。ただし取消訴訟の原告である開示請求者が,過去のある時点において,当該実施機関の職員が当該公文書を職務上作成し,又は取得し,当該実施機関がそれを保有するに至ったことを主張立証した場合には,特段の事情がない限り,その状態がその後も継続していることが事実上推認されるというべきであるから,被告において,当該公文書が不開示決定の時点においても当該公文書を保有していたと推認することを妨げる特段の事情を主張立証しなければならないというべきである。
2 本件文書は,環境政策課が,バイオマス発電施設である本件発電施設の設置工事が条例アセスメントの対象となる毎時4万ノルマル㎥以上の工場又は事業場の設置工事に該当しないと判断した根拠と経緯等を示す一切の情報を表示するものである。
 しかし,前記第2の1本件に関する法令等の規定の(2)カのとおり,条例アセスメントに当たっては,事業者が,第一種事業の目的及び内容や第一種事業に係る環境影響評価の項目並びに調査,予測及び評価の手法等を記載した

<P8>
第一種事業方法書を作成し,知事等に送付しなければならないとされており,さらに,事業者は,環境影響評価条例の規定に基づく知事の意見を勘案するなどして,第一種事業に係る環境影響評価の項目並びに調査,予測及び評価の手法を選定し,同項目及び手法に基づいて,第一種事業に係る環境影響評価を行わなければならないものとされている。これらの環境影響評価条例の各規定によれば,同条例は,事業者に対し,実施しようとする事業が条例アセスメントの対象となるか否かを事業者自身が判断した上で,第一種事業方法書を作成し,その後の条例アセスメントを行うことを求めているものというべきである。
 そうすると,少なくとも被告の担当者が,主体的に本件発電施設の設置工事が条例アセスメントの対象となるか否かを判断すべき立場にはないのであるから,環境影響評価条例の各規定から直ちに,被告の担当者が,そのような判断に関する資料を作成し,又は取得し,群馬県知事が本件文書を保有するに至ったとは推認できない
3 原告は,株式会社関電工の担当者が,本件発電施設の地元説明会において,平成27年1月に被告との問で本件発電施設の設置工事が条例アセスメントの適用対象となるか否かについて協議を開始し,同年3月には環境政策課に対し本件発電施設の設置工事が条例アセスメントの適用対象とならないことを確認した旨を説明しているから,本件文書の存在を推認することができると主張し,上記主張を裏付ける証拠として「本事業の経過」と題する書面(甲3)を提出する。
 しかし,仮に,環境政策課の職員が本件発電施設の設置工事が条例アセスメントの適用対象となるか否かについて,株式会社関電工と何らかの協議及び確認を行った事実があったとしても,その協議及び確認の態様は明らかではなく,直ちに環境政策課において主体的に本件発電施設の設置工事が条例アセスメントの適用対象となるか否かを判断したとまで認めることはできな

<P9>
し,協議及び確認が口頭のみによるものであった可能性も否定できず,上記書面の記載から,直ちに被告の担当者が,本件文書を作成し,又は取得し,群馬県知事が本件文書を保有するに至ったと推認することはできない
 また,原告は,環境政策課の職員が,原告代表者に対し,本件発電施設の設置工事が条例アセスメントの適用対象となるか否かに関する本件発電施設の事業者からの相談に対して,口頭で説明しているから,本件文書の存在を推認することができると主張する。
 しかし,環境政策課の職員が口頭で説明したからといって,その説明の根拠となる書面による資料を作成しているとは限らないのであり,上記事実から直ちに被告の担当者が,本件発電施設の設置工事が条例アセスメントの対象となるか否かの判断に関する資料を作成し,又は取得し,群馬県知事が本件文書を保有するに至ったと推認することはできない。
 さらに,原告は,群馬県知事が,原告の会員のひとりである羽鳥の本件開示請求と同趣旨の開示請求に対し,「未利用材による木質バイオマス発電の環境アセスメントについて」との件名の書面(甲10)を開示しているから,本件文書の存在を推認することができると主張する。
 しかし,証拠(甲10,12)によれば,羽鳥は,条例アセスメントの対象となる工場又は事業場の新設又は増設の規模要件について,木質バイオマス発電では,排ガス量を2割削減して計算してもよいとされていることに関して,その技術的な根拠,決定までの議論経過や議事録,承認された会議等のすべての資料を対象として開示請求したことが認められ,本件開示請求とは開示の対象文書が異なるから,群馬県知事が上記羽鳥の開示請求に応じたことをもって,被告の担当者が本件文書を作成し,又は取得し,群馬県知事が本件文書を保有するに至ったと推認することはできない。なお、少なくとも被告の担当者が,主体的に本件発電施設の設置工事が条例アセスメントの対象となるか否かを判断すべき立場にないことは既に説示

<P10>
したとおりであり,羽鳥の開示請求により群馬県知事が開示した文書(甲10)は,事業者の判断の資料になるものということはできても,環境政策課の判断の資料となることはあり得ず,本件文書には該当しない。
 以上により,原告の主張はいずれも採用できない。その他に本件決定当時において群馬県知事が本件文書を保有していたことを認めるに足りる証拠はないから,被告が本件文書を保有していないことを理由として行われた本件決定を違法ということはできない。
4 結論
 よって,本件決定の取消しを求める原告の請求には理由がないから,棄却することとして,主文のとおり判決する。

    前橋地方裁判所民事第1部

      裁判長裁判官   塩 田 直 也

         裁判官   高 橋 浩 美

         裁判官   佐 藤 秀 海

<P11>
(別紙)
               文 書 目 録

 関電工とトーセンが赤城山南麓の獄中研の敷地内で計荊中の「前僑バイオマス発電施設」に関する情報のうち,次のものを表示する文書。

 環境政策課が,上記施設について群馬県環境影響評価条例に定める毎時4万ノルマル㎥の排ガス量の観点から,対象除外と判断した根拠と経緯等を示す一切の情報(とくに関電工から提供された排ガス量に関する情報,条例に基づく判断基準,その判断基準の根拠となった議論の経緯が分かる会議録等,当該判断基準の運用を最終決定した協議の議事録,そして当該判断基準の運用を開始した年月日と県庁関係出先等への通達内容,さらに関電工との間でこの件について交わした全てのやり取りを示す情報を含む)。

<P12>
これは正本である。

 平成29年11月8日
  前橋地方裁判所民事第1部
   裁判所書記官 森 山 ひとみ
**********

■判決文の中に赤色で示したとおり、裁判長は、原告が示した証拠を無視して、群馬県の主張を100%受け入れ、群馬県が為した環境アセスメント不適用の根拠文書が不存在であると決めつける判決を出しました。

 これでは、いくらでも行政にとって、住民に開示すると都合の悪い情報を隠すことができてしまいます。今回の裁判では、環境政策課の職員であった唐澤素子に対して原告が2015年3月31日の午後に直接、存在の有無を確認したところ、当該職員が「存在していない」と発言したことから、情報開示請求をしたところ、不存在になったため、それを信じていたところ、半年後に当会の別の会員が同様の趣旨で、なぜ環境アセスメントが不要になったのか、その判断となった内部決定を示す書類が、実際には唐澤素子により、2015年3月30日に起案されて、翌31日に決裁されていたとして、開示されたことから、当会が不存在処分の決定通知に疑念を持ち、異議申し立てのための審査請求をしたところ、棄却されたことから住民訴訟に踏み切ったものです。

 この世の中にないはずのものが、実際には存在したのであり、文書を作成した本人が、当会との面談の前日に起案して、翌日の面談当日には決裁を受けていた当該書類を証拠として提出したにもかかわらず、当会が開示請求した文書と、当会の別の会員が開示請求した文書とは対象となる中身が異なるから、群馬県が当会の開示請求に対して不存在決定処分をしたのは何ら問題がないと、裁判所が判断したのです。

 これほどまでに、被告群馬県の主張に寄り添った判決が出るのですから、森友学園や加計学園を巡る情報操作、つまり情報が存在するのに、不存在として言いくるめる行政の違法な対応が、司法の場では合法化されてしまうのが、現実として示されたことになります。

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前橋地裁の向こう側に見える群馬県庁。さながら行政に肩を持つ裁判所の実態を象徴するかのような構図だ。

■こうした行政の大本営発表を司法が追認する状況は、到底容認できることではありません。当会では、さっそく前橋地裁の書記官に控訴の手続きについて問い合わせました。

 それによれば、判決日の翌日から数えて14日以内に控訴状を前橋地裁に提出する必要があり、その後50日以内に控訴理由書を前橋地裁に提出しなければならないということです。また、控訴状に貼る収入印紙代は1万9500円で、切手代は一審の訴状提出のときと同じく6000円だそうです。

 したがって、遅くとも、11月22日(水)までに控訴状を前橋地裁に提出すれば控訴手続きが進むことになります。11月18日(土)の当会の11月例会時に、参加会員に諮り、対応方針を最終決定する予定です。

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裁判の判決後、県庁2階の記者クラブ(刀水クラブ)を訪れて、幹事社の上毛新聞+共同通信社に判決文とともにこのような説明書きを添えて投げ込んでおいた。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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