2018/11/21  23:29

スマートメーター火災事故を隠蔽した東電のことを一面トップで報じた東京新聞のジャーナリズム精神  東北関東大震災・東電福島原発事故

■当会のブログでも取り沙汰している、次世代型電力量計「スマートメーター」の問題点ですが、このほど東電管内のスマートメーターのうち東光東芝メーターシステムズ社製造品から火災が発生していたことが発覚していたにもかかわらず、東電は、事故や不具合のある製品について公表せず、不良製品を設置した対象者への知らせもしていなかったことが判明しました。そして、一大広告スポンサーとしてマスコミ業界に大きな影響を持つ東電の隠蔽体質が起こしたこの事件について、東京新聞が11月18日の朝刊一面トップ記事で取り上げ、国民に説明もロクにせずスマートメーター交換を推進している問題を批判したことに、当会は注目しました。しかも、スマートメーターの本質的な問題として、品質不良による火災のみならず「恒常的な電磁放射線の被曝」であることも指摘しており、こうした「権力に忖度せずモノ申す」ジャーナリズム精神は、当会としても高く評価したいと思います。
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2018年11月18日東京新聞朝刊一面記事。


**********東京新聞2018年11月18日
PDF ⇒ 20181121084613.pdf
国も推進スマートメーター 発火16件 東電公表せず
交換対象2.4万台 6割未通知 16年9月から1年間

 電気使用量をこまめに計測できる次世代型の電力量計として東京電力が各家庭などに設置している「スマートメーター」に不具合が見つかり、二〇二八年九月から一年間に、内部が燃える火災が十六件発生していることが分かった。東電は同型のメーターを同社管内に計二万四千台設置。現在取り換えを進めているが、同社として事故や不良品について公表していない。 (石井紀代美)
 東電は火災の発生日時と場所について公表していないが、本紙が入手した東京消防庁の資料によると、少なくとも十件は一七年一〜七月に都内で発生している。
 東電管内の送配電を担うパワーグリッド社(東京都千代田区)などによると、スマートメーターの製造元は複数あり、今回判明した十六件はすべて、東光東芝メーターシステムズ(埼玉県蓮田市)が製造。同社が一五年四〜十一月に製造したスマートメーターのコンデンサー部品に不良があり、想定以上の電流が流れたために抵抗部と基板の一部が焼損したとみている。いずれも建物への燃え移りはなかった。
 東電は今年三月にこのメーターが不良品だったと認め、取り換え作業を始めた。現在約四割の九千六百台が終わり、一九年三月末を目標にすべて完了させる予定だという。
 しかし、そもそも製品不良の情報が対象者に伝えられていない。取り換えの直前に文書で通知するのみだった。まだ工事が済んでいない約六割の一万四千四百台にも火災の可能性があるのに伝えられていない。
 自宅のスマートメーターが燃えた都内の女性は本紙の取材に「ものすごく大きなブザー音がメーターから出っぱなしだった。触るとかなり熱かった」と事故当時を振り返った。
 パワーグリッド社広報担当の橋和希氏は「スマートメーターのケースは燃えにくい素材を使用しているため、引火したり建物火災に至ることはない。通知をしていなくても大事に至らない」と説明。東光東芝は「担当者がおらず、コメントできない」としている。
 全国の事故情報をまとめた消費者庁のサイト「事故情報データバンクシステム」によると、スマートメーターの火災は、東電が設置した東光東芝製の十六件のほか、メーカーは不明だが今年八月下旬に埼玉県内で一件、九月上旬に滋賀県内でも一件が起きている。
【2017年に都内で起きたスマートメーター火災10件の日時と場所】
  1月01日  江戸川区
  2月17日  立 川 市
  4月04日  江戸川区
  5月05日  新 宿 区
  5月21日  中 野 区
  6月02日  東大和市
  6月10日  江戸川区
  6月18日  練 馬 区
  6月19日  八王子市
  7月28日  八王子市
 (東京消防庁の資料から)
【スマートメーター】
 電力使用量を月ごとに計測する従来のアナログ式に対し、30分ごとに計測する。使用電力の「見える化」を目的に国が設置を推進している。東京電力は2020年度を目標にすべての利用者を対象に約2900万台を設置する計画。計測データが電波で電力会社に送られるため、電磁波過敏症の患者が設置を拒む例もある。消費電力で個人の生活パターンが分かることから、プライパシー侵害を危倶する声もある。

**********朝日新聞デジタル2018年11月18日17時50分
電力量計スマートメーターの焼損16件 東電は公表せず
 電気使用量をこまめに計測できる電力量計として、東京電力が家庭などに設置している「スマートメーター」で、昨年8月までの約1年間に部品の一部が焼損する不具合が16件起きていたことがわかった。消費者庁は火災事故としてインターネット上に掲載しているが、東電は公表していなかった。
 関係者によると、東光東芝メーターシステムズ(埼玉県)が2015年4〜11月に製造した約2万4千台のコンデンサー部分に不良があったという。東電によると、抵抗部と基板の一部が焼損したとみられる不具合が、17年8月までの約1年間に16件起きていたという。
 東電は具体的な日時や場所を明らかにしていないが、消費者庁などが運営する事故情報データバンクシステムによると、東京都内で17年1〜7月、東光東芝メーターシステムズ製のスマートメーターで同様の不具合が少なくとも10件起きていた。すべて「火災事故」と分類している。東京消防庁の火災調査書によると、このうち東大和市と八王子市の事例は、メーター内の制御基板でコンデンサーが短絡(ショート)して過電流が起きたことが原因だった。10件はいずれもメーターの焼損で、建物など周囲への延焼はなかった。
 東電の広報担当者は公表しなかった理由について「建物に燃え移る危険性はなく、無用の混乱を避ける意味でも公表していない」としている。不良品のスマートメーターは、対象者に通知した上で来年3月末までに交換するという。

**********テレ朝ニュース2018年11月19日16:54
スマートメーターで“火災事故” 東電は公表せず
https://www.youtube.com/watch?v=-Vd9WtKCt7I
 東京電力は家庭用のスマートメーターで部品の一部が発熱する不具合が相次いでいたにもかかわらず、「火災の恐れはない」として公表していませんでした。
 東京電力によりますと、去年8月までの1年間に、東光東芝メーターシステムズ製の家庭用スマートメーターで電気の使用量が測れなくなる不具合が16件、相次ぎました。いずれも基板の一部に発熱による変色が見つかっています。消費者庁などはこの不具合を「火災事故」としていますが、東電は「火災につながる恐れはない」としてこれまで公表していません。ただ東電は、全国に設置された問題のメーター約2万4000台について交換を進めています。
**********

■東京新聞は、こうしてスマートメーターをめぐる東電の「隠蔽体質」を批判する記事を他のマスコミに先んじて一面トップに掲載しました。これをマスコミ業界での快挙と評する向きもあり、当会もそう思います。

 また、スマートメーターの火災事故の裏には、品質管理の問題も潜在しています。

 なぜなら、今回16件の火災事故を起こしたことが判明した東光東芝メーターシステムズ社のスマートメーターの本体ユニットは、経済産業所所管の日本電気計器検定所(英称:Japan Electric Meters Inspection Corporation、略称:JEMIC。日本電気計器検定所法に基づき1964年設立。1965年に業務開始。特殊法人であったが、1986年10月1日から特別民間法人)による型式認定を受けており、その通信ユニット(PLC 用)は、取得規格・法規制として「電波法、総務省型式指定取得(第AH-15001号)」と明示されているからです。

 不良品にもかかわらず、法の定める形式的な認定が容易に得られることも、政府の総務省や経産省とつながりの強い東電ならではと言えるでしょう。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報1「知られざる大問題 スマートメーターって何?」
**********高木学校通信第119号別冊(2018.11.15発行)
PDF ⇒ 20181115_takagigakkoutuusin_no.119_bessatu_20181115issued.pdf
【報告】第16回高木学校カフェ
     知られざる大問題 スマートメーターって何?
                        田中捷一・日高祐二
日時:2018年7月15日(日) 13:30〜16:00
場所;新宿区環境学習情報センター 2階 研修室
参加者:16名(ゲスト7名、高木学校9名)
進行役の日高、頭に手拭い、エプロン姿で登場、カフェ店長になりきってマイクを持つ。
 「はじめに話題提供としてスマートメーターの概要を高木学校田中から。次に私から4月の『スマートメーター強制をやめさせる院内集会』の報告。そして意見交換。未だマスコミに載らない小さな戸をどう大きくするか、アイディアを出し合いましょう。」

[話題提供]1.スマートメーターの概要
●スマートメーターの主な機能
 電力量(正:買う電カ量、逆:売る電力量)の30分ごとの積算値を計測・保存。
 通信機能 Aルート(電力会社との間) 自動検針
 開閉機能(電力供給の開始・停止)、アンペアプレーカー機能(契約容量の変更)
 従来の機械式電力量計(アナログメーター)は電力量(正)の計測・表示
●Aルートの通信方式
 @無線マルチホップ方式:隣り合ったスマートメーター同士がバケツリレーのようにデータを送受信する。住宅密集地に適している。集合住宅にも使える。
 A携帯電話(1:N無線)方式:携帯電話の電波を利用する。郊外や山間地に適する。
 B電力線通信(PLC)方式:電力線(電気配線)に流れる電気にデータを乗せて送る。高層マンションなどの集合住宅に適している。
 無線マルチホップ方式が九州電力を除く九つの電力会社で主方式になっていて、東京電力では約9割がこの方式とのことです。
●エネルギー基本計画
 国がスマートメーター導入の根拠としているのが、2010年6月に閣議決定された第三次エネルギー基本計繭です。このなかで、「2020年代の可能な限り早い時期に、原則全ての需要家にスマートメーターの導入を目指す。」とあり、今年7月に閣議決定された第5次計画に引き継がれています。これに従い各電力会社は2020〜2024年度末を目標にスマートメーターの交換を進めています。今年の3月現在で51.3%が交換済みです。
●スマートメーターの問題点
 @プライバシー侵害、監視社会助長の恐れ、A電渡による健康被害、Bスマートメーターが原因の火災、@大停電などのトラブルの恐れ、D交換作業に伴うトラブル等。ABDは実際報告されていますが、報道で取り上げられることは殆どありません。
注:スマートメーターについては、通信第116号(2018.5.31)にも掲載されています。

[話題提供]2.院内集会の報告
 2018年4月25日、日高店長も所属する電磁波問題市民研究会主催による「スマートメーター強制をやめさせる院内集会」が、立憲民主党の大河原雅子衆議院議員のご助力もあり、衆議院第二議員会館にて開催。主催者も驚く90名が参加。2部構成の第1部は、
 @電磁渡研網代太郎氏によるシステムの概要・問題点の解説
 Aジャーナリスト斎藤貴男氏の講演
 Bトラブル事例の紹介
 C強引な交換の「被害者」3名の報告
第2部は経産省・総務省・東電の担当者を呼び質疑。(詳細は電磁波研ホームページに)
 カフェでは下記の話し合いへの時間配分もあり、集会報告文の載った電磁波研会報112号の抜粋をお配りし、後日の熟読をお願いした上で、斎藤氏の「スマートメーターと監視社会」を主題とした講演の内容を中心に簡単な報告となりました。「私達はあの政府にとって単なる労働力・兵力・息をする財布。他の真っ当な生き方を許されなくする道具=スマートメーター。」斎藤氏の慧眼に、今この社会でこんなものが推進されている事の意味をズバリ突きつけられた気がした旨、報告しました。
 他には、主催団体の電磁波研について報告。その略称は携帯基地局反対の活動実績(400以上の計画を変更させた)のお陰で今や日本中の携帯会社に知れ渡っている事。月一回第三水曜の定例会には毎回、理解され難い電磁波被害に困り果てた初参加者が訪れ、優先的に発言させてもらえ、そのカウンセリング効果こそこの団体の特徴ではと思っている事。
 上記Cの報告者のお一人、大阪からご参加の東(ひがし)さんについても報告。受動喫煙から過敏症を発症、通院中の3年前、帰宅時にめまいがし、交換を知った。避難先の実家から関電と必死の粘りで交渉、マンションの自宅と両隣のメーターを元に戻させた。その後、自ら「アナログメーターの存続を望む会」を結成、署名は一年で5370筆に達し、省庁交渉の武器となった。10年俸にメンテナンスすれば30年使えるとの情報は電力会社のサイトで知ったが、今は消されてる。使えるのに捨ててる・?大勢から相談も受けていて、「旧メーターが必要だ」の声を今後も上げ続けます、と明るくアピールなさいました。
 カフェで報告できなかった第2部の質疑での成果は、@経産省も東電も、強制の法的根拠はない、と認めた。A経産省はスマートメーターを希望しない需要家への対応について検討する、と約束。B東電は「強制的な設置は0件(工事会社が間違って付けてしまった例は除く)」と、あくまでもとぼけた。呆れるが、これはこれで今後、強制を感じたら「東電本社が言っている」と、突っぱねる材料に使える。皆で成果を活用しましょう!

[話し合い]
◎出席者のスマートメーターとの関わりなど
 ●契約電力を上げたら、同時にスマートメーターに切り替えるといわれたが、止めてもらった。その後、新電力に変更したらすぐに業者からこれから交換に伺うとの電話があり、どうしても切り換えたくないと言ったらそれなら伺いませんと言ってくれました。こんなに簡単に拒否できるのかと思いました。そのあとも何も言ってきません。
 ●去年、スマートメーターの宣伝のための講座に参加。その時、電磁波の影響を受けて大変なのだと発言された人がいて、大変な事が起きているのだなと初めて知った。
 ●義理の姪が電磁被の影響を受けていて私は全然感じない。個人差があるなと実感。
 ●気が付いたらスマートメーターになっていたので、給機頑張って交渉してアナログメーターに換えた経験があります。
 ●家で仕事をしているとスマートメーターに換えませんかという電話がすごくあります。なぜと聞くと電気が安くなるからと。安くしたら節電につながらないと思うのですが。うちでメーターをつければただにするとか訳の分からないことをいっています。
 ●うちがスマートメーターに換わっているのかどうかよく分かりません。
 ●東京都の家庭省エネアドバイザーをやっています。新電力のパルシステム電気では、制度上スマートメーターに交換して頂くことになっています。スマートメーターに被害がでていると開いて電磁波研の集まりや院内集会に参加しました。省エネアドバイザーの立場からもスマートメーターについて知っておきたい。電磁波過敏症の方にアドバイスができたらと思っています。
 ●以前、高木学校の夏の学校で電磁波過敏症の人のお話をお聞きしてこんなに辛い思いをされている人がいるのだと知りました。スマートメーターは拒否し続けています。工事用にはアナログメーターが必須なので製造中止になる事はないと聞きました。
 ●埼玉生協ではスマートメーターに換えなくてもよいと聞いてそちらに入りましたが、いつのまにか換わっていました。元に戻す手立てを知りたくて参加しました。
 ●4軒のアパートですが2軒だけスマートメーターに換わっています。
 ●放射線の低線最被ばくは科学的にかなり解明されているのに否定されている。電磁波過敏症を訴えていくのはかなり道のりが遠いと思う。過敏症の被害を訴えつつ、換えて欲しくないのに換えられてしまう、望まない話が進んでしまう、省エネに良い事がなぜただになるか等、カラクリを疑う所から政策を変えさせるのが近道ではないか。
◎院内集会
 ●院内集会の斉藤貴男さんのお話は面白かった。電磁波過敏疲の人は大抵化学物質過敏症やシックハウス症候群でもある。鈍感な人は感じない部分をとても敏感に察知して苦しんでいる。炭鉱のカナリヤみたいなもの。花粉症の様に平気だった人が突然なる事も。そんな事を秘めていると院内集会で感じました。この声を大きくしていく事はすごく難しい。先程低線量被ばくの話がありましたが、特に若い人、若い命を考えると大人としてどういう環境を作っていったらいいのか本当に考えさせられた。
◎電磁波過敏症
 ●電磁波過敏症の一番の問題は診断基準がない事です。病気として認められていないのです。日本では電磁波過敏症に関する国からの研究費が少なく、研究が進んで、いません。私費で、研究費を賄っている研究者の方がいらっしゃいます。
 ●2年前にアナログメーターの存続を望む署名を集めて申し入れをした時に、厚労省には病気と認めてほしいと要望。これに対して厚労省からICD10対応標準病名マスターの書類を渡され、詳しい症状を書いて出してほしいといわれて要望をだしました。
  (追記:昨年、登録作業を担当している一般社団法人医療情報システム開発センターから「医学的な根拠が見つけられなかった為、マスターへの登録は不採択。」との連絡があったそうです。やはり診断基準やそれにかわるものが必要のようです。)
 ●スマートメーターは30分ごとに電力量のデータを送るだけなので通信の電磁波はたいしたことはないと考えていましたが、電磁波過敏症の方の話ではかなりの影響を受けているようです。通信に関する情報(例えば、周波数、出力、通信の頻度、情報量など)は、セキュリティーを口実にほとんど公表されていません。実態は不明です。
◎海外の導入取組
 ●EUの中で、唯一ベルギーが導入計画策定を見送ったのは、純粋に費用だけが理由?
 ●電磁波過敏症などの健康影響を考慮しているのでは。
 ●海外ではいろいろ問題が起きているが、日本ではほとんど報道されない、なぜ?
◎火災事故
 ●消費者庁の事故情報データバンクに10件のスマートメーターによる火災事故が登録されています。消防庁は調査中とのこと、東電は「把握していません」。まさか。
◎参考図書の紹介
 ●網代太郎「スマートメーターの何が問題か」2016.8 緑風出版
  スマートメーターの問題点について脅かれた本は、日本では唯一この本だけです。
◎有効期限
 ●メーターには10年の検定有効期聞が定められていて10年ごと検定が行われます。
アナログメーターの寿命は30年といわれています。前面に有効期限の年月を示した丸い検定ラベノレが貼ってあります。有効期限が近づいてきたら交換に注意しましょう。
◎一般家庭用メーターの見分け方
 ●アナログメーターは、透明なガラスのケースに入っていて中を見ることができます。中央部分に円板が水平に回っていて、その上部に電力量を示す文字盤があります。
  一方、スマートメーターは、プラスチックのケースに入っていて中の構造は見えません。表示はデジタル(液晶)で、10秒ごとに切り替わります。通信ユニットがついているのでアナログメーターより大きく、外観は電力会社、メーカーによって違う。他にオール電化向け契約(時間帯別電灯契約)用のデジタルメーターがあります。
 ●この次に集まるときは、みなさん自宅のメーターを確認しておきましょう。
日高:みなさん、本日はありがとうございました。ぜひ、この続きをやりたいと思います。

[追記]火災事故の情報一部公開 ―消防庁・消費者庁・東電で食い違う説明
 都内の10件ものスマートメーター火災事故について、電磁波研は東京消防庁に対して7月に文書開示を請求し、9月に一部がようやく開示されました。判ったのは出火日、住所、焼損状況等のみ、一番肝心な原因や発見状況は大部分が黒塗りでした。一方、東電からは7月に回答があり、主な原因は「ネジの緩み」「雷の侵入」「部品故障等」で「部品一部焼損(発火を伴わない熱変容)であり建物被害に至る火災ではない」としており、両者の説明に食い違いが見られます。
 更に埼玉、滋賀での新たな火災の情報があります。埼玉は東電管内であり、10件の教訓は生かされているのか?東電管内以外でも発生しているのではないかという疑念が当然湧きます。(以上、電磁波研会報114より)
 11月に事故情報データバンクを開いてみると2年近く調査中とされていた10件の火災事故の詳細が公表されていました。それによると、出火したのは全て、メーカー4社のうち「東光東芝」の型番S43WS−TA。その為か、「事故の概要」「原因」「措置状況」は10件とも全く同じ内容でした。「2015年のある期間に作られた製品のコンデンサー部分の不良が原因であり、今年度中に交換が終了する予定、難燃性素材だから建物火災に至ることはない」と、何れも判で押したよう。該当需要家にはきちんと説明しているのか?例によって黙ってそっと交換しているのでは?次が建物火災とならない保証は?・・・皆さん、まだまだ、声が小さ過ぎるようですよ! (店長より)
**********

※参考情報2「東電パワーグリッドの報道リリース」
 東京新聞などのマスコミ報道を受けて、東京電力パワーグリッドが11月19日付で慌てて自身のホームページに次の内容の報道発表をしました。
**********URL ⇒
http://www.tepco.co.jp/pg/company/press-information/information/2018/1510978_8917.html
当社関連報道 スマートメーターの一部不具合に係る報道について
                          2018年11月19日
                    東京電力パワーグリッド株式会社
 報道において、東光東芝メーターシステムズが製造したスマートメーター(電力量計)の不具合による機器内部の発火について取り上げられております。
 お客さまにおかれましては、ご心配をおかけし申し訳ございません。
 お客さま宅に設置させていただいているスマートメーター内部の基板部分が発熱することによる焦げ跡や異音等の不具合が発生する可能性があることが判明したことから、当社は、お客さまに引き続き安心してご使用いただくために、スマートメーターの取替工事を順次実施しております。
 現時点で、スマートメーターを約1,900万台設置しておりますが、今回の不具合の対象は約2.4万台、このうち約8,000台(このうち焦げ跡:16台、異音:約200台)の取替工事が完了しております。
 スマートメーターの各種部品には難燃性の部材を使用しており、お客さま施設に影響を与える可能性は極めて低いと考えていますが、対象となるお客さまには、本年12月中旬までにダイレクトメールでお知らせのうえ、2019年3月までに対象となる機器全数※のお取替えを予定しております。
 今後、できる限り工事の前倒しを実施してまいります。

 対象のお客さまには、ご心配とお手数をおかけ致しますが、取替工事に何卒、ご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

※対象製品:東光東芝メーターシステムズ社製の電力量計(スマートメーター)
 対象製品製造期間:2015年4月〜2015年11月
 対象機器の型式:S43WS-TA
 PDF ⇒ 20181115_takagigakkoutuusin_no.119_bessatu_20181115issued.pdf

別紙
・不具合の内容:PDF ⇒ 181119dsea.pdf
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※参考情報3「東京新聞こちら特報部」
 11月21日に東京新聞が「こちら特報部」でスマートメーターの火災事故問題について特集記事を掲載しました。
***********東京新聞2018年11月21日こちら特報部
<P24>
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PDF ⇒ 2018112101_kochira_tokuhoubu_p24.pdf
スマートメーター発火 東電公表せず
製品不良隠し こっそり交換

 電気使用量を測るメーター内部が燃える。そんな火災が二〇一六年以降、相次いでいる。焼けたのは、次世代型電力量計「スマートメーター」。東京電力は管内の一般住宅などに計二万四千台を設置し、交換を進めている。問題は、対象者に製品不良の情報を知らせていないこと。知らぬまま火災に遭い、危うい行動をした人もいる。東電の「隠蔽」には問題が多い。(石井紀代美、中山岳)

<判明した17件のスマートメーター火災(東京消防庁の資料などから)>
2016年
9月02日 葛飾区
2017年
1月01日 江戸川区
2月17日 立川市
4月04日 江戸川区
5月05日 新宿区
5月21日 中野区
6月02日 東大和市
6月10日 江戸川区
6月18日 練馬区
6月19日 八王子市
7月12日 東村山市
7月22日 杉並区
7月25日 江戸川区
7月28日 八王子市
8月04日 渋谷区
8月24日 練馬区
2018年
8月23日 埼玉県鴻巣市

「『ビーーー』というブザーのようなものすごい音が鳴りやまなくて…」。東京都江戸川区の住宅地。四十代の主婦は一七年四月上旬の出来事を振り返る。自宅外壁のスマートメーターから異常音が鳴ったのだ。
 女性は二階の奥にいた。異音に気が付いた近所の人が「何か鳴っていますよ」と教えに来てくれた。外に出ると「百メートル離れていても気が付くような、近所中に鳴り響く音」が出ていた。
 「電化製品だから、たたけば直るかな」。メーターをパンパンと手でたたくと熱くなっているのが分かった。近所迷惑にならないよう、音を抑えるため布を上からかげた。しかし「燃えたら危ないな」と、すぐに取り去った。
 東京電力に電話すると、一時間かからずに業者が到着。新しいスマートメーターを付けていった。「家にいたから良かったが、留守だったらどうなっていたか。火災になっても困るし、今振り返ると怖い」
 そこから約五キロ離れた民家では、留守中にスマートメーターが鳴りだした。同年一月一日。道路を挟んで向かいに住む夫婦が気が付き、東電に電話で知らせた。「隣の家の人もいなかったのか、誰も電話しないんだもん。でも、良かった。取り換えに来た業者の人が『このままほっとけば火事になる』って言ってたから」と語る。
 東電によると、スマートメーターの火災は一六年九〜一七年八月、都内で十六件が発生した。被害は、基板の一部が直径七ミリほど焦げる程度だった。いずれも東光東芝メーターシステムズ(埼玉県蓮田市)が製造していた。「ケースは難燃性で、建物火災などの大事
にはいたらない」と東電は説明する。
★突然異音 基板焼損 「ほっとけば火事に」
 しかし、「こちら特報部」の取材では、十六件以外にも火災があった。東電が交換を進めている最中の今年八月二十三日、埼玉県鴻巣市で起きていた。その被害は「七ミリ」よりはるかに大きかった。
 埼玉県央広域消防本部によると、民家敷地の物置の外壁にあるスマートメーターが燃え、住人がバケツで水をかげて消し止めた。
 現場を確認した消防隊員は「スマートメーターのちょうど下半分が燃えて溶けていた。メーターが備え付けられていた木の板も黒く焦げていた。炎が出ていたから水をかけたようだ」と振り返る。やはり東光東芝製で、焼失面積は計〇・一六平方メートル。おおむね四十センチ四方のサイズになる。
 初期消火のおかげで大事には至らなかった。ただ、メーターという電気器具に水を掛けたのは危なかった。感電の恐れがあるからだった。消防隊員は「なるべく粉末消火器を使ってほしい」と語る。東電がきちんと広報していれば、対象者にこう注意を促しておくこともできたはずだ。

<P25>
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PDF ⇒ 2018112102_kochira_tokuhoubu_p25.pdf
「混乱避けるため」「建物火災にいたらない」釈明
安全軽視薄い危機意識

 本当に建物火災にはならないのか。心配になり、東電の送配電を担うパワーグリッド社(東京都)に「実際に温度は何度まで耐えられるのか」と質問した。しかし、二十日までに回答は立かった。
 そもそもスマートメーターとはどんなものか。
 多くの人になじみ深い、中で円盤が回るメーターはアナログ式。一カ月ごとの電力使用量を計測する。スマートメーターはデジタル式で円盤はない。三十分ごとに使用量を測り、今どれだけ電気を使っているかが分かる。メーターに通信機能があり、検針員がチェックしなくても電力会社が使用量を把握できる。二〇一〇年六月に決まったエネルギー基本計画で、原則すべての電気利用者に設置することになった。
 東電は二〇年度を目標に、すべての利用者分にあたる約二千九百万台を設置する計画で、一千九百万台を設置済み。うち東光東芝が一五年四〜十一月に製造した二万四千台が不良品だったことが分かった。焼損だけでなく、異音を発するメーターも二百台あった。
 東光東芝の後藤卓総務部長は「火災も異音も、発生のメカニズムは同じ。コンデンサーの不具合で、想定以上の電流が流れたことが原因。今後、このような不具合が発生しないよう努める」と陳謝した。
 それにしても驚くのは、このトラブルを伏せ続けていたことだ。
 東光東芝は二〇一七年十月に製品不良を把握した。東電は半年近くが過ぎた今年三月から取り換えを始め、本年度中に作業を終える予定だった。この間、製品不良を公表しなかったのは「無用な混乱を避けるため」だったという。
 本紙が十八日朝刊で報じると、読者から「東電は公表、通知すべきだ」「都合の悪いことは隠そうとする対応は許されません」と反響が寄せられた。翌十九日にパワーグリッドは「ご心配をおかけし申し訳ございません」とホームぺージに謝罪文を掲載した。
 こんな東電側の対応を識者は批判する。企業による危機管理や広報のコンサルティング会社を経営する江良俊郎氏は「公表して注意喚起するのが大原則。人の安全に関わり、被害が拡大する恐れもあるからだ」と指摘。「公表しなかったのは企業の社会的責任を果たしていない」と語る。
 企業コンブライアンス(法令順守)に詳しい青山学院大名誉教授の八田進二氏(職業倫理)は、東電側が「建物火災などの大事にはいたらない」と説明している点を問題視する。
 「大したことないと不具合の情報を開示しないのは、作り手側の発想で、利用者の目線に立っていない。企業として危機意識が薄く、鈍感だ」。隠蔽は時に、大企業すら傾かせるほどの問題になる。二〇〇〇年以降に相次いで発覚した三菱自動車のリコール穏し「顧客安心のため、主体的に発信すべきだ」を見ても明らかだ。
★顧客安心のため
 八田氏は「もっと隠しているのではと不信が広がり、企業側の対応が後手に回る。傷口を大きくし、信用を失う。消費者や顧客の安全、安心を念頭に置くなら、製品に課題が見つかった時点で主体的に情報を発信すべきだ」と語る。
 パワーグリッド社によると、取り換えが済んだのは約八千台。方針変更し、残り一万六千台の対象者には十二月中旬までに文書で通知することにした。
 心配な人はメーターの外観をチェック。「東光東芝メーターシステムズ」製で、型式が「S43GWS-TA」の「2015年製」だと、不良品の可能性がある。広報担当の笹岡千恵氏は「電話してもらえれば確認できる」と言う。問い合わせはパワーグリッド=電03(6373) 1111=ヘ。
<デスクメモ>
 東電の説明にはまだ納得できていない。ほぼ毎月起きていた火災が、なぜ一七年八月を境になくなるのか。なぜ都内だけなのか。探したら埼玉で一件見つかった。これは東電が公表した十六件に含まれていない。対象者への通知だけでなく、疑問を解消する答えも示してもらいたい。(裕)
2018・11・21
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