2018/5/19  11:52

市内居住制限を服務規則に明記する桐生市が市外居住許可申請の事由・居住年月日を不開示とするヘンな対応  オンブズマン活動


■5月19日に開催された市民オンブズマン群馬の5月定例会で、桐生市に在住する会員のかたから、市内居住制限が職員服務規則に明記されている桐生市に対して、市外居住許可申請書の「事由」と「居住年月日」にかかる情報に関して、同市の情報公開条例に基づいて開示請求を行ったところ、黒塗りの文書が開示されたため、行政不服審査法に基づく審査請求を行っているという報告がありました。桐生市の場合、全国的にも珍しい「職員の域内居住制限が規程に明記されている自治体」です。同市の職員服務規程の第25条に「職員は、市内に居住しなければならない。ただし、市外居住許可申請書(様式第15号)を提出して許可を受けたときは、この限りでない」と定めています。なお、同様の制限を設けている自治体としては、全国に青森県三沢市など13市町あります(記事末尾参照)。ところが、ご覧のとおり、桐生市は黒塗りの文書を開示してきました。
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桐生市が部分開示(=不開示同然)してきた文書。黒塗りだらけだ。


 当会会員は、この職務規定がどのように守られているのかを知りたいと思い、実態を桐生市に聞いたところ、3割程度の職員が桐生市外に居住しているというので驚くとともに、実際にどのような判断をしているのか、市に尋ねたところ、「いろいろあるから」と答えるだけで、具体的な回答がありませんでした。

 そのため、市外居住許可申請書の「事由」と「居住年月日」を確認すれば、許可基準とその理由が分かると考えて、情報公開条例に基づき、桐生市長あてに情報開示請求書を提出したところ、平成30年2月23日付で部分公開決定委通知とともに黒塗りの文書が開示されてきました。

 これではサッパリ要領を得ませんので、当会会員は同3月15日付で、桐生市長あてに審査請求を出しました。すると桐生市から、次の内容の「弁明書」なるものが送られてきました。

*****弁明書*****PDF ⇒ 20180519_kiryuusi_benmeisho.pdf
<P1>
                        桐人発第30・7号
                       平成30年4月19日

 (審査庁)桐生市長亀山豊文様
       (契約検査課)

                  弁明書

                      (処分庁)桐生市長亀山豊文
                             (人事課)

 長澤健二氏(以下「審査請求人」という。)から平成30年3月15日付で提出された、平成30年2月23日付部分公開決定通知に対する審査請求に関し、平成30年3月22日付で弁明を求められたことについて、下記のとおり弁明します。

                記
1.弁明の趣旨
 「実施機関の決定は妥当である。」との裁決を求める。

2.処分の内容及び理由
 審査請求人より、平成30年2月9日付で、桐生市職員服務規則第25条に規定する市外居住許可申請書について情報公開請求があった。同申請書の保存年限は5年であるため、平成24年度から平成29年度まで(平成29年度については情報公開請求があった平成30年2月9日まで)のものを対象文書として特定した。
 同申請書の記載内容のうち、「所属」、「職員コード」、「職」、「氏名」、「印影」、「事由」、「居住年月ロ」、「所属長押印欄の印影」については、桐生市情報公開条例第7条第1号に該当するため非公開とし、同年2月23日付で部分公開とすることに決定、同年3月1日に、情報公開室で公開をした。

3.審査請求書記載事項の認否
(1)審査請求に係る処分の内容については認める。
(2)審査請求の理由については、後述する「本件審査請求に対する当庁の主張」のとおりとする。

4.審査請求に係る経緯
 平成30年2月9日 桐生市職員服務規則第25条に規定する市外居住許可申請書に係る情報
公開請求があった。

<P2>
 平成30年2月22日 上記請求に関し、部分公開とすることを決定した。
 平成30年3月1日  情報公開室において、該当文書を公開した。
 平成30年3月15日 非公開としたうち、事由及び居住年月日の公開を求め、審査請求があった。

5.本件審査請求に対する当庁の主張
 審査請求人は、「事由」、「居住年月日」は個人情報に当たらないと主張するが、市外居住許可申請書には、同申請書を提出した職員(以下「市外居住申請者」という。)の市外居住の「事由」、「居住年月日」が、当該市外居住申請者の「所属」、「職員コード」、「職」、「氏名」等とともに記載されていることから、同申請書に記載された情報は、申請書ごとに、全体として桐生市情報公開条例第7条第1号前段の個人に関する情報であり、特定の個人を識別することができるものに該当するものである。
 次に、同号ただし書きについて述べる。「事由」、「居住年月日」は、法令、条例若しくは規則の規定により、又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報ではないため、同号ただし書アに該当しない。また「事由」、「居住年月日」を公にすることにより、人の生命、健康、生活又は財産を保護することには繋がらないことから、同号ただし書イに該当しない。また、「事由」、「居住年月日」は、職務遂行の内容に係る情報でもないことから、同号ただし書ウにも該当しない。
 更に、同条例第8条第2項の規定に基づく部分公開の可否について述べる。情報公開請求制度では、公開請求の請求主体に何らの制約を設けておらず、誰でも公開請求をすることができる。そして、これらすべての請求者に対し、公平に情報公開しなければならない。「事由」、「居住年月日」を公開した場合、市外居住申請者の同僚、知人等においては、当該市外居住申請者が誰であるかを知る手掛かりとなり、その結果、市外居住の事由や、居住年月日など、他者に知られたくない機微な情報が知られることになるなど、氏名その他の特定の個人を識別できることとなる記述等の部分を除いてもなお申請者個人の権利利益が害されるおそれが無いとは認められない。したがって、「事由」、「居住年月日」を「所属」、「職員コード」、「職」、「氏名」、「印影」、「所蔵長押印欄の印影」から切り離し部分公開することはできない。
 以上により、本件処分は妥当である。
**********

■そもそも公務員のプライバシーとは、一般住民に比べると制限的なはずです。幹部職員の場合は、氏名や住所も秘密にする必要性はありません。桐生市在住の当会会員は、今回、市職員の氏名や住所、職員コード、所属、職位、職の開示は求めておらず、市外在住の理由といつから市外に在住しているのかについて、開示請求をしたのであり、氏名等など個人が特定できる状況は請求外としていました。

 それにもかかわらず、桐生市の人事課は全ての項目について黒塗りしたものを開示してきました。これでは開示と言えません。なにかよほど住民に知られたくないことがあるのかもしれません。

 当会会員は「本人の名前が出ないのだから(開示することは)構わないはず。このようないい加減な弁明に対して、意見書を今月いっぱいで提出するつもりです」とおっしゃっており、当会としても全くそのとおりであり、ぜひ桐生市には情報公開条例の意義を認識し、誤った考え方を是正していただきたいと考えております。

■当会会員が指摘するもう一つの件は、この弁明書が「処分庁 桐生市長亀山豊文(人事課)」「審査庁 桐生市長亀山豊文(契約検査課)」と、両者とも桐生市長としていることです。通常であれば、審査庁は「桐生市情報公開・個人情報保護審査会」となるはずです。

 おそらく、諮問先の桐生市情報公開・個人情報保護審査会」に本件を提出するにあたって、実施機関である桐生市の人事課が「弁明書」を作成した際に、条例をよく読まないまま担当職員が文書を作成したため、あて先を「契約検査課」にしてしまったと思いますが、なぜ契約検査課という実施機関の一部署の名前が挙がるのか、実に摩訶不思議です。

 いってみれば、桐生市役所は、情報公開条例に関する知識がこの程度なので、本来開示すべき情報さえも自ら評価と判断ができず、一律に非開示としたのかもしれません。だとすれば、困ったものです。桐生市在住の当会会員の指摘に対して、桐生市は謙虚に耳を傾けなければなりません。

■なお、安中市に住む筆者の経験では、以前、固定資産税で廃屋を撤去すると税金が跳ね上がる理由について近所のかたから調べてほしいという依頼があり、安中市役所の税務課にうかがったところ、窓口の担当職員と雑談しているとその職員は毎日伊勢崎市から通勤していることが判明しました。

 安中市に在住して、東京まで新幹線代を自前で払って通勤して、毎月市民税を安中市役所に支払っている筆者としては、市町村の事務職の場合居住地の制約はないとはいえ、市外から通勤している職員は給料を払ってくれている自治体ではなく、他の自治体に住民税を納めていることになるわけで、しかも、通勤手当も支給されているため、なんとなく腑に落ちない気持ちになったのも事実です。

 地元納税者住民や自治体関係者から見れば、個々の事情はあるにせよ地元に住んでもらえれば僅かでも人口や税収、地域経済に貢献し、経費も抑えられるわけですので、なるべく地元に住んでほしいという意識は、率直な所、労働の自由等の権利云々とは別に、気持ちとしてあると思います。

 また事故や災害、イベントなどの動員時も、警察や消防職員以外の一般職員でも、地元に住んでもらっていれば、迅速な対応が可能だと思います。

 この問題は、これから少子高齢化にますます拍車がかかるため、意外に早い時期にさらに脚光を浴びる可能性があります。そのためにも、桐生市の例は貴重であり、早期にきちんと開示していただくことが必要だと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「桐生市の関連条例等規則一覧」
**********
○桐生市職員服務規則
http://www2.city.kiryu.lg.jp/reiki/act/frame/frame110000170.htm
『(居住)
第25条 職員は、市内に居住しなければならない。ただし、市外居住許可申請書(様式第15号)を提出して許可を受けたときは、この限りでない。』

○桐生市情報公開条例
http://www2.city.kiryu.lg.jp/reiki/act/frame/frame110002686.htm
○桐生市情報公開条例施行規則
http://www2.city.kiryu.lg.jp/reiki/act/frame/frame110002697.htm
○桐生市情報公開及び個人情報保護事務取扱要綱
http://www2.city.kiryu.lg.jp/reiki/act/content/content110002745.htm
○桐生市情報公開及び個人情報保護審査会条例
http://www2.city.kiryu.lg.jp/reiki/act/frame/frame110000142.htm
○桐生市情報公開及び個人情報保護審査会条例施行規則
http://www2.city.kiryu.lg.jp/reiki/act/frame/frame110001957.htm
**********

※参考情報「職員の域内居住制限が規程に明記されている自治体」
**********
総社市職員服務規程
『(市内居住)
第13条 職員は,市内に居住することを要する。ただし,やむを得ない理由により市外居住について市長の許可を得た者は,この限りでない。』
福山市職員服務規程
『(市内居住)
第19条 職員は、市内に居住することを要する。ただし、特に市長の許可を得た者はこの限りでない。』
大田原市職員服務規程
『(職員の市内居住)
第29条 職員は、市内に居住しなければならない。ただし、特別の事由により市外に居住する場合は、市外居住の承認願(様式第22号)を総務課長を経て提出し、市長の承認を受けなければならない。』
周南市職員服務規程
『(居住地)
第8条 職員は、市内に居住するものとする。ただし、特に許可を受けた場合は、この限りでない。』
三沢市職員服務規程
『(承認)
第14条 職員は市の区域内に居住するものとする。ただし、やむを得ない事情により市長の承認を得たときはこの限りでない。』
北見市職員服務規程
『(市外居住許可)
第27条 本市外に居住しようとする者は、その事由、期間及び居住地を具して、市長の承認を受けなければならない。』(市内居住が前提と推察される)
出水市職員服務規程
『(市外通勤願)
第13条 職員は、本市以外の区域から通勤しようとするときは、あらかじめ市外通勤承認願(第7号様式)を提出し、承認を受けなければならない。』(市内居住が前提と推察される)
桐生市職員服務規則
『(居住)
第25条 職員は、市内に居住しなければならない。ただし、市外居住許可申請書(様式第15号)を提出して許可を受けたときは、この限りでない。』
厚岸町職員服務規程
『(町外居住)
第7条 職員が町外に居住しようとするときは、町外居住承認願(別記様式第4号)により任命権者の承認を受けなければならない。』(町内居住が前提と推察される)
八幡浜市服務規程
『(市内居住の原則)
第3条 職員は、市内に居住するものとする。ただし、市外から通勤することについて市長の許可を受けたときはこの限りでない。』
由布市公式ホームページ » 平成27年度 由布市職員採用試験
『受験資格
(4)すべての職種について、採用後は由布市内に居住することを原則とします。(身体障がい者枠を除く)』
霧島市職員の服務に関する規程
『(職員の住所)
第9条 職員は、市内に居住しなければならない。ただし、やむを得ない事情により特に市長の許可を得たものは、この限りでない。』
美幌町職員服務規程
『(町外居住許可)
第53条 本町外に居住しようとする者は、その事由、期間及び居住地を具して承認を受けなければならない。』(町内居住が前提と推察される)
【出典:http://denjiso.net/?p=17881
**********
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2018/5/26  8:39

投稿者:通りすがり

この記事を見て、緊急時に直ぐに駆けつける事を条件に都職員に超格安で宿舎を貸していた話を思い出しました。東日本大震災の時に近くにいなかった職員がいて、石原知事が激怒してました。その職員宿舎を追い出されてました。

2018/5/24  2:18

投稿者:情報公開審査会

桐生市の職員はバカ丸だしだから、行政不服審査制度についてお勉強しなさい。このような弁明書は桐生の恥ですよ。

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