鉛・ヒ素入りスラグ問題!・・・腑に落ちない日本鉱業協会スラグ委員会に不参加の東邦亜鉛の真意  スラグ不法投棄問題

■当会では、大同スラグ問題が浮上した当時、業界団体として鐵鋼スラグ協会というのがあり、そこで技術的な情報を得るため、訪問し技術担当の幹部からヒヤリングを行ったことがあります。ただし、それから間もなく当会の質問に対して次第に迷惑がられ、まもなく、一切のコンタクトを拒否されてしまいました。次のブログ記事を参照ください。
○2018年7月8日:大同有害スラグ不法投棄問題に係るオンブズマン質問に対する鐵鋼スラグ協会の回答から見えてくる業界体質
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1337.html
 そこで、今回、東邦亜鉛の非鉄スラグ問題が急拡大していることから、業界団体である日本鉱業協会の存在を知り、さっそく訪ねてみることにしました。
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左手の白い大きい建物の8階に日本鉱業協会がある。↑


 ネットで日本鉱業協会を検索するとすぐにホームページが現れます。

*****日本鉱業協会*****URL ⇒ http://www.kogyo-kyokai.gr.jp/
日本鉱業協会(JMIA:Japan Mining Industry Association)
所在地:〒101-0054東京都千代田区神田錦町三丁目17番地11 榮葉ビル8階
電 話:03-5280-2322
FAX:03-5280-7128
営業時間:9:00〜17:30
定休日:土日祝日
主な事業:
1.鉱業、製錬及びリサイクル事業の強化・推進・調査研究
2.全国鉱山・製錬所現場担当者会議等全国大会開催
3.日本鉱業協会賞表彰
4.定例記者会見
5.国際関係団体との交流
沿革:設立 昭和23年4月
役員及び会員:平成30年(2018)年度
 会 長 関口 明 (非常勤)DOWAホールディングス株式会社 代表取締役社長
 副会長 成井 英一(非常勤)春日鉱山株式会社 取締役会長
 副会長・専務理事 加藤 元彦(常 勤)
 理 事 高橋 建 (常 勤)総務部長
     笹本 直人(常 勤)企画調査部長
     坂井 敏彦(常 勤)技術部長、環境保安部長
     築城 修治(常 勤)鉛亜鉛需要開発センター長
理事会;24社
評議員会:16社
監 事: 2社
会員(52社):(五十音順)
【非鉄大手8社】
  住友金属鉱山株式会社
  東邦亜鉛株式会社
  DOWAホールディングス株式会社
  JX金属株式会社
  日鉄鉱業株式会社
  古河機械金属株式会社
  三井金属鉱業株式会社
  三菱マテリアル株式会社
 秋田製錬株式会社
 石原産業株式会社
 エコシステム花岡株式会社
 エム・エスジンク株式会社
 小名浜製錬株式会社
 海外ウラン資源開発株式会社
 海外鉱物資源開発株式会社
 春日鉱山株式会社
 釜石鉱山株式会社
 神岡鉱業株式会社
 小坂製錬株式会社
 株式会社合同資源
 株式会社ゴールデン佐渡
 JFEミネラル株式会社
 JX金属探開株式会社
 ジオテクノス株式会社
 株式会社四阪製錬所
 品川開発株式会社
 昭和KDE株式会社
 ジンクエクセル株式会社
 住鉱資源開発株式会社
 大平洋金属株式会社
 中外鉱業株式会社
 東湖産業株式会社
 DOWAメタルマイン株式会社
 日曹金属化学株式会社
 株式会社ニッチツ
 日鉄鉱コンサルタント株式会社
 日本アンホ火薬製造株式会社
 日本精鉱株式会社
 日本冶金工業株式会社
 野村興産株式会社
 ヴァーレ・ジャパン株式会社
 八戸製錬株式会社
 パンパシフィック・カッパー株式会社
 日比共同製錬株式会社
 株式会社日向製錬所
 古河メタルリソース株式会社
 細倉金属鉱業株式会社
 三井金属資源開発株式会社
 三井串木野鉱山株式会社
 三菱マテリアルテクノ株式会社
 山中産業株式会社
 ラサ工業株式会社
**********

■今回のヒヤリングの最大の目的は、非鉄スラグに関する情報収集です。また、これに関連して、東邦亜鉛の同協会における立場の確認をする必要がありました。

 なぜなら、同協会にはスラグ 委員会という組織がありますが、そこが2014年11月21日に開催された「エコ・イノベーションメッセ2014inひろしま」で「建設資材としての非鉄スラグの有効利用方式について」と題するパワーポイントを見ると、東邦亜鉛は日本鉱業協会の会員であるにもかかわらず、スラグ委員会のメンバーに名を連ねていないからです。

 この疑問について、ぜひ日本鉱業協会に確認しておく必要が有ったため、先日、地下鉄東西線の竹橋駅で下車して、事務所のある神田錦町三丁目の榮葉ビルを訪れました。



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東西線竹橋駅で下車。出口3bから地上へ。
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地上で現在位置を確認。
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高速道路下を抜けてゆく。
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錦町河岸交差点を左折。
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榮葉ビルの玄関。
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ロビーのモニュメント。
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日本鉱業協会は8階が事務所、6階が会議室・図書館。
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エレベーターで8階へ。
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ようやく到着。
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受付の電話。来訪者はここから面談相手を呼び出す。

 アポイントなしで訪問したため、大分待たされましたが、担当者に質問したところ、驚いたことに、協会側でも「会員各社の方針次第なので、なぜ東邦亜鉛がスラグ委員会に所属していないのか、その理由については、当事者である東邦亜鉛に聞いてほしい」というものでした。

■スラグ委員会のプレゼン用パワーポイントの各画面をご覧ください。

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 上の画面を見ると、「亜鉛」の非鉄製錬所の会社名として、住友金属鉱山、八戸製錬、三池製錬の3社しか記載がありません。

 しかし、東邦亜鉛が我が国屈指の亜鉛精錬の事業者であることは業界では誰もが知っています。地元で毎年4月第2土曜日に開催される工場視察会でも、工場の案内担当者が「安中製錬所につきましてですね、ご承知のとおり東邦亜鉛の中では、亜鉛の製品をここで主に作っておりまして、今年度は、今年の生産量につきましては、年間約10万トンの生産量で考えております。最大のキャパシティは12万トンのキャパシティでございますが、いろいろ諸事情等もありまして10万トンということで、今年はそういう生産計画をしております。」と昨年の視察会でも説明をしておりました。詳しくは次のブログ記事をご覧ください。
○2017年4月18日:東邦亜鉛安中製錬所で4月8日に開催された第26回工場視察会で分かった驚くべき新事実↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2213.html

 この画面では非鉄金属生産量として、平成23年度は60万トンとなっています。東邦亜鉛安中製錬所だけで10万トンなので、この数字の信ぴょう性が疑われます。

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 次にこれは非鉄製錬所の所在地ですが、やはり東邦亜鉛の名前はどこにも表わされていません。

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 その次は、非鉄スラグの外観です。ここでは亜鉛スラグは随分黒い色を呈していますが、実際のものはもっと赤黒い色です。非鉄スラグの主成分は鉄なので、最初は赤っぽい色ですが、次第に鉄の酸化が進み、時間の経過によってさらに黒くなるようです。

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 そして上の表が「非鉄スラグの生産量」です。これを見ると、全国で年間亜鉛スラグは20万トン排出されることになっています。ところが、東邦亜鉛安中製錬所のある関東地域では2002年から2011年の間、亜鉛スラグがゼロという、およそ有り得ない数値が記載されています。安中製錬所では毎年5万トン程度のスラグが排出されており、およそ現実離れをした表であることが分かります。

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■なお、日本鉱業協会でも、非鉄スラグの野放図な投棄を防ぐために「非鉄スラグ製品の製造・販売管理ガイドライン」を制定して、会員各社に指導しているようです。文中、気になる箇所を赤色で、また当会コメントを緑色の太字で、ハイライトしてみました。

*****非鉄スラグのガイドライン*****PDF ⇒ 2016.3.31_sxokchc.pdf
<P1>
        非鉄スラグ製品の製造・販売管理ガイドライン

1. 主 旨
日本鉱業協会スラグ委員会の各会員(以下「各会員」という。)が非鉄スラグ製品(ここで非鉄スラグとは、フェロニッケルスラグ、銅スラグ、亜鉛スラグをいう。)を製造・販売するにあたり、取引を円滑に行うとともに、需要家(ここで需要家とは、各会員が行う非鉄スラグ製品の販売先のみではなく、非鉄スラグ製品の使用方法や施工方法を実質的に決定する者を含むものとする。また、ここで各会員の販売先とは、売買契約によって非鉄スラグ製品を購入する者をいう。)での利用に際し、適切な使用がなされるために、製造・販売者として遵守すべき事項を、本ガイドラインで定める。
 なお、フェロニッケルスラグとは、JIS A 5011-2 の規定に準じ、ニッケル鉱石等を原料としてフェロニッケルを製造する際に副生するスラグを指し、銅スラグとは、JIS A 5011-3 の規定に準じ、銅精 鉱等を原料として銅を製造する際に副生するスラグを指し、亜鉛スラグとは、亜鉛製錬所で亜鉛を製造する際に副生するスラグを指す(当会注:JISで規定されていないようだ)。また、非鉄スラグ製品の使用方法や施工方法を実質的に決定する者とは、施主、施工業者、設計コンサルタントなどを指す。
 なお、各会員とは、日本冶金工業梶A大平洋金属梶A住友金属鉱山梶A三菱マテリアル梶Aパンパ シフィック・カッパー梶A三井金属鉱業梶ADOWAメタルマイン鰍指す(当会注:東邦亜鉛鰍ヘ非会員となっている)。また、対象となる製造・販売する関係会社は、日本冶金工業椛蜊]山製造所、宮津海陸運輸梶A大平洋金属株ェ戸本社(製造所)、住友金属鉱山鞄圏\工場、鞄向製錬所、住鉱物流梶A日比共同製錬 、パンパシフィック・カッパー轄イ賀関製錬所、小名浜製錬梶A三菱マテリアル樺シ島製錬所、八戸製錬梶A三池製錬鰍ニする。

2. 非鉄スラグ製品の適用範囲
2-1. 非鉄スラグ製品
 本ガイドラインは、各会員及び製造・販売する関係会社が製造・販売する全ての非鉄スラグ製品に適用する。
(1) 非鉄スラグの用途は、別紙 1−非鉄スラグ製品の使用場所・用途に示されているものに限定し、それ以外の用途に使用してはならない。新たな用途を追加する場合は、各会員が、日本鉱業協会に 申請・協議し追加するものとする。
(2) 非鉄スラグ製品は、製造を行う主体により下記の様に区分する。
 @ 各会員及び製造・販売する関係会社が自ら非鉄スラグのみで製品を製造する場合
  各会員及び製造・販売する関係会社が自ら非鉄スラグのみで非鉄スラグ製品を製造する場合には、その製品を本ガイドラインにおける非鉄スラグ製品とする。
 A 各会員及び製造・販売する関係会社が自ら他の材料と混合調製(非鉄スラグを破砕・整粒し、他材と混合し、非鉄スラグ製品を加工・製造すること)する場合
  各会員及び製造・販売する関係会社が自ら非鉄スラグ(他の各会員及び製造・販売する関係会社から購入したものを含む)と他の材料を混合調製した後、そのままの状態で使用される場合には、混合調製後の製品を本ガイドラインにおける非鉄スラグ製品とする。

<2>
 B 各会員及び製造・販売する関係会社が販売した後、各会員及び製造・販売する関係会社以外の第三者が他の材料と混合調製する場合
   各会員及び製造・販売する関係会社が非鉄スラグを各会員及び製造・販売する関係会社以外の第三者に販売した後で、各会員及び製造・販売する関係会社以外の第三者が非鉄スラグと他の材料を混合調製した場合は、非鉄スラグ製品の対象外とする。但し、各会員及び製造・販売する関係会社は販売に際し、第三者が遵守すべき事項(混合率等の使用条件等)を提示し、その内容について第三者との契約を取り交わさなければならない。
 また、第三者が契約時に締結した事項が確実に実施されている事を確認しなければならない。
(3) 各会員及び製造・販売する関係会社が非鉄スラグをブラスト材として販売する場合、使用後、廃掃法等を遵守し処理されることを確認しなければならない。

2-2. 廃棄物として処理される非鉄スラグの扱い
 各会員及び製造・販売する関係会社は、使用場所・用途に応じて適用する品質及び環境安全品質を満たさない非鉄スラグは非鉄スラグ製品として販売しない。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」 に従って、適正に処理しなければならない。

3. 各会員及び製造・販売する関係会社の責務
 各会員及び製造・販売する関係会社は、本ガイドラインに定める事項に従い、自社の「非鉄スラグ製品に関わる管理マニュアル」を整備するものとし、非鉄スラグ製品の製造・販売にあたっては、本ガイドライン並びに当該自社のマニュアルを遵守しなければならない。
 各会員及び製造・販売する関係会社は、本ガイドライン等を遵守することを通じて、法令遵守はもとより、非鉄スラグ製品の品質に対する懸念、非鉄スラグ製品に起因する生活環境の保全上の支障が発生するおそれ等を未然に防止するとともに、非鉄スラグ製品への信頼の維持・向上に努めなければ ならない。

4. 非鉄スラグ製品の品質管理
4-1. 備えるべき環境安全品質
 @ 各会員及び製造・販売する関係会社は、非鉄スラグ製品が備えるべき環境安全品質として、法律、法律に基づく命令、条例、規則及びこれらに基づく通知(以下「法令等」という。)、JIS、国・自治体の各種仕様書や学会・協会等の最新の要綱・指針で定められているものがある場合は、これを遵守しなければならない。
 A 各会員及び製造・販売する関係会社は、非鉄スラグ製品の使用場所を管轄する自治体が定めるリサイクル認定等の独自の認定制度に適合する製品として、非鉄スラグ製品を販売するときは、当該認定に関して自治体が定める環境安全品質基準に従わなければならない。
 B 各会員及び製造・販売する関係会社は、法令等、JIS、国・自治体の各種仕様書や学会・協会等の最新の要綱・指針などに明確な環境安全品質の定めがない場合は、非鉄スラグ製品の環境安全品質の適合性については、使用される場所等や用途に応じて適用される基準(別紙 2−非鉄スラグ製品の使用場所・用途に応じて適用する環境安全品質基準参照)を遵守しなければならな

<P3>
い。
4-2. 前項の環境安全品質以外の品質規格等
 @ 非鉄スラグ製品が備えるべき品質規格等として、法令等、JIS、国・自治体の各種仕様書や学会・協会等の最新の要綱・指針等で定められているものがある場合は、各会員及び製造・販売する関係会社は、これを遵守しなければならない。
 A 各会員及び製造・販売する関係会社は、非鉄スラグ製品の使用場所を管轄する自治体が定めるリサイクル認定等の独自の認定制度に適合する製品として、非鉄スラグ製品を販売するときは、 当該認定に関して自治体が定める品質規格等に従わなければならない。
 B 法令等、JIS、国・自治体の各種仕様書や学会・協会等の最新の要綱・指針等で明確な品質規格等の定めがない場合は、各会員及び製造・販売する関係会社は、需要家との間で品質規格等を取り決め、これを遵守しなければならない。

4-3. 出荷検査
 非鉄スラグ製品の出荷検査は、原則として、各会員及び製造・販売する関係会社により、JISまたは需要家との間の取り決めに従い行われることとする。但し、非鉄スラグ製品の環境安全品質に係る環境安全形式検査は、JIS Q 17025若しくはJIS Q 17050-1及びJIS Q 17050-2 に適合している試験事業者、または環境計量証明事業者として登録されている分析機関により、別紙2に示す試験頻度で実施しなければならない。環境安全受渡検査は、 社内分析で行ってもよい。但し、JIS Q 17025若しくはJIS Q 17050-1及びJIS Q 17050-2に適合している試験事業者、または環境計量証明事業者として登録されている分析機関での分析を1年に1回以上行い、社内分析の検証を行うことが必要である。別紙 2 に示す製造ロットとは、工場ごとの製 造実態、品質管理実態に応じて、各会員及び製造・販売する関係会社が規定するものとする。
 また、その結果に係る記録については、少なくとも 10 年以上の保管期限を定めて保管されなければならない。なお、以下に示す保管記録は、電子データでも可とする。また、本ガイドラインにおいての環境計量証明事業者とは、計量法に基づく計量証明の事業区分が「水又は土壌中の物質の濃度に係わる事業」の登録を受けた者とする。
 また、需要家から要求があった場合には、各会員及び製造・販売する関係会社は、環境安全品質に係る記録を提出することとする。

5. 非鉄スラグ製品の置場・保管管理
 各会員及び製造・販売する関係会社は、スラグ専用置場を設けて、置き場外への流出や異物が混入しないよう、また、周辺地域への飛散などによる悪影響を避けるなどの対策を講じて、適切な保管管理を行う。仮設の置き場を設置する場合には、特に置き場外への飛散防止や異物混入防止に留意し、適切に管理を行うものとする。

6. 非鉄スラグ製品の販売管理 6-1. 非鉄スラグ製品の用途指定
 各会員及び製造・販売する関係会社は、非鉄スラグ製品が、適切に有効活用されるように、別紙

<P4>
1の用途にのみ販売するものとする。
6-2. 需要家の審査
 各会員及び製造・販売関係会社は、需要家の用途などの適合性を審査し、適合した需要家にのみ販売するものとする。また、以下の項目について需要家の審査を行う。販売先が需要家と異なる場合は、販売先と需要家について審査するものとする。
  ■ 審査事項
  ・当該取引の用途などの内容説明にあいまいな点の有無
  ・各会員及び製造・販売する関係会社の社内コンプライアンス規定に基づく確認
  ・需要家の過去の行政処分情報(入札停止処分等)の有無、(内容の確認)
  ・需要家の過去の取引履歴における問題の有無
  ・需要家の会社の業務内容、経営情報に不審な点の有無


6-3. 受注前
(1) 需要家への品質特性の説明
 各会員及び製造・販売する関係会社は、需要家から非鉄スラグ製品の引き合いがあった場合は、需要家が法令を遵守するとともに、不適切な使用により生じ得る環境負荷に関する理解を深めるために、用途に応じてパンフレットや技術資料を提供するなど、需要家に対して書面で非鉄スラグ製品の品質特性と使用上の注意事項を説明しなければならない。
(2) 受注前現地調査要否の判断、受注可否の判断、施工中及び施工後の調査要否の判断
 各会員及び製造・販売する関係会社は、需要家から非鉄スラグ製品の引き合いがあった場合は、需要家から使用場所(運送、施工中の一時保管場所を含む。以下同じ)、使用状態、施工内容、施工方法などの説明を受けた上で、使用場所の現地調査の要否を判断し、必要と判断される場合には現地調査をおこなわなければならない。当該現地調査を踏まえ、事前に関係者間で協議した結果、施工中(一時保管場所を含む)、施工後を通じて必要な対策を講じてもなお、法令違反を惹起する疑い、または生活環境の保全上の支障が発生するおそれがある場合は、各会員及び製造・販売する関係会社は、販売を見合わせなければならない。また、販売可能と判断したものについて、各会員及び製造・販売する関係会社は、施工中・施工後の調査の要否を判断し、必要と判断される場合には施工中・施工後の調査をしなければならない。
 使用場所の現地調査項目は、各会員及び製造・販売する関係会社にて、予め定めるものとする。受注前現地調査により販売可能と判断した場合においても、各会員及び製造・販売する関係会社は、施工中及び施工後の留意点について、需要家に説明するとともに、必要に応じて行政・近隣住民との事前協議を行うこととする。
(3) 受注前現地調査の実施基準、受注可否の判断基準、施工中及び施工後の調査の実施基準
 @ 使用場所の受注前現地調査の実施基準、A 受注前現地調査の結果に基づいた受注可否判断基準、B 施工中・施工後の現地調査の実施基準は、各会員及び製造・販売する関係会社にて予め定めるものとする。但し、少なくとも3,000t以上の案件については、各会員及び製造・販売する関係会社は、受注前現地調査を実施しなければならない。

<P5>
(4) 販売上の留意点
 @ 各会員及び製造・販売する関係会社は、非鉄スラグ製品の販売において、販売先に対し、有償で販売しなければならない。
   各会員及び製造・販売する関係会社が支払う運送費や業務委託費等が販売代金以上となるおそれがある場合は、各会員及び製造・販売する関係会社は、販売先以外の第三者を運送業者や業務委託先等として選定しなければならない。
 A 出荷場所と使用場所の関係から、運送費が販売代金以上となるおそれがある場合は、各会員及び製造・販売する関係会社は、あらかじめ複数の運送業者から見積もりを取るなど運送費の妥当性を検証しなければならない。
 B 各会員及び製造・販売する関係会社は、販売した非鉄スラグ製品は原則転売・転用を禁止とし、転売・転用をする場合は販売者の了解を得ることを購入者に書面にて周知徹底しなければならない。
(5) 受注前現地調査、需要家との面談等の記録
 受注前現地調査、需要家との面談、需要家に非鉄スラグ製品の品質特性と使用上の注意事項の説明を行った事実等については、各会員及び製造・販売する関係会社は、予め各会員にて定める様式により記録に留め、少なくとも納入完了から10年以上の保管期限を定めて保管しなければならない。また、需要家との間で取り決めた品質規格等については、各会員及び製造・販売する関係会社は、書面で需要家に提出しなければならない。
 《 調査項目 》
   @ 調査年月日 A工事名 B施工場所 C施主名 D施工業者名 E用途:具体的な用途 を記入 F規格、非鉄スラグ製品の種類 G納入時期・工期 H数 量 I他のリサイクル 材との共同使用の有無 J施工場所の状況 K施工中の保管場所 L輸送方法、輸送中の一時保管場所
 《 決定項目 》
   @ 施工中状況調査の要否
   A 施工後の追跡調査の要否
(6) 新規納入事案に対する社内承認
 各会員及び製造・販売する関係会社は、量の多少を問わず、新規納入事案については、事前入手情報・現地調査結果等を基に各社で定める審査・承認を受ける。審査結果は様式に定めるところに記入し、関係者回覧の上、期限を定めて保管する。

6-4. 受注・納入
(1) 受注を決定し、非鉄スラグ製品を納入する場合には、各会員及び製造・販売する関係会社は、需要家との契約条件に従って試験成績表を提出しなければならない。
(2) 非鉄スラグ製品が使用される場所に応じて適用される環境安全品質とそれへの適合性については、各会員及び製造・販売する関係会社は、契約書あるいはその他の方法で需要家に提示しなければならない。コンクリート用銅スラグ骨材及びアスファルト混合物用銅スラグ骨材は、環境安全形式検査成績表と混合率の上限を提出しなければならない。

<P6>
(3) 各会員及び製造・販売する関係会社は、非鉄スラグ製品を納入する場合は、法に基づき、需要家 に化学物質等安全データシート(英: Material Safety Data Sheet、略称 MSDS)あるいは安全性データシート(英: Safety Data Sheet、略称 SDS)を発行しなければならない。

6-5. 非鉄スラグ製品の運送
 非鉄スラグ製品の運送に際しては、各会員及び製造・販売する関係会社は、代金受領、運搬伝票等で非鉄スラグ製品が確実に需要家に届けられたこと確認しなければならない。また、需要家が製造元及び販売元を確認できるように、納入伝票等には、製造元及び販売元の各会員名称を記載しなければならない。

6-6. 施工中の調査
(1) 各会員及び製造・販売する関係会社は、必要に応じて施工場所(運送、一時保管を含む)の調査を実施しなければならない。特に、粉塵対策が重要である。但し、3,000t 以上の案件については、 各会員及び製造・販売する関係会社は、施工中の調査を必ず実施しなければならない。なお、各会員及び製造・販売する関係会社は、施工中の調査結果を記録に留め、少なくとも10年以上の保管期限を定め保管しなければならない。
(2) 状況確認の結果、運送、保管、施工に際して、非鉄スラグ製品の取扱い等に不具合が認められる場合は、各会員及び製造・販売する関係会社は、必ず需要家に正しい取扱い方法について注意喚起し、それを記録に留め、少なくとも10年以上の保管期限を定めて保管しなければならない。また、必要に応じて行政庁と協議し、それを記録に留め、少なくとも10年以上の保管期限を定めて保管しなければならない。
 特に、施工中の非鉄スラグ製品の各会員及び製造・販売する関係会社および需要家による製造事業所外での一時保管については、各会員及び製造・販売する関係会社は、定期的に見回り調査を実施し、粉塵対策等の実施状況を調査・点検し、記録するとともに、各会員及び製造・販売する関係会社および需要家による一時保管において在庫過多による野積みが生じないよう、各会員及び製造・販売する関係会社および需要家での在庫は使用量の3ヵ月分を上限の目処とする。3 ヵ月以上の長期間にわたり利用されずに放置されている場合には、各会員及び製造・販売する関係会社は、速やかにその解消を指導し、指導に従わない場合は、行政と相談の上、撤去を含め、速やかな対策を講じなければならない。
(3) 6-3 (2)で受注前に施工中の調査を不要と判断したものについても、問題発生のおそれのあるもの については、各会員及び製造・販売する関係会社は、調査を実施しなければならない。

7. 施工後の調査
(1) 各会員及び製造・販売する関係会社は、施工場所や利用用途等の特徴に応じて、施工後の調査の期間、頻度についての判断基準を定めなければならない。また、各会員及び製造・販売する関係会社は、施工後の施工場所の状況に応じて、調査期間の延長や頻度の見直しを実施しなければならない。但し、少なくとも3,000t以上の案件については、各会員及び製造・販売する関係会社は、施工後の調査を実施しなければならない。尚、ケーソン中詰材、SCP等の事後確認が不可能な場合は、

<P7>
施工中の確認で代用してもよい。
(2) 事前の現地調査で施工後の調査が必要と判断された場合は、各会員及び製造・販売する関係会社は、需要家と相談の上、施工後の調査を、必要な期間、必要な頻度で行い、調査結果を記録に留め、少なくとも10年以上の保管期限を定め保管しなければならない。
(3) 施工後の調査の結果、施工後使用場所に環境への影響が懸念される場合は、各会員及び製造・販売する関係会社は、速やかに需要家と協議し、それが非鉄スラグ製品の品質に起因する場合、必要な措置を講じなければならない。需要家における使用が原因の場合、各会員及び製造・販売する関係会社は、需要家に対して、必要な注意喚起を行わなければならない。これらにあたり、各会員及び製造・販売する関係会社は、必要に応じ行政と協議することとする。各会員及び製造・販売する関係会社は、これらについて記録に留め、少なくとも10 年以上の保管期限を定め保管しなければならない。
(4) 各会員及び製造・販売する関係会社は、施工後の調査を必要なしと判断した案件においても、使用場所に異常が認められた場合は、前項に準じる。

8. 行政・住民等からの指摘・苦情等が発せられたとき及びその懸念が生じたときの対応
 非鉄スラグ製品の運送・一時保管・施工中・施工後の一連のプロセスにおいて、行政・住民等からの指摘・苦情等が発せられたとき、またはその懸念が生じたときは、その原因が非鉄スラグ製品に起因するか否かを問わず、各会員及び製造・販売する関係会社は、需要家と協力して速やかに原因究明にあたるとともに、非鉄スラグ製品に起因する場合は、需要家と、必要に応じて行政・住民等と協議の上適切な対策をとることとし、需要家その他の関係者の行為に起因する場合には、必要に応じ当該 関係者に注意喚起を行い、必要に応じて行政庁と協議することとする。
 また、非鉄スラグ製品に起因するか否かを問わず、各会員及び製造・販売する関係会社は、非鉄スラグ製品に対する信頼・評価が毀損されることがないよう適切かつ迅速な対応を図ることとする。これらの対応は各会員及び製造・販売する関係会社が主導し、販売会社と相互協力して行うこととする。本項の措置については記録に留め、少なくとも10年以上の保管期限を定め保管しなければならない。
 行政・住民等からの重大な指摘・苦情等が発せられたときは、日本鉱業協会に報告する。

9. マニュアルの整備と運用遵守状況の点検及び是正措置
 各会員及び製造・販売する関係会社は、本ガイドラインに定める事項を、自社の非鉄スラグ製品に 関わる管理マニュアルとして整備しなければならない。 各会員及び製造・販売する関係会社は、ガイドライン及びマニュアルの社内教育を定期的に実施し、自社のマニュアルの規定に従い運用しているかどうか、保管すべき記録を保管しているかどうか等マニュアルの運用遵守状況について、定期的に点検を行い、不適正な運用がなされている場合には是正措置を講じなければならない。なお、教育・点検及びその是正措置については記録に留め、少なくとも10年以上の保管期限を定め保管しなければならない。
 また、各会員及び製造・販売する関係会社は、需要家(販売会社や販売代理店を含む)に対しても、ガイドライン及びマニュアルの教育を実施し、非鉄スラグ製品の製造・販売に関わる遵守事項を周知徹底することとする。

<P8>
10. 日本鉱業協会への報告と点検
(1) 各会員及び製造・販売する関係会社は、ガイドラインに基づく自社及び製造・販売関係会社の活動状況を半期毎に日本鉱業協会に報告しなければならない。
(2) 各会員及び製造・販売する関係会社は、自社の運用マニュアルに基づいた運用状況を確認するために、第三者機関による審査を1年に1回定期的に実施することとする。
(3) 日本鉱業協会は、各社から提出された半期ごとの報告及び1年毎の第三者機関による審査報告書を有識者の助言を得て確認するものとする。

11. ガイドラインの定期的な点検・整備
 本ガイドラインは、有識者の助言を得て少なくとも 1 回/年の点検を行い、日本鉱業協会は必要に応じて改正を行う。

  (本ガイドライン制定・改正)
     2005年 9月30日制定
     2008年 2月 1日改正
     2015年 9月30日改正
     2016年 2月25日改正
                                 以上

=====別紙 1=====JPEG ⇒ 0009p.jpg
非鉄スラグ製品の使用場所・用途
               使用可:○ 使用不可:―
     用  途             非鉄スラグ
●大区分◎中区分○小区分//フェロニッケルスラグ/銅スラグ/亜鉛スラグ
●コンクリート工
 ◎一般用途
  ○細 骨 材        // ○ / ○ / −
  ○粗 骨 材        // ○ / − / −
  ○レジコン用混和剤    // ○ / − / −


 ◎港湾用途
  ○細 骨 材        // ○ / ○ / −
  ○粗 骨 材        // ○ / − / −
●コンクリート製品
  ○細 骨 材        // ○ / ○ / −
●舗 装 工
 ◎アスファルト混合物
  ○アスファルト混合物用骨材// ○ / ○ / −
 ◎路盤材
  ○路盤材用骨材      // ○ / − / −
  ○路 盤 材        // ○ / − / −
 ◎路床材
  ○路床材用骨材      // ○ / − / −
  ○路 床 材        // ○ / − / −
●土 工
 ◎一般用途
  ○盛土材,覆土材,積載盛土材 // ○ / − / −
  ○造成材、埋戻材     // ○ / − / −
  ○地盤改良材       // ○ / − / −
  ○そ の 他        // ○ / − / −
 ◎港湾用途
  ○ケーソン中詰材     // ○ / ○ / 
  ○地盤改良材       // ○ / ○ / −
  ○裏 込 材        // ○ / ○ / −
  ○藻場,浅場,干潟,覆砂材  // ○ / − / −
  ○埋立材、裏埋材     // ○ / − / −
●建築用途
  ○建材用原料       // ○ / ○ / 
  ○建築資材        // 〇 / − / −
●ブラスト材
  ○サンドブラスト材    // ○ / ○ / 
●原 料
  ○鋳 物 砂        // ○ / − / −
  ○セメント用原料     // ○ / ○ / 
  ○肥料材料        // ○ / − / −
  ○造 滓 材        // ○ / − / −
  ○製鉄用鉄源       // − / ○ / −
  ○溶接用フラックス    // ○ / − / −
(当会注:つまり非鉄スラグの中でも、亜鉛スラグの用途は、ケーソン中詰材、建材用原料、サンドブラスト材、セメント用原料に限られており、アスファルト混合骨材、路床・路盤材や盛土、覆土、埋土など舗装や土工用には使用できないことがわかる)

=====別紙2=====JPEG ⇒ 0010q.jpg
スラグ製品の製造・販売ガイドラインの環境安全品質基準 2015.9.30
**********

■これを見ると、まともなことが記載してあります。ところが、東邦亜鉛は日本鉱業協会には加盟していますが、なぜかスラグ委員会には名を連ねていません。この理由は同協会からは回答してもらえませんでしたが、うがった見方をすれば、東邦亜鉛はこのガイドラインを遵守できない事情が分かっていて、敢えてスラグ委員会に入っていなかったということが言えます。

 だからといって、スラグを野放図に投棄してよいはずがありません。機会があれば、ぜひ東邦亜鉛に、この理由を確認してみたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「日本鉱業協会会長の見解」
**********日刊工業新聞2018年11月30日05:00
経営ひと言/日本鉱業協会・関口明会長「影響どこまで」
 「自動車の電動化や高度情報化社会の進展により、構造的に銅の需要は膨らんでいく」と業界の将来を占うのは、日本鉱業協会会長(DOWAホールディングス社長)の関口明さん。
 2019年も銅の需給状況は引き続き堅調と予想。また亜鉛についても「堅調な需給が続き、大きな乱れはないと思う」との見通しを示す。
 懸念材料は米中貿易摩擦の影響拡大。「今のところ銅や亜鉛の実需は堅調だが、どこまで影響を想定すべきか、計りかねている」と悩ましげな表情を浮かべる。

**********日本鉱業協会HPより
平成30年4月1日
        会長就任にあたって
                    日本鉱業協会
                    会長 関口  明

 この度、会員各社のご推挙により、中里会長の後を受け、日本鉱業協会 会長に就任することとなりましたDOWAホールディングスの関口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 当協会は、昭和23年に設立され、本年をもって71年目となります。この間、歴代会長、会員各社ならびに協会関係者のご尽力により、当業界の振興・発展を実現してこられましたことに改めて深く敬意を表したいと存じます。また、経済産業省をはじめ、関係省庁、地方自治体、ならびに労働団体などの皆様からのご支援に対しまして、改めて心より感謝申し上げる次第でございます。
 中里前会長は、当業界が長期的に安定した発展を遂げるための諸施策に取り組まれました。特に政府から租税特別措置法は原則廃止との方針が強力に打ち出されている中、精力的に関係各所をめぐり鉱業税制の重要性をご理解いただくことに注力され、海外投資等損失準備金ならびに金属鉱業等鉱害防止準備金制度の延長を実現されました。
 また安全に関して、製造業安全対策官民協議会に積極的に参画され、会員企業に対する情報共有を行われるなど、業界全体の安全に関わる水準の向上に多大なご努力をなされました。
 このような前会長のご努力に対しまして、深く感謝申し上げますとともに、私もこれまで推進されてきました基本路線を引き継ぎながら、課題解決に向けて精一杯努力をしてまいりたいと存じます。
 さて、我が国経済は、世界経済の回復による輸出の伸びとともに消費の改善が続き、回復の足取りがよりしっかりとしたものになりつつあります。世界経済もアメリカ、ヨーロッパをはじめとして全体としては景気の拡大基調が続いております。しかしながらその一方で、アメリカの保護貿易主義的な政策への移行の動き、中国の成長調整局面、中東・北朝鮮における地政学的緊張・リスクの高まりなど、先行きに大きな不安定要素も抱えております。こうした中においても、当業界が長年にわたり培ってきた技術と経験を十分に活かし、非鉄金属素材の安定供給と循環型社会の構築という社会的使命を果たしながら、我が国の持続的な発展に貢献するべく、今年度は引き続き以下の課題を中心に取り組んでまいりたいと考えております。

 第一の課題は「資源の安定確保」であります。
 我が国の産業にとって必要不可欠な非鉄金属資源を確保し、高品質な非鉄金属素材を安定的に供給し、我が国製造業の競争力の基盤を支えることが当業界の社会的使命であると認識しております。
 しかしながら、資源メジャーによる寡占化の進行や中国など新興国の国策的な資源獲得戦略、資源ナショナリズムの高まりなど、資源確保に向けた競争は世界的規模で激化しております。加えて海外鉱山の権益取得や開発に必要な資金と時間は年々増大しており、本邦企業による海外資源開発を取り巻く環境は厳しさを増している状況です。
 このような環境のもとにおいても、我が国の安定的な資源確保に向けて長期的な視点に立ち、積極的な海外資源開発が継続できるよう、引き続き独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)などの政府系機関の機能強化・拡充や、税制においては、減耗控除制度をはじめとした諸制度の恒久化・拡充など、一層の支援強化を訴えてまいりたいと考えております。合わせまして、資源確保のための資源外交についても、当業界として積極的に協力してまいります。

 第二の課題は「電力問題」であります。
 当業界は長年に亘り、省エネ・省電力の取り組みを重ねているところでありますが、原発再稼働の遅れによる電気料金水準の高止まり、またFIT制度における年々増大する賦課金の負担の影響は極めて大きく、このままでは国内製錬所の競争力が失われかねない状況にあります。我が国産業の基盤である非鉄金属素材の安定的供給、循環型社会推進の担い手といった社会的使命を果たしていく上においても、国際的に遜色のない価格水準での安定的な電力供給は極めて重要であります。このために安全規制基準に適合した原発の早期稼働やFIT賦課金の減免措置、省エネ対策における補助の維持・拡大など、電気料金の影響緩和と安定的な電力供給のための諸施策をお願いしたいと存じます。

 第三の課題は「リサイクルによる循環型社会の構築」であります。
 当業界は長年にわたって培ってきた固有の製錬技術や設備を活かすことで、金属資源のリサイクルを通じ循環型社会推進の担い手として大きな役割を果たしております。都市鉱山とも称される使用済み製品、部材のスクラップはもはや我が国にとって欠かすことのできない重要な資源ですが、一方で、輸入手続きの煩雑さや国内での回収物の海外流出はリサイクルによる循環型社会の構築に支障となっておりました。
 しかしながら、昨年の25年ぶりのバーゼル法改正によりこうした問題の改善への大きな進展が期待されます。10月施行の関係省令を含め都市鉱山資源のさらなる有効活用にむけて、引き続き国や自治体と連携しつつ、より適正なリサイクルシステムの整備・構築にこれまで以上に取り組んでいきたいと考えております。

 第四の課題は「人材確保と育成の強化」であります。
 当業界は、大学における資源系講座の廃止による専門的な教育機会の減少や、国内鉱山の相次ぐ閉山やエンジニアの世代交代による技術・技能伝承問題などに対応すべく、一般財団法人国際資源開発研修センター(JMEC)における人材育成事業など、積極的に人材育成に取り組んでまいりました。しかしながら、近年の資源系の中堅教員層の減少、資源分野への学生の関心の低下、くわえて少子化による学生そのものの減少と、人材育成と確保をめぐる状況は依然として深刻な状況にあります。
 次世代を担う大学生および大学院生を対象とした人材確保と育成の強化につき、国や関係機関による支援もお願いし、産官学が連携してさらなる努力を進めてまいりたいと考えております。
また若年層向けの広報活動も引き続き続けてまいります。
 このほか、地熱エネルギーなどの国内資源の開発促進、鉛・亜鉛等の特性を活かした新たな需要分野の開拓、ならびにスラグ等副産品の用途拡大などにつきましても、引き続き取り組んでまいりたいと思います。

 これから1年間、会員各社のご理解とご協力をいただいて、これらの諸問題に全力をあげて取り組んでまいる所存ですので、関係各位のご指導とご支援を重ねてお願い申し上げて、私の就任のご挨拶とさせていただきます。
                     以上
**********
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