2009/6/18  23:55

あとは群銀への和解金だけ・・きょう、タゴへの損害賠償時効で事件関係者は祝杯か?  土地開発公社51億円横領事件


■広報あんなか2009年2月号の8ページに、「民事訴訟の和解成立を受け、安中市土地開発公社には、24億5000万円の債務が確定し、その中の正規借入金額は2億2690万8000円でありますので、その残額である22億2309万2000円が、損害となりました。そのため安中市土地開発公社では、元職員に対して損害賠償請求を提訴し、平成11年5月31日判決、同6月18日に22億2309万2000円とこれに対する民事法定利率である年5部の割合による遅延損害金の支払いを認める判決が確定しています。これまでに、市税還付金、土地および家屋の強制競売による配当金として、1488万500円を回収し、現在残っている損害賠償請求権は22億821万1500円となっています。今後におきましても、たとえわずかな金額でも、回収できるように努力していきたいと考えています。 問合せ▼安中市土地開発公社(電話382-1111)」と書かれていました。

 上記のように、元職員タゴ邦夫に対する損害賠償請求権22億2309万2000円の判決が10年前のきょう、6月18日に確定しましたが、10年後のきょうの時点で、22億821万1500円の請求権が消滅時効となるのではないか。そのような危機感から、当会では、土地開発公社の岡田義弘理事長にタゴを再提訴するよう、安中市の岡田義弘市長に監査請求をしましたが、安中市監査委員ははやばやと請求を却下し、前橋地裁の松丸伸一郎裁判長も、当会の訴状をあっさりと却下し、きょうの6月18日がまもなく過ぎようとしています。


■隣の高崎市でも、やはり元職員が約10年前に上下水道料金の還付金同系約2400万円を着服するという事件が起きました。事件そのものの規模は、タゴ事件の220分の1ですが、高崎市は、元職員への損害賠償請求訴訟で確定した返済金のうち未払い分約1900万円の支払いを求め、前橋地裁高崎支部に再提訴する方針をかため、3月12日の高崎市議会建設水道常任委員会で報告しました。

 この事件は、高崎市の元職員が1998年末から98年6月にかけて、不正入力などで還付金を着服し、同年7月に懲戒免職処分となり、99年4月末、当時の未返済分約2100万円の支払いを命じる判決が出されました。元職員は刑事裁判でも実刑が確定しましたが、服役後の2003年から行方不明となっています。10年経過の今年の4月末に民事の時効が迫っていたため、高崎市は再提訴を決めたのでした。

■これは、明らかにタゴ事件にも当てはまるとわかり、当会は安中市に対してタゴへの再提訴を強く促してきました。安中市土地開発公社理事長を兼務する岡田市長は、判決の10年後に損害賠償請求権が失効することについて、半信半疑ながらも認識はしている様子で、公社として、法律の専門家と対応策について相談していることを市民対話での席上、当会に明らかにしました。

 しかし、その後、安中市議会の常任委員会で報告した経緯もなさそうですし、具体的なアクションをとったことが判る証を市民の前に明らかにしていません。

■民法第167条によれば、「債権は、10年間行使しないときは、消滅する」と定められています。本件のように、一定期間継続して権利が行使されないときに、その権利を消滅させる時効のことを消滅時効といいますが、「貸金」の「不当利得変換請求権」については、時効になるまでの期間は「10年」で、時効の起算点は「不当利得変換請求権の発生した日」とされています。

 となると、明日以降、安中市土地開発公社がタゴを再提訴しても、裁判において、タゴから「不法行為による損害賠償請求権の消滅時効を援用します。」と主張されたら、その時点で、訴えた公社の敗訴は免れないものとなります。

■ただし、時効が過ぎた後であっても、タゴが損害賠償債務を承認し、損害賠償債務(ないしその額を確定し得る計算方法)を確定し、(互いに譲歩して)和解契約を締結した場合は、その時点で和解契約に基づく請求債権が発生し、約定で定めたその履行期から(履行期を定めなかったときは、和解契約締結から「相当の期間」が経過してから)10年間は時効消滅する事はありません。

 まさに、群馬銀行が、安中市土地開発公社に対して、この方法で、今年から今後さらに10年間、時効消滅を防ぐための手続きを持ちかけ、岡田理事長は、これにホイホイと応じて、既に昨年12月26日までに和解契約の延長に合意しています。

 しかし、元職員のタゴは、いまさら安中市土地開発公社と和解契約を締結するはずもありません。市役所の目の前にあるタゴの自宅についても、岡田市長は、差し押さえによる強制競売にかけて、なんとか駐車場の一部に活用したいと語りましたが、これも話だけで、実効性はきわめて疑問です。

■消滅時効期間を延ばす方法としては、時効期間内に一定の手続きをとることによって、本来の消滅時効期間を延ばすことができます。これを「時効の中断」といいます。

 民法第149条に「時効期間中の訴訟の提起」というのがあります。裁判を継続している間は、時効は進行せず、判決が確定すると、いかなる債権でも、短期消滅時効が定められている債権でも、判決確定時期から10年間は時効にかからないことになっています(民法第174条の2)。当会が、タゴを再提訴するように、安中市に促しているのはこれを根拠としています。

■一方、裁判を起こさなくても、時効期間内に債権者が債務者に書面等で請求(催告)するだけでも6ヵ月間延ばすことができます(民法第153条)。ただし、時効期間を延ばす目的でする請求(催告)は、必ず配達証明付の内容証明郵便で行わなければなりません。そして、請求(催告)によって時効期間を延ばせるのは、本来の時効期間から6ヵ月間が限度であり、その間に訴訟手続きをとらなければなりません。

 もし、安中市土地開発公社が、きょうまでに催告をしていれば、とりあえずタゴ再提訴の準備に6ヶ月間は延ばせますが、もし催告をしていなければ、これによる半年間の時効延長もできないことになります。

■また時効の中断という手段もあります。民法第147条によると、時効期間内に債務者に債務の承認をさせる手続きをとると、それまでに進行してきた時効期間が帳消しになり、承認のときから新たに時効期間が進行することになる。具体的には、債務の残高確認書の取り付け、内金の受領等の事実によって承認の効果が発生します。

 タゴと親しい岡田市長なので、内密に、タゴとこのような債務の承認手続きを交わしている可能性もあります。タゴの不動産などを強制競売にかけたりして、一部の債権を回収したと自慢する岡田市長なので、もしかしたら、この手続きをとっていることで、タゴの再提訴は必要ないと考えているのかもしれません。だったらよいのですが。

■前述のように、時効期間が満了しただけでは債権は自動的には消滅しません。消滅時効の利益を受ける者(債務者=タゴ)が時効を援用(時効にかかっているから自分は支払わないという意思表示)をして初めて債権者の請求権が失われます。従って、時効期間が過ぎている債権であっても、債務者に請求することは一向に差し支えなく、債務者が異議を唱えずに支払ってくれた場合には、その支払は有効であり、後日返還する必要はないのです。

 また、時効が完成した後であっても、僅かな内金を支払って欲しいとか、残高確認のみをして欲しいと依頼し、債務者がそれに応じてもらえることもあります。最高裁判例によれば、債務者が時効完成後に内金を支払ったり、残高確認をしたりしたような場合には、債務者は時効利益を喪失したものと看倣し、その時点から新たに時効期間が開始するとしています。

■しかし、これらの手段が可能になるためには、いずれもタゴの自発的な行動が頼りです。公社でタゴと一緒に安中市内の土地情報を共有していた岡田市長に対して、タゴもいろいろ恩義もあるでしょうから、こうしたタゴ頼みの手段もあながち荒唐無稽ではないかもしれませんが、「二人とも、同じ穴のムジナ」という見方をすると、やはり、公社を隠れ蓑にして、あとは群銀への和解金の支払いだけ続ければ、世紀の巨悪詐欺横領事件もメデタシメデタシ、と幕引きを図ろうとするでしょう。

 このように、元職員のタゴに対する債権回収について、きょうという日が過ぎてしまえば、非常に難しくなりそうなことは確かです。果たして、岡田市長兼公社理事長がタゴから本気で債権回収をする気があるのかどうか、当会では住民監査請求から住民訴訟を通じて確かめようとしていますが、残念ながら裁判所の松丸伸一郎裁判長が、当会の訴状を門前払いするなどして、前途多難な様相を作り出しています。当会として、残された方法は、とりあえず、東京高裁への控訴しかありません。控訴期限は、判決文が届いた翌日から数えて14日以内なので、来週水曜日の前までに、そろそろ控訴状を作成すべきかどうかの決断を迫られています。

【ひらく会情報部】
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