意味不明の書類で行政を惑わし、住民には高飛車で秘密主義のガスパッチョ東京ガスの計画変更  東京ガス高圧パイプライン問題

■東京ガスによる、安中市中野谷の信越半導体横野平工場から高崎市下小塙町のガバナステーションに至る全長16.4キロの高圧ガスパイプラインの工事は、国道を陥没させたり、工期を1年以上も遅らせ、地元の生活道路を長期間閉塞させたり、地域交通に多大な迷惑を与えながら、来年3月末の完工めざして突き進んでいます。

 この間、東京ガスは沿線住民への情報公開を最小限に抑え、地元住民からのルート変更要請にも耳を貸さずに来ました。その証拠に、なんども東京ガスに公開質問で情報開示をお願いしても「弊社では施工要領や図面等の資料等を外部に開示しない扱いとなっておりますので、ご理解を賜りますようお願い申しあげます」と無視されました。

■そこで当会は、東京ガスからの情報公開は諦め、情報公開法で行政に対して同社の高圧パイプライン敷設計画や工事について、情報を収集することにしました。その結果、放散塔関連の情報が非開示扱いとされた他は、割合、必要な情報が得られています。とくに、国道陥没事故のあとは、放散塔で非開示扱いとした群馬県も、県道工事について、情報開示に前向きになっています。

 本来であれば、一流企業ほど、ステークホルダーに対して情報公開には積極的になりますが、東京ガスは、世界最大のガス会社を自称しているにもかかわらず、その体質はきわめて保守的です。したがって、東京ガスの施工計画情報を、行政から入手しなければならないというジレンマを住民は強いられるのです。

■4月16日の国道陥没事故により、俄かに心配になったのが、安中市岩井地区で、平成21年の1月から12ヶ月の予定ではじまったシールド工法による県道前橋安中富岡線(県道10号線)の直下を掘るトンネル工事です。

 この区間は、1日の交通量が1万7000台を越える県下有数の県道です。当会は、東京ガスに対して、このような交通に影響の大きい場所は避けるように事前に進言していましたが、東京ガスは聞く耳を持ちません。当初は、平成20年6月から開削工法により、着工する予定でした。

クリックすると元のサイズで表示します
何かというとすぐに手拭いを周辺住民に配りたがる東京ガス。手拭いより、情報を開示し丁寧に説明すべきだ。都市ガスの供給のない高圧ガス導管事業は迷惑施設の何物でもない

 実際に、東京ガスは群馬幹線建設所長名で、平成20年5月23日に群馬県知事の占用許可第27001-13号を取得し、平成20年5月26日に安中土木事務所の牧野所長に対して、道路の掘削・交通制限申請を出しました。それによると、安中市岩井字西655-1番地先から岩井字町屋606-16番地先までの全長360mの区間を平成20年6月16日から7月31日までに、「ガス輸送管埋設工事のため(試掘工事)」としてありました。このときの工事工程表では、試掘:6月、詳細設計・材料加工:7〜9月、準備工:10月前半、埋設配管:10月後半〜09年6月、自然転圧期間:09年7〜9月、本復旧:09年10〜12月とありました。これに対して、安中土木事務所長は、5月30日に安土第25002-10号で、許可を与えました。

■ところが、平成20年11月5日に、東京ガスは占用許可27001-13号の変更申請を突然、県知事に提出しました。変更前は外形508mmの導管360mを敷設予定でしたが、変更後は外形508mmの導管26.1mと、外形1200mmの導管325.7mの合計351.8mを敷設することになったのです。それにともない、工事期間も当初の平成20年6月9日から平成21年12月27日までだったのが、変更後は平成20年12月1日から平成22年3月31日までとなりました。ちなみに、東京ガスが県知事に支払う、この区間の県道占用料は年間わずか84,480円です。

 この突然の変更理由について、東京ガスは平成20年11月5日付の「変更申請理由書」で次のように述べています。

**********
平成20年11月5日 東京ガス株式会社 群馬幹線建設事務所
変更申請理由書
 変更申請に至るまでの経緯及び変更申請における占用位置の検討経緯については、下記の通りとなっております。
     記
1.変更申請に至るまでの経緯
(1) 施工方法の計画から占用許可までの経緯
 当初、前橋安中富岡線の施工方法については、複数工法を比較検討し、地域住民及び道路利用者の方々への影響が最小限となるよう、工期が最短である“全面覆工による開削工法”での施工を計画致しました。平成20年5月、“全面覆工による開削工法”の計画を安中土木事務所様にご説明し、占用許可(平成20年5月23日付安土第27001-13号)を頂いております。
(2) 試掘工事から計画変更までの経緯
 平成20年6月〜7月、他埋設物位置確認のため試掘工事を実施しました。その結果、φ400mm程度の玉石積み区間(旧護岸と想定)及び路床の改良区間が確認されました。この結果を受け、現状計画により施工した場合、「玉石積み区間において、掘削溝側面の玉石崩壊により、道路及び民地の地盤が沈下する危険性があること」、「路床改良区間において、騒音等が地元苦情の誘因となる可能性があること」等の課題が明らかとなりました。よって、現状計画の見直しに至り、開削工法の適用が困難であるとの判断から、推進工法を採用することと致しました。

2.変更申諸における占用位置の検討経緯
(1) 平面線形の検討経緯
 平面線形については、立坑を築造できる位置を検討し、この区間を推進区間(直線推進工法φ1,000mm)とするように計画しております。また、曲線推進工法についても検討を行いましたが、曲線線形の場合、ガス管の溶接を推進管内で実施する必要があるため、最低推進管径がφ2,000mm(外径2,350mm)となります。路線上の公図を調査した結果、立坑を築造できる用地が農地(田)であることから、立坑を築造することができず、直線推進工法φ1,000mmを採用することと致しました。
(2) 縦断線形の検討経緯
 平成20年9月、路線上においてボーリング調査工事を実施し、土質分布の想定を行ないました。推進土被りの選定については、他埋設物と十分な離隔を確保すること及び推進機トラブルを回避するために互層部分を避けることを考慮して選定しています。また、縦断線形については、ガス管の配管を考慮し同一レベルとしています。
※推進土層については、別紙「ボーリング柱状図」をご参照願います。
**********

■ところが、安中土木事務所では、東京ガスのこの変更申請理由書の説明が理解できないとして、書き直しを指示しました。東京ガスは、県の土木事務所の専門家でも理解できない表現を平気で書類に書いていたのです。そして、東京ガスは約2週間後の平成20年11月18日付で、再度、変更申請理由書を提出しました。次のように、大幅に書き換えています。

**********
平成20年11月18日 東京ガス株式会社 群馬幹線建設事務所
【変更申請理由書】
 変更申請に至るまでの経緯及び変更申請における占用位置の検討経緯については、下記の通りです。
    記
1.変更申請に至るまでの経緯
(1) 施工方法の計画から占用許可までの経緯
 当初、前橋安中富岡線の施工方法については、複数工法を比較検討し、地域住民及び道路利用者の方々への影響が最小限となるよう、工期が最短である“全面覆工による開削工法”での施工を計画致しました。
 平成20年5月、“全面覆工による開削工法”の計画を安中土木事務所様にご説明し、占用許可(平成20年5月23日付安土第27001-13号)を頂いています。
(2) 試掘工事の実施
 「群馬幹線I期」建設工事については、平成19年3月に着手し、平成22年3月の供用開始※1(配管完了は、平成21年9月※2)に向けて建設を進めています。前橋安中富岡線については、平成20年5月末まで掘削規制期間中であったことから、平成20年6月〜7月にかけて、他埋設物位置確認のための試掘工事を実施致しました。
 ※1:別紙-「群馬幹線I期」計画概要-をご参照願います。
 ※2:配管完了後、供用開始前までに、管内清掃工・管内気体置換工・各種調整工・ガス事業法に基づく使用前検査等を実施します。
(3) 計画の変更
 試掘の結果、φ400mm程度の玉石積み区間(旧護岸と想定)及び路床の改良区間が確認されました。この結果を受け、現状計画により施工した場合、「玉石積み区間において、掘削溝側面の玉石崩壊により、道路及び民地の地盤が沈下する危険性があること」、「路床改良区間において、騒音等が地元苦情の誘因となる可能性があること」等の課題が明らかとなりました。よって、現状計画の見直しに至り、開削工法の適用が困難であるとの判断から推進工法を採用することと致しました。

2.変更申請における占用位置の検討経緯
(1) 推進工法の検討
 推進工法の採用検討に際しては、曲線推進と連続(直線)推進について検討しました。曲線推進の場合、農地取得手続き(地権者折衝、農振除外、農地転用)・推進工事・配管工事に要する期間を考慮すると、平成22年3月の供用開始に間に合わせることができないことから、連続(直線)推進を採用することと致しました。
(2) 平面線形の検討経緯
 平面線形については、「一車線分の車両通行帯の確保が可能なこと」、「ガス管及び推進管が民地内に入る線形とならないこと」、「住宅や商店の出入口に支障とならないこと」、「推進設備が設置可能な借用地が近接していること」等を考慮した上で、立坑が築造可能な位置を検討し、この区間を推進区間とするように計画しています。
(3) 縦断線形の検討経緯
 平成20年9月、路線上においてボーリング調査工事を実施し、土質分布の想定を行ないました。推進土被りについては、「他埋設物と十分な離隔を確保すること」及び「推進機トラブルを回避するために互層部分を避けること」を考慮し選定しています。また、縦断線形については、ガス管の配管性を考慮し同一レベルとしています。
**********

 このように、東京ガスは、「当初、県道の施工方法については、複数方法を比較検討し、地域住民及び道路利用者の方々への影響が最小限となるよう、工期が最短である開削工法で計画した」などと説明していますが、噴飯ものです。東京ガスは、わざとコストの安い開削工法で計画して、沿線住民や運転者への迷惑など初めから考えてもいなかったくせに、行政にはこうした奇麗事をいうのです。

 また、意味不明の技術用語や言い回しで書類を作成し、読み手を惑わすことも、東京ガスでは常套手段です。要するに、違反してもばれないように、カモフラージュしてきた東京ガスの長年の「ノウハウ」といえます。

■東京ガスの道路占用の変更申請に対して、安中土木事務所は、平成20年11月20日付で許可を出しました。これを見越して、東京ガスは平成20円11月14日付で、安中土木事務所の市毛保夫所長宛に、道路の掘削・交通制限申請も提出していました。これは、工事期間が平成20年12月5日から平成21年12月26日まで、工事実施方法を推進工法(請負工事)として、全長352mにわたるトンネル工事に変更するものでしたが、安中土木事務所はこれを平成20年12月1日に許可したのです。

 こうして、現在、安中市岩井地区の県道上に、大きな立坑を5本も設置することになったのです。

■野殿から下る藤井坂が、県道と合流する地点に、長さ6.326m、幅3.5mの長円形で、深さ9.836mのA立坑が設置されました。そこから、セブンイレブンの隣の小林建設作業所前のB立坑まで、102.610mを地下8.2m〜6.7mの位置で、推進工法により、外径1200mm、内径1000mmのヒューム管(鞘管)を直線に配置し、その中に、外径508mm、内径500mmのガス管を設置します。既にヒューム管は設置が終わり、現在その内部にガス管を溶接で接続して配置している段階です。
クリックすると元のサイズで表示します
野殿から藤井坂を経由して岩井の県道に合流する場所にあるA立坑。県道に張り出しているため、通行上大迷惑だ

■セブンイレブンの隣の小林建設作業所前のB立坑も長さ6.326m、幅3.5mの長円形で、深さは8.206mです。そこから、中島石油とトミックスの間の空き地の前のC立坑まで、123.358mを地下6.7m〜5.7mの位置で、推進工法により、外径1200mm、内径1000mmのヒューム管(鞘管)を直線に配置し、その中に、外径508mm、内径500mmのガス管を設置します。現在、中島石油側からセブンイレブンに向けて推進工法によりヒューム管を設置している段階です。なお、この区間の県道はかなりカーブしているため、直線で地下に敷設されるヒューム管は、小林宅前の歩道の真下を通過することになります

■中島石油とトミックスの間の空き地の前のC立坑は直径6mの円形で、深さは7.185mです。そこから、旧春見屋酒店前のD立坑まで、76.987mを地下5.7m前後の位置で、推進工法により、外径1200mm、内径1000mmのヒューム管(鞘管)を直線に配置し、その中に、外径508mm、内径500mmのガス管を設置します。この区間は、まだ推進工法によるトンネル掘削工事に着手していません。おそらく最後か、最後から2番目に実施されるものと思われます。
クリックすると元のサイズで表示します
↑C立坑からD立坑方向を見たところ↑

■旧春見屋酒店前のD立坑も直径6mの円形で、深さは7.265mです。そこから、碓東小交差点の対角線上の反対側の空き地の前のE立坑まで、28.097mを地下5.8m〜6.0mの位置で、推進工法により、外径1200mm、内径1000mmのヒューム管(鞘管)を直線に配置し、その中に、外径508mm、内径500mmのガス管を設置します。この区間は、まだ推進工法によるトンネル掘削工事に着手していません。おそらく最後か、最後から2番目に実施されるものと思われます。
クリックすると元のサイズで表示します
D立坑は碓東小交差点に食い込んでおり、後背地が狭いため、クレーン使用時には一車線を占有しなければならず、交通に最も影響をおよぼす場所。朝夕の交通ラッシュを避けるため、当初は夜間工事するはずだったが、近隣の住民から眠れないとクレームが付き、昼間工事に変更余儀なくされた

■碓東小交差点の脇の空き地前のE立坑は、長さ6.326m、幅3.5mの長円形で、深さは7.438mです。そこから、若宮橋のたもとの農地(田)の中の直径6mのF立坑まで、125.3mを地下約6.0mの位置で、推進工法により、外径1200mm、内径1000mmのヒューム管(鞘管)を直線に配置し、その中に、外径508mm、内径500mmのガス管を設置します。この区間は、既に5月中にトンネル掘削が完了しヒューム管(鞘管)が敷設し終わっているものと思われます。
クリックすると元のサイズで表示します
E立坑からF立坑方面を見たところ

■応用地質鰍ノ発注して調査したボーリング柱状図をみると、A立坑は、地下8〜9mの推進深さでは砂・砂質泥岩の互層となっています。B立坑の推進深さ7〜8mでは、粒子均一の細砂となっています。C立坑では、推進深さ6〜7mは直径2mmから100mmの砂礫層です。D立坑の推進深さ6〜7mでは、同じく砂礫層です。E立坑も、推進深さ6〜7mで砂礫層で、不安定な土質です。F立坑は碓東小交差点から下った先の道路わきの田圃なので、推進深さは2〜3mとなっており、土質は玉石混り砂質土となっています。このように、もともと岩井川の川岸だったところなので、非常に不安定な土質となっていて、砂質と砂礫質が多く見られます。これは、国道18号線の藤塚町で陥没事故が起きた場所に似ていると考えられます。

 国道陥没事故に懲りたのか、岩井地区の掘削現場を見ると、大量の裏込め用の土質改良材らしいセメント袋のようなものを積み上げてあります。しかし、ズサンな施工管理がどれほど改善されたのか、情報公開がないため、周辺住民はもとより、通行する車両の運転者にとって、いつまた陥没事故が起きるのか、不安が付きまといます。
クリックすると元のサイズで表示します
F立坑の現場で使用されていた大量の裏込め用材料

■昨日夜には、大雨の中、交通規制をして、大型クレーンが中島石油の脇のC立坑で作業をしていました。東京ガスが安中土木事務所に提出していた交通規制工程表によれば、6月中旬の作業はB立坑とE立坑の夜間工事施工となっており、まったく出鱈目であることがわかります。このことが意味しているのは、交通規制はやりたい放題で、昼でも夜でも、自分たちの都合でコロコロ交通規制の時間と期間を変えています。これが、年末まであと7ヶ月近く続くと思うとウンザリです。

 ステークホルダーである地元住民への情報非開示体質、行政へのおざなり報告、そしてズサンな工事計画・・・それもこれも、「ガス事業法によって、自分たちは何をしてもいいと思い上がっている」のが原因です。長年のこうした思い上がりが東京ガスの傲慢で高飛車な企業体質を形成してきたものと考えられます。引き続き、役所を通じて、東京ガスの工事情報を入手し、問題点を摘示してゆきたいと考えています。

【ひらく会情報部】
4



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL





AutoPage最新お知らせ