2019/10/31  13:54

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス訴訟の10月31日14時の判決を傍聴しよう!  前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災

■皆さんは、居住地のすぐ近くに、大気汚染防止法で定められた排ガス量毎時4万N㎥を超える燃焼施設を有する火力発電所ができることになったら、どのように感じられますか。
 当会は、東電グループの関電工による放射能汚染間伐材の大量かつ長期間燃焼施設でもあるこのバイオマス発電事業の暴挙を食い止めるべく、地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造の施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起しました。
 そもそも群馬県環境アセスメント条例では、排ガス量が毎時4万N㎥以上の火力発電所の設置に際して、環境アセスメント実施を義務付けています。ところが、東電グループの関電工を事業主体とする前橋バイオマス発電施設は、群馬県が定めた環境アセスメントを行わないまま、2017年末迄に事実上竣工し、2018年2月から本格運転が開始され、同4月24日には行政関係者を招いて完成披露式=開所式まで開かれてしまいました。
 まさに先日来、マスコミを賑わせている関電金品受領問題においても、高浜町の元町長が、関電の子会社の顧問に20年余りにわたって顧問に就任しており、元助役も別の子会社で顧問として迎え入れられていたことが分かり、行政と電力会社との癒着の酷さが取りざたされています。
 こうした電力会社の子会社が絡む事業に、行政が特別な配慮をすることは関電に限らず、業界トップの東電でも同じはずです。
 前橋バイオマス発電施設を巡り、この3年3か月の法廷闘争の結果として、
10月31日(木)午後2時から
前橋地裁2階21号法廷にて
判決言渡し
が行われます。
 ぜひ、ひとりでも多くのかたがたに、傍聴していただけますよう、ここにご案内申し上げます。
 ただし、裁判所の傍聴席は48席しかありません。場合によっては裁判所では傍聴整理券を配布して、くじ引きで傍聴者をきめるかもしれません。予めご了承ください。


■今回の関電工を事業主体とするバイオマス発電・燃焼施設整備事業の背景には、行政による東電グループへの忖度や、自民党群馬県林業支部代表が会長を務める群馬県森林組合連合会も出資に絡んでいることが挙げられます。なので、この関係で前橋市長もこの事業に反対を唱えたことはありません。

 なお、2018年4月25日(水)午後4時30分に開かれた第8回弁論準備以降、これまでの本件裁判に関する情報はブログ記事を御覧下さい。
○2018年6月15日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…6月20日前橋バイオマス補助金返還第9回弁論に向け原告が準備書面(8)提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2669.html
○2018年8月4日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…9月5日前橋バイオマス補助金返還第10回弁論に向け被告が第7準備書面提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2716.html
○2018年8月28日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…9月5日前橋バイオマス補助金返還第10回弁論に向け原告が準備書面(8)提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2737.html
○2018年10月2日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…10月26日前橋バイオマス補助金返還第11回弁論に向け原告が証拠申出書を提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2767.html
○2018年10月6日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…10.26前橋バイオマス補助金返還第11回弁論に向け被告第8準備書面が届く
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2772.html
○2018年10月27日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…10.26前橋バイオマス補助金返還第11回弁論準備でついに証人尋問決定!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2795.html
〇2019年1月22日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…1.30前橋バイオマス発電訴訟第12回弁論準備に向けて被告陳述書2通が到来!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2864.html
○2019年2月4日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金返還第12回弁論準備で4月24日に尋問決定!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2876.html
○2019年7月17日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金返還訴訟が7月17日に結審!判決は10月31日(木)14時!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2980.html

■この前代未聞の行政と東電グループとの癒着構造の産物である前橋バイオマス発電・燃料施設の事業手続きでは、政治力に弱い保守王国群馬県環境行政の本質が最大限に発揮され、本来、粛々と環境アセスメント条例を適用させなければならない排ガス量毎時4万ノルマル㎥以上のガス発生施設であるにもかかわらず、東電グループの関電工に対して、早期運転開始が可能となるように、環境アセスメント条例を適用させないばかりでなく、4億8千万円もの巨額補助金をチップ製造施設関連で、見積根拠薄弱なまま投入し、首尾よく関電工の思惑通り2018年初頭から商業運転を開始させました。

 群馬県の環境アセスメント条例で定める排ガス量毎時4万ノルマル㎥以上という基準は、大気汚染防止法に基づいていると考えられます。なぜなら、大気汚染防止法の「ばい煙量等の測定」では、「ばい煙発生施設に係る主な測定項目の測定頻度(大気汚染防止法施行規則第十五条関係)」が、いろいろな施設の種類ごとに、硫黄酸化物排出量の多寡と排ガス量毎時4万N㎥以上と未満の場合に応じて、硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじんの測定頻度が義務付けられているからです。

 しかし、群馬県では独自に、バイオマス発電ボイラーの燃料となる間伐材は水分を多量に含むとして、「それらの余剰水分は燃焼すると水蒸気になるので、その分を排ガス量から控除してもよい」という全国に他に例を見ない画期的な判断をしたのです。

 この他にも前橋バイオマス発電事業では、群馬県内の間伐材のみを使用する、というルールを掲げながら、実際には隣県の栃木県などから、少なからぬチップを大型トラックで搬入して燃焼させている実態が明らかになっています。

 一旦、設置許可が出れば、あとは何をしようと勝手だ、と言わんばかりに、関電工は、既に2年近くも、違法な手続きであっても群馬県の認可を得たから、として、発電事業を継続しています。このことは、「安全神話」を唱え続けて、福島県に原発を作り続け、津波のリスクを外部から指摘されても耳を貸してこなかった親会社の東電の体質をそのまま受け継いでいるようです。

 きたる10月31日の判決言渡しでは、こうした東電グループの関電工の体質について、裁断が下されることになります。ぜひ、赤城山南麓に住む地元住民の皆様のみならず、ひろく放射能汚染された山間部やその近隣、下流に住む方をはじめ、群馬県の郷土の安全・安心を念ずる多くの県民のかたがたに傍聴していただけることを希望します。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考記事「関電金品受領問題」
**********NHK News Web 2019年10月7日 12時14分
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関電金品受領問題 高浜町の元町長も子会社顧問に
 関西電力の経営幹部らが福井県高浜町の元助役から金品を受け取っていた問題で、関西電力の子会社が高浜町の元町長を20年余りにわたって顧問に就かせていたことが分かりました。関西電力は元助役も別の子会社で顧問として迎え入れており、地元の行政トップらを抱え込む構図が浮かび上がっています。
 関西電力によりますと、1962年から82年にかけて高浜町の町長を務めた浜田倫三氏を、関西電力の完全子会社で現在の「環境総合テクノス」が顧問に就かせていたということです。
 元町長が顧問だったのは町長を辞めた直後の1983年から2005年までの20年余りに及びます。
 子会社の「環境総合テクノス」は原発関連の環境調査などを手がけており、元町長には「常識の範囲内で報酬を支払っていた」と会社では説明しています。
 関西電力は経営幹部らに金品を渡していた森山栄治元助役も完全子会社「関電プラント」で30年余りにわたって顧問に迎え入れていたことがすでに分かっています。
 関西電力が原発立地自治体のトップらを会社に抱え込む構図が浮かび上がっています。

**********日経産業新聞2019年10月3日
関電問題、「電力改革」に冷水 主導役不在で足踏みも
 電力業界が揺れている。関西電力の役員らが原子力発電所がある福井県高浜町の元助役から金品を受領していた問題は、同社に経営の軌道修正を迫るだけではない。原発再編や発送電分離といった一連の改革は、原発事故で経営が厳しくなった東京電力ホールディングスに代わり関電が業界の主導役となっていた。関電問題は日本の電力システム改革を足踏みさせる恐れもある。
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 関電の高浜原発がある福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(2019年3月に死去)から会長・社長ら20人が3億2000万円の金品や物品を受領していたことが明らかになった関電。岩根茂樹社長は2日の記者会見で、「受け渡された者は迷惑しており返却に腐心していた」と強調したが、原発の安定運営を優先し、地元の有力者とされた森山氏と不透明な付き合いを続けていた。
 「原発は裏で取引していると疑われる」「完全に一線を越えている」。関電問題が明らかになった9月27日以降、他電力から批判が相次いだ。
 今回の問題で1人当たり最大で1億円を超える金品を受け取っていた。岩根社長は「断ると何をされるか分からず、返せる時に返そうと預かっていた」と弁明するが、電力会社のトップが長期間、金品を受け取っていたままにしていたことは「倫理的にはアウト」と東電幹部は話す。脱原発の世論が高まっている時に「原発政策が進まなくなる」(東北電力関係者)との声もある。
■主導役は東電から関電に
 関電は新たに第三者のみの調査委員会を設け、年内に結論を出す。東日本大震災による原発事故で東電に代わる業界の盟主として期待されてきた。国が原発再編や発送電分離など電力システム改革を推し進めるなか、先導役不在の状況に業界で不安感が高まっている。
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関電の金品受領問題は原発再稼働にも影響を及ぼす(同社の高浜原発)
 「原子力は将来の新増設やリプレース(建て替え)に備えていく」。6月、大手電力で構成する電気事業連合会の新会長に就いた関電の岩根社長は停滞する原発政策の推進に自信をみせていた。前会長で中部電力の勝野哲社長も「電力改革を知り尽くしているのは岩根さん」と持ち上げた。電事連会長には関電の待望論があった。
 電事連は各地域の盟主の電力会社が団結して国の政策に関わってきた。だが原発事故で清水正孝会長(東電社長)が辞任し、関電の八木誠社長(当時)が緊急登板した。5年務めた後、中部電を挟んで再び関電に戻した。16年の全面自由化で価格競争で顧客を奪い合うようになり、電事連はかつての結束力はなく、その力自体も弱まった。
19年4月、原子力規制委員会にテロ対策施設が工事認可から5年で間に合わない場合に稼働停止を迫られた。電力会社側は「規制委から設計の見直しを求め続けられたから間に合わないのは仕方ない」(電力関係者)とするが、関西・四国・九州がまとまって遅延を報告したことで逆に批判を招いた。古い電事連の体質ともみられた。
 関電は稼働している原発が4基と全国で最も多く、原発の収益改善をテコに関西を中心に価格攻勢を仕掛けてきた。攻め込まれる他電力からは「やり過ぎだ」(九電幹部)との恨みも強いが、東電は国の傘下に入り、中部電も東電との連携を深めている。
 もはや「国と渡りあえるのは関電だけ」(電事連関係者)。関電も東京に優秀な人材を手厚くするなど対応を強化していた。国とのパイプが太い岩根社長が、会長の在任期間中に原発を中心に電力システム改革をどこまで対応できるか。その成否は電事連の存在意義すら問われかねないほど重かった。
 岩根社長は2日の記者会見で電事連会長を続投する意向を示した。だが、他電力からは「原発マネーで関係を疑われたことで、関電では自治体との対話は難しい」との声が多い。東電に続いて関電まで表舞台から去れば、電力業界は国と真正面から向き合う力を失いかねない。
■再編の絵を描く国との関係は?
 国は原発事故後、「官僚以上の官僚」と言われた東電を中心とする電力会社の力をそごうと動いた。特に東電は19年4月に火力事業を中部電と完全統合。原発は中部電と日立製作所と東芝の4社で共同出資会社を設ける方向で原発の再編に動き出した。文字通り国の描く通りに「電力会社の解体」(東電幹部)へと向かっている。
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関西電力は電力システム改革の主導役とされていたが…(2日の記者会見、八木誠会長(左)と岩根茂樹社長)
 関電にもかつて、国が描く原発再編があった。17年ごろに関電と九電、中国電力、四国電力の4社を提携させて西日本で再編をさせる動きはあったが、幻に終わった。「国は今回の関電問題で責任を追及することで、関電を従わせやすくなる」(東電幹部)。関電は「今は原発の再編は必要はない」(幹部)と否定的だが、関電も再編の渦に巻き込まれる可能性がある。
 格付け会社のムーディーズ・ジャパンの浅沼有紀子アナリストは「(関電問題で)否定的な世論がさらに厳しさを増し、原発の稼働が一層困難になる可能性がある」と指摘する。
安価で安全な電力の安定供給は日本経済の基盤だ。関電だけでなく電力会社そのものの信頼回復が遅れれば、電力システム改革だけでなく、日本企業の成長戦略にも影響を及ぼす。
(企業報道部 栗本優、大阪経済部 杜師康佑)
[日経産業新聞 2019年10月3日付]

**********週刊ダイヤモンドオンライン2019年10月3日05:35
関電がパワハラ被害者面する一方で言及を避ける「不都合な真実」
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記者会見する関西電力の岩根茂樹社長(右)と八木誠会長。森山氏によるヤクザ顔負けの恫喝エピソードを進んで公表し、自らを被害者に位置付けたい関電経営陣。しかし、それではさすがに虫が良すぎやしないだろうか Photo:JIJI
 福井県高浜町の助役・森山栄治氏から金品を受け取っていた関西電力。記者会見では森山氏のヤクザも真っ青な恫喝が明らかにされたが、被害者面で幕引きを図ろうとする関電の記者会見には、経営責任をうやむやにするためのテクニックが見え隠れする。(ノンフィクションライター 窪田順生)
★ヤクザも真っ青 恐ろしい恫喝の数々★
 「M」とか「影の町長」なんて怖がられる人だから、普通じゃないとは思っていたが、まさかここまでだったとは、とドン引きしている方も少なくないのではないか。
 原発マネーの「還流」疑惑で批判に晒さている関西電力が昨日、再び会見を開催して、幹部に3億2000万相当の金品をバラ撒いていた福井県高浜町の助役だった故・森山栄治氏が、関電社員らにヤクザも真っ青の「恫喝」を繰り返していたことを明らかにしたからだ。
 会見の資料として公表された調査委員会の報告書には、森山氏の悪行三昧が、これでもかというくらいの勢いで並べ立てられている。その一部を抜粋しよう。
《「お前なんかいつでも飛ばせるし、何なら首も飛ばすぞ」などといった発言があった。また、社内では過去の伝聞情報として、森山氏からの圧力に耐えかねて、対応者の中には、うつ病になった人、辞表を出した人、すぐに左遷された人などがいる、などの話が伝えられることがあった》
《自身やその家族の身体に危険を及ぼすことを示唆する恫喝として、「お前の家にダンプを突っ込ませる」などといった発言があった。また、社内では過去の伝聞として、対応者が森山氏から「お前にも娘があるだろう。娘がかわいくないのか?」とすごまれた、別の対応者は森山氏のあまりに激しい恫喝の影響もあって身体を悪くして半身不随となった、その対応者は身の危険もあることから経緯を書いた遺書を作って貸金庫に預けていた、などの話が伝えられることがあった》
 そんな数々のパワハラ列伝を目にすると、「うちの会社にも来るよ、こういう老害。社長を呼べとか騒いで対応に困るんだよな」なんて共感するサラリーマンの方もいらっしゃるかもしれない。筆者もいくつのか業界で、いまだにこういう昭和型の恫喝を行う、その世界のレジェンドの対応をしたことがあるので、そのあたりの苦労は痛いほどわかる。
 その一方で「情報戦」という観点からこの報告書を読むとどうしても、こりゃまたずいぶんとベタなやり方で、経営責任を回避してきたなという感想になってしまう。
★関電の発表は世間の目を本質から逸らせている★
 世間が食いつくようなショッキングな話や、ワイドショーのコメンテーターが「感想」を述べやすいベタな問題を、「エサ」として投げて世間の目を本質から逸らせる。いわゆる、「論点ズラし」である。
 実はこれ、企業や役所のクライシス対応において、非常によく使われるオーソドックスなテクニックのひとつである。今後、何かのお役に立つかもしれないのでぜひ覚えていただきたい。ケースによって若干の違いはあるが、トップの引責を回避する際に使われる「論点ズラし」というのは基本的には以下のような三段論法になる。
(1)ルールを逸脱した「個人」のせいで組織は被害をこうむった
(2)とはいえ、この「個人」の暴走を止められなかった組織風土にも問題がある
(3)風土の話なので、トップが責任を取るような話ではない
 要するに、トップの首が吹っ飛びそうなところを、「個人」のスキャンダルや不正にフォーカスが当たるように、「おもしろネタ」を提供することでそっちの印象を強くして、結局のところは企業体質とか、ホニャララ主義みたいなふわっとした話に着地させる、というダメージコントロールをしているわけだ。今回の関電の「報告書」はその典型的なパターンに見えてしまう。
 「伝聞」まで盛り込んでいることからもわかるように、この報告書には、とにかく関電が長年、森山氏から「被害」を受けてきたということに多くを割いている。先ほどの(1)である。
 しかし、こればかりだと「被害者面しやがって」という批判が当然くるので、森山氏の暴走を食い止められなかった背景に、森山氏と事を構えるのを恐れて、前任者と同じ対応を続けていくという「前例踏襲主義の企業風土」(報告書19ページ)があるとした。(2)である。
 「風土」というのは、リスク時にはわりと便利なワードで、「思い」「姿勢」という日本人が好きな精神論みたいな方向へ持っていくことができる。不祥事企業からすれば、こうなればシメたものだ。今回の問題が起きたのは、会社にいる一人ひとりの「心」に問題があるわけだから、経営者が悪いわけじゃないですよね、と逃げることができるからだ。
 実際、調査委員長も所感では、「深刻な問題とまでは認め難い」として、以下のようにシメている。
 「結局、本件の本質は、個人の問題ではなく事なかれ主義というべき会社の体質の問題にほかならず、この改善と対策が集眉であることが明記されるべきである」
★関電経営陣が突っ込んでほしくない部分★
 要するに、悪いのは「体質」なのだから、今の経営陣が辞めるほどの問題ではないという捉え方のようなのだ。むしろ、「体質改善」という難題に臨むのだから、ポッと出の新経営陣にはできない。経験豊富な現経営陣がそのまま継続すべきだ、というようにも聞こえてしまう。
 断っておくが、調査委員会の批判をしているわけではない。企業のクライシス対応で、経営者の責任回避などの道を模索して頭を悩ませてきた過去の経験から、報告書を読むと、どうしてもそういう狙いがあるように見えてしまう、と言いたいのだ。
 そして、筆者がそのように感じてしまう理由はもうひとつある。それは、「マスコミ受けする部分と、触れてほしくない部分のあまりな露骨な差」である。
 これはクライシスに直面した企業の情報発信における鉄則だが、大々的に報じてほしいことは饒舌に、あまり深く突っ込まれたくないところは言葉少なに、ということがある。
 前者は今回で言えば、森山氏がこれまで関電に行ってきた「パワハラ」である。これはどんなに詳細に、どんなに生々しく報じられても、関電としては痛くもかゆくもない。むしろ、ここにフォーカスが当たれば当たるほど、「関電さんも気の毒に」「なんて非常識なジジイだ」なんて感じで同情的な世論になる。
 では、あまり深く突っ込まれたくないところはどこか。実はこの報告書の中には、関電的にはあまり詳しく話したくないテーマというか、かなりエグいことがサラッと記されている。それは、森山氏がしたというこんな「恫喝」だ。
 「発電所立地当時の書類は、今でも自宅に残っており、これを世間に明らかにしたら、大変なことになる」
 報告書によれば、森山氏は高浜3・4号機増設時に、何度も面談し、増設に関して依頼を受けたと話をしていたという。そして、その時に、当時の関電トップから手紙やハガキを受け取っており、今もそれを保管している、と語っていたというのだ。
★なぜ関電は一貫して森山氏に逆らえなかったのか?★
 関電側が一貫して森山氏に逆らえなかったのは、原発立地の有力者で、機嫌を損ねたら原発の運営に支障をきたすかもと恐れたからだと説明しているが、実際にこういう具体的な「脅し」があるわけなのだから、助役時代の森山氏が、経営トップから何を頼まれ、何を知り、どのようなことをしたのかということは重要ではないか。
 その「世間に明かしたら大変なこと」を握っているということが、森山氏に対する関電側の「恐怖」の正体になっている可能性があるからだ。
 例えば、原発行政の信頼を粉々にするような癒着や不正。あるいは、原発の安全性を根底から覆すような問題の隠蔽や、当時の常識的にも完全にアウトという裏仕事の可能性もある。
 そんな小説やドラマみたいなことがあるものかと笑うかもしれないが、事実として森山氏が役場にいた時代、関電の原発はかなり深刻な「危機」に陥っていた。
 まず、森山氏が助役になってほどない1979年5月、高浜原発の1号機では、緊急炉心冷却装置と連動した補助ポンプの軸が折損していることが判明。これは当時、通産省も「わが国原発開発史上、初めての重大な異常」(読売新聞1979年5月12日)と述べるほど問題視した。
 その半年後、住民を恐怖に陥れるような深刻な事故も起きている。
 「放射能含んだ一次冷却水 高浜原発で大量漏れ パイプ破損 9時間で80トン」(読売新聞1979年11月4日)
 当時、アメリカのスリーマイル島の事故もあって、原発の危険性が国際的にも指摘されていた。事故が続く高浜原発にも反対派が集結し、森山氏と関電が二人三脚で進めていた3号機、4号機の安全審査をやめさせようと、公開ヒアリングには全国から反対派市民団体が500人押し寄せたこともあった。
 が、こんな「逆風」の中でも3号機と4号機は稼働した。今の感覚からすれば、あまりにも強引な原発推進に、「誘致や地域の取りまとめ等に深い関わりをもった」(報告書)森山氏が大きく寄与したことは間違いない。
★「死人に口なし」だが…関電の被害者面は虫が良すぎる★
 それは果たして、胸を張って国民に説明できるようなものだったのか。このまま森山氏が墓場まで持っていったから良かったが、白日のもとに晒されたら関電が吹き飛ぶようなものではなかったか。そういう「ダイナマイト」を体に巻いている人間だったからこそ、誰も森山氏に逆らえなかったのではないのか。
 もちろん、これは筆者の考えすぎかもしれない。実際、先の報告書の調査委員長はこんなことをおっしゃっている。
「仮に森山氏に暴露できるような当時の裏事情があり得たとしても、その露見の影響は限定的であろうことを容易に推測できる」
 要するに、森山氏は大したネタを握っていないということのようだ。
 だったら、この報告書でも具体的に森山氏がどういうネタで関電を脅していたのか、影響が大したことがないのなら、ぜひ明らかにしていいただきたいと思うのは、筆者だけだろうか。
 報道によれば、助役を辞めた後、森山氏は関電子会社の顧問となり、「町長選や町議選となれば、森山氏がどの候補につくかに注目が集まった」(産経ニュース9月27日)という。
 そんな風に森山氏が「若狭のドン」になってからも、高浜原発まわりには「地元対策」が必要だった。日本で初めての「プルサーマル計画」が進められたからだ。
 住民の中には不安が高まり、住民投票すべきだなどと反対の声が強まったが、当時の町長は近隣に住む外国人が反対している事を受けて、「プルサーマルに不安な外国人出てって」(朝日新聞1999年7月7日)なんて口走るほどゴリゴリの推進となっていた。
 地元の影響力を考えれば、ここにも「ドン」の「裏工作」があったのではないか。
 もちろん、もはや死人に口なしなので、真相は闇の中だ。ただ一つ言えるのは、森山氏は関電側が主張するように「恫喝を繰り返すパワハラジジイ」だけではない事だ。
 さんざん裏で汚れ仕事をさせておきながら、亡くなった途端に手の平返しで「いや、とんでもない人間でしたよ」とディスるのは、さすがに虫が良すぎるのではないか。

**********現代ビジネス2019年10月3日
激震…関西電力「3億円超の金品授受問題」の深層
なぜ森山元助役は金品を押しつけたのか

★森山元助役の奇異な行動★
 「信じられませんね。電力会社は運命共同体になっていれば、いくらでも便宜を図ってくれる。幹部に金品を押しつける必要なんて、まったくない。私には、そんな発想が生まれたことすらない」
 東京電力関係者の間で、「原発フィクサー」と呼ばれる建設会社オーナーが、率直にこう漏らす。
 確かに、関西電力の歴代トップらに金品を渡していた森山栄治・元高浜町助役の行動は奇異である。
 関西電力は、2日、岩根茂樹社長の“逃げ”に終始した前回の記者会見を反省のうえ、八木誠会長とともに再会見、詳細に説明するとともに社内調査報告書を公開した。
驚くべき内容だった。
 金品を受領していたのは20名で、現金、商品券、金貨、小判、スーツなどの形で約3億2000万円が贈られ、なかでも原子力事業本部の中枢にいた豊松秀己元副社長には1億1057万円、鈴木聡常務執行役員には1億2367万円が渡されていた。
 金品の授受は森山氏の「得意な個性」によるもので、発注は「社内ルールに基づいており、問題はなかった」というのだが、とても認められるものではない。
 いずれ、市民団体などから告発がなされ、受理した検察により捜査がなされよう。新しく設置される第三者委員会により不正が判明するケースもある。
 素朴な疑問は、「なぜ森山氏が、そこまで無理に金品を押しつける必要があったのか」ということだ。
★電力トップの「裏」の顔★
 電力会社は、ニッポン株式会社の総務部だった。
 政治家を金銭で抱え込み、官僚を天下りで手なずけ、豊富な発注量で業界を押さえ込み、広告を通じてメディアに批判を許さず、総会屋・暴力団といった反社会的勢力ですら、あの手この手で牛耳った。
 「政・官・業・報・暴」を自在に操れる存在は、電力会社以外になかった。だから、東京電力を筆頭に、各地区電力会社の社長や会長が、経済団体トップに座った。
 今回の事件で遠のいたが、関西経済連合会の次期会長は、八木会長か岩根社長のどちらか、と言われていた。関西電力が次兄なら長兄は東京電力。元東電会長の平岩外四氏は、第7代経団連会長を務めた。
 それを可能にしたのは、人材の豊富さと資金力である。
 「電力の鬼」と呼ばれた松永安左エ門は、終戦後、産業のインフラである電力の安定供給を唱え、道州制を先取りするように、北海道、東北、東京、関西、北陸、中部、四国、九州と9社(後に沖縄が加わって10社)で「地域独占」の体制を築いた。
 そのうえに「発送電一体」とした。発電も、送電も、売電もすべて1社が一体で担う。そのうえで電気料金は、コストに利潤を上乗せして決める「総括原価方式」だった。
 「地域独占」に「発送電一体」に「総括原価方式」――。赤字になりようがない。だから人材は集まり、資金は豊富。その据わりの良さで経済団体のトップや各種名誉職に電力会社の社長、会長が就くことが慣例化した。
 それが電力トップの「表」の顔なら「裏」の顔は、誰からも嫌われる原子力発電の推進役だった。
★清濁併せ呑むタイプ★
 70年代初めのオイルショックを機に、石油代替エネルギーとしての原発がますます求められるようになったが、唯一の被爆国として原子力の怖さを知る日本で、立地を望む自治体はほとんどなかった。
 そこで、当時、日本をリードしていた田中角栄元首相は、首相在任中(72年7月〜74年12月)、原発推進の決め手となる電源3法(電源開発促進税法、電源開発促進対策特別会計法、発電用施設周辺地域整備法)を成立させた。
 まさにその頃、関電高浜原発が運転を始め(1号機が74年で2号機が75年)、森山氏は75年に収入役、77年に助役となって、原発とともに歩む。その役割は、関電の意向を受けた仕切り役だった。
 地元企業に仕事が流れるように調整するのだが、誰もが納得する配分は難しい。その按分を文句が出ない形でやるには、顔が広くて胆力があり、人と組織の動かし方を知る人間でなくてはならない。高浜原発の場合は、それが森山氏だった。
 また、暴力団など反社会的勢力との関係を築くなど、清濁併せ呑むタイプであり、自ら手を汚すわけにはいかない電力会社は、そんな森山氏の豪腕を頼りにした。
 その見返りが、森山氏関連企業への発注だった。
 森山氏は、警備会社の取締役、メンテナンス会社の相談役を務めており、両社は関電サイドから過去3年間で約113億円の工事発注を受けていた。また、問題となった裏ガネ提供先の吉田開発は、18年8月期に21億8700万円の売上高を達成、5年間で6倍増である。
 それが森山氏の持つ力であるのは疑いないが、森山氏の息のかかった企業への配慮は、金品の提供などなくとも当然のことだった。なにしろ電力会社の地元への“貢献”は際立っている。
 そこには、電源3法のもたらすインフラ整備と生活環境の充実もあったが、サッカートレーニングセンターのJヴィレッジを福島原発の地元に提供、玄海原発の地元には早稲田大学係属佐賀学園設立の際に20億円を資金提供するなど、配慮は手厚い。
★電力業界を取り巻く環境は変わった★
 水面下でも工作する。
 関電で政界工作を担当した内藤千百里元副社長は、1972年から18年間、歴代首相7人に、「盆暮れ1000万円、年2000万円を献金してきた」と、5年前、朝日新聞のインタビューに語っている。
 また、核燃料中間貯蔵施設を受け入れた青森県むつ市の元市長(07年に死去)が、親族企業の経営悪化に苦慮していた時、1億円を無担保融資したのは施設を受注したゼネコンで、それは東電の配慮だったという。
 もっとも、電力業界を取り巻く環境は変わり、東日本大震災以降、東電は「ニッポンの総務部」をこなす余裕はなくなり、電力自由化は電力会社を競争環境に置いた。
 まだ、その存在を脅かす存在はいないが、台風15号で示した「千葉の惨状」は、電力会社の総合力の低下を如実に表す。
 仮に、関電が時代の変化を理由に、森山氏とその関連を切ろうとすれば、森山氏が関電幹部に渡した金品が役に立っただろう。
 森山氏は、今年3月、亡くなるが、生前、贈った品々をすべてリスト化していたという。事件屋の手口だが、いつかはプレッシャーをかけるつもりだったかも知れない。
 検察当局は、政官業をカネで封じる電力会社の体質をかねて問題視、「電力をやるのがテーマ」と、公言する検察幹部もいた。
 だが、政界中枢と密接に絡み、霞が関とのパイプも太い東電をはじめとする電力会社の力は強く、過去に電力会社の各種工作が事件化することはなかった。
★電力トップでもこの程度…★
 今回、図らずも森山氏の金品提供が表面化したことによって、受け取った経営幹部と森山関連企業の受注に、明瞭な因果関係が証明されれば、特別背任罪が成立する。
 既に森山氏が死去している以上、立件は難しいとされるが、豊松、鈴木両氏は1億円以上も受け取っており、あまりに法外である。国民感情を考えても刑事責任の追及は避けられない。
 カネを撒くのは慣れていた人たちだが、撒かれる立場に身を置いたことはなかった。
 その隙が招いた事件。強化が常に叫ばれる「ガバナンス」と「コンプライアンス」だが、経済団体のリーダーを務める電力トップにして、所詮、この程度なのである。
(伊藤 博敏)

**********NHK関西NEWS WEB 2019年10月02日17:52
関電幹部金品受領 金貨や外貨も
 関西電力の経営幹部らによる3億円を超える金品受領問題で関西電力の岩根茂樹社長は2日、記者会見を開きました。
 幹部らは現金や商品券のほか小判型の金貨や金杯、アメリカ・ドルなどを受け取っており、常務と元副社長の2人は受領額がそれぞれ1億円を超えていたことが分かりました。
 関西電力の岩根社長は、経営幹部らが原子力発電所がある福井県高浜町の森山栄治元助役から不透明な金品を受け取っていた問題で、2日午後2時から改めて記者会見を開きました。
 岩根社長は、冒頭で、「先日の会見ではなぜこのような事態になったのかしっかり伝えられず、情報開示の観点から深く反省している」と陳謝しました。
 そのうえで八木会長、岩根社長は進退についてともに辞任を否定する一方、第三者委員会の評価が出たあと考えたいと述べました。
 会見では、去年行った内部調査の報告書を明らかにしました。
 それによりますと、八木誠会長は、金貨や商品券、スーツなど859万円相当、岩根茂樹社長は、金貨150万円相当をそれぞれ受け取っていました。
 また、金品を最も多く受け取っていたのは、原子力事業本部長代理の鈴木聡常務で1億2367万円相当、次いで、原子力事業の経験が長い豊松秀己元副社長が1億1057万円相当で、2人は現金のほか、商品券や外貨、金貨などを受け取っていたということです。
 経営幹部らは金品を返却しようとしましたが、元助役から叱責や罵倒され、長年返却できなかったとしています。
 現時点では大部分を返却していると説明しています。
 また、元助役と長年にわたって不透明な関係を続けた理由について岩根社長は、「東日本大震災以降も大規模な安全対策工事が進む中、地元の有力者である元助役との関係悪化を避けて、極力、原子力発電所を安定的に運営したいという思いがあった」と説明しました。
 原発工事で発注した資金が地元の建設会社を経由して経営幹部に還流したかどうかについて岩根社長はわからないという認識を示しました。
【関電側の対応に批判多く】
 関西電力の経営幹部らによる不透明な金品受領問題で、関電は2日、会見を開き、受領した金品など詳しい内容を明らかにしました。
 大阪・梅田では関電側の対応に批判の声が多く聞かれました。
 大阪・淀川区の67歳の女性は「現金のほか、金貨や金杯を受け取ったと聞き、まるで時代劇の悪代官のようだと思った。返却できなかった理由の説明も言い訳をしているように感じる」と話していました。
 兵庫県芦屋市の28歳の男性は「そもそも、多額の現金を受け取るべきではなく、返却できなかったという言い分も納得できない。なにか利益供与があったのではないかと原子力事業そのものへの不信感が強くなった。会長と社長は、責任を取って辞任すべきだ」と話していました。
 名古屋市の34歳の女性は「金額があまりにも大きくて驚いてしまう。関係悪化を恐れて返却できなかったと聞き、本当にそういうこともありえるかもしれないと感じた」と話していました。
【松井大阪市長“言い訳に終始し残念”】
 関西電力の記者会見について、筆頭株主である大阪市の松井市長は記者団に対し、「執行部の肩書と生活を守るための言い訳に終始しており、非常に残念な記者会見だった。市民の株式を預かる大阪市としては、まったく納得がいくものではなかった」と述べました。
 そのうえで松井市長は、「バックマージンを受け取ったと疑われる人たちは、経営から離れるべきだ」と述べ、改めて役員の辞任を求める考えを示しました。
 また、松井市長は、関西電力が設ける第三者委員会について、「関西電力の経営陣が選ぶ人だけがメンバーでは説得力はない」と述べ、第三者委員会に大阪市が推薦するメンバーを加えるよう、3日にも文書で申し入れる考えを示しました。
【吉村大阪府知事“保身が見えて残念”】
 関西電力の記者会見について、大阪府の吉村知事は記者団に対し、「すべての事実を明らかにするというものとは、ほど遠い内容だった。自分たちを守る、身内を守る、という保身が見えて残念だ」と述べました。
 また、吉村知事は、関西電力が設ける第三者委員会の調査について、「お手盛りの調査にしないでほしい。今のままでは誰も責任を取っていないし、誰も納得しないと思う」と述べました。
【兵庫県知事と神戸市長“徹底調査と説明を”】
 関西電力の経営幹部らの金品受領問題で、株主である兵庫県と神戸市はそれぞれコメントを出して、徹底した調査と納得のいく説明を求めました。
 この問題で関西電力は2日、改めて記者会見を開き、常務と元副社長の2人がそれぞれ1億円を超える額の金品を受け取っていたことなどを明らかにしました。
 これについて、関西電力の0.26%の株を保有する兵庫県の井戸知事は「常識外の行為であり、極めて残念である。電力供給という重要な公益事業には利用者の信頼と経営の透明性が不可欠で、徹底した調査と説明責任を果たすことを求める」とするコメントを発表しました。
 また、5番目の株主である神戸市の久元市長は「経営陣が受け取ったとされる金品の原資が、利用者の負担する電気料金ではないかという疑念に対し、納得のいく説明が必要だ。徹底した調査と詳細な説明を行うよう求める」とするコメントを出しました。
 関西電力は「株主には、多大なご迷惑をおかけしおわび申し上げる。詳細な事実関係については改めて機会を設けるなどして説明したい」としています。
【菅原経産相“真実か”強い不信感】
 菅原経済産業大臣は、「それぞれ受け取った金額も法外であり、あってならない事態を招いている。報道が出るまで経済産業省や資源エネルギー庁に全く報告はなかった。そのこと自体が信じられない言語道断の事態であって、その方々が会見をしても本当にそれが真実なのかどうか分からない」と述べ関西電力への強い不信感を示しました。
 そのうえで、「関西電力の役員も社員も入れない第三者機関を通じて徹底した調査をして、それを経産省として受け止め、しっかり処する。その後の対応については、経営判断は当然するものだと思っている」と述べました。
【原子力規制委“ヒアリング必要か検討”】
 関西電力の幹部らに、原発がある福井県高浜町の元助役が多額の金品を渡していた問題に関して、原子力規制委員会の更田豊志委員長は、2日、定例会見の中で、「福島の原発事故のあと、規制当局や電力事業者を問わずに原子力の信頼回復に向けて努力している中で、今なお、このようなことが起きているのは情けない」と述べ、関西電力の姿勢を批判しました。
 また、「現場の人の士気に関わらないかが心配だ。現場の人にはこういうときだからこそ頑張って安全確保にあたっていただきたい」と述べました。
 そのうえで、今回の問題は原子力施設の安全規制の法律に関わる案件ではないと断ったうえで、実態の把握についてヒアリングなどの必要があるかどうか、委員の間で一度検討をして決めたいという考えを示しました。
【専門家“問題をわい小化”】
 関西電力が2日、改めて開いた記者会見について電力会社の経営に詳しい、龍谷大学の大島堅一教授は「今回の問題の背景について、森山氏の特異なキャラクターや個人の判断の誤りだとして説明していたが、実際には森山氏の対応について引き継ぎがあったことなどからも、会社全体で組織的に行っていたのは明らかだ。問題の本質を説明したとはいえず、わい小化しているように感じた」と話しています。
 そのうえで、「原子力事業を円滑に運営するために地元の有力者の圧力に屈していたことが明らかになった。本当の意味で、『地元の合意』を得ていたのか疑問が残る。八木会長も、答えづらい質問には同じ発言を繰り返すなど、原発という安全への注意が最も必要とされる公益事業の経営者として失格だと感じた」と指摘しています。

**********福井新聞2019年9月27日06:30(更新9月29日15:02)
関電会長らに高浜町元助役から資金
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関西電力高浜原発。奥右から1号機、2号機。手前右から3号機、4号機=5月、福井県高浜町
 関西電力の八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)、豊松秀己元副社長(65)を含む役員ら6人が2017年までの7年間に、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役(今年3月に90歳で死亡)から、計約1億8千万円の資金を受け取っていたことが、金沢国税局の税務調査で分かった。複数の関係者が9月26日までの共同通信の取材に明らかにした。
 元助役は原発関連工事を請け負う地元建設会社から約3億円を受領していたことも判明。国税局に対し、関電側への資金提供について「お世話になっているから」と説明しており、工事費として立地地域に流れた「原発マネー」が経営陣個人に還流した可能性がある。
 八木会長は26日夜、取材に対し、税務調査に真摯に対応したとした上で「元助役は地元の有力者で、原子力に対しても理解のある方。そういう意味でお付き合いがあった」と述べた。資金の授受があったのかとの質問には「会社の広報に聞いてほしい」と繰り返した。岩根社長は「中元とか歳暮はあった。通常の付き合い以上のものはいけないという認識でお返しした」と話した。
 元助役は1977〜87年、助役を務めた。当時から関電と深い付き合いがあり、退職後も町の顔役として影響力を持っていたとされる。
 複数の関係者によると、金沢国税局は昨年1月、高浜原発や大飯原発の関連工事を請け負う高浜町の建設会社への税務調査に着手。この会社から工事受注に絡む手数料として元助役へ約3億円の資金が流れていることが確認された。
 さらに元助役の税務調査を進めると、元助役が関電役員ら6人の個人口座に送金したり、現金を入れた菓子袋を関電側に届けたりしていたことが判明。総額は7年間で約1億8千万円に上り、スーツの仕立券などもあった。元助役は「関電にはお世話になっているから」と説明したという。
 工事経歴書によると、高浜町の建設会社は15〜18年、原発関連工事を少なくとも25億円受注していた。
 元助役は、受け取った約3億円を所得として申告していなかったため、金沢国税局は申告漏れを指摘し、追徴課税した。
 高浜原発は3、4号機が17年6〜7月に営業運転を再開。1、2号機も再稼働に向け、安全対策工事が進められている。
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