タゴ51億円事件の責任の所在明確化を求め控訴理由書を東京高裁に提出  土地開発公社51億円横領事件

■元職員の多胡邦夫に対する民事上の損害賠償請求権が、公社による多胡の民事裁判勝訴から10年を経過することによる消滅時効により、失われてしまうのではないか。当会は、そのような事態を未然に防ぐため、10年を経過する前に、多胡邦夫への損害賠償請求権の保全を目的に、安中市長=安中市土地開発公社理事長に再提訴するよう求めていた巨額横領損害金回収等(住民訴訟)請求訴訟は、平成21年6月9日に、原告住民側の請求を門前払いとする判決が当会に言い渡されました。

 このままでは、多胡邦夫に、使途不明金14億4千万円を含め、総額51億円もの犯罪所得を棒引きにしてしまうことになり、群馬銀行には気前よく公金から103年ローンを支払い続ける岡田理事長(=市長)の多胡一族への多大な配慮を追認することになってしまいます。そこで、6月11日に判決正本が郵送で届けられてから2週間以内の、6月22日に控訴状を前橋地裁に提出しました。

■控訴書には、控訴理由について「追って、提出する」としておいたので、1ヶ月後の7月22日に、次の控訴理由書を書き上げたので、さっそく前橋地裁の窓口に持参しました。

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雨に煙る前橋地裁。

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控 訴 理 由 書
平成21年7月22日
東京高等裁判所 民事部 御中
損害金回収等(住民訴訟)請求控訴事件
    控訴人(第一審原告)   小  川    賢
    被控訴人(第一審被告)  安中市長 岡田義弘
控訴人(以下「第一審原告」といい,被控訴人を「第一審被告」という)の控訴理由は,以下のとおりである。
第1 原判決の要旨
 原判決は,本件住民訴訟について,第一審原告の主張が,行為の全部又は一部の差止め,行政処分たる行為の取り消しまたは無効確認,怠る事実の違法確認,職員又は行為若しくは怠る事実にかかる相手方に損害賠償または不当利得返還の請求をすることを求めるもの(地方自治法第242条の2第1項)であり,法律に定める者に限り,提起するものができるとして,本件訴えは,それらのいずれにも該当しないので,住民訴訟として不適法とした。
 また,不適法であり,その不備を補正できないことが明らかであり,口頭弁論を経ずに却下した。
第2 控訴人(第一審原告)の主張の趣旨
 控訴人が第一審原告として請求したのは,次の3点である。
 @  被控訴人(第一審被告)は,連帯保証先の安中市土地開発公社(以下「公社」という。)理事長である岡田義弘が,公社元職員に対して,現在残っている損害賠償権を行使し,時効前に再提訴することで,請求権残額22億円余を確実に回収するように指導し,安中市に被害が及ばないようにすること。
 A 被控訴人は,連帯保証先の公社理事長である岡田義弘が,平成20年12月26日に群馬銀行との間で交わした合意を破棄し,債務18億5千万円の支払いを拒否するように指導し,これ以上,安中市に被害が及ばないようにすること。
 B 被控訴人は,連帯保証先の公社理事長岡田義弘に対して,公社の余裕金を定款どおり運用し,これを群馬銀行への債務金として使わないように指導すると共に,群馬銀行への債務は,公社理事長岡田義弘自ら負担するように指導し,これ以上,安中市に被害が及ばないようにすること。
第3 原判決の判示する事項のうち,控訴人の主張に則して誤っている部分の指摘
 住民訴訟として不適法とされた次の4項について,それぞれ原判決の間違いを指摘する。
(1)行為の全部又は一部の差止めについて
 ア 控訴人が,このことについて,原審で主張したのは,公社の剰余金を元職員の横領による損害の尻拭いに流用する行為全部の差止めである。
 イ 原判決では,公社という別法人は,安中市職員である被控訴人に対する住民訴訟に該当しないというのが,住民訴訟として不適法というようだが,そのことについてはっきりとした記載がない。
 ウ もし,公社が別法人であるから,住民訴訟の対象外とするなら,住民の権限の及ばない公社等の別法人で,横領され放題であっても,住民はただただ傍観するしかないことになる。これでは,まともな行政がおこなえるはずがない。
 エ 安中市は公社に対して,基本金とよばれる資本金500万円全額を支出しており,その公社が,元職員の横領で被った損害の賠償請求権を担保しないまま,元職員が横領した金を代理して群馬銀行に支払うことは,住民として看過することはできない。
 オ 10年前に控訴人が提起した住民訴訟でも,公社は安中市とは別法人であることを理由に却下された経緯があるが,資本金となる基本金500万円を全額安中市から支出されている公社が,なぜ別法人と言えるのか,民間で言えば当然連結決算の対象であることからしても,安中市の信用なくしては事務事業を1日たりとも継続できない公社に対して,住民監査,住民訴訟が提起できないなどということがあってはならない。
 カ 従って,本件訴えは,地方自治法第242条の2第1項に合致しており,控訴人が第一審原告としての本件訴えを住民訴訟として不適法と断じた一審判決は失当である。
(2)行為の取り消しまたは無効確認
 ア 控訴人が,このことについて,原審で主張したのは,元職員の横領で生じた公社の群馬銀行に対する和解金の支払いに対する安中市の債務保証行為の取り消しである。
 イ 原判決では,公社という別法人は,安中市職員である被控訴人に対する住民訴訟に該当しないというのが,住民訴訟として不適法というようだが,控訴人は,公社に対して,安中市の連帯保証行為を取り消すことを求めている。
 ウ そもそも,公社が別法人であるとして,住民訴訟の対象外とするなら,公社に対して,安中市が連帯保証行為をする責務も責任も伴わないはずである。
 エ ある時は,公社は別法人で,ある時は,公社の債務を,出資者である自治体がしなければならない,というのは理屈に合わない。
 オ 被控訴人は,それでも,公社は安中市とは別法人であると主張するのであれば、ただちに群馬銀行に対する連帯保証を取り消さなければならない。
 カ そのために,被控訴人は,連帯保証先の公社理事長である岡田義弘が,平成20年12月26日に群馬銀行との間で交わした合意に対する連帯保証を取り消さなければならない。
 キ 従って,本件訴えは,地方自治法第242条の2第1項に合致しており,控訴人の訴えを住民訴訟として不適法と断じた一審判決は失当である。
(3)怠る事実の違法確認
 ア 控訴人が,このことについて,原審で主張したのは,元職員への損害賠償請求権の行使の怠る事実の違法確認である。
 イ 原判決では,公社という別法人は,安中市職員である被控訴人に対する住民訴訟に該当しないというのが,住民訴訟として不適法というようだが,はっきりとそのことについて記載がない。
 ウ もし,公社が別法人であるから,住民訴訟の対象外とするなら,住民の権限の及ばない公社等の別法人で,横領され放題であっても,住民はただただ傍観するしかないことになる。これでは,まともな行政と言えるはずがない。
 エ そこで,控訴人は,被控訴人に対して,連帯保証先の公社理事長である岡田義弘が,公社元職員に対して,現在残っている損害賠償権を行使し,時効前に再提訴することで,請求権残額22億円余を確実に回収するように指導し,安中市に被害が及ばないようにすることを求めているのである。
 オ 安中市は公社に対して,基本金とよばれる資本金500万円全額を支出しており,その公社が,元職員の横領で被った損害の賠償請求権を担保しないまま,元職員が横領したカネの回収を扼腕したままギブアップすることは,納税者である市民感情からして許されない。
 カ 従って,本件訴えは,地方自治法第242条の2第1項に合致しており,控訴人の訴えを住民訴訟として不適法と断じた一審判決は失当である。
(4)損害賠償または不当利得返還の請求
 ア 控訴人が,このことについて,原審で主張したのは,上記(1)(2)(3)により,これらの行為及び怠る事実による関係者への損害賠償請求である。
 イ 控訴人は,連帯保証先の公社理事長岡田義弘に対して,公社の余裕金を定款どおり運用し,これを群馬銀行への債務金として使わないように指導すると共に,群馬銀行への債務は,元職員に対する損害賠償請求権を維持することにより,原因者の多胡邦夫に負わせることが本筋であり,もし,公社理事長岡田義弘がこれに反することを行った場合には,公社理事長岡田義弘自ら損害賠償金を負担するように指導し,これ以上,安中市に被害が及ばないようにしなければならない,と主張した。
 ウ 従って,本件訴えは,地方自治法第242条の2第1項に合致しており,控訴人の訴えを住民訴訟として不適法と断じた一審判決は失当である。
 以上のとおりであるから,本件訴えは,地方自治法第242条の2第1項に定めた住民訴訟のそれぞれの条件を満たしており,これをいずれにも該当しないとした原判決の判断は覆されるべきである。
第4 原判決の判示する事項のうち,裁判所の主張が誤っている部分の指摘
 原判決によれば「また,不適法であり,その不備を補正できないことが明らかであり,口頭弁論を経ずに却下した。」とあるが,松丸伸一郎裁判長が口頭弁論を経ずに本件訴えを却下したのは,次の理由により失当である。
 @ 民訴法第133条には,訴え提起の方式として,第1項「訴えの提起は,訴状を裁判所に提出してしなければならない。」第2項「訴状には,次に掲げる事項を記載しなければならない。1.当事者及び法定代理人 2.請求の趣旨及び原因」と定めている。
 A 一方,民訴法第137条1〜3項には,裁判長の訴状審査権として,第1項で「訴状が第133条第2項の規定に違反する場合には,裁判長は,相当の期間を定め,その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。民事訴訟費用等に関する法律(昭和46年法律第40号)の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合も,同様とする。」第2項で「前項の場合において,原告が不備を補正しないときは,裁判長は,命令で,訴状を却下しなければならない。」第3項で「前項の命令に対しては,即時抗告をすることができる。」と定めている。
 B 本件訴え提起時に,控訴人が第一審原告として,前橋地裁に訴状を提出した際に,事務官は「請求の趣旨として,3項目あるので,訴訟額について検討しなければならないかもしれないが,とりあえず受理する」という趣旨の発言があった。控訴人は第一審原告として,「請求の要旨3項目について,裁判所で本件訴えの訴状について協議の結果,もし3項目の中で,訴訟額の算定に補正の必要がある項目が認められた場合には,直ちに応ずる用意がある」と認識しており,裁判所からの補正命令があれば,即時応ずるつもりであった。
 C ところが,松丸伸一郎裁判長は,相当の期間を定めることもなく,その期間内に不備を補正すべきことを命じることもなく,一方的に,本件訴えは不適法であり,不備の補正もできっこない,と勝手に判断して,本件訴えを却下したことは,地方公務員の横領額としては史上最大の規模である安中市土地開発公社巨額横領事件を追及し,安中市民への損害を回避しようと努力する住民で納税者でもある控訴人に対する妨害であり,法令から鑑みても,失当である。
以上
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■前橋地裁では、7月6日に控訴状を東京高裁に送ったというので、そちらのほうに提出するよう指示されました。さっそく、地下鉄霞が関駅のすぐ近くにある東京高裁の17階の民事受付を訪れました。控訴理由書と一緒に、控訴状のコピーを見せると、受付の担当官はパソコンをたたいて、本件控訴事件番号が「東京高裁平成21年(行コ)第226号」で、担当部署が16階の一番奥にある「第9民事部」だと教えてくれました。16階に下りて、第9民事部の受付で事件番号を告げて控訴理由書を提示したところ、パソコンで事件番号をチェックし、理由書をざっと見てもらい、受理してもらいました。

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東京地裁と同居している東京高裁のあるビル。

 こうして、高裁で控訴状は受理してもらえましたが、公判が開かれるかどうかは微妙です。できることなら、ぜひ被控訴人の安中市長を高裁の法廷に来させて、多胡邦夫への損害賠償請求再提訴について、どういう見解なのか、また巨額横領事件の尻拭いについて、どういう対応を取るつもりなのか、ぜひ意見を拝聴したいと思います。

【ひらく会情報部】
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