2017/12/11  23:10

記者クラブと県幹部の懇談会への参加職員らに社会参加費返還を求める住民訴訟で被告の準備書面(2)到来  県内の税金無駄使い実態


■かつて「官官接待」や「カラ出張」が日常茶飯だった群馬県ですが、現在も水面下で行われているのかどうか、情報秘匿体質の群馬県の実態は県民の誰にも分りません。そうした中、年中行事になっている記者クラブと県幹部による懇談会に県の幹部でもないヒラ職員らが「社会参加費」という、これまた得体の知れない税金支出費目を編み出した群馬県ならではの血税浪費で参加していることが判明しました。この住民訴訟の第4回口頭弁論は、2017年12月20日(水)午前10時30分から前橋地裁で開かれる予定です。
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被告群馬県の訴訟代理人弁護士事務所から12月10日に届いた封筒。中に被告の準備書面(2)が同封されていた。


 この住民訴訟の前段として、当会は2017年1月30日に住民監査請求書を群馬県監査委員あてに提出したところ、同4月5日付で監査委員から結果通知が出されました。ところがその結果たるや、なんと「合議の不調」というもので、「請求の一部に理由がある」という見解と、「請求に理由がない」という見解の双方に分かれたため、監査委員としての統一的判断が下せない、というものでした。

 そのため、当会では同5月2日付で前橋地裁に訴状を提出しました。その後、同7月19日に第1回口頭弁論、同9月20日(水)に第2回口頭弁論、そして11月1日(水)午前10時30分から第3回口頭弁論が地裁で開かれました。これまでのこの裁判の経緯は当会の次のブログを参照ください。
○2017年7月27日:記者クラブと県幹部との懇談会への参加職員らに社会参加費返還を求める住民訴訟第1回口頭弁論の模様
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2374.html#readmore
○2017年9月14日:記者クラブと県幹部の懇談会への参加職員らに社会参加費返還を求める住民訴訟で原告が準備書面(1)を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2409.html#readmore
〇2017年9月23日:記者クラブと県幹部の懇談会への参加職員らに社会参加費返還を求める住民訴訟の第2回口頭弁論の模様
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2429.html#readmore
○2017年10月28日:記者クラブと県幹部の懇談会への参加職員らに社会参加費返還を求める住民訴訟で被告の準備書面(1)到来
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2452.html#readmore
○2017年11月4日:記者クラブと県幹部の懇談会への参加職員らに社会参加費返還を求める住民訴訟第3回口頭弁論
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2495.html#readmore

 そして、来る12月10日(水)午前10時30分から第4回口頭弁論が開かれる予定です。それに先立ち、被告群馬県から準備書面(1)が郵送されてきました。

*****送付書*****PDF ⇒ 20171208iqjt.pdf
             送  付  書
小 川   賢 様
                  平成29年12月8日

                前橋市問屋町1丁目1番地の1
                    電 話 027-253-7833
                    F A X 027-253-7832
             □原告
                代理人弁護士 新 井   博
             ■被告

下記書類を送付します。
 ※ 受信された際には、下欄の受領書に日付を記入し、記名押印の上、お手数ですがそのまま(切り離さずに)送付者及び裁判所宛(027−233−0901)にファクシミリで送信して下さい。
                記
  事件番号   平成29年(行ウ)第8号
  当 事 者   原 告 小川賢
         被 告 群馬県知事

  文書名   準備書面(2)、証拠説明書、乙第9号証

  送信枚数       枚(送信書含む)
  通信欄

----------------・・-・・-・・-・・-・・-・・-・・-・-・・-・・---------------------
         受      領      書
上記書類を受領しました。
                  平成  年  月  目
         ■原告
                               毎
         □被告
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中(森山書記官係)
弁護士 新 井 博 宛(Fax027-253-7832)

*****被告準備書面(2)*****PDF ⇒ 20171208iqj.pdf
<P1>
平成29年(行ウ)第8号 社会参加費不正使用損害賠償等請求事件
原 告 小川 賢
被 告 群馬県知事
             準備書面(2)
                         平成29年12月8日
前橋地方裁判所民事第1部合議係御中
              被告訴訟代理人弁護士 新 井   博
              被告指定代理人    横 室 光 良
                    同    鯉 登   基
                    同    海 野 恵津子
                    同    尾 澤 翔 子

第1 原告準備書面(2)に対する認否
1 第1の公文書開示に関する主張について
 (1) 原告が開示を求めた文書は甲18に記載されているものであり、乙6はその「開示を請求する公文書の内容又は件名」欄の(1)に関するものである。
   そして、その(1)の請求の対象とされたのは「主催者名、参加各団体・組織・法人の名称、参加メンバーの氏名・職位、開催案内、開催の目的・趣旨、開催時間、開催場所、式次第など懇談会の内容がわかる一切の情報」である。
 (2) しかし、「情報」との表現では文書の特定が十分にされておらず、解釈によっては莫大なものになる。そこで、上記の対象として示された事実が判明する文書を提出することとし、甲19のとおり開示決定をし(部分開示になっているのは記者の氏名を個人情報として非開示にしたため)、甲6ないし9などの情報を開示したものである。原告が求めた情報はこれによって満たされ

<P2>
ており、敢えて乙6を開示する必要はないと判断したものである。
2 指定充当
 原告の請求は、平成29年4月6日に職員7名がそれぞれ納付した7,000円が元金に指定充当されたことを前提としているものであり、被告もこれを認める。

第2 被告の主張
1 「当該職員」について
 (1) 本件は、地方自治法第242条4号の「当該職員」に対する損害賠償の請求を求めたものである。
   そして、この当該職員については、
    「当該職員」とは、住民訴訟制度が法二四二条一項所定の違法な財務会計上の行為又は怠る事実を予防又は是正しもって地方財務行政の適正な運営を確保することを目的とするものと解されることからすると、当該訴訟においてその適否が問題とされている財務会計上の行為を行う権限を法令上本来的に有するものとされている者及びこれらの者から権限の委任を受けるなどして右権限を有するに至った者を広く意味し、その反面およそ右のような権限を有する地位ないし職にあると認められない者はこれに該当しないと解するのが相当である。
   と解釈することが判例上確定している(最高裁昭和62年4月10日、同平成18年12月1日)。
 (2) 原告の請求は、本件課長・職員7名に係る社会参加費の支出を問題とするものであるが、以下のとおり、総務部長にはその支出を決定する権限はない。
   即ち、
  @ 社会参加費支出の専決
    社会参加費は、予算の科目の節で交際費(香典等領収証が発行されないもの)と負担金(領収証が発行されるもの)に分類され、本件の支出は負担金に

<P3>
該当する。
    そして、知事の権限に属する事務の専決は群馬県財務規則(以下、規則という。)第4条に規定されており、その第1項第2号の別表第1の3には、負担金は、2,000万円未満は課長が専決することとされている。本件の支出金額は2,000万円以下なので、総務課長が専決することになるのである。
  A 前渡金
    また、規則第88条第16号には、社会参加費に計上された交際費及び負担金は資金を前渡することができるとあり、本件もこの方法によっている。
    そして、
   ア 規則第93条第1項第2号により、社会参加費は4半期分の予定額を前渡することとされており、総務課長が4半期ごとに前渡金口座に必要と考えられる金額を支出している。
   イ また、規則第90条第1項には、支出命令者(規則第2条第3号、規則第3条、第4条により総務課長)は、実際に払い出しをする際の資金前渡職員を指定しなければならないと規定されている。
   ウ この資金前渡職員は、上記のとおり、総務課長が支出した前渡金を単に保管・出納するにとどまらず、交付を受けた経費の目的に従って債務を負担し、その債務を履行するために正当な債権者に対して現金をもって支払いをする責務を負っている。
     最高裁平成18年12月1日判決も、資金前渡を受けた職員のする債務負担行為及び債権者に対する支払いは住民訴訟の対象となる公金の支出に該当し、同職員が地方自治法第242条4号の「当該職員」に該当すると判示している。
   エ そして、資金前渡職員は、実務上、財務会計システムで資金前渡職員となる職員を支出の相手方とすることによって指定されている。

<P4>
   本件では乙9がその文書であり、中央の相手方の欄に記載されている総務課次長が資金前渡職員と指定されている。
 (3) 以上のとおり、総務部長は、本件の社会参加養の支出について、「財務会計上の行為を行う権限を法令上本来的に有するものとされている者及びこれらの者から権限の委任を受けるなどして右権限を有するに至った者」に該当せず、本件訴えはこの要件を欠いていることは明らかである。

2 本件社会参加費の支出が正当であること
 (1) 本件懇談会に参加する意義とその費用を社会参加費として負担することの正当性は準備書面旧で述べたとおりである。
 (2) 懇談会開催の経緯
  @ この懇談会は、平成17年ころから始まり、以来、毎年1回開催されている(但し、本年度は本訴が提起されたため開催していない。)。
    甲10ないし甲15のとおり平成26年と27年にも本件懇談会とほとんど同じ形式で開催されていることがわかる(それ以前の資料は廃棄され残っていない。)。
  A そして、毎年乙6の1ないし3のような文書が各課に届き、その課長が参加の必要性を検討し、必要と判断した場合はその参加者を決めるのである。
    その結果、その判断に従って資金前渡職員に払い出しを求め、同職員が参加する意義を確認し、社会参加費の支出の必要性を検討した上で払い出しの可否を判断するのである。
 (3) 乙4−1の執行基準について
  @ 会費
    本件懇談会の会費は7,000円である。この金額は、本件執行基準の2の「標準額」の一人当たり3,000円から5,000円より多いものの「上限額」の10,000円以内であり、その意義や参加者を考えると常識的な金額である。

<P5>
 A 人数
   執行基準の3には、『執行人数は原則2名以内とし、3名以上の出席の場合であっても協議のうえ執行することは可能とするが、妥当性を明確にすること(「団体等からの要請がある」ことだけでは不十分である。)』とされている。但し、この人数は所属課ごとの人数なので、本件では広報課の参加者が4名であるため原則の人数を超えている。
   監査報告の「請求の一部に理由があるとする見解」(甲5の第7の1)は、それを理由に、広報課の職員のうち、原則とされた人数を超えた2名分の支出については適法でないとしている。
   しかし、以下のとおりその判断は失当である。
  ア 広報課の職員はマスコミとの接触が非常に多く、その協力を求める機会が頻繁にある。従って、その職務遂行のために記者らとの交流をする必要性が高いことは明らかであり、広報課の4名が懇談会に参加することには大きな意義がある。
  イ そして、執行基準3の「考え方」は、参加人数を2名以下としたのは、「所属の代表として参加する場合に支出する予算である」ことを理由にしている。これは通常の式典や行事への参加等を念頭に置いたものであり、その様な場に所属の代表が多数人参加する必要はないとの考えは十分分理解できる。
    しかし、本件の懇談会は単なる式典ではなく、マスコミを通じて如何にして県民に政策を広く伝えるかなどを学び、意見交換する場なのであって、上記の「考え方」が想定したものとは性格が異なり、所属単位で人数を限定する理由はない。
 B 事前協議
  ア 執行基準4には原則事前協議を行うとある。本件では、広報課は秘書課も含めて検討し、その結果を乙6の3の右上の手書き部分の参加者や金

<P6>
額等として記載し、これを資金前渡職員に示して払い出しを求めている。
   財政課は乙6−2を提出し、口頭による説明をしている。
 イ 資金前渡職員はその際に担当者と面談し、その必要性を確認しこれに応じたものであり、上記の事前協議を経たということができる。
 ウ 但し、その際に多くの時間を割いたわけではなく、協議内容に関する書面は作成していない。
   しかし、上記のとおり本件懇談会は平成17年ころから続いているのであり、その必要性や意義は開催したときから、参加をする各課は内部や総務課との間で参加の必要性や参加者について十分に協議しており、10年以上これを繰り返している。資金前渡職員もこれを踏まえて前渡金口座から払い出しをしているのであり、本件懇談会に関する協議が当初のものより簡易になることは決して不合理ではなく、これをもってその支出が違法になるものではない。
即本件職員4名の行動について
  甲8の出席者名簿の右下には「準備・設営」の肩書で、秘書課次長等の本件職員4名の名があるが、これらの者が行ったのは以下のとおりである。
 @ 秘書課次長は、準備や設営行為には加わっていない。同人はこの懇談会では知事随行としての職務を果たすだけではなく、秘書課長とともに記者の県政に関する意見を聴取しながら意見交換を行っている。
   知事・副知事は日常的にと言っていい程マスコミと接する機会があり、報道対応を円滑に行うために記者の意見を聞くことは重要な意味がある。
 A 広報課の3名は次長と報道係長・報道係員であり、懇談会開始前に県側の出席者の受付をし、その席までの案内をした。会費は事前にとりまとめており当日は徴収していない。
   記者クラブ側の参加者に対しては、出席者名簿を渡しただけである。
   記者クラブでは幹事が決まっているが、記者は突発的な取材などにより

<P7>
出欠が不確定であるため、万一のことを考え手助けをしているのである。
 B そして、その受付業務はすぐ終わり、その後は3名とも懇談会に参加している。甲7のとおり、懇談会で行われたことは知事と刀水クラブ幹事のあいさつ以外は、「乾杯」と「締め」だけであり、ほとんどの時間は懇談に費やされている。従って、広報課の3名の職員は、受け付け終了後は専ら記者らとの懇談や意見交換をしていたのであり、その聞に会の運営や設営といわれるような事務は行っていない。
   この点、監査報告の「請求の一部に理由があるとする見解」(甲5の第7の1)は、秘書課次長を含めた本件職員4名が「主に準備・設営をしていた」との判断としており、事実認定に誤りがある。
 D 以上、本件社会交際費の支出には県政を運営するために有益なものであり、何ら違法性はない。

*****証拠説明書(乙9)*****PDF ⇒ 20171208_hikoku_shoukosetumeisho_otu_9_goushou.pdf
平成29年(行ウ)第8号 社会参加費不正使用損害賠償等請求事件
原 告 小 川 賢
被 告 群馬県知事
             証拠説明書
                       平成29年12月8日
                   被告訴訟代理人
                弁護士  新   井      博

前橋地方裁判所民事第1部合議係御中

●乙号証:9
○標目:支出回議書
○作成者:被告
○立証趣旨:総務課長による前渡資金の支出と前途職員の指定

*****乙9:支出回議書*****PDF ⇒ 20171208_hikoku_shoukosetumeisho_otu_9_goushou.pdf
           支 出 回 議 書     平成28年度
決裁日:28.4.−
支出命令者:木村
次長:鯉登
本書のとおり支出したい。
             平成28年4月1日
発議者 総務課
     新井直樹
         内線番号(2023)
支出番号:1
内訳件数:2件
関連情報:     
所属名:012000 総務課
会計:01 一般
繰越:0 現年
債務:    
振替番号:  
支出科目:款:02 総務費
     項:01 総務管理費
     目:01 総務管理費
     事業:    
     節:10 交際費
     紬:     
相 手 方:コード:2020000000-05
     郵便番号 371-8570
     住所:前橋市大手町1−1−1
     氏名:資金前渡職員総務課次長 鯉登 基
     受取人区分:0 本人
命令回数:1
特例:2 資金前渡
支出負担行為決議:兼ねる
訂正回数:0
支払方法:3 口座振替
支払区分:0 通常払
口座振替:金融機関:0128-103 群馬銀行県庁
     口座種別/口座番号:1 普通預金 0443702
     口座名義:シキンゼントショクインソウムカジチョウ
     請求書番号:    
支出額:¥516,000*
控除金額:¥0*
支払額:¥516,000*
内容:100002-00
備考:社会参加費
支出予定日:平成28年4月1日
支払日指定:有
支出負担行為年月日:平成28年4月1日
支出負担行為額:
既支出額:
今回支出命令額:516,000
残額:
控除金の内容:科目
       控除金名
       人数
       金額
       管理番号:201601200000000100100217
会計管理者(出納員):課長専決
会計局長:課長専決
審査課長:宮下
次長:小茂田
   大野
発議者:永田
照合年月日・印:審査28.4.-1永田
支払日:28.4.1
                     DR013

*****乙9:支出命令 支出科目内訳書*****PDF ⇒ 20171208_hikoku_shoukosetumeisho_otu_9_goushou.pdf
年度:平成28年度
会計:01 一般
発議日:平成28年4月1日
所属:012000 総務課
内訳番号:001
  科目:款:02 総務費
     項:01 総務管理費
     目:01 総務管理費
     事業:
     節:10 交際費
     細節:
     繰越:0 現年
     債務:
     内容:100002-00 社会参加費
  金額:支出額:53,000
     控除金額:
     支払額:53,000
     残額:395,000
内訳番号:002
  科目:款:02 総務費
     項:01 総務管理費
     目:01 総務管理費
     事業:
     節:19 負担金補助及び交付金
     細節:
     繰越:0 現年
     債務
  金額:支出額:463,000
     控除金額:
     支払額:463,000
     残額:186,235,000
                        DR014

*****乙9:平成28年度当初予算 総務部社会参加費*****PDF ⇒ 20171208_hikoku_shoukosetumeisho_otu_9_goushou.pdf
平成28年度当初予算総務部社会参加費
当初予算額:10交際費     278,000
      19負担金    1,372,000
      合計       1,650,000
執行計画:10交際費:上期   113,000
           下期   165,000
     19負担金:上期   708,000
           下期   664,000
     合計        1,650,000
●内訳
地域機関:       10交際費(上期+下期)+19負担金(上期+下期)=合計
    自治研修センター (10,000+   0)+( 10,000+    0)= 20,000
    女子大      (10,000+   0)+( 15,000+    0)= 25,000
    ぐんま総合情報センター(10,000+ 10,000)+(100,000+100,000)=220,000
    車税事務所    (10,000+   0)+( 10,000+    0)= 20,000
    消防学校     (10,000+   0)+(100,000+    0)=110,000
    合計       (50,000+ 10,000)+(235,000+100,000)=395,000
県庁:         10交際費(上期+下期)+19負担金(上期+下期)=合計
   総務部(県庁分)  (63,000+155,000)+(473,000+564,000)=1,255,000
     うち資金前渡  (53,000+   0)+(463,000+    0)= 516,000
       保留分   (10,000+155,000)+( 10,000+564,000)= 739,000
※下期は執行状況に応じて予算配布・資金前渡
※保留分は口座振替の案件等で必要
**********

■今回も被告群馬県は、呆れた準備書面を出してきました。感じたところを列挙してみます。

<1ページ目>
「開示対象文書の特定」
 被告は「『情報』との表現では文書の特定が十分にされておらず、解釈によっては莫大なものになる」などとして、知事宛て以外の案内状があったにもかかわらず、隠して出してこなかったことを正当化しようとしています。
 原告は開示請求対象として「開催案内」をきちっと明記しており、開催案内が秘書課長、財政課長、広報課長あてにもあったのであれば、当然、各部長宛てにもなければならないことになる。今頃になって、なぜ被告は、部長以外の課長宛てにも案内状が出されていたと主張しはじめたのか、極めて怪しい。


<2ページ目>
「2 指定充当」
 被告は、「原告の請求は、平成29年4月9日に職員7名がそれぞれ納付した7,000円が元金に指定充当されたことを前提としている」と勝手に決めつけているが、原告は前渡後1年間のタイムラグがあることから、ルールに違反して違法に費消された社会参加費分に対して遅延損害金が発生するのでそれがまだ返済されていないと主張しているのである。民法488条1項には「弁済の充当について当事者間に合意がないときには、弁済者が給付時に弁済を充当すべき債務を指定することができる」とあり、民法488条2項には「弁済者が指定しないときには、弁済受領者が受領時に弁済を充当すべき債務を指定することができる」とされている。
 この場合、弁済者と弁済受領者は、互いに同じ総務部に所属しており、総務部長は交際費でルールに則って参加しているが、部下の秘書課長や財政課長、広報課長、さらには秘書課次長、広報課次長、広報課員2名は社会参加費を使ってルールに反して参加している。
 これは、実際には、記者クラブ側からの懇談会の申し入れというよりは、会場の準備・設営を含めて、県行政側から積極的に懇談会を催し、マスコミとの関係を良好に保ち、あわよくば懐柔しようという思惑が背景にあるからだ。
 したがって、弁済の充当について当事者間に事前に合意があったとは考えられないため、前渡金が1年間も返還されずに、弁済者の懐にあったのだから、遅延損害金が適用されなければならない。
 我々県民納税者は、税金を納期限までに納めなかったり、不正な申告をしたりすると、本来の税額の他に延滞金等が課される。このことは被告の総務部税務課がよく知るところである。被告のホームページによれば、延滞金について、「納期限の翌日から1か月を経過する日まで」は「年7.3%(注:平成26年1月1日から、当分の間の措置として、各年の特例基準割合(※注1)に年1%を加算した割合と7.3%とを比較して、いずれか低い方の割合を当該年内については、適用することとなりました。これにより、平成29年中は年2.7%が適用されます。)」と定められており、「その後納める日まで」は「年14.6%(注:平成26年1月1日から、当分の間の措置として、各年の特例基準割合(※注1)に年7.3%を加算した割合と14.6%とを比較して、いずれか低い方の割合を当該年内については、適用することとなりました。これにより、平成29年中は年9.0%が適用されます。)」と定められています。なお、※注1とは「特例基準割合」とは、国内銀行の貸出約定平均金利(新規・短期)の前々年10月〜前年9月における平均として前年の12月15日までに財務大臣が告示した割合に年1%を加算した割合です。」とあります。
 1年間納税者が納税を遅らせると、民事法定利率5%を遥かに上回る9・0%もの延滞税を課すのに、同じ総務部の職員同士が、社会参加費として前渡された我々の血税を1年間返還せずにいても、遅延損害金を課せられないのは、まことに不公平としか言いようがない。


「当該職員」
 被告は「原告の請求は、本件課長ら職員7名に係る社会参加費の支出を問題とするものであるが、総務部長にはその支出を決定する権限はない」と主張し、責任が本件課長ら職員にあると主張する。であれば、社会参加費をルール違反して費用した本人らが遅延損害金を返還しないのであれば、総務部の職員の監督責任を負う総務部長が、本件課長ら職員らに返還を求めるのは当然のことである。
 社会参加費支出の専決云々を持ち出して、ひたすら遅延損害金の支払いを拒む被告は、よほど本件課長ら職員をして、遅延損害金の返還を求めたくないようだ。同じ役所の仲間意識がそうさせているのだろうが、民間では通用しない。


「領収書」
 被告は「社会参加費は、予算の科目の節で交際費(香典等領収証が発行されないもの)と負担金(領収証が発行されるもの)に分類され、本件の支出は負担金に該当する」と主張するが、乙9号証によれば、支出回議書を見ると平成28年4月1日に総務課次長の鯉登基に516,000円の前渡金を支出した際には、節は「交際費」で、その内容は「社会参加費」として決裁された。しかし、支出命令の支出科目内訳書を見ると、交際費53,000円も、負担金補助及び交付金463,000円も、両方とも内容は「社会参加費」となっている。本来、節を「社会参加費」とし、内容を「交際費」ないし「負担金補助及び交付金」としなければならない。なぜなら、知事や副知事、部長クラスは「交際費」として支出していることから、節で「社会参加費」と「交際費」を峻別しないと、行政幹部と行政実務者との間の線引きが曖昧になってしまい、今回のような社会参加費という摩訶不思議な支出科目の杜撰な運用を助長しかねない。そうでなくても被告の体質は、「裏金」「水増し」「目的外使用」など、かつての官官接待、出張費の水増し請求などの温床を潜在的に保有おり、血税の浪費癖がいつも付きまとっているのである。
 今回、領収証が確認できたのは、乙9号証の刀水クラブから知事あての7,000円の領収書のみであり、それ以外の交際費で参加した各部長クラスや、社会参加費で出席した課長ら職員に領収証はどこにあるのか。
 被告は当該職員について「総務部長は本件の社会参加費の支出について、財務会計上の行為を行う権限を持っていない」として、該当しないと言っている。しかし、総務部長は秘書課長・次長、財政課長、広報課長・次長及び広報課員らと一緒に懇談会に参加しているのである。資金前渡職員に指定された総務課次長への監督権限や責務が総務部長にあるのではないか。


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「前渡金」
 被告は「社会参加費は支出命令者(総務課長)が指名した資金前渡職員(この場合総務課次長)に前渡され、同職員が保管・出納、債務負担、支払責務を負う」と主張する。しかし、乙4号証の1と2を見る限り、社会参加費執行協議書が作成され運用が開始されたのは平成29年4月1日以降であり、それ以前は、誰がどのように決裁していたのかが確認できない状態であったことは想像に難くない。

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「本件社会参加費の支出正当性」
 被告によれば、「懇談会開催の経緯」として、平成17年ころからこうした懇談会が始まったというが、重要で意義のあるイベントであれば、本訴が提起されても、引続き開催されるべきである(原告は、社会参加費を使わない知事や部長クラスと記者クラブ側との懇談会の開催を否定してはいない)。それを、社会参加費の不正使用を指摘されただけで開催を簡単に取りやめるのは、懇談会の開催そのものに必要性が見いだせないためである。
 被告によれば「毎年乙の6の1から3のような文書が、秘書課、財政課、広報課の各課長に届く」と主張しているが、実際には、自らが開催の準備・設営をしていることから、自作自演である可能性が高い。そもそも原告が住民監査請求をしなければ、社会参加費執行協議書も新たに作成を義務付けることなく、相変わらず杜撰な社会参加費の運用を続けていたはずだ。


「懇談会の会費」
 被告は「本件懇談会の会費は7,000円で、執行基準の2の標準額の一人当たり3,000円〜5,000円より多いものの、上限額の10,000円以内なので、意義や参加者を考えると常識的な金額だ」と主張する。
 しかし本来、「懇談会」というものは、中央省庁及びその地方支分部局、地方公共団体等に設けられる、外部の有識者を招聘して行政の運営方針等を討議するための会合を指すものである。「研究会」や「専門家会議」、「検討委員会」等という名称もしばしば見受けられるが、法令等では「懇談会等行政運営上の会合」と記載されている。
 ところが被告が参加している懇談会は、特定の属性を持つ集団が、打ち解けてざっくばらんに話し合うために設けられる会合に当たる。例えば、学校の生徒の保護者懇談会などのイメージに近い。本来であれば、行政とマスコミは適度な緊張感を持って、対峙しなければならない間柄である。酒食を伴い、豪華な結婚式場や、高級ホテルで一人7,000円もの血税を費消して実施するほどのことでもない。ましてや、行政幹部でもない部長未満の職員が、マスコミ関係者と血税を使ってわざわざ情報交換するほどの意義はどこにもない。
 しかも、会場の準備・設営作業に対する「ご苦労さん」の褒美として、総務部長が自分の部下だけを公費で参加させているのであれば言語道断である。本来であれば総務部長がきちんと自らを戒めて、部下に対して適切な指示を出すべきであり、このことからも、総務部長の監督責任が問われるのである。


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「執行基準・人数
 被告は「執行基準の3には、『執行人数は原則2名以内』であるが、この人数は所属か毎の人数なので、本件では広報課の参加者が4名であり原則人数を超えている。しかし、監査報告のこの指摘と判断は失当である」と主張する。その理由として被告は「本件の懇談会は単なる式典ではなく、マスコミを通じて如何にして県民に政策を広く伝えるかなどを学び、意見交換する場なのであって、所属単位で人数を限定する理由はない」と言い訳をしている。
 県民に政策を伝えるのであれば、記者会見、あるいはニュースリリースなどで、記者クラブやホームページを通じて広報すればよいのであり、わざわざ酒食を伴う懇談会に社会参加費を費やすことに合理性は全く見当たらない。
 このような飲み食いを伴う情報交換を、マスコミ関係者と行いたいのであれば、缶ビールにつまみでも持ち寄って、定時後に記者クラブの談話室あたりでやればよいのである。なにも行政幹部のかばん持ちをして、幹部の代わりに説明する必要もない。もしその必要があるのであれば、その幹部の行政手腕が資質が疑われるのである。総務部長だけが、部下の職員を7名も同道するというのも到底理解しがたい。
 なぜなら行政分野は多岐にわたり、それぞれ専門性があるわけで、責任ある立場の各分野のトップが自ら真剣に政策を語ることで、懇談会として有意義なものになるはずである。しかし、この懇談会では、総務部の課長以下の職員が、議事録を録るでもなく、録画、録音するわけでもない。
 そもそも、結婚式場やホテルの宴会場で開催されるこの手の懇談会は、開催目的は「これからの県政に関する意見交換等」とされていても、酒食を共にすることで、ざっくばらんな会話による人間関係の構築がメインであろうから、本来は行政側の参加者にとって血税を使うに値するイベントではない。しかし、そこを百歩譲って、県政を牽引する各分野の部長クラスによるマスコミ関係者への意見の開陳の機会提供という観点から、部長以上、副知事そして知事については、意義を否定するものではない。
 だが、ここまで、さもしく社会参加費で宴会をすることについて、正当性を疑問視する原告の主張に対して、縷々反論をする被告の態度を見るにつけ、原告は県民のひとりとして、納税意欲が減退するのを禁じ得ない。


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「事前協議」
 被告は「原則事前協議を行うとする執行基準4に基づき、広報課は秘書課も含めて検討し、その結果を乙6の3の右上の手書き部分の参加者や金額等として記載し、これを資金前渡職員に示し払い出しを求めている。また、財政課は乙6−2を提出し、口頭による説明をしている」と主張する。
 しかし、こうした場当たり的なこじつけがきちんとした理由説明にならないことは被告自身がもっともよく認識しているはずだ。だからこそ、平成29年4月1日付で「社会参加費執行協議書」という文書を新たに作成することで、資金前渡職員の確認を得たことを示す書類を残すようにすべく、「社会参加費の執行について(H29.4.1改正)」を改正したのではないか。


「本件職員4名の行動について
 被告は、「準備・設営の肩書で秘書課次長・広報課次長ら本件職員4名が行った役割にそれぞれ意味がある」と縷々説明する。
 しかし、本来、準備・設営はホストとなる記者クラブ側が行うものであり、そもそも会費として7,000円もかけるのだから準備・設営は会場運営者に任せればよく、ホストの記者クラブ側もゲストの行政側も特段の作業はないはずだ。しかも、被告の説明のとおり、知事や副知事は日常的にマスコミと接点があるわけで、わざわざ知事らと一緒に、報道対応を円滑に行うために記者の意見を宴会の場で聞く必要性はない。
 また被告の説明では、会場では県側のみの出席者の受付と席までの誘導をしたとあるが、そのようなことは事前にテーブルの着席図を配ればよいことで、わざわざ社会参加費を使って職員を宴会に参加させるまでもない。
 事実、受付業務はすぐに終わり、本件職員4名はその後ずっと宴会での「懇談」に没頭したというから、なんのことはない、単に飲み放題の酒を飲み、宴会料理に舌鼓を打ち、どんな会話をしたのかも忘れて、ただ単にマスコミ関係者とあらためて雑談にふけっただけではないか。
 そして被告は最後に「監査報告の請求の一部に理由があるとする見解(甲5の第7の1)は、秘書課次長を含めた本件職員4名が『主に準備・設営をしていた』との判断について事実誤認がある」と主張する。
 しかし、監査委員が60日もかけて調査した結果を、そのように簡単に捻じ曲げて、否定したりして本当によいのだろうか。これでは、監査委員の存在が軽視され、住民監査請求の意義が否定されかねない。被告のこうした主張に猛省を促したい。


<7ページ目>
 最後の最後に被告は「以上、本件社会交際費の支出は県政運営に有益であって違法性は何もない」と主張している。「社会交際費」という単語がここで突然出てきたが、これは社会参加費も交際費も同じようにジャブジャブ使って構わない、という被告の意識が、このように言わしめたものと思料される。この意識こそ、「最小限の費用で最大限の効果」という地方自治法と地方財政法の根幹のひとつをなし崩しにしてしまう温床である。被告のこうした認識に猛省を促したい。

■来る12月20日(水)午前10:30に前橋地裁で開かれる第4回口頭弁論で、裁判長がどのように訴訟指揮をするのか注目したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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