2019/6/15  23:01

当会会員が県選管を提訴した選挙無効等訴訟7.1第1回弁論に向けて被告から届いた答弁書の中味  オンブズマン活動

■県内の統一地方選のスタートとなる群馬県議選は今年3月29日に告示されました。「清く正しい一票を」と各市町村の選挙管理委員会はさかんに喧伝していますが、群馬県選挙管理委員会の松森修平・委員長はマスコミに対しては「平成が終わり、新しい時代を迎える中の県議選は県政の方向を決定する上で極めて重要。積極的に投票し、できない場合は期日前投票などを利用してほしい」と述べています。しかし、昨年9月23日に投開票された館林市議選では、開票の結果1票の食い違い生じたため、館林市選管のずさんな投票箱管理体制や開票体制の疑義が問題となり、これでは投票用紙のすり替えなど容易に可能だとして、候補者の一人で当会会員が、選挙の無効を訴えて市選管と県選管に異議申し立てをしてきました。ところが、両選管ともずさんな選挙の実態を直視せず、真相解明のための調査すら全くしようとする気配さえありません。そのため、当会会員は3月29日に東京高裁を訪れて、まともに選挙管理改革をしようとしない県選管を相手取って選挙無効・損害賠償請求訴訟を提起し、第1回弁論は7月1日(月)午後2時30分から東京高裁5階511号法廷で開催予定です。その半月前の6月13日付で、被告群馬県選管からようやく答弁書が送られてきました。
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2019年3月29日に当会会員が訴状を東京高裁に提出した際に受領した事件番号票。

 この投票すり替え疑惑事件のこれまでの経緯については、次のブログ記事をご覧ください。
〇2019年1月20日:館林市議選の有効性が問われる中、当会の審査申立に対し、館林市選管が弁明書を県選管に提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2865.html
○2018年12月10日:館林市議選の有効性が問われる中、市選管からの異議申出棄却決定通知に対し県選管へ12.10審査申立!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2839.html
○2018年11月28日:館林市議選の有効性が問われる中、11月27日に選管から異議申出に対する棄却決定通知が届く!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2828.html
○2018年10月14日:市議選の有効性が問われる中、10月12日に選管から来た供託金返還通知に当会から公開質問状
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2779.html
〇2018年10月10日:選挙の有効性が問われる中で、10月9日館林市議会臨時会が議長・副議長を選出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2776.html
〇2018年10月5日:館林市議選の有効性をめぐり当会会員が館林市選管に異議申し立ての補正書を提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2770.html
〇2018年10月1日:9月23日投開票の館林市議選の開票場の様子から見えてくる我が国選挙制度の不誠実な現況
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2766.html
〇2018年9月26日:9月23日の館林市議選の開票結果を巡る謎の解明は果たして可能なのか?
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2763.html
〇2018年9月17日:館林市議選で当会会員が奮戦中!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2760.html
○2019年3月2日:館林市議選の有効性が問われる中、当会の審査申立に対し、県選管が何も調べず棄却を裁決!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2897.html
○2019年3月29日:きょう告示された群馬県議選に合わせて当会会員が県選管を相手取り選挙無効等訴訟を東京高裁に提起
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2917.html
○2019年5月11日:当会会員が県選管を提訴した選挙無効等訴訟第1回弁論が7月1日14時半に東京高裁511号法廷で開廷決定
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2947.html

■さっそく被告が送ってきた答弁書を見てみましょう。

*****答弁書*****ZIP ⇒ 20190613.zip
<P1>
平成31年(行ケ)第10号 選挙無効損害賠償請求事件
原 告  小 林 光 一
被 告  群馬県選挙管理委員会

             答  弁  書

                           令和元年6月13日
東京高等裁判所 第5民事部 御中
           〒371−0026
           群馬県前橋市大手町3丁目4番16号
           石原・関・猿谷法律事務所(送達場所)
           TEL 027-235-2040 / FAX 027-230-9622
           被告訴訟代理人弁護士  関     夕  三  郎
               同指定代理人  浦   部   賢   徳
               同指定代理人  星   野   貴   俊
               同指定代理人  清   水   直   之
               同指定代理人  下   島   倫   計

第1 原告の平成31年4月19日付け回答書の1項及び2項で訂正された後の請求の趣旨に対する答弁
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
との判決を求める。

<P2>
第2 請求の原因に対する認否
1 1項について
(1) (1)について
   認める。
(2) (2)について
   認める。
(3) (3)について
   本件選挙後に開票所で集計された投票用紙の数と投票者の総数との間に不整合があったこと,原告が本件選挙について平成30年10月2日付けで異議の申出(公職選挙法202条2項)を行ったこと(甲3−1−1),同月5日付けで補正書(甲3−1−2)及び「館林市選挙管理委員会による9月23日投開票の館林市議選における不誠実行為にかかる確認事項」と題する書面(甲3−2。以下,「確認事項」という。)が提出されていることは認め,原告が異議の申出を行った動機は不知,その余は否認する。
   投票用紙の数と投票者の総数との間に生じた不整合とは,投票者総数よりも投票数が1票多かったというものであった。なお,原告が異議の申出を行った相手方は,被告ではなく,館林市選挙管理委員会である。
(4) (4)について
   館林市選挙管理委員会が原告に対し,平成30年10月10日付けの「供託物の返還について(通知)」(甲2)を送付したことは認め,その余は否認する。
(5) (5)について
   原告が館林市選挙管理委員会に対して平成30年10月13日付けの「供託物返還通知に関する公開質問状」を提出したことは認め,その余は否認する。

<P3>
   館林市選挙管理委員会は,原告に対し,電話により口頭で回答したものと承知しているが,いずれにせよ,本件選挙の投開票終了後の供託物の還付に係る館林市選挙管理委員会の対応が本件選挙の効力を左右することはないから, この主張は本件請求と関連性がない。
(6) (6)について
   館林市選挙管理委員会が原告の異議の申出を棄却する旨を決定し,これを原告に通知したこと は認め,その余は否認する。上記決定は,平成30年11月27日付けではなく,同月19日付けである。
(7) (7)について
   決定書(甲4−1−1)では,原告の主張が,@投開票作業に従事する職員の選任について,A期日前投票における投票箱の管理及び開票管理者への送致について,B開票作業について,C投票用紙の管理についての4つに整理されていることは認め,その余は否認する。
   上記@ないしCは,確認事項(甲3−2)を要約したものと思料されるところ,ここに記載されている内容は,原告が思い付いた疑間を列挙しているに止まり,本件選挙の結果に異動を及ぼす虞のある法令違反を適示するものとは言えないから,異議を棄却した館林市選挙管理委員会の判断は正当である。
(8) (8)について
   館林市選挙管理委員会の決定(甲4−1−1)を不服として,原告が平成30年12月10日付けで被告に対して審査申立てをしたこと*1,これに対して,館林市選挙管理委員会から平成31年1月15日付けで弁明書(甲4−2)が提出されたこと,更に,それに対して原告から同月25日付けで反論書(甲4−3)が提出されたことは認める。
*1 申立書には作成日として同月10日と同月11日の2つの記載があるが,被告が原告の審査申立 てを受理したのは同月10日である。

<P4>
(9) (9)について
   否認する。
2 2項について
(1) (1)について
   認否の必要を認めない。
(2) (2)について
   認否の必要を認めない。
(3) (3)について
   認否の必要を認めない。
(4) (4)について
   不知。
   「・・・実態」という表現が4つ列挙されているが,いずれも本件選挙の結果に異動を及ぼす虞のある法令違反の適示にはなっていない。
(5) (5)について
   不知。
3 3項について
   争う。

第3 原告の平成31年4月21日付け準備書面(1)に対する認否・反論
1 第1について
(1)冒頭部分について
   公職選挙法205条の説明部分は認め,その余は認否の必要を認めない。
(2)「(1) 期日前投票と投票箱の管理について」について
   不知。なお,被告が館林市選挙管理委員会に問い合わせたところ,大河原宗平氏と思われる人物と原告が主張するようなやり取りをした職員は見当たらないとのことであった。

<P5>
(3)「(2) 開票作業の管理について」について
   本件選挙の開票作業が平成30年9月23日に城沼総合体育館において行われたことは認め,市民オンブズマン群馬副代表なる者の証言の引用部分は不知,その余は否認する。
   原告は,開票開始時刻を午後8時50分と主張するが,開票開始時刻は告示する必要があるところ(公職選挙法64条),本件選挙の開票開始時刻は午後9時と告示されており,実際にも,午後9時に開票作業を開始したとのことである。
   なお,公職選挙法69条は,「選挙人は、その開票所につき、開票の参観を求めることができる」と定めており,この「選挙人」は当該開票区内の選挙人に限られるものとされている(明治35.5.15実例)。本件選挙においても,当然,開票の参観をすることが許されていたのは当該開票区の選挙人のみであった。
(4)「(3) 票の差し替え・入れ替えの虞について」について
 ア 冒頭部分について
   本件選挙の投票率が43.85パ―セントであったことは認め,大河原宗平氏に関する主張部分は不知,その余は否認する。
   館林市選挙管理委員会事務局職員を含む館林市職員が,本件選挙に限らず,およそ公職選挙において,投票しない人をあらかじめ把握しているなどという事実はない。
 イ 「1)期日前投票の差し替えについて」について
   期日前投票が公示日又は告示日の翌日から選挙期日の前日までに行われることは認め,大河原宗平氏に関する主張は不知,「不在者投票」や「期日前投票」の呼称の変遷については認否の必要を認めず,その余は否認する。
   以下,念のため,期日前投票に用いる投票箱(以下,単に「投票箱」という。)の施錠について説明しておく。
   この点の法令上の根拠は,公職選挙法48条の2第5項により読み替え

<P6>
た同法53条1項,及び,公職選挙法施行令49条の7により読み替えた同法施行令43条である。すなわち,公職選挙法48条の2第5項により読み替えた同法53条1項は,「期日前投票所を閉じるべき時刻になったときは,投票管理者は,その旨を告げて,期日前投票所の入口を鎖し,期日前投票所にある選挙人の投票の結了するのを待って,投票箱を閉鎖しなければならない。ただし,翌日において引き続き当該投票箱に投票用紙を入れさせる場合においては,その日の期日前投票所を開く べき時刻になったときは,投票管理者は、当該投票箱を開かなければならない」と定めている。そし て,公職選挙法施行令49条の7により読み替えた同法施行令43条は,「・・・投票箱を閉鎖すべき場合には,投票管理者は,投票箱の蓋を閉じ,施錠した上,一の鍵は投票管理者の指定した投票立会人が封印をし,他の鍵は投票管理者が封印をしなければならない」と定めている。
 上記の条文のうち,投票箱の施錠について具体的に説明すると,まず,投票箱に付いている鍵は,上蓋に1か所(以下,「一の鍵」という。)と,横蓋2か所(ただし,鍵は共通。以下,「二の鍵」という。)である。
 そして,一の鍵は,各日の期日前投票終了後に投票箱の上蓋を施錠した後,封筒に入れて,投票立会人において、その封筒の表面に署名のうえ封緘し,更に,投票管理者及び投票立会人2名において、その封筒の裏面の継ぎ目の3か所にそれぞれ契印を押して封印する。その封印された一の鍵は,選挙管理委員会の事務室内に設置されている金庫に入れて保管し,翌日の期日前投票開始直前に,投票管理者において,投票立会人の立会の下,封緘されていることを確認したうえで開封して取り出され,投票箱の上蓋を解錠して投票の受付を開始する。
 他方,二の鍵については、期日前投票初日に,選挙人によって投票箱の横蓋を開いた状態で「投票箱に何も入っていないことの確認」(公職選挙法施行令34条参照)を行ったうえ,2か所を施錠してから,封筒に入れ,投票管理者において,封筒の表面に署名のうえ封緘し,更に,投票管理者

<P7>
及び投票立会人2名により,上記封筒の裏面3か所の継ぎ目に契印を押して封印する。そして,選挙管理委員会の事務室内に設置されている上記金庫に入れて,期日前投票が終了するまでの間,ずっと 保管されている。
   そして,投票箱は,期日前投票の最終日の投票時間終了後に,館林市選挙管理委員会に送致されるところ(公職選挙法48条の2第5項により読み替えた同法55条),この送致の際には,一の鍵と二の鍵も,封筒に入れて上記と同様に封印した状態で,館林市選挙管理委員会に届けられる。
   以上のとおり,投票箱の2種類の鍵は,いずれも厳重に管理されていたもので,何者かが投票箱を解錠して中身の票を差し替えることは現実的に不可能であった。
 ウ 「2)開票作業での票の入れ替えについて」について
   平成22年9月26日及び平成26年9月21日に各執行された館林市議会議員選挙及び本件選挙の投票率及び原告の得票数,並びに,平成30年9月23日に執行された館林市長選挙の投票率及び原告の得票数は認め,その余は否認する。
   原告が主張する「票の入れ替え」の不正は,抽象的な不正の可能性を指摘するに止まり,そのような不正が行われたことをうかがわせる具体的な事情はない。
2 第2について
(1) 冒頭部分について
   認否の必要を認めない。
(2) 「(1) 疑義@ 投開票作業に従事する職員の選任について」について
   原告の異議の申出に対する館林市選挙管理委員会の決定(甲4−1−1)の引用部分,並びに,地方自治法180条の3及び公職選挙法273条の引要部分は認め,その余は否認する。
   原告の主張は,要するに,選挙管理委員会は選挙期間中における個々の職員の動静を全て管理し,証拠化しておく必要があるというものと解されるが,

<P8>
そのようなことは地方自治法も公職選挙法も求めておらず,現実問題として不可能であり,原告の独自の見解である。なお,被告は,原告から供託を受ける立場にないから,当然,原告に対して供託金を返戻していない。また,館林市選挙管理委員会も,原告に対し,平成30年10月10日付けで供託金の返還が可能である旨の通知(甲2)を発出し,更に,同月17日に原告からの申し出を受けて供託書及び供託原因証明書を交付したのみで,一方的な返戻はしていない。
(3) 「2)疑義A 期日前投票における投票箱の管理及び開票管理者への送致について」について
 ア 冒頭部分について
   概ね認める。
 イ 「@ 期日前投票における投票箱の管理」について
   公職選挙法53条及び公職選挙法施行令43条の引用部分は認め,開票後の有効票・無効票の保管方法は認否の必要を認めず,その余は否認する。
   なお,期日前投票の期間中における投票箱の夜間の管理方法については,投票箱をそのまま期日前投票所において保管することも可能であるし,必要に応じて,期日前投票所の外に持ち出し,別室の金庫等に保管することも可能であるとされている(選挙時報第52巻第11号総務省選挙部選挙課回答。乙1)。館林市選挙管理委員会に確認したところ,同委員会は,期日前投票の期間中,夜間は投票箱を市庁舎内の金庫に保管していたとのことであるから,選挙の法令違反は認められない。
 ウ 「A 期日前投票箱の開票管理者への送致」について
   公職選挙法55条の引用部分は認め,本件選挙の選挙の期日に期日前投票の投票箱を持ち運んだ者の人数は認否の必要を認めず,その余は否認する。
   期日前投票の投票箱については,公職選挙法48条の2第5項により読み替えた同法55条が適用され,投票箱は,期日前投票が行われる末日に

<P9>
市町村の選挙管理委員会に送致され,市町村の選挙管理委員会は,当該投票籍を選挙の期日に開票管理者に送致しなければならないものとされている。このとき,読み替え前の同法55条が「一人又は数人の投票立会人」の随行を求めた対象は「投票管理者」であるところ,期日前投票の投票箱については,投票管理者が期日前投票の末日に市町村の選挙管理委員会に送致するときは「一人又は数人の投票立会人」の随行が必要であるが,市町村の選挙管理委員会が選挙の期日に開票管理者に送致するときは,投票立会人の随行は義務付けられていないものと解されている。したがつて,仮に原告が主張するような事実があったとしても,選挙の期日における投票籍の運搬に係るものであるから,館林市選挙管理委員会から開票管理者への送致だったものと推認され,「一人又は数人の投票立会人」の随行がなかったとしても選挙の規定に違反するものではない。
(4) 「3)疑義B 開票作業について」について
   原告の異議の申出に対する館林市選挙管理委員会の決定(甲4−1−1)の引用部分,並びに,公職選挙法62条及び同法66条の引用部分は認め,その余は否認する。
   原告の主張は,要するに,開票立会人が開票作業の全てを完全に監視し,かつ,開票作業に従事する職員の所持品検査の方法を明らかにしなければ,開票作業に従事する職員には忠実義務違反(公職選挙法273条)があるというものであるが,開票立会人から見える範囲に限界があり,あるいは,所持品検査の方法が開示されないからといって,開票作業に従事する職員の忠実義務違反があるとは言えず,原告の主張には論理の飛躍があり,独自の見解である。
(5) 「4)疑義C 投票用紙の管理について」について
   冒頭の原告の異議の申出に対する館林市選挙管理委員会の決定(甲4−1−1)の引用部分は認め,その余は否認する。
   原告は,「白票」には3種類があると主張するが,一般に,「白票」とは,

<P10>
原告が主張するところの「B 有権者の意思により,何も記入せずに白紙のまま投票箱に投函された投票用紙」を指し,原告が主張する@やAのことは白票とは言わない。原告の主張は「白票」と未使用ないし不使用の投票用紙を混同させて,あたかも過誤が生ずる可能性が高かったかのような印象を生み出そうとしているものと思われる・

第4 被告の主張
1 本件選挙の結果は,乙2号証のとおりであり,最も得票数の少ない当選者の得票数が868.378票,最も得票数の多い落選者の得票数が431.172票で,その差は437.206票もある。
2 原告の主張は,いずれも,抽象的な疑問・疑念を列挙したものに過ぎず,選挙の規定に違反があるとは言えず,また,上記の選挙結果に鑑みれば,原告の主張を最大限考慮しても,候補者の当落に異動を及ぼす虞があるとは到底言えないから,原告の主張には理由がなく,本件請求は速やかに棄却されなければならない。
                                        以 上
**********

■では、逐条ごとに被告県選管の認否を見てみましょう。

*****訴状(黒色)と被告認否(赤色)*****
第2 請求の原因
 1 本件訴訟の概要等
(1) 原告は、群馬県館林市(以下「館林市」という)の市民である。(甲−1)
2 請求の原因に対する認否
1項について
(1)について
   認める。

(2)原告は、平成30年9月16日(日)公示、同23日(日)投開票の館林市議会議員選挙(以下「本件選挙」という)に被選挙権を行使して立候補した者である。
(2)について
   認める。

(3)本件選挙後、開票所で集計された投票用紙の数と投票者の総数との間に不整合があったことが報じられたため、本件選挙の公平・公正性に疑義を抱いた原告は、館林市選挙管理委員会に対して平成30年10月2日付で異議申立て(甲3)、および同5日付で「館林市選挙管理委員会による9月23日投開票の館林市議選における不誠実行為にかかる確認事項」を添えて異議申立ての補正(甲3−1)を行った。
(3)について
   本件選挙後に開票所で集計された投票用紙の数と投票者の総数との間に不整合があったこと,原告が本件選挙について平成30年10月2日付けで異議の申出(公職選挙法202条2項)を行ったこと(甲3−1−1),同月5日付けで補正書(甲3−1−2)及び「館林市選挙管理委員会による9月23日投開票の館林市議選における不誠実行為にかかる確認事項」と題する書面(甲3−2。以下,「確認事項」という。)が提出されていることは認め,原告が異議の申出を行った動機は不知,その余は否認する。
   投票用紙の数と投票者の総数との間に生じた不整合とは,投票者総数よりも投票数が1票多かったというものであった。なお,原告が異議の申出を行った相手方は,被告ではなく,館林市選挙管理委員会である。

(4)しかし、あろうことか館林市選挙管理委員会は、同10月10日付で原告に対して「供託物の返還について(通知)」を送り付けてきた。(甲2)
(4)について
   館林市選挙管理委員会が原告に対し,平成30年10月10日付けの「供託物の返還について(通知)」(甲2)を送付したことは認め,その余は否認する。

(5)このため原告は館林市選挙管理委員会に対して、供託物返還通知に関する公開質問状を提出した(甲3−2)が、その後現在に至るまで、館林市選挙管理委員会からはなしのつぶてで、本件選挙の公平・公正性に対する重大な疑義を無視する対応をとっている。
(5)について
   原告が館林市選挙管理委員会に対して平成30年10月13日付けの「供託物返還通知に関する公開質問状」を提出したことは認め,その余は否認する。
   館林市選挙管理委員会は,原告に対し,電話により口頭で回答したものと承知しているが,いずれにせよ,本件選挙の投開票終了後の供託物の還付に係る館林市選挙管理委員会の対応が本件選挙の効力を左右することはないから, この主張は本件請求と関連性がない。

(6)そのうえで、館林市選挙管理委員会は、原告に対して平成30年11月27日付の決定書において原告の異議申立てを棄却する旨、通知をした。(甲4)
(6)について
   館林市選挙管理委員会が原告の異議の申出を棄却する旨を決定し,これを原告に通知したこと は認め,その余は否認する。上記決定は,平成30年11月27日付けではなく,同月19日付けである

(7)この決定書の中で、館林市選挙管理委員会は、原告が提起した本件選挙の異議申し立ての中で確認を求めた次の4項目、すなわち、@投開票作業に従事する職員について、A期日前投票に於ける投票箱の管理及び開票作業者への送致について、B開票作業について、C投票用紙について、要因分析もせずにいきなり「本件選挙は間違いなく行われた」などと主観的に説明を展開し、根拠の乏しい正当性を述べている。(甲4)
(7)について
   決定書(甲4−1−1)では,原告の主張が,@投開票作業に従事する職員の選任について,A期日前投票における投票箱の管理及び開票管理者への送致について,B開票作業について,C投票用紙の管理についての4つに整理されていることは認め,その余は否認する。
   上記@ないしCは,確認事項(甲3−2)を要約したものと思料されるところ,ここに記載されている内容は,原告が思い付いた疑間を列挙しているに止まり,本件選挙の結果に異動を及ぼす虞のある法令違反を適示するものとは言えないから,異議を棄却した館林市選挙管理委員会の判断は正当である。

(8)館林市選挙管理委員会は、原告に対して、不服が有れば被告の群馬県選挙管理委員会へ異議申立てができるとして(甲4−1)、答弁書(甲4−2)と回答(甲4−3)を経て、原告は被告宛に申立書を提出した。(甲5)
(8)について
   館林市選挙管理委員会の決定(甲4−1−1)を不服として,原告が平成30年12月10日付けで被告に対して審査申立てをしたこと*1,これに対して,館林市選挙管理委員会から平成31年1月15日付けで弁明書(甲4−2)が提出されたこと,更に,それに対して原告から同月25日付けで反論書(甲4−3)が提出されたことは認める。
*1 申立書には作成日として同月10日と同月11日の2つの記載があるが,被告が原告の審査申立 てを受理したのは同月10日である。

(9)この結果、被告が為した裁決書(甲6)は、「管理監督的な立場にある意見だ」として、直接の現場の館林市選管を養護する内容となっている。
(9)について
   否認する。


 2 一票の差の要因分析
(1) 前項の通り、被告及び館林市選挙管理委員会の裁決書や決定書の内容は、市民オンブズマン群馬の会員である原告は、民間のものづくり≠フ現場における品質管理の手法として広く使われている「要因分析」より一票の差の発生はナゼを分析究明表題に掲げ、原告の要因分析結果の集約を一票の差要因分析図(写真下)の如くにまとめた。
 記入に際し館林市選挙管理委員会(甲4)及び群馬県選管委員長裁決書(甲6)に付いても記入し併せて完成させた。一票の差要因分析図(甲7)について、次の項で説明する。
2項について
(1)について
   認否の必要を認めない。

(2)館林市及び群馬県選管がそれぞれ決定書(甲4)裁決書(甲6)の如くに直接主観を述べて結論付けるのではなく、原告が会員となっている市民オンブズマン群馬の定例会参加者全員が、一票の差要因分析図について、意見を述べ合って客観的な原因究明により真の原因を探り当てることが不可欠だと結論付けているとおり、しっかりと原因究明をしたうえで次なる行動に移すのが筋であると思う。
(2)について
   認否の必要を認めない。

(3)この様に原告は、客観的原因追及を再三にわたり、被告や館林市選管にお願いしてきたが、全て無視された。彼ら行政は「自分達は正しいのだ」という性善説の理論に基づき、結論ありきの裁決書成るものを原告に送りつけ、「これに従え」と云わんばかりの昔から変わらない民主主義に反した行動は、いかんとも受けがたく、民主主義の理論に乗っ取り行動をするものである。
(3)について
   認否の必要を認めない。

(4)原告が会員となっている市民オンブズマン群馬は、更に一票の差要因分析図から、@主要因の「人」に焦点を当てた結果、夜間における期日前投票箱の第三者不在の管理体制という実態、Aおなじく、開票所における職員の所持品チェックにおける第三者不在の管理体制という実態、B主要因の「材料」に焦点を当てた結果、投票箱と投票用紙のずさん管理の実態、C主要因の「方法」に焦点を当てた結果、期日前投票箱の管理や開票所における職員の行動管理など可視化されていない管理方法の実態、などの要因分析結果内容を特定した。
(4)について
   不知。

   「・・・実態」という表現が4つ列挙されているが,いずれも本件選挙の結果に異動を及ぼす虞のある法令違反の適示にはなっていない。
(5)現場を最もよく解っている市民オンブズマン群馬の会員で元市職員として選挙管理事務局長の経験者によれば、要因分析の結果@〜Cに従って一票の差の発生原因追及を投票用紙の再確認作業(筆跡鑑定まで)まで行い、真の原因調査が必要だと指摘している。よって、徹底した原因究明が不可欠であることをここに強く要請する。
(5)について
   不知。

 3 結論
  よって、被告の裁決書(甲6)の取り消しによって、館林市選管委員長の決定書(甲4)も取り消したうえで、真の一票の差の発生の原因調査が不可欠である。また、本件選挙の公正・公平性を信じて立候補した原告の信頼を裏切ったことにより原告が被った損害として訴訟物の価額160万円の支払いを要求する。
3項について
   争う。


*****原告準備書面(1)(黒色)と被告の認否(赤色)*****
第1 公職選挙法第205条に関し、訴状第2の2記載の事情に加え、当該事情が「選挙の規定に違反することがあるとき」に当たること及びこれにより「選挙の結果に異動を及ぼす虞」があることについての具体的主張
 選挙の効力に関する争訟において選挙が無効となるのは、法第205条第1項の規定により、その選挙が選挙の規定に違反して行われ、かつ、その規定違反のために選挙の結果に異動を及ぼすおそれがある場合に限られるとの定めがあります。
 この点について、原告は具体的にどのような事実が存在し、どの法令等に違反するのかを次の通り摘示します。
 はじめに選挙の執行にかかるそれぞれのステージ(段階)ごとに選挙の規定に違反し、選挙の結果に異動を及ぼす虞について列記します。
第3 原告の平成31年4月21日付け準備書面(1)に対する認否・反論
第1について
冒頭部分について
   公職選挙法205条の説明部分は認め,その余は認否の必要を認めない。

(1)期日前投票と投票箱の管理について
 今回の選挙では、平成30年9月23日午後6時28分に一見30歳代と思しき男が四角形の「投票箱」と判断できる箱を片手に持って開票所の館林市体育館の階段を駆け上がってきたことが目撃されています。このことについて、実際に現場を目撃した市民オンブズマン群馬副代表の大河原宗平氏は、次の通り証言をしています。
          <市民オンブズマン群馬副代表の証言>
 開票は午後9時からだと前日の新聞で確認していたので、開票時間前に机の配置や会場の雰囲気を把握しておくために、午後6時20分頃「城沼総合体育館」へ連れと2人で行ってみた。
 既に暗くなっていたので建物全体像は確認できなかったが大きな建物であることはわかった。
 体育館1階の事務所で開票作業場を確認すると「外階段から2階へ上がってください」と案内された。外階段から2階へ上がってみると右側出入り口の内側に「開票即票公開用」のホワイトボードが設置されていてここが開票所だと確認できた。だがフロアは閉ざされており開票作業場の雰囲気は確認できない。
 市職員らしき3〜4名がうろうろしていたので「開票所を見せてください」と申し入れると「8時まで投票しているので、まだ見られません」と入場を断られた。
 それならば時間調整をしてから再度来てみよう、と考え、館林市市内や同所の駐車場で時間調整をして午後8時50分に再度来ることとして体育館2階から外階段を半分ほど降りた。すると一人の一見30代と見える男性が四角形の「投票箱」と判断できる箱を片手で軽々しく持って階段を駆け上がってきた。腕時計で時間を確認すると午後6時28分だった。
 咄嗟に「期日前投票箱だ」と判断できた。
  副代表 :それは投票箱かい?
  男性:そうです。
  副代表 :期日前投票箱か?
  男性:そうです。
  副代表:あなたは選挙管理委員ですか?
  男性:いえ。市役所職員です。
  副代表:選挙管理委員はいないのか?
  男性:いません。市役所職員がやっています(「運んでいます」の意味だと理解した)。
  副代表:ここの選挙管理委員も市役所職員に任せきりで全く選挙を管理していないのですね。
  男性:私たちが任されています。
  副代表:期日前投票箱こそ、告示日以降の投票用紙を市役所で管理しているのだから不正の温床になっているということを全く気付いていない無能な選挙管理委員はどこも一緒だね(高崎市の選挙管理委員も投票箱が開封されて投票用紙を数え始めると選挙管理委員会事務局長(総務部長)に案内されて開票所を後にしてどこかへ消えてしまう事実を知っていたからそのように思ったわけだ。)。
との会話を交わして投票箱を持った男性とすれ違いに、私達は階段を下りて駐車場へと向かった。
            <証言おわり>
「(1) 期日前投票と投票箱の管理について」について
   不知。なお,被告が館林市選挙管理委員会に問い合わせたところ,大河原宗平氏と思われる人物と原告が主張するようなやり取りをした職員は見当たらないとのことであった。

(2)開票作業の管理について
 今回の選挙では、平成30年9月23日午後8時50分に城沼総合体育館で開票作業が開始されましたが、選挙管理委員などしかるべき立場の者による開票所内へのひとの立ち入りについてチェックが行われないまま開票作業が行われていました。このことについて、実際に現場を目撃した市民オンブズマン群馬副代表は、次の通り証言をしています。
          <市民オンブズマン群馬副代表の証言>
 午後8時の随分前から同体育館の駐車場で待機していると、軽トラックやワゴン車などが慌ただしく同体育館駐車場に乗り付けてくる。様相は青色のポロシャツを着て首にタオルをかけており「選挙事務所の運動員か?」と思わせる人物が数人ずつ談笑しながら体育館方向へ歩いていく。
 「館林の選挙陣営は熱心だ。」(高崎市の場合だと選挙速報を先取りしたいマスコミがいただけだったので)そう思ってしまった。
 午後8時50分になったので車から降りて開票所へ行ってみた。1分もかからなかっただろう。
 今度は2階のフロア入り口がオープンになっており 開票所の雰囲気は見えた。すると先程らいの会場に入った「青色のポロシャツ姿」の者が開票台を取り囲んでいるのが見えた。(ああ、こいつらは市役所職員だったのか。それにしても暗がりの駐車場を談笑しながら歩く姿は品がなかった。これが市役所職員の本性だと再認識できた。どこもこんな職員の給料を払うために税金を納めているのかとがっかりし直した。)
 さて2階から3階に上がろうとすると1人の男性が「名前と住所を書いてください」と言ってきた。
 「開票作業を見るのに名前はいらないだろう。個人情報だ」と記名を拒否して3階へ上がろうとすると体を張ってこれを阻止してきた。
 「市役所職員に対する公務執行妨害だ」と現行犯人逮捕されては困るので押し問答には参加せず 開いているドアから2階の雰囲気を目視した。
 選管事務局に配置されている市役所職員だと思われる者が「9時になったら鍵を開けて・・・」などと発言している。
 会場には時報が流されていた。私が会場内の様子をうかがっていると、私に「名前と住所を書いてください」と言ってきた男性は私の連れに「名前を書いてくれ」と迫っている。
 私は抗議した。「連れは女性だ。そんなに近寄るな・・・セクハラじゃないか」と。男性職員は連れの女性から離れた。
 直に2階フロアから40台半ばと見える男性が「このドアを閉めます」と遮断した。ここも実力で開けるわけには行かず 開票作業の観覧を諦めた。でも私に「名前と住所を書いてください」と言った職員だけは確認しておこうと考え、名前を聞いた。
 「安全安心課(と言ったと思うが違うかもしれない)の、津久井」と名札を見せながら言ったと思う。「津久井」だけじゃあ 特定にならないので、下の名前を聞いた。「紀行(のりゆき)」と聞こえた。
 津久井は続けた。「館林市に住所があって有権者じゃないと観覧できません」と。
 私は「何だい。結果的に高崎市と書いたら入れなかったんじゃないか。」と、心の中で思った。最初から「館林市に住所があって、有権者じゃないと観覧できません」と言えばよかったのに。
               <証言おわり>
「(2) 開票作業の管理について」について
   本件選挙の開票作業が平成30年9月23日に城沼総合体育館において行われたことは認め,市民オンブズマン群馬副代表なる者の証言の引用部分は不知,その余は否認する。
   原告は,開票開始時刻を午後8時50分と主張するが,開票開始時刻は告示する必要があるところ(公職選挙法64条),本件選挙の開票開始時刻は午後9時と告示されており,実際にも,午後9時に開票作業を開始したとのことである。
   なお,公職選挙法69条は,「選挙人は、その開票所につき、開票の参観を求めることができる」と定めており,この「選挙人」は当該開票区内の選挙人に限られるものとされている(明治35.5.15実例)。本件選挙においても,当然,開票の参観をすることが許されていたのは当該開票区の選挙人のみであった。

(3)票の差し替え・入れ替えの虞について
 原告が会員となっている市民団体「市民オンブズマン群馬」副代表の大河原宗平氏が開票作業をその目で観覧したかったのは、きちんと監視するとともにビデオに録画しておくためでした。その理由は2つあります。
 1つ目は「期日前投票の票の差し替えをやる可能性」です。
 2つ目は「開票作業に当たる市役所職員が票の入れ替えをする可能性」です。
 選挙の大前提として投票用紙は有権者数以上の投票用紙が印刷されます。一方、投票率はよく行っても「50%」でしょう。実際に、今回の平成30年9月23日執行の館林市議会議員選挙の投票率:43.85パーセントでした。そうすると選挙が終わっても投票されない白票が、選挙管理委員会に有権者数の半分が残ることは疑いのない事実です。
 それから選挙管理委員会事務局職員を始めとする「市役所職員」は「病気その他で、絶対に投票しない(可能性が高い)人を知っている」ことも事実です。過去の選挙の投票状況をみれば「この人は絶対に投票所に来ない人」というのが把握できるわけです。
 これらを前提とすると「選挙管理委員会事務局職員を含む市役所職員」が投票された票の「不正さし替え」や「不正入れ替え」を働くことが可能なのです。
 ですから「期日前投票をしてはいけないこと」と「当日の開票作業をしっかり監視しなければいけないこと」が公正・公平・透明な選挙の必須要件となります。
「(3) 票の差し替え・入れ替えの虞について」について
 ア 冒頭部分について
   本件選挙の投票率が43.85パ―セントであったことは認め,大河原宗平氏に関する主張部分は不知,その余は否認する。
   館林市選挙管理委員会事務局職員を含む館林市職員が,本件選挙に限らず,およそ公職選挙において,投票しない人をあらかじめ把握しているなどという事実はない。

 1)期日前投票の差し替えについて
   それでは「1つ目」の「期日前投票の票の差し替えをやる可能性」を指摘します。
   期日前投票は告示の翌日から本投票日前日まで定められた「期日前投票所」で行われます。昔は「不在者投票」と言っていましたが、いつからか「不在者投票」と区別されて「期日前投票」と呼ばれるようになった模様です。
   この「期日前投票」の投票箱の管理に問題があるのです。毎日の投票が締め切られると、形ばかりに立会った選挙管理委員が封印して帰ります。しかしこんな封印は「紙」なのです。張り替えて、保管してある市役所内の選挙管理委員会事務局に保管されている「判子」を押せば証拠は隠滅されてしまいます。
   問題は「期日前投票箱」にかけられている「鍵」です。この「鍵」を開ける「キー」を誰が持っているのでしょうか?聡明な判事の皆様はもうお気付きでしょう。そうです、この「キー」こそ、市役所内の選挙管理委員会事務局の(市役所)職員が持っているのです。
   市役所行政に何かと、クレームをつける、「市議になってもらっては困る候補者の票を、夜間、密かに「さし替え作業をやる」のです。
   繰り返しになりますが「半分は投票されない白紙の投票用紙」が「市役所内の選挙管理委員会事務局の市役所職員の手の中」にあるのだから簡単にできる作業なのです。
   もしも館林市の選挙管理委員が「それは絶対にない」と証明できるのならば 選挙管理委員全員が期日前投票期間の全部の時間に投票箱から離れなかったことを証明しなければなりません。
   市民オンブズマン群馬副代表の大河原宗平氏は、鹿児島県の阿久根市役所の選挙管理委員会事務局長をした経験を持っており、その体験から以上のことを明言しています。
「1)期日前投票の差し替えについて」について
   期日前投票が公示日又は告示日の翌日から選挙期日の前日までに行われることは認め,大河原宗平氏に関する主張は不知,「不在者投票」や「期日前投票」の呼称の変遷については認否の必要を認めず,その余は否認する。
   以下,念のため,期日前投票に用いる投票箱(以下,単に「投票箱」という。)の施錠について説明しておく。
   この点の法令上の根拠は,公職選挙法48条の2第5項により読み替えた同法53条1項,及び,公職選挙法施行令49条の7により読み替えた同法施行令43条である。すなわち,公職選挙法48条の2第5項により読み替えた同法53条1項は,「期日前投票所を閉じるべき時刻になったときは,投票管理者は,その旨を告げて,期日前投票所の入口を鎖し,期日前投票所にある選挙人の投票の結了するのを待って,投票箱を閉鎖しなければならない。ただし,翌日において引き続き当該投票箱に投票用紙を入れさせる場合においては,その日の期日前投票所を開く べき時刻になったときは,投票管理者は、当該投票箱を開かなければならない」と定めている。そし て,公職選挙法施行令49条の7により読み替えた同法施行令43条は,「・・・投票箱を閉鎖すべき場合には,投票管理者は,投票箱の蓋を閉じ,施錠した上,一の鍵は投票管理者の指定した投票立会人が封印をし,他の鍵は投票管理者が封印をしなければならない」と定めている。
 上記の条文のうち,投票箱の施錠について具体的に説明すると,まず,投票箱に付いている鍵は,上蓋に1か所(以下,「一の鍵」という。)と,横蓋2か所(ただし,鍵は共通。以下,「二の鍵」という。)である。
   そして,一の鍵は,各日の期日前投票終了後に投票箱の上蓋を施錠した後,封筒に入れて,投票立会人において、その封筒の表面に署名のうえ封緘し,更に,投票管理者及び投票立会人2名において、その封筒の裏面の継ぎ目の3か所にそれぞれ契印を押して封印する。その封印された一の鍵は,選挙管理委員会の事務室内に設置されている金庫に入れて保管し,翌日の期日前投票開始直前に,投票管理者において,投票立会人の立会の下,封緘されていることを確認したうえで開封して取り出され,投票箱の上蓋を解錠して投票の受付を開始する。
   他方,二の鍵については、期日前投票初日に,選挙人によって投票箱の横蓋を開いた状態で「投票箱に何も入っていないことの確認」(公職選挙法施行令34条参照)を行ったうえ,2か所を施錠してから,封筒に入れ,投票管理者において,封筒の表面に署名のうえ封緘し,更に,投票管理者及び投票立会人2名により,上記封筒の裏面3か所の継ぎ目に契印を押して封印する。そして,選挙管理委員会の事務室内に設置されている上記金庫に入れて,期日前投票が終了するまでの間,ずっと 保管されている。
   そして,投票箱は,期日前投票の最終日の投票時間終了後に,館林市選挙管理委員会に送致されるところ(公職選挙法48条の2第5項により読み替えた同法55条),この送致の際には,一の鍵と二の鍵も,封筒に入れて上記と同様に封印した状態で,館林市選挙管理委員会に届けられる。
   以上のとおり,投票箱の2種類の鍵は,いずれも厳重に管理されていたもので,何者かが投票箱を解錠して中身の票を差し替えることは現実的に不可能であった。

 2)開票作業での票の入れ替えについて
   2つ目の「開票作業に当たる市役所職員が票の入れ替えをする可能性」について説明します。
   これは「開票所の開票作業」で行われる「不正」です。行う目的は、前と同じで市議になってもらっては困る候補者の票を、密かに「入れ替える作業」です。手法は至る場所で可能です。
   例えば、予め「票の入れ替え役」を決めておき、または、自ら「票の入れ替え役」になり、開票台で候補者別に票を仕分けする段階で予め自分のポケットに入れておいた「入れ替え票」を投票箱から出された「落としたい候補者の票と入れ替える」のです。
   票の枚数は「100票」がやり易いのです。この段階で誰かが「100票減って」、誰かが「100票増える」のです。
   ちなみに、原告はこれまでに2回、館林市議会議員選挙に立候補しました。
    【平成22年9月26日執行】(投票率:56.26パーセント)
        小林光一   514.067票
    【平成26年9月21日執行】(投票率:51.06パーセント)
        小林光一   707.393票
   そして今回の選挙の結果は、前回の4割も減少したのです。
    【平成30年9月23日執行】(投票率:43.85パーセント)
        小林光一   431.172票
   原告はまた、その半年前に館林市長選挙に立候補しました。
    【平成29年4月2日執行】(投票率:47.99%)
        小林光一 1,404
   半年前に市長選に出馬した原告が、半年後の市議選で4年前の得票数より4割減らすというのは、どうにも腑に落ちません。選挙の結果に不正な開票作業の影響が及ぼされた虞があると言わざるを得ません。
「2)開票作業での票の入れ替えについて」について
   平成22年9月26日及び平成26年9月21日に各執行された館林市議会議員選挙及び本件選挙の投票率及び原告の得票数,並びに,平成30年9月23日に執行された館林市長選挙の投票率及び原告の得票数は認め,その余は否認する。
   原告が主張する「票の入れ替え」の不正は,抽象的な不正の可能性を指摘するに止まり,そのような不正が行われたことをうかがわせる具体的な事情はない。


第2 選挙の規定に違反する可能性について
 原告は、期日前投票箱の鍵の管理がズサンに扱われている実態を指摘したり、期日前投票箱が得体の知れない人物が一人で運んでいる現場を目撃したり、開票作業に立ち会う人物らの所持品検査が行われないなど、公選法に基づく公正性が担保されない実態を問題視してきました。
 本件選挙を執行した館林市選管は、本件提起に至るまでの過程で、原告の審査申立てが本件選挙において、投票者総数よりも投票数が1票多かったことを契機としてなされたものであることについて、原告が主張する疑義@〜Cに対し、それぞれ次のとおり釈明しました。
第2について
 冒頭部分について
   認否の必要を認めない。

(1)疑義@ 投開票作業に従事する職員の選任について
   【選管の釈明】
     投開票に従事する職員については、地方自治法(昭和22年法律第67号)第180条の3及び法第273条により、市町村の補助機関である職員を選挙に関する事務に従事させることができると規定されており、本件選挙においても平成30年8月3日付けで、259人の職員に委嘱している。
   これについて原告は次の通り主張します。
   地自法第180条の3は「普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の委員会又は委員と協議して、吏員その他の職員を、当該執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員と兼ねさせ、若しくは当該執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員に充て、又は当該執行機関の事務に従事させることができる。」と定め、公選法第273条は「選挙事務の委嘱」として「参議院合同選挙区選挙管理委員会又は都道府県若しくは市町村の選挙管理委員会が、都道府県知事又は市町村長の承認を得て、当該参議院合同選挙区選挙管理委員会又は都道府県若しくは市町村の補助機関たる職員に選挙に関する事務を委嘱したときは、これらの職員は、忠実にその事務を執行しなければならない。」と定めています。
   このように、委嘱をうけた職員は忠実にその事務を執行しなければならない、とされているのですから、期日前投票箱の管理がきちんと実施されていたのかどうか、その証拠を住民に示すためには、誰がいつどこでどのような役割をしたのか、きちんと説明できる体制が構築されているはずですが、その具体的な説明がないまま、不当にも被告は供託金を一方的に原告に返戻しました。
「(1) 疑義@ 投開票作業に従事する職員の選任について」について
   原告の異議の申出に対する館林市選挙管理委員会の決定(甲4−1−1)の引用部分,並びに,地方自治法180条の3及び公職選挙法273条の引要部分は認め,その余は否認する。
   原告の主張は,要するに,選挙管理委員会は選挙期間中における個々の職員の動静を全て管理し,証拠化しておく必要があるというものと解されるが,そのようなことは地方自治法も公職選挙法も求めておらず,現実問題として不可能であり,原告の独自の見解である。なお,被告は,原告から供託を受ける立場にないから,当然,原告に対して供託金を返戻していない。また,館林市選挙管理委員会も,原告に対し,平成30年10月10日付けで供託金の返還が可能である旨の通知(甲2)を発出し,更に,同月17日に原告からの申し出を受けて供託書及び供託原因証明書を交付したのみで,一方的な返戻はしていない。

 2)疑義A 期日前投票における投票箱の管理及び開票管理者への送致について
   【選管の釈明】
     期日前投票における投票箱の管理については、法第48条の2第5項の規定により読み替えて適用される法第53条及び公職選挙法施行令(昭和25年政令第89号。以下「政令」という。)第49条の7の規定により読み替えて適用される政令第43条により、期日前投票における投票箱の閉鎖及びそれに伴う鍵の取扱いが規定されており、本件選挙においても当該規定にのっとり、投票管理者及び投票管理者が指定した投票立会人により適切に行われている。
     また、期日前投票期間中は、当日の投票終了から翌日の投票開始までの間については、投票箱及び封印された投票箱の鍵は、当委員会の金庫で厳重に保管されている。
     期日前投票の投票箱の開票管理者への送致については、法第48条の2第5項の規定により読み替えて適用される法第55条及び政令第49条の7の規定により読み替えて適用される政令第44条により、期日前投票期間の末日に選挙管理委員会に送致し、選挙の期日に選挙管理委員会が開票管理者に送致しなければならないと規定されており、本件選挙においても当該規定にのっとり、期日前投票の投票箱は、期日前投票期間の末日である平成30年9月22日の投票終了後に当委員会に送致され、翌日(選挙期日)に当委員会の書記により、開票所の開票管理者に送致されている。
「2)疑義A 期日前投票における投票箱の管理及び開票管理者への送致について」について
 冒頭部分について
   概ね認める。
   これについて原告は次の通り主張します。
  @ 期日前投票における投票箱の管理
    公選法第53条は「投票所を閉じるべき時刻になったときは、投票管理者は、その旨を告げて、投票所の入口を鎖し、投票所にある選挙人の投票の結了するのを待って、投票箱を閉鎖しなければならない。 2 何人も、投票箱の閉鎖後は、投票をすることができない。」と定め、公選法施行令第43条は「投票箱を閉鎖する場合の措置」として「法第五十三条第一項の規定により投票箱を閉鎖すべき場合には、投票管理者は、投票箱の蓋を閉じ、施錠した上、一の鍵は投票箱を送致すべき投票立会人(投票管理者が同時に開票管理者である場合には、投票管理者の指定した投票立会人)が保管し、他の鍵は投票管理者が保管しなければならない。」として、複数の鍵が使われ、それらを複数の者がそれぞれ保管しなければならないことが分かる。今回は、「謎の1票」が生じたのであるから、こうした鍵の管理について、市選管はいつ誰がどのように鍵を持たされ、保管していたのかをきちんと把握しているはずなので、詳しくそのことを説明できる筈であるが、説明がないのはおかしい。
    ちなみに、投・開票後の有効投票は、段ボール箱に入れられるというが、開けられてしまう可能性がある場所をすべてガムテープ及びロープで密閉梱包し、さらに蓋の合わせ目を紙などで封じ、管理者と立会人全員がそれぞれの印鑑で割り印を押すという。また、無効投票も有効投票と同様に、選挙別にクラフト紙などで包み、麻ひもなどで縛ったうえで、梱包の合わせ目に管理者および立会人全員の割り印を押すという(図1参照)。これほどまでに厳重に封印をしないと、選挙の公正性は担保できない。
    期日前投票箱は、夜間、どこでどのように封印されて保管されていたのか、金庫に鍵を入れていたと言うがその金庫はどこにあり、金庫の鍵や暗証番号は誰がどのように管理していたのか、市選管からその具体的な説明が未だにない。
「@ 期日前投票における投票箱の管理」について
   公職選挙法53条及び公職選挙法施行令43条の引用部分は認め,開票後の有効票・無効票の保管方法は認否の必要を認めず,その余は否認する。
   なお,期日前投票の期間中における投票箱の夜間の管理方法については,投票箱をそのまま期日前投票所において保管することも可能であるし,必要に応じて,期日前投票所の外に持ち出し,別室の金庫等に保管することも可能であるとされている(選挙時報第52巻第11号総務省選挙部選挙課回答。乙1)。館林市選挙管理委員会に確認したところ,同委員会は,期日前投票の期間中,夜間は投票箱を市庁舎内の金庫に保管していたとのことであるから,選挙の法令違反は認められない。

  A 期日前投票箱の開票管理者への送致
    公選法第55条は「投票管理者が同時に当該選挙の開票管理者である場合を除くほか、投票管理者は、一人又は数人の投票立会人とともに、選挙の当日、その投票箱、投票録、選挙人名簿又はその抄本及び在外選挙人名簿又はその抄本(当該在外選挙人名簿が第三十条の二第四項の規定により磁気ディスクをもつて調製されている場合には、当該在外選挙人名簿に記録されている全部若しくは一部の事項又は当該事項を記載した書類。以下この条及び次条において同じ。)を開票管理者に送致しなければならない。ただし、当該選挙人名簿が第十九条第三項の規定により磁気ディスクをもつて調製されている場合で政令で定めるときは選挙人名簿又はその抄本を、当該在外選挙人名簿が第三十条の二第四項の規定により磁気ディスクをもつて調製されている場合で政令で定めるときは在外選挙人名簿又はその抄本を、それぞれ、送致することを要しない。」と定めており、投票箱の送致は必ず投票管理者に加え、一人又は数人の投票立会人とともに開票管理者に送致されなければならない。
    ところが、市選管は、得体の知れない人物一人に期日前投票箱を持ち運びさせて投票管理者に送致しており、完全に違法行為である。にもかかわらず、この事実をなぜか市選管は認めて詳しく説明しようとしない。
「A 期日前投票箱の開票管理者への送致」について
   公職選挙法55条の引用部分は認め,本件選挙の選挙の期日に期日前投票の投票箱を持ち運んだ者の人数は認否の必要を認めず,その余は否認する。
   期日前投票の投票箱については,公職選挙法48条の2第5項により読み替えた同法55条が適用され,投票箱は,期日前投票が行われる末日に市町村の選挙管理委員会に送致され,市町村の選挙管理委員会は,当該投票籍を選挙の期日に開票管理者に送致しなければならないものとされている。このとき,読み替え前の同法55条が「一人又は数人の投票立会人」の随行を求めた対象は「投票管理者」であるところ,期日前投票の投票箱については,投票管理者が期日前投票の末日に市町村の選挙管理委員会に送致するときは「一人又は数人の投票立会人」の随行が必要であるが,市町村の選挙管理委員会が選挙の期日に開票管理者に送致するときは,投票立会人の随行は義務付けられていないものと解されている。したがつて,仮に原告が主張するような事実があったとしても,選挙の期日における投票籍の運搬に係るものであるから,館林市選挙管理委員会から開票管理者への送致だったものと推認され,「一人又は数人の投票立会人」の随行がなかったとしても選挙の規定に違反するものではない。

 3)疑義B 開票作業について
   【選管の釈明】
     本件選挙においては、開票作業には上記のとおり市の職員が従事したほか、法第62条及び法第66条の規定にのっとり、開票立会人10人を定め、開票に立ち会わせ、及び開票管理者とともに投票の点検を待っている。また、開票所の出入りについては、入口に受付を設け、部外者が開票所に入らないようにしている。
   これに対し、原告は次の通り主張する。
   公選法第62条は「開票立会人」として「公職の候補者は、当該選挙の各開票区における選挙人名簿に登録された者の中から、本人の承諾を得て、開票立会人となるべき者一人を定め、その選挙の期日前三日までに、市町村の選挙管理委員会に届け出ることができる。ただし、同一人を当該選挙と同じ日に行われるべき他の選挙における開票立会人となるべき者として届け出ることはできない。」と定め、同第66条は「開票」として「開票管理者は、開票立会人立会の上、投票箱を開き、先ず第50条第3項及び第5項(いずれも選挙人の確認及び投票の拒否)の規定による投票を調査し、開票立会人の意見を聴き、その投票を受理するかどうかを決定しなければならない。 2 開票管理者は、開票立会人とともに、当該選挙における各投票所及び期日前投票所の投票を開票区ごとに混同して、投票を点検しなければならない。 3 投票の点検が終わったときは、開票管理者は、直ちにその結果を選挙長に報告しなければならない。」と定めている。
   しかし開票立会人の位置は開票所の特定場所に設定され、その場所以外の移動も制限されているやにきく。そのため、開票に携わる市職員の開票作業を全て見ることは到底不可能と思われる。
   さらに、開票所の出入りについては、部外者の立入りを禁じているというが、開票に携わる市職員の所持品検査をどのようにしているのか、全く説明がない。これは、明らかに「職員に選挙に関する事務を委嘱したときは、これらの職員は、忠実にその事務を執行しなければならない」という法令の定めに違背している。
「3)疑義B 開票作業について」について
   原告の異議の申出に対する館林市選挙管理委員会の決定(甲4−1−1)の引用部分,並びに,公職選挙法62条及び同法66条の引用部分は認め,その余は否認する。
   原告の主張は,要するに,開票立会人が開票作業の全てを完全に監視し,かつ,開票作業に従事する職員の所持品検査の方法を明らかにしなければ,開票作業に従事する職員には忠実義務違反(公職選挙法273条)があるというものであるが,開票立会人から見える範囲に限界があり,あるいは,所持品検査の方法が開示されないからといって,開票作業に従事する職員の忠実義務違反があるとは言えず,原告の主張には論理の飛躍があり,独自の見解である。

 4)疑義C 投票用紙の管理について
   【選管の釈明】
     投票用紙は印刷業者から納品後は当委員会の金庫で保管している.また、各投票所において使用されなかった投票用紙については、選挙終了後、当委員会で保管している。
     なお、本件選挙においては、選挙終了後、各投票所において使用されなかった投票用紙の枚数を確認し、各投票所の投票録等の書類と照合したところ、一致している。
   これに対し、原告は次の通り主張する。
   今回「謎の1票」が生じた背景には、未使用あるいは効力決定済みの投票用紙、いわゆる「白票」の取り扱いに問題があった可能性も指摘される。この「白票」は選挙の投開票において、厳格に管理し、慎重に取り扱わなければならず、この取り扱い方法について市選管は「納品後の白票は当委員会の金庫に保管し、各投票所で未使用の白票は当委員会で保管している」としており、その具体的な納品後や投票期間中、そして各投票所で未使用の白票の保管場所・方法と保管数についての説明が何もない。
ちなみに、何も記入されていない投票用紙「白票」には次の3つの定義があるとされている。
  @ 有権者に交付する前に選挙管理委員会事務局本部及び各投票所で保管している投票用紙
  A 選挙当日に使用することなく、各投票所(期日前、不在者分含む)から開票所に送致される投票用紙の残数
  B 有権者の意思により、何も記入せずに白紙のまま投票箱に投函された投票用紙
   これらの白票は、取り扱いを間違えると、不正や選挙無効につながる重大な事態を引き起こす可能性がある。今回の「謎の1票」の発生がいかに重大なことなのか、そのことについて、詳しい説明を弁明書でも避けている市選管は果たして、十分認識しているのかはなはだ疑問である。
                           以上
「4)疑義C 投票用紙の管理について」について
   冒頭の原告の異議の申出に対する館林市選挙管理委員会の決定(甲4−1−1)の引用部分は認め,その余は否認する。
   原告は,「白票」には3種類があると主張するが,一般に,「白票」とは,原告が主張するところの「B 有権者の意思により,何も記入せずに白紙のまま投票箱に投函された投票用紙」を指し,原告が主張する@やAのことは白票とは言わない。原告の主張は「白票」と未使用ないし不使用の投票用紙を混同させて,あたかも過誤が生ずる可能性が高かったかのような印象を生み出そうとしているものと思われる。

**********

■以上のとおり、被告の群馬県選管は、一般的な規則の内容のみを並べ立てるだけであり、館林市選管にいちおうヒヤリングをしたかのように答弁書には記していますが、実際の関係職員らに面談することもなく、実態を厳しく調べたという形跡は皆無です。

 これでは国の総務省と同じく、選挙の実務は市町村の選挙管理委員会まかせといった実態を放置しておくだけで、真の公正・公平・透明なひらかれた選挙制度の実現に向けた熱意は微塵も感じられません。

■被告の県選管は、答弁書の最後に、「第4 被告の主張」として次のように述べています。

*****被告の主張*****
1 本件選挙の結果は,乙2号証のとおりであり,最も得票数の少ない当選者の得票数が868.378票,最も得票数の多い落選者の得票数が431.172票で,その差は437.206票もある。
2 原告の主張は,いずれも,抽象的な疑問・疑念を列挙したものに過ぎず,選挙の規定に違反があるとは言えず,また,上記の選挙結果に鑑みれば,原告の主張を最大限考慮しても,候補者の当落に異動を及ぼす虞があるとは到底言えないから,原告の主張には理由がなく,本件請求は速やかに棄却されなければならない。

**********

 原告の当会会員は、本来あってはならない「清き1票」における食い違いは、銀行に当てはめてみれば、会計上たとえ1円でも相違が生じれば徹底的にその原因を追究しない限り、大切は顧客の財産を取り扱っている立場の銀行としては、とたんに顧客や社会に対する信用問題に直結するのだから、神聖な1票の投票の重みをこれほどまでに行政の選管は軽視できるのか、到底考えられない暴挙としか言いようがない、と主張しているのです。

 票が437.206票「も」ある、などという低次元の問題ではなく、1票の取り扱いがきちんとしていなければ、100票単位、500票単位で、票のすり替えや入れ替えが行われる可能性が必然的に生じるわけで、しかも、2018年9月23日の市議選の半年前の2018年4月3日に執行された市長選にも出馬した原告が、前回4年前の市議選出馬時の得票数707から今回431票へと4割も減らすことは極めて不自然です。

■原告は東京高裁からの5月9日付事務連絡に基づき、6月26日(水)までに、@答弁書に対する認否・反論を記載した準備書面、A立証を要する事由につき追加の証拠書類があるときは、その写しと証拠説明書、B既に提出した甲第1号証ないし第7号証の証拠説明書を提出することになります。

 そのうえで、来る7月1日(月)午後2時30分から東京高裁5階511号法廷で開催予定の弁論に臨むことになります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考資料1「東京高裁からの2019年5月9日付事務連絡」
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※参考資料2「東京高裁からの2019年5月9日付期日呼出状」
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