国道陥没事故のプレスリリースに関する公開質問状をガスパッチョ東京ガスに提出  東京ガス高圧パイプライン問題


■東京ガスのホームページに、5月1日付けで「4月16日に発生した高崎市藤塚町国道18号における路面陥没の原因調査の結果報告について」と題して、プレスリリースが掲載されています。

 そして、同じホームページ上に、「東京ガス プレスリリースに関するお問い合わせについて」というクリックボタンがあり、そこをクリックすると次の文章が表示されます。

マスコミ関係の方のお問合せ、およびプレスリリースの内容に関するお問合せは、東京ガス株式会社広報部03-5400-7675まで、お電話でお願いします。
その他のガスのご利用などに関するご質問やご要望についてのお電話は、お客さまセンター(一部地域は支社)にお願いいたします。


■国道18号線の陥没事故の原因調査結果について、当会は、同社群馬支社内に設置されている群馬幹線建設事務所から4月28日に返事をもらった経緯がありますが、東京ガス本社による簡単なプレスリリースの内容に比べても不十分でした。さらにその後、連休明けにかけて、新しい情報が公表されることが期待されましたが、依然として詳しい情報開示がないため、本日朝、東京ガス本社広報部に対して、次の内容で公開質問状を簡易書留で郵送しました。

 東京ガス本社の広報部が「電話での問い合わせ以外はすべて受け付けません」と回答を拒否するのかどうか、注目されます。

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平成21年5月11日
〒105-8527東京都港区海岸1-5-20
東京ガス株式会社
代表取締役社長(兼社長執行役員)
 鳥原光憲 様(広報部御中)


     質問者 〒379-0114安中市野殿980番地 小川 賢
国道18号線陥没事故に関する公開質問状
 拝啓 薫風の候、貴社いよいよご隆盛のこととお慶び申し上げます。
 さて、貴社は、平成2年5月1日付で、「4月16日に発生した高崎市藤塚町国道18号における路面陥没の原因調査の結果報告について」と題して、プレスリリースを記者発表されました。
 このことについて、文書にて5月22日(金)必着で、下記項目についてご回答下さるようお願い申し上げます。
 なお、これまで、貴社の本社宛に質問状を提出してきましたが、いつも、出先の群馬幹線建設事務所から回答が到来しました。今回の陥没事故は、国有財産にかかるため、ぜひ貴社のCSR・コンプライアンス室、もしくは広報部から、責任あるご回答を賜りたくよろしくご高配のほどお願い申し上げます。   敬具
     記
1.「路面陥没箇所におけるシールドの深さは地表面から6.6mだった」
 貴社は、路面陥没箇所の測量を実施し、シールドとの位置関係について特定を行ったとしていますが、陥没箇所の大きさについて発表していません。国交省が4月17日に発表したときは、長さ1.7m×幅0.7m×深さ1mでしたが、新聞報道では、長さ1.7m〜2m×幅0.7m×深さ1〜2mとなっていました。しかし現場写真や仮復旧の様子から、陥没穴の寸法は長さ6m×幅2.7m×深さ2m以上だったと思われます。シールドの深さは地下6.6mですから、空洞は上下方向にもそれだけの大きさを有していたことになります。実際には、どの程度の陥没状況だったのでしょうか。貴社の把握していた情報を教えてください。

2.「空洞調査を4月17日深夜〜20日早朝にかけての夜間に、延長1.4kmのシールド施工部について、レーダー探査で地下2mまでの空洞調査を実施し、その後データの解析を行った」
 貴社はこのように記者発表していますが、元請会社の担当者は4月26日に「地中レーダーによる調査は、全線にわたり全てしたのではなく、陥没の可能性の高いところだけ測った」と質問者に言っており、矛盾しています。空洞調査は延長1.4kmのシールド施工部全域にわたって行ったのでしょうか。それとも部分的に行ったのでしょうか。また、空洞調査によるレーダー探査画像の公表は、していただけますか。

3.「当初の路面陥没箇所以外に陥没箇所近傍の路肩において1箇所の空洞があった。なお、その他の区間には地表面から地下2mまでに空洞のないことが確認された」
 貴社は、もう一箇所空洞があった、と認めましたが、空洞の具体的な位置やサイズを特定していません。新聞報道では「陥没現場から東へ約5mの路肩の路面下にも長さ3m、幅1.2m、高さ最大55cmの空洞が見つかった」そうですが、これは事実でしょうか。貴社が把握されている“もう1箇所”の陥没箇所の情報について教えてください。また、貴社は「路面陥没箇所の復旧に合わせて対応した」と記者発表していますが、4月24日とはハッキリ明言していません。質問者が4月29日や5月1日に現場を視察しても、復旧場所がどこなのか、路面を見る限り判りませんでした。“もう1箇所”の陥没箇所の詳しい位置やサイズ、規模等について、詳しく教えてください。

4.「路面陥没箇所近傍で施工前に実施したボーリングデータから土質について調査を行った。また路面陥没箇所近傍のシールド施工部について、発注先の作業日報から、シールド全線における土砂取り込み量、裏込め(セメント系硬化剤)注入状況の確認を行った」
 この説明はよくわかりません。上記の説明文章では、路面陥没箇所の近くのシールド施工部のことを説明していますが、シールド全線の土砂掘削量と裏込め用セメント系硬化剤の注入量のバランスの推移を全線で確認したことうかがわせます。シールド施工部全線にわたるそれぞれの箇所における掘削と裏込め量のバランスを、土砂取り込み量と裏込め注入量のデータをもとに、こまかく説明していただけますか。土質調査のための施行前のボーリングの施工場所と日時、そして土質データの内容と分析結果についても明確に言及していません。これらの情報をすべて開示していただけますか。なお、これらの情報は、国交省にもきちんと提出しましたか。

5.「結果:土砂取り込み量は掘削1mあたり5.54㎥の計画値で管理しているが、路面陥没箇所直下における土砂取り込み量は12.82㎥ と計画値に対して2倍以上に増加していたことが確認された」
 シールドマシンの直径は2.3mだったことから1m堀り進むごとに物理的に1.15m(半径)×1.15m(半径)×3.1415(円周率)×1m=5.54㎥の土砂量が発生したと理解されますが、12.82㎥なら、2.3倍もの土砂を掘り取ったことになり、計画より1mあたり7.3㎥もの土砂が国道下から抜かれていたことになります。この過大な土砂取り込み量は、陥没現場近傍のどの程度の範囲で発生したのでしょうか。陥没発生のプロセスとメカニズムを数値化したデータとともに、説明していただけますか。

6.「ボーリングデータから安定した砂礫層を掘進しているため即時の対応は不要と判断し、3日後に計画値に対して当該箇所の土砂取り込み量以上の裏込めを注入したことが確認された」
 路面陥没箇所直下をシールドマシンが通過した詳しい日時と、計画地に対して2倍以上の土砂取込状態を把握した日時、即時の対応は不要と判断した日時、3日後に土砂取込量以上の裏込めを注入した日時と、裏込めとして注入したセメント系硬化剤の種類と量について教えてください。また、「ボーリングデータから安定した砂礫層を掘進している」と判断した根拠について、分かりやすくご教示ください。安定した砂礫層を示すデータについても、開示をしていただけますでしょうか。5月2日の新聞報道に「陥没場所の地下は安定した砂礫層に不安定な砂層が入り込んでいる」という記事がありましたが、このことは具体的にどのような状況を意味していますか。わかりやすく説明してください。

7.「内容:4月17日(金)からシールド全線を1日1回、路面陥没箇所を1日2回、計61箇所において毎日、沈下測定を行っている」
 貴社は、たしかに連休中も国道脇で沈下測定を行っていた様子ですが、今後、いつまで継続して沈下測定を実施する予定ですか。また、このような方法で、微妙な沈下量が全線にわたり路面の面的に把握できるのかどうか、把握できることを分かりやすく説明してください。

8.「結果:4月30日までの測定では、路面陥没箇所近傍以外で沈下傾向にある箇所はなく、道路交通上の安全に問題のないことが確認された」
 「路面陥没近傍以外で沈下傾向にある箇所はない」と記者発表した根拠を示してください。たしかに、元請会社の担当者は、レベル測量はシールド掘削前に全線で行なったと言っていました。だったら、シールド掘削前の測定結果に比べて、路面陥没箇所近傍以外で沈下を示している箇所の有無を調べておられるのは理解できるのですが、「もしや沈下傾向にある箇所はないだろうか」と連休中も測量しているところをみると、ひょっとしてシールド施工前のレベル測量結果のデータはないのかもしれないと、心配です。施工前のレベル測量結果のデータを開示していただけますか。また、4月16日の陥没事故の経緯を見れば分かるように、大型トラックがひっきりなしに走行する国道18号では、地中の空洞現象のほかにも、転圧不足や地中深くの空洞でも次第に空洞箇所が路面近くに発生あるいは移動し、ある日突然陥没事故を起こす可能性もあります。たかだか、2週間程度の沈下傾向の推移を、レベル測量で確認しようとしても、果たして陥没事故の兆候を把握できるのかどうか、疑問です。現在施工中のこのレベル測量が沈下傾向の確認に有効であることの理由を示してください。ちなみに、群馬県では県道の掘削工事後、仮復旧舗装をしたあと通行車両や土砂自重による自然転圧を待つ場合、本格復旧舗装は1年後としており、このことは貴社も周知しているはずです。国道の場合はさらに長い時間が必要なはずですが、今後、どのくらいの期間にわたり、路面沈下傾向の確認のためのレベル測量をどの程度の頻度で継続される予定でしょうか。

9.「内容:平成21年4月23日〜24日に路面陥没箇所からシールド上部までの土質の状態を調査するため、路面陥没箇所前後の100m(合計200m)の範囲において『高精度表面波探査システム』により調査を行った」
 4月17日深夜〜20日早朝にかけての夜間に安中市板鼻から高崎市藤塚町までの1.4km区間のシールド施工部を全線にわたり地中レーダー探査を地下2mまで行なったようですが、高精度表面波探査システムで全線調査されたのでしょうか。もし、されなかった場合、その理由はなぜでしょうか。4月26日に現場の元請会社の担当者が「陥没の可能性のありそうなところだけを地中探査した」と質問者に語っていましたが、『高精度表面波探査システム』のことかどうかは確認できませんでした。路面陥没箇所から東に約5mはなれたところの空洞も、このシステムを使った調査ではじめて判明した可能性があります。国道という公有財産の瑕疵リスクを担保するため、シールド工事施工箇所を全部、このシステムで測定したのかどうか、もし、全部にわたってまだ測定していない場合には、あらためて測定し直す必要があると考えますが、貴社の見解を教えてください。

10.「結果:路面陥没箇所における土質は、砂礫層が谷状になり沖積砂層が厚くなっていることが確認された。その結果、陥没箇所手前まではシールドマシンは安定した砂礫層を掘進していたものの、徐々に砂礫層部分が薄くなり、路面陥没箇所において上部の砂層部分を一部取り込んでしまったものと判断している。また今後の施工予定区間は、砂礫層が谷状になっていないと確認された」
 このような土質調査は施工前にきちんと行い、施工計画や施工要領にあらかじめ反映させておくことが発注者としての責務ですが、施工前にどの程度の土質調査を実施したのか、記者発表を読む限り判然としません。実際にはどうだったのでしょうか。

11.「路面陥没とシールド工事との因果関係:今回の調査結果で、路面陥没箇所はシールドの直上で、路面陥没直下における土砂取込量が計画値よりも大幅増加にもかかわらず対応が不適切で、計画値に対して当該箇所の土砂取込量以上の裏込めの注入を3日後に行うという不適切な対応だったことから、路面陥没は弊社シールド工事が原因であると判断した」
 路面陥没箇所直下のシールド掘削日時、土砂取込量の過多の認識日時、裏込め注入日時、陥没発生日時の時系列的な情報が発表されていません。これでは陥没にいたるメカニズムがはっきりと分かりません。これらの情報について、教えていただけますか。また、土砂取込量以上の過度の裏込め材の注入を3日後に行なうことの不適切性の理由について具体的に説明してください。

12.「路面陥没の原因:シールド工事は砂礫層の上端から約2m下の位置を掘進していたが、徐々に砂礫層部分が薄くなり、路面陥没箇所において上部の砂層部分を一部取り込んでしまったことにより計画値の2倍以上の土砂を取り込んでしまった」
 砂礫層の上端から約2m下の位置を掘進していたそうですが、徐々に砂礫層部分が薄くなって上部の砂層が接近していたことが確認できていたのであれば、未然に対応できたはずです。この説明は、事後に土質調査をした結果、取り繕った結果説明とも受け取れかねません。シールド施工部のどのあたりから取り込んだ土砂の性質がどのように変化していったのか、についてもきちんと説明がありませんと、他の施工部でも空洞が発生しているかもしれないという懸念が払拭できません。このことについて、貴社の見解をご教示下さい。

13.「路面陥没箇所下のシールド工事において土砂取り込み量が計画値よりも大幅に増加していたにも関わらず、ボーリングデータから安定した砂礫層を掘進しているものと考え・・」
 土砂取込量が課題だったことを認識していながら、工事期限にとらわれて敢えてそれを無視していたとなると、施工業者には根本的な問題があります。当然、データは元請会社を通じて、貴社にも逐次報告していたでしょうから、問題点にすぐ気付けないはずはありません。それを放置していたのは、やはり、貴社の丸投げ体質に問題があると思われます。この工事請負体制について、貴社の見解を教えてください。

14.「本来は工事を中断し速やかに緊急初物措置をとるべきところを現場監督者は即時に裏込めを注入するという対応は不要と判断し、3日後に計画値に対して当該箇所の土砂取り込み量以上の裏込めを注入したことで対策済みとしていた
 この説明は曖昧です。主語がはっきりしません。現場監督者はいったい誰なのでしょうか。貴社なのか、元請会社なのか、それとも孫請なのか、ご教示願います。3日後に気が付いて、土砂取込量以上の裏込め材注入をしたそうですが、今度は過大な注入で弊害が出るという認識はなかったのでしょうか。そもそも、土砂取込量以上の裏込め材が地下で注入できるものなのでしょうか。そのあたりの説明をわかりやすくお願いします。

15.「元請会社内において、土砂取り込み量が計画値よりも多く取り込んだ際の初動措置の内容や対応の基準が明確にはなっておらず、元請会社内ならびに弊社に対しての連絡が機能せず、適切な対応がとれなかった」
 当会は先月の公開質問状で、「事故発生時の通報体制」について回答を求めていましたが、過大な土砂取込が異常現象として認識されていなかったようです。貴社も元請会社も、シールド工事を孫請した業者のやることに口出ししてこなかったことがわかります。だから貴社は、「事故発生時の通報体制」について、前回、質問者への開示を拒否したのではないでしょうか。なぜ、そのような開示拒否の回答をしたのか、CSR・コンプライアンスの観点から、貴社の見解をお聞かせ下さい。
  以上
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【ひらく会情報部・東京ガス高圧導管敷設問題研究班】
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