2009/6/17  20:16

役所に厚く、住民に薄いガスパッチョ東京ガスの情報開示と薄っぺらな説明責任意識  東京ガス高圧パイプライン問題

■東京ガスのホームページを見ると、真っ先に飛び込んでくるCSRというのは企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)を意味する略称です。東京ガスの場合、いかにもCSRに熱心な企業であるかのように振舞っていますが、実際には、CSRとかコンプライアンスを担当する部署はありません。ウソだと思う方は、当該部署名御中で文書を送って返事を求めてみてください。同社の広報部でさえ、導管事業にかかる相談事で、関係住民から書面で回答を求められても平気で無視をします。返事をしてくるのは、いつでも、出先の工事現場の渉外担当者からです。

 世界的企業なのに、このような表と裏の二重構造を持っていること自体、不思議でなりませんが、嘆いていても仕方が無いので、あらゆる手段を講じて、東京ガスの群馬幹線第T期工事の詳細について情報収集を試みています。

 そのひとつの手段として、東京ガスの高圧ガス導管敷設に際して、公道を占用するにあたっての許認可手続きのため、東京ガスが行政に提出した文書について、道路管理者である自治体に対して情報公開条例に基づき、閲覧或いは写しの交付を求めることです。時間と費用がかかりますが、この方法ですと、かなり詳しい情報が入手できます。

 その結果、東京ガスが渋々行った地元説明会では得られなかった情報が、いろいろと明らかになりました。

■先日、群馬県安中市土木事務所から開示された資料の中に、次の2件の小冊子がありました。ひとつは、「クリーンエネルギー 天然ガスを皆さまへ 高圧ガス輸送導管の維持管理/エネルギー・フロンティアTOKYO GAS導管部・幹線グループ」というパンフレットで、もうひとつは、「ガス供給施設の概要/平成20年5月 東京ガス株式会社」という小冊子です。それぞれの内容は次のとおりでした。いずれも、平成19年10月頃、安中市岩野谷地区のパイプライン計画ルート沿線の各地区で行われた地元説明会では見たことの無い資料です。パンフレットのほうはフルカラーで6ページ綴りです。

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役所から入手できたパンフレット表紙

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東京ガスが平成19年10月に住民説明会で配布したパンフレット

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≪クリーンエネルギー 天然ガスを皆さまへ 高圧ガス輸送導管の維持管理≫
エネルギー・フロンティア TOKYO GAS 導管部・幹線グループ

1 高圧ガス輸送導管網
 東京ガスでは年々増大するガスの需要に対応するため、クリーンエネルギー天然ガスの輸送導管を着々と建設しており、現在約700kmに達しております。これら高圧ガス輸送導管の維持管理は地域別に設置されている5つの導管ネットワークセンターが行っています。
・東部導管ネットワークセンター管理
・千葉導管ネットワークセンター管理
・埼玉導管ネットワークセンター管理
・西部導管ネットワークセンター管理
・神奈川導管ネットワークセンター管理
・今泉幹線
2005年9月現在
【導管ネットワークセンター名】幹線名/起点〜終点/口径(mm)/仕様圧力(MPa)
【千葉導管ネットワークセンター】
・第2千葉幹線/柚ケ浦工場〜生実BS/600/6.86
・港町分岐ライン/生実BS〜港町GS/400/6.86
・成田ライン/大佐倉GS〜江弁須VS/150/2.94
・第2成田ライン/鹿放ヶ丘GS〜大佐倉GS/200/1.77
・南袖ライン/長浦BS〜川重MS/300/6.86
【東部導管ネットワークセンター】
・千葉幹線/柚ケ浦工場〜江戸川左岸/600/6.86
・海底幹線/柚ケ浦工場〜陸揚GS/600/6.86
・湾環幹線/陸揚GS〜豊洲GS〜大丼GS/850(750)/1.96
・京浜幹線/大#GS〜羽田分岐〜多摩川左岸/750/2.94 or 1.96
・京浜幹線羽田分岐線/羽田分岐〜羽田GS/400/1.96
・葛西ライン/陸揚GS〜葛西GS/600/6.86
・舞浜ライン/葛西GS〜江戸川左岸/400/1.96
・常総幹線/白丼GS〜干葉ニュータウンVS〜牛久GS/400(300)/1.77
・第2常総幹線/印旛BS〜電ケ崎GS/400/6.86
・干葉ニュータウン受入管/干葉ニュータウンVS〜干葉ニュータウンGS/300/1.77
・圧力逃し装置連絡管/干葉ニュータウン受入管〜印西DS/300/1.77
・埼玉幹線/江戸側左岸〜朝霧GS/600/6.86
【埼玉導管ネットワークセンター】
・埼玉幹線/八潮BVS〜草加GS/600/6.86
・埼北幹線/安行GS〜上之GS/600(400)/6.86
・熊谷〜佐野幹線/上之GS〜犬伏BS/400/6.86
【今泉幹線出張所】
・熊谷〜佐野幹線/上之GS〜犬伏BS/400/6.86
・栃木ライン/佐野GS〜真岡GS/400/6.86
・宇都宮幹線/佐野VS〜鶴田GS/250/1.77
【西部導管ネットワークセンター】
・東京幹線/朝霞GS〜下麻生GS/650/1.96
・第1根岸幹線/根岸工場〜下麻生GS〜保谷GB/750(600)/1.96
【神奈川導管ネットワークセンター】
・第1根岸幹線/根岸工場〜下麻生GS〜保谷GB/750(600)/1.96
・第2根岸幹線/根岸工場〜下麻生GS/(750)650/1.96
・根岸分岐ライン/市ケ尾GS〜梶ケ谷GS/650/1.96
・富岡ライン/磯子〜金沢GS/600/1.91
・京浜幹線/根岸工場〜根岸拡張地区送出管 or 多摩川左岸〜根岸工場/750/1.96
・川崎縦貫ライン/浮島分岐〜浮島GS/750(400)/1.96
・横浜幹線/東神奈川分岐〜荏田BS/900/1.96
・横浜湘南ライン/新橋BS〜下土棚GS/600/1.96
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東京ガスの首都圏の高圧ガス導管ネットワーク

2 私たちが守っているガス供給施設
<導管材料>
 高圧ガス輸送導管の材料として、世界的に広く使用されている米国石油協会(API)高圧ラインパイプ(5L)規格のX-42、X-52、X-60、X-65等の鋼管を使用しており、これらの材料は引張り強度、耐力が大きく強靭で、かつ伸びも大きく可撓性のある優れたものです。
 なお、導管の外面には腐食防止のためポリエチレン、コールタール、エナメル等の塗覆装が施されています。
<導管の接合>
 高圧導管の接合は、高品質な溶接接合を採用しております。この溶接接合部は、全数について厳重な非破壊検査を実施し、十分な品質であることを確認しています。
<道路埋設部>
 高圧導管は、主に道路下に埋設されており、その標準的な断面は下図のようになっています。
<河川等横断部>
●専用橋梁
 大きな河川等での横断には、ガス管専用の橋梁を設けています。
大きな橋梁としては
1.江戸川専用橋(560m)
2.養老川専用橋(350m)
3.中川専用橋(265m)
等があります。
●洞道(トンネル)
 荒川の横断(1,437m)、草加市内の東武鉄道・国道4号線・綾瀬川(665m)及び旭運河・京浜運河の横断(2,111 m)には、ガス管専用の洞道を設けています。
<ガバナステーション(略称:GS)>
 高圧導管から各地区にガスを供給するため、ガスの圧力を下げる機器(ガバナ)を設けています。
<バルブステーション(略称:VS)>
 大地震等の緊急時に備え、ガスを遮断する遮断バルブを設けています。
<電気防食施設>
 高圧導管の腐食を防止するため、電気防食用外部電源装置と排流器を設置しています。
<維持管理用路上施設>
 高圧導管を埋設した路面上には、
1.防食状況を測定するためのターミナルボックス
2.高圧導管の沈下を測定するための沈下棒ボックス
3.高圧導管の曲がり部の埋設位置を明確にするための目印ボックス
等を設けています。

3 私達が行っている維持管理業務
<路線巡回>
 高圧導管路線上で、事前に照会のない他企業者工事の発見、ならびに施設の異常の有無、路線状況の変化を発見するため、24時間体制でパトロールを行っています。
<照会工事対応>
 他企業者が行う工事の際に、高圧導管の保安を確保するため、事前に十分な打合せを行うとともに、現場での立会い・確認を実施しています。
<施設保全>
 各種施設の点検・検査、機器類の機能検査を定期的に行い、施設が正常に作動していることを確認しています。
<沈下管理>
 地盤の不等沈下等により高圧導管に発生する応力を把握するため、定期的に高圧導管のレベルを測量しています。
<電気防食管理>
 高圧導管の腐食防止のために電気防食が適正な状態にあるかどうかを定期的に測定しています。
<特別点検>
 地震、大雨等があった場合には、施設を特別に点検し、異常がないことを確認しています。
<埋設位置図の整備>
 高圧導管の埋設されている位置を正確に把握するため、地形の変化にあわせ、随時図面を修正整備しています。
<遠隔監視>
 高圧導管網の減圧設備、遮断設備は、本社の防災・供給センターで、テレメーター、テレコン
トロールシステムにより常時監視および遠隔操作出来るようになっています。なお、停電時には、自動的に備え付けの予備電源に切換ります。
 また、各導管ネットワークでも地震の大きさやガスの漏洩などの情報を24時間監視しています。

【高圧ガス輸送導管付近で工事を行う際の連絡先】
<維持管理体制>
 東京ガスでは、高圧ガス輸送導管の維持管理に万全を期すとともに、管轄の道路管理者、消防署及び警察署と密接な連絡体制を確保するため、各地区を管理する導管ネットワーク内に専門の維持管理組織を設けています。
 各導管ネットワークセンターの所在地及び管理区域は次の通りです。
<首都圏関東導管事業部 東部ネットワークセンター幹線管理グループ>
荒川区南千住3−13−1 TEL 03−3802−7613
江東区、江戸川区、品川区、大田区、港区、東京湾、足立区、三郷市、八潮市、草加市、白井市、沼南町、柏市、印西市、我孫子市、松戸市、流山市、利根町、竜ケ崎市、牛久市
<首都圏関東導管事業部 千葉導管ネットワーク幹線管理グループ>
千葉市中央区港町20−1 TEL 043−25−5339
袖ケ浦市、市原市、千葉市、四街道市、佐倉市、八千代市、酒々井町、成田市
<首都圏関東導管事業部 埼玉ネットワークセンター幹線管理グループ>
さいたま市浦和区北浦和5−16−20 TEL 048−832−9774
川□市、さいたま市、戸田市、酒田市、伊奈町、桶川市、鴻巣市、川里町、吹上町、行田市、熊谷市、羽生市、館林市、邑楽町
<今泉幹線出張所>
宇都宮市今泉4−15−16
TEL 028−622−7020
佐野市、岩舟町、大平町、小山市、南河内町、上三川町、真岡市、宇都宮市、鹿沼市、壬生町、都賀町、栃木市
<首都圏西導管事業部西部導管ネットワークセンター幹線管理グループ>
西東京市柳沢2−18−46 TEL 0424−64−2300
朝露市、新座市、清瀬市、東村山市、東久留米市、小平市、小金井市、府中市、多摩市、稲城市、国分寺市、調布市、三鷹市、武蔵野市、西東京市、川崎市、横浜市
<神奈川導管事業部神奈川導管ネットワークセンター幹線管理グループ>
横浜市西区平沼5−55 TEL 045−313−8006
川崎市、横浜市、藤沢市
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■もうひとつは、A4版5ページにA3版のルート地図がついているモノクロのコピー資料ですが、目次のページと、実際のページが食い違っているヘンな資料です。

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【ガス供給施設の概要】 平成20年5月 東京ガス株式会社

目 次
1.ガス供給施設の種類及び設置経路‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1
2.ガスの圧力、供給能力及び供給方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1
3.ガスの供給施設の設置位置及び設置方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1
4.ガスの供給施設の構造‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1
5.ガス導管等の耐圧試験及び気密試験の方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
6.ガス漏洩検知装置、感震装置、緊急遮断装置等の保安施設及び消火施設の設置状況‥2
7.ガス漏洩防止及び放散の方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
8.素意時に'おける緊急遮断装置等の作動方法 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
9.緊急時における連絡通報設備の設置状況及び道路管理者等への連絡体制‥‥3
10.自衛消防組織等の保安管理体制の状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
資料 1. 経路図

(1)ガスの供給施設の種類及び設営経路
(a)供給施設の種類
(i)導管
 名称:群馬幹線T期
 管径:呼径500 mm
 延長:16.4km
(ii)ステーション
 名 称/住 所(予定地)
 磯部ブロックバルブステーション/群馬県安中市中野谷
 安中バルブステーション/群馬県安中市野殿
 下小塙ガバナステーション/群馬県高崎市下小塙町
(b)設置経路   資料.1参照
(2)ガスの圧力、供給能力及び供給方法
 最高使用圧力:7MPa
 供給能力:15.0万Nm3/h
 供給方法:ガバナステーションのガバナ(整圧器〉にて所定圧力に減圧して供給します。
(3)ガスの供給施設の設置位置及び股置方法
(a)設置位置
(i)設営位置
 道路管理者殿及び関係各所と調整を行い、車道もしくは歩道に設置します。
(ii)他埋設物との離隔距離
 原則として60cm以上とします。
(iii)埋設深度
 1.2m以上とします。
(b)設置方法
(i)掘削
 山留を施す等、安全な方法により掘削を行います。
(ii)埋戻し
 管の周囲は良質な砂等に入れ替え、管床及び管の周囲を十分に突き固めます。
(iii)標示および防護
 道路法施行令に基づき導管明示テープを設置し、導管の上部に標識シート及び防護鉄板を設置します。
(4)ガスの供給施設の構造
(a)導管
(i)強度
 ガス工作物等の技術上の基準を定める技省令{以下「技省令」という。)第14条及びガス工作物技術基準の解釈例(以下「解釈例」という。)第14条に基づき、ガス導管の材料は下記のものを使用します。強度計算は、解釈例第41条に基づき行っています。
 材料/外径/肉厚
 API 5L X60/508.0mm/11.9mm
(ii)防食
 技省令第47条及び解釈例第103条に基づき、次のような防食措置を講じます。
(イ)工場塗覆装
 プラスチック(ポリエチレン)による外面被覆を行います。
(ロ)現地溶接部の塗覆装
 ポリエチレン熱収縮チュープ、ポリエチレン熟収縮シート又はポリエチレン防食テープにより被覆を行います。
(ハ)電気防食
 放電陽極法または外部電源法により電気防食を行います。
(ニ)他の構造物とは電気的に絶翁します。
(iii)接合の方法
(イ)技省令第15条及び解釈例第41条第2項に基づき、溶接により接合します。
(ロ)技省令第16条及び解釈例第58条に基づき、溶接部の検査を行います。
(b)ガバナステーション設備
 ガバナステーションにはガバナ、緊急遮断装置等のバルブ及び保安施設等の設備を備えています。
(5)ガス導管等の耐圧試験及び気密試験の方法
(a)耐圧試験
 技省令第15条及び解釈例第50条に基づき、耐圧性能の確認を行います。
(b)気密試験
 技省令第15条及び解釈例第51条に基づき、気密性能の確認を行います。
(6)ガス漏洩検知装置、感震装置、緊急遮断装置等の保安施設及び消火施設の設置状況
(a)保安施設
(i)ガス漏洩検知装置
 ガスの圧力変化を各ガバナステーションからテレメーターにより本社防災・供給センターに常時電送し、それらの変化を24時間監視します。
(ii)感震装置
 必要に応じて感震装置をガバナステーションに設置します。
(iii)緊急遮断装置
 緊急遮断装置を、各ガバナステーションに設置します。
(b)消火施設
 各ガバナステーション、群馬支社及びパトロール車には消火器を配置します。
(7)ガス漏洩防止及び放散の方法
(a)ガスの漏洩防止
 導管の強度、防食及び設置方法については、前述のように設計・施工するとともに、耐圧・気密試験によって安全性を確認しガスの漏洩を防止しますが、さらに維持管理上次のような対策をとり、ガスの漏洩を防止します。
(i)定期検査
 ガス事業法第36条の2の4及びガス事業法施行規則第56条、第57条に基づき、定期自主検査を行います。
(ii)漏洩検査
 技省令第51条及び解釈例第113条に基づき、漏洩検査を行います。
(iii)路線パトロール
 定期的に路線上を巡回し、他工事の有無、道路状況、橋架管、ステーションについて点検を行います。
(iv)他工事対策
 路線上の他企業者の工事による損傷を防止するため事前協議を行い、必要に応じて立会及び防護を行います。
(v)その他
 ガス導管の沈下測定と電位測定を定期的に行います。
(b)放散の方法
 万一ガス漏洩を生じた場合には、緊急遮断装置を閉止するとともに、放散設備により、ガスを大気中に放散します。
(8)緊急時における緊急遮新装置等の作動方法
 緊急遮断装置は遠隔操作で作動するとともに、現地でも作動できるようにします。また、停電時には予備電源による開閉を可能にします。
(9)緊急時における連絡通報設備の設置状況及び道路管理者等への連絡体制
 群馬支社及び各ガバナステーションには加入電話、専用電話又は無線通信機を設置します。また、路線パトロール車及び群馬支社には無線通信機を設置し、相互に連絡がとれるようにします。連絡体制は現在検討中であり、決まり次第報告致します。
(10)自衛消防組織等の保安管理体制の状況
 ガス事業法第30条の規定により定めた保安規定に基づく保安管理体制により、保安の確保に万全を期します。
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■この資料に書かれていることは、地元説明会をはじめ、これまで東京ガスに疑問点として質問してきた事項への回答となるものが多数ありました。東京ガスは、道路管理者である群馬県や安中市にはこうした資料を提出していますが、道路沿線・周辺に住む住民や地権者には見せようとしません。高圧ガス導管の実態を庶民に知られるのがよほど嫌いのようです。

 これらの資料を見ているうちに、地元説明会での東京ガスの説明や、実際に地元で施工している状況などと、食い違いのあることに気付きました。そこで、本日、次の内容の公開質問状を、高崎市にある東京ガスの群馬幹線建設事務所の鹿沼所長宛に提出しました。

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平成21年6月17日
〒370-0045高崎市東町134-6東京ガス群馬ビル
群馬幹線建設事務所所長 鹿沼 正広 様(FAX:027−324−5442)
    質問者 〒379-0114安中市野殿980番地  小川 賢
群馬幹線T期工事岩野谷地区内のガス工事の説明と実際の相違等について(公開質問状)
 拝啓 初夏の候、貴社いよいよご隆盛のこととお慶び申し上げます。
 さて、表記工事に関しては、平成19年10月に地元説明会で、事前に工事概要を説明いただいた経緯がありますが、その後、さらに詳しい工事情報や、放散塔、バルブステーションなどの施設情報、そしてシールド或は推進などの工法情報、さらに路面陥没事故原因情報等について、情報開示をしてきましたが、きわめて消極的な貴社の対応はまことに残念でなりません。地元説明会からもうじき2年を経過し、この大工事も大詰めに近づいているこの時点で、依然としていろいろな疑問点があります。
 つきましては、文書にて6月30日(火)必着で、下記項目についてご回答下さるようお願い申し上げます。 敬具
     記
1)地元説明会で貴社が配布した「天然ガスが運ぶ環境にやさしくより豊かな暮らし −群馬県線T期計画概要−平成19年10月 東京ガス株式会社」というパンフレットでは、標準断面図として、地表から「路面表示器」「埋土砂」「標識シート」「「土被1.2m以上」「ガス管」「砂袋」「掘削幅1.1m以上」とあります。一方、貴社が平成20年5月ごろ、群馬県安中土木事務所に提出した「クリーンエネルギー 天然ガスを皆さまへ 高圧ガス輸送導管の維持管理 エネルギー・フロンティア TOKYO GAS 導管部・幹線グループ」によれば、標準的な断面として、地表から「路面ボックス」「集気管」「標識シート」「砂」「防護鉄板」「1.5m〜1.8m」「漏洩検知ケーブル」「ガス管」「砂袋」「掘削幅」とあります。両者にはなぜこのような違いがあるのでしょうか。具体的にわかりやすく説明してください。とくに、ガス導管の埋設深度(土被?)の違い、集気管、防護鉄板、漏洩検知ケーブルなどの有無の違いは、なぜなのか。現在、安中市岩野谷地区で施工中の標準断面は、どちらなのか、など、疑問点にお答えください。
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地元説明会での説明資料
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東京ガスが行政に出した資料

2)後者のパンフレットの3ページ目に「2 私達が守っているガス供給施設」として「導管材料」の説明があります。このなかで貴社は「なお、導管の外面には腐食防止のためポリエチレン、コールタール・エナメル等の塗覆装が施されています」と記していますが、コールタールのような有害物質を本当に使用しても大丈夫なのでしょうか。既に、コールタール系やタールエポキシ系の塗料は、産業界では使用禁止となっているはずですが、再度、ご確認ください。
3)貴社は、安中市野殿地区で、当初ガバナーステーションを計画し、その後バルブステーションに変更しているようですが、一方で、貴社は地元説明会で、東邦亜鉛へのガス供給について営業をかけている事を示唆しました。また、実際に測量も実施済みのようです。しかし、その後、一部の地元住民に対して、「東邦亜鉛のような企業に対しては、帝国石油しか営業できない。東京ガスは一般家庭にしか供給できない」と説明しています。つきましては、東邦亜鉛へのガス供給のためのルート計画はどのようになっていますか。また、東邦亜鉛への天然ガスの営業は実際に貴社がしているのですか。それとも企業へのガス供給は帝国石油しかできないのですか。そして、貴社は一般家庭にしかガスを供給できないのですか。
4)貴社は、安中市野殿地区でバルブステーションを建設中ですが、その資材置き場は、農地を借りて使用しているようです。となると、農地法による転用許可を受けているはずですが、見やすいところにそのような標識は表示していないようです。実際にどのような転用許可を受けたのでしょうか。その場合、見やすいところに標識を張り出しておかないのは何故でしょうか。理由を教えてください。もし、農地転用許可を受けなくてもよいのであれば、その旨、理由を教えてください。
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安中市野殿にあるバルブステーション建設用資材置き場
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工事施工安全標識はあるが、農地転用許可標識は見当たらない(いずれも4月18日撮影)

5)次に、貴社が平成20年5月に群馬県安中土木事務所に提出した資料で「ガス供給施設の概要」という表紙を含めてA4版5ページとA3版の資料があります。このうちページ2で「(2)ガスの圧力、供給能力および供給方法」として、最高使用圧力:7MPa、供給能力:15.0万Nm3/h、供給方法:ガバナステーションのガバナ(整圧器〉にて所定圧力に減圧して供給します、とあります。貴社は、地元説明会で、最高使用圧力は説明しましたが、供給能力については質問に答えませんでした。ここで質問です。供給能力が毎時15万ノルマル立米の場合、ガス導管を流れるガスのスピードはどれくらいになりますか。
6)ページ2の「(3)ガスの供給施設の設置位置及び設置方法」で、「(a)設置位置(ii)他埋設物との離隔距離 原則として60cm以上とします」としていますが、地元説明会のとき、貴殿は1m以上離隔距離をとらなければならないので、地元住民が提唱した碓東小学校の北側の道路へのガス導管埋設は、東邦亜鉛の重金属処理水の放流用ヒューム管と十分な離隔距離が取れないことを理由に、不可能であると主張しました。離隔距離の根拠と、正しい数値を教えてください。
7)「(a)設置位置(iii)埋設深度 1.2m以上とします」とありますが、前述のように、1.5m〜1.8mという数値も存在します。埋設深度の違いと理由についてわかりやすく説明してください。
8)「(b)設置方法(iii)標示および防護 道路法施行令に基づき導管明示テープを設置し、導管の上部に標識シート及び防護鉄板を設置します」とありますが、「導管明示テープ」というものはいったいどのようなものですか。どこにも説明がないため、教えてください。また地元説明会では説明のなかった「防護鉄板」というものは、実際に設置してあるのかどうか、あるいは部分的に設置されているのか、ならばどの場所に設置している、あるいは設置していないのでしょうか。
9)ページ3において、「(4)ガスの供給施設の構造(a)導管(ii)防食 技省令第47条及び解釈例第103条に基づき、次のような防食措置を講じます。(ハ)電気防食 放電陽極法または外部電源法により電気防食を行います」とありますが、「技省令」「解釈例」というのは、どういう基準、あるいはルールなのでしょうか。また「放電陽極法」「外部電源法」の違いを含めてそれぞれの防食メカニズムを教えてください。
10)また、「(ニ)他の構造物とは電気的に絶縁します」というのは、どういう意味ですか。貴社は、地元説明会で、信越線の敷地沿いに埋設してはどうかという地元住民の提案に対して、「鉄道の信号電流が、防食面等で好ましくない影響を受ける」と見解を述べ、線路沿いの敷設を拒否しました。電気的に絶縁されれば、信号電流に対しても、絶縁可能と思われますが、なぜ、地元説明会では、線路付近は防食上好ましくないといったのか、その理由をご説明ください。
11)「(b)ガバナステーション設備 ガバナステーションにはガバナ、緊急遮断装置等のバルブ及び保安施設等の設備を備えています」と記載していますが、野殿にあるバルブステーションはどうなっていますか。
12)「(6)ガス漏洩検知装置、感震装置、緊急遮断装置等の保安施設及び消火施設の設置状況(a)保安施設(i)ガス漏洩検知装置 ガスの圧力変化を各ガバナステーションからテレメーターにより本社防災・供給センターに常時電送し、それらの変化を24時間監視します」と記していますが、野殿にあるバルブステーションはどうなっていますか。
13)「(ii)感震装置 必要に応じて感震装置をガバナステーションに設置します」とありますが、野殿に設置するバルブステーションはどうなっていますか。
14)「(iii)緊急遮断装置 緊急遮断装置を、各ガバナステーションに設置します」とありますが、野殿のバルブステーションはどうなっていますか。
15)「(b)消火施設 各ガバナステーション、群馬支社及びパトロール車には消火器を配置します」とありますが、野殿のバルブステーションはどうなっていますか。
16)ページ4で、「(7)ガス漏洩防止及び放散の方法(a)ガスの漏洩防止(iii)路線パトロール 定期的に路線上を巡回し、他工事の有無、道路状況、橋架管、ステーションについて点検を行います」と記載していますが、住民説明会では毎日路線パトロールを行うと説明しています。「定期的」というのは、「毎日」という意味でしょうか。
17)「(v)その他 ガス導管の沈下測定と電位測定を定期的に行います」とありますが、ガス導管の沈下測定はどの箇所を、どの範囲で、どういう方法により、どんな頻度で行うのでしょうか。また、電位測定のやりかたも教えてください。その場合、どの箇所を、どの範囲で、どんな頻度で実施しますか。
18)「(b)放散の方法 万一ガス漏洩を生じた場合には、緊急遮断装置を閉止するとともに、放散設備により、ガスを大気中に放散します」と記していますが、地元説明会では、こうした操作はすべて中央制御室から遠隔操作で行うという説明でした。ところが、地元の一部の住民に対して、貴社は、緊急遮断装置とガス放散のための一連の操作は、現場に巡回のため訪れて、周辺の様子をみて、人力で操作すると説明しました。いったい、どっちが正しいのですか。
19)「(8)緊急時における緊急遮新装置等の作動方法 緊急遮断装置は遠隔操作で作動するとともに、現地でも作動できるようにします」と記しています。前項の質問とも関連しますが、いったいどういう運用方法を採るつもりでしょうか。「また、停電時には予備電源による開閉を可能にします」とありますが、遠隔操作の場合、停電時にどうやって予備電源を起動させるのでしょうか。
20)「(9)緊急時における連絡通報設備の設置状況及び道路管理者等への連絡体制 群馬支社及び各ガバナステーションには加入電話、専用電話又は無線通信機を設置します。また、路線パトロール車及び群馬支社には無線通信機を設置し、相互に連絡がとれるようにします。連絡体制は現在検討中であり、決まり次第報告致します」とありますが、4月16日未明の国道陥没事故では、初動は高崎警察で、貴社は対応が遅れたと、聞いています。その後、どのように連絡体制を改善しましたか。また、野殿のバルブステーションにおける連絡通報設備や連絡体制はどうなっていますか。
21)「(10)自衛消防組織等の保安管理体制の状況 ガス事業法第30条の規定により定めた保安規定に基づく保安管理体制により、保安の確保に万全を期します」と記していますが、貴社の自衛消防組織について、詳しくご教示ください。また、緊急時の連絡通報体制や保安管理体制の関連で、地元との災害防止協定の締結についてはどうお考えでしょうか。
22)添付図にある地図で、BVS(ブロックバルブステーション)とVS(バルブステーション)、それにGS(ガバナーステーション)の違いを、とくにBVSとVSとの相違を判りやすくご教示ください。
23)最後に、なぜこのような素晴らしい情報があるのに、関係住民に開示せず、役所だけに提出するのでしょうか。ワケを教えてください。 以上
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群馬幹線建設工事の概念図。今後、高崎市の東に向けて、帝国石油と交互に敷設してゆくらしい
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