【消防救急デジタル無線談合】高崎市・安中市消防組合監査から住民監査結果通知が到来!結果は棄却!  オンブズマン活動

■消防救急デジタル無線の入札談合問題は、公正取引委員会が2017年2月2日に独占禁止法違反で排除措置命令及び課徴金納付命令を出したことが発端です。以来、全国市民オンブズマン連絡会議は、全国各地の各オンブズマン組織に対し、消防本部が業者に損害賠償請求させるよう呼びかけてきました。これを踏まえて当会「市民オンブズマン群馬」は、今年1月29日付で、高崎市・安中市消防組合(高崎市等広域消防局)、桐生市消防本部、館林地区消防組合消防本部に対して住民監査請求書を提出しました。これまでに館林地区消防組合と桐生市消防本部から監査結果通知が届き、いずれも棄却でした。
 そのわけは、富士通ゼネラルが依然として東京地裁で談合認定を不服として訴訟を継続しているので、その決着を見てから対応するので、オンブズマン如きに言われる筋合いはない、という趣旨でした。
 そうしているうちに、高崎市・安中市消防組合監査委員から監査期限ギリギリの3月30日付で住民監査結果通知が届きました。高崎市・安中市消防組合の場合は、地元企業でもある沖電気とその代理店の関越電子情報による談合事件ですが、結果はご多分に漏れず「棄却」となっていますが、なにやら、よく読むとなにか特別な事情が判明したようです。
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高崎市・安中市消防組合(高崎市八千代町1-13-10)。消防本部の名称は「高崎市等広域消防局」。管轄区域は高崎市(吉井区域除く)と安中市、管轄面積:673.61km2、職員定数:420人、消防署数:4、分署数:10。主力機材(2019年6月1日現在)は水槽付消防ポンプ自動車18、梯子付消防自動車4(内、屈折はしご付消防ポンプ自動車1)、化学消防車3、指揮車6、電源照明車1、広報車14、資材搬送車4、水槽車3、救急自動車19、救助工作車3、指揮支援車1、無線中継車1、救急指導車1、その他7。


 なお、高崎市・安中市消防組合への住民監査請求書については次のブログ記事を参照ください。
○2020年1月31日:【消防救急デジタル無線談合】時効が迫る中、群馬県でも3消防組合に住民監査請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3115.html
○2020年2月22日:【消防救急デジタル無線談合】高崎市・安中市消防組合監査委員に対して当会が証拠提出と陳述
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3119.html

■ではさっそく高崎市・安中市監査員が出した監査結果通知を見てみましょう。

**********ZIP ⇒ 20200331sshgm.zip
                          令和2年3月30日
  請求人 小川 賢 様
                 高崎市・安中市消防組合監査委員事務局
                          局長  宮下 明子

   住民監査請求に係る監査結果の送付について
 住民監査請求に係る監査結果について送付いたします。
 なお、監査結果に不服がある場合には、監査の結果通知を受け取ってから30日以内に裁判所に対して住民訴訟を提起することができることを申し添えます(地方自治法第242条の2第2項第1号)。

                高崎市・安中市消防組合監査委員事務局
                監査担当 剣持
                TEL 027·321-1300(直通)

**********ZIP ⇒ 20200331sshgm.zip
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                             第365−1号
                           令和2年3月30日
 請求人 小川 賢 様
              高崎市・安中市消防組合監査委員  田口 幸夫
                     同         武者 葉子

   住民監査請求に係る監査の結果について(通知)
 令和2年1月29日付けで提出された住民監査請求(以下「本件監査請求」という。)について、地方自治法(昭和22年法律第67号)第242条第4項の規定に基づき監査を行ったので、その結果を通知します。

第1 請求の受付
1 受付日
  令和2年1月30日(木)

2 請求人
  住所 安中市野殿980
  氏名 小川 賢

3 請求の要旨(原文のまま記載)
  監査委員は、消防組合管理者に対し、平成24年10月19日締結の「消防救急デジタル移動無線機 消防局総務課」事業の物品売買契約に関し、関越電子情報株式会社及び沖電気工業株式会社から各自金5234万2500円を消防組合に返還させるための必要な措屈をとることを勧告するよう求める。

4 請求の理由(項目番号を除き原文のまま記載)
(1)監査請求にかかる契約
   高崎市・安中市消防組合は、「消防救急デジタル移動無線機 消防局総務課」事業を一般競争入札の方法により発注した。
   これに対し、関越電子情報株式会社と沖電気工業株式会社の計2社が入札し、その結果、関越電子情報鰍ェ、1回目の入札で、4億9850万円で落札した。
そして、組合と関越電子情報鰍ヘ、平成24年10月19日、下記内容の「消防救急デジタル移動無線機 消防局総務課」事業の物品売買契約を結んだ。
  ア 請負代金 5億2342万5000円
   イ 受注者が独占禁止法第3条の規定に違反し、又は受注者が構成事業者である事業者団体が独占禁止法第8条第1項の規定に違反したことにより、公正取引委員会が受注者に対し、独占禁止法第7条の2第1項(独占禁止法第8条の3において準用する場合を含む。)の規定に基づく課徴金の納付命令を行い、当該納付命令が確定したとき(独占禁止法第7条の2第10項の

<P2>
規定に基づき課徴金の納付を命じない場合を含む。)、受注者は、発注者に対して、契約金額(本契約締結後、契約金額の変更があった場合には、変更後の契約金額)の100分の10に相当する額を支払わなければならない(本件契約第10条第1項(1)号)。
(2)公正取引委員会による排除措置命令及び課徴金納付命令/・・・(略)・・・
(3)組合の有する債権
  ア 関越電子情報に対する債権
  (ア)請負契約に基づく違約金請求権
     関越電子情報は、上記排除措置命令及び課徴金納付命令の直接の名宛人とはなっていない。しかし、公正取引委員会の認定によれば、「入札等において落札すべき価格は、(中略)代理店等に落札させる場合には当該代理店等と相談して決定する」とされているところ、関越電子情報はこの「代理店等」に該当し、さらに、談合により本件工事の価格の公正が害されたと認定されているから、実質的には、本契約第10条第1項(1)号に該当する。
     よって、組合は、関越電子情報に対し、請負代金額の100分の10である5234万2500円の違約金請求権を有する。
   (イ)不法行為による損害賠償責任
      I  上記の通り、関越電子情報は、沖電気工業と共に入札談合を行っていたので、独占禁止法第3条違反として、不法行為責任を負う。
      II  当該不法行為によって組合が被った損害額/本契約第10条第1項(1)号所定の定めは、損害賠償額の予定の規定(民法第420条第1項)と解すべきであるから、当該不法行為によって組合が被った被害額は、請負代金額の100分の10である。大阪高裁平成22年8月24日判決(平21(行コ)154号事件)も、本件約款と同趣旨の規定について、損害賠償額の予定の規定と解釈している。
      III したがって、組合は、関越電子情報に対して、請負代金額の100分の10である5234万2500円の損害賠償請求権を有する。
  イ 沖電気工業に対する債権
    沖電気工業は、排除措置命令及び課徽金納付命令の名宛人であって、まさしく談合の当事者として独占禁止法違反行為を行っていた者である。
    したがって、関越電子情報と同様、組合に対して不法行為責任を負う(関越電子情報とは、共同不法行為となる)。
    沖電気工業は、関越電子情報との共同不法行為により組合に損害を与えたのだから、沖電気工業が組合に与えた損害額は、関越電子情報と同様に5234万2500円である。
    よって、組合は、沖電気工業に対して、5234万2500円の損害賠償請求権を有する。

5 結論(原文のまま記載)
  以上の通り、組合は、関越電子情報及び沖電気工業に対して上述の債権を有しているにも関わらず、何ら措置をとっていない。よって、監査請求の趣旨記載のとおり請求を行う。

(事実証明書)
 1 平成29年(措)第1号排除措置命令書
 2 平成24年9月21日付け入札結果報告

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 3 平成24年10月19日付け物品売買契約書
 4 平成24年7月付け消防救急デジタル移動無線機整備事業仕様書
 5 平成29年(納)第3号課徴金納付命令書
 (事実証明書の内容については記載を省略)

6 請求の受理
(1)請求人の資格
   地方自治法第242条第1項の規定により、住民監査請求を行うことができる請求人は、当該普通地方公共団体の住人と規定されており、本件の対象は高崎市及び安中市による一部事務組合であることから、上記条項を地方自治法第292条が準用することにより、いずれかの住民であることが条件となるが、本件請求人は資格を有している。
(2)請求の対象
   地方自治法第242条第1項及びこれを準用する同法第292条の規定により、請求の対象は当該特別地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該特別地方公共団体の職員とされており、本件監査請求は高崎市・安中市消防組合(以下「組合」という。)管理者に対して請求している。
(3)請求期間
   地方自治法第242条第2項の規定により、住民監査請求は当該行為のあった日又は終わった日から1年以内とされている。本件監査請求は、平成29年2月2日に公正取引委員会が業者に対して排除措置命令及び課徴金納付命令を行ってから1 年以上経過したものであるが、入札談合により組合が被った損害に対する損害賠償請求権等の行使を怠っていたとするものであり、「財産の管理を怠る事実」に該当することから、請求期間の制限を受けないものである。
(4)要件審査
   本件監査請求は、地方自治法第242条第1項の所定の要件を満たしているものと認め、令和2年2月7日に1月30日付けでこれを受理することを通知した。なお、請求の理由について根拠等不明な点があったことから質問書を送付したところ、2月17日付けで回答及び追加資料が提出された。

(追加の事実証明書)
 6 「乙35号証」供述調書
 7 「乙37号証」供述調書
 8 「乙1号証」訴状
 9 「甲A11−3」談合一覧表
 (事実証明書の内容については記載を省略)

第2 監査の実施
1 請求人の陳述
  地方自治法第242条第6項の規定により、令和2年2月21日に請求人に対し新たな証拠の提出及び陳述の機会を設けたところ、請求人が出席し、おおむね以下のとおりの陳述を行った。なお、新たな証拠の提出として、下記の事実証明書が提出された。

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(追加の事実証明書)
 10 オンブズマンホームページ≪消防救急デジタル無線談合≫
 11 平成30年12月6日付け公開質問状に関する回答
 12 都道府県落札率一覧表
 13 ウィキペディア記事 消防無線
 (事実証明書の内容については記載を省略)

(1)全国の消防局の入札において、無線のデジタル化に伴う契約について談合が行われていたということで、公正取引委員会から消防救急デジタル無線機器の主要な製造販売業者である株式会社富士通ゼネラル(以下「富土通ゼネラル」という。)、日本電気株式会社、沖電気工業株式会社(以下「沖電気工業」と いう。)、日本無線株式会社及び株式会社日立国際電気の5社(以下「5社」という。)に対し、平成29年2月2日付けで排除措置命令等が出された。
   沖電気工業と組合は「無線基地局等整備工事」の契約(以下「基地局契約」という。)を行っており、これについては違約金請求を行っている。しかし、「消防救急デジタル移動無線機 消防局総務課」の契約(以下「本件契約」という。)については請求を行っていない。本件契約は沖電気工業ではなく関越電子情報株式会社(以下「関越電子情報」という。)との契約だが、これは沖電気工業の代理店であり、代理店等を経由した場合でも談合である。公正取引委員会も代理店等を経由した契約について指摘しており、資料からも明らかとなっている。
(2)平成30年11月20日に組合へ公開質問状を提出したところ、事実証明書11のとおり直接契約の基地局契約は請求済みで、間接契約である本件契約は検討中という回答であった。今後の請求予定については、「代理店等の契約のため、不利益について立証することが困難であり、引き続き、総務省消防庁、他の消防本部等の動向を注視し、精査検討する」という回答であった。他の消防本部の状況として、事実証明書8のとおり尾三消防組合は代理店取引の間接契約について訴訟に踏み切っていることから、検討中ではなく、十分研究したうえで回収に向けた努力をしてもらいたい。
(3)組合は調査・検討を進めていると回答しているが、調査が不足している、違うところを調査している等の問題があっては好ましくない。検討、調査、研究をした結果、訴訟に踏み切るだけの 根拠が揃わなかった等、本件監査請求を契機に、監査委員には経緯等を聴取してもらい、組合の対応について明らかにしていただきたい。
(4)以上が、請求人のおおまかな陳述であるが、監査委員から事実証明書6及び7の入手方法について質問したところ、「オンブズマンの全国組織があり、メーリングリストで情報共有している。関西方面でオンブズマンが訴訟を行っているところや、消防組合と連携、支援している形のところがあり、その訴訟の中で入手した資料である。公正取引委員会は当事者に対しては資料を開示しているようなので、本件監査請求についても要請し入手していただきたい。」との回答があった。

2 組合からの聴取
(1)組合を監査対象部局とし、令和2年2月18日に総務課及び通信指令課から、本件監査請求について聴取を行った。その要旨は、おおむね以下のとおりである。

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 ア 本件契約は一般競争入札で行われ、平成24年9月21日に入札があり、関越電子情報が落札した。製造販売業者は沖電気工業である。これは6消防本部(高崎、利根沼田、渋川、多野藤岡、富岡甘楽、吾妻)の共同事業で、6消防本部の全ての無線機を購入するもの。数は車載218機、携帯型219機、署所端末用39機である。
   9月25日に仮契約を行い、組合議会で議決されたのち、10月19日に本契約を締結した。納入について、平成25年3月29日が履行期限となっており、納品書の写しのとおり規定数が3月12日までに納入された。
 イ 仕様書について、消防庁が作成した「消防救急デジタル無線共通仕様書」があり、製造販売業者側や職員が混乱しないよう、ある程度の全国共通仕様を定めている。
   電波法令関連基準があり、それに基づいて作られているが、消防本部に付与される無線の周波数帯に合わせて製造しており、仕様書もそれに準じて作成している。各製造販売業者で作られる無線機はほとんど同じ性能で、業者が違うと通話できないようでは困るため、似たタイプの無線機を作成し、どこの消防本部とも通話できるようになっている。全国で共通仕様書を参考にしており、情報共有されているため、どこの業者を指名しても問題ない。一般競争入札で募集した結果、関越電子情報と沖電気工業の2社しか応募がこなかったが 、これについては、各社の判断であり、制度上は問題ないと考えていた。
   マイクをハンドセットタイプ、キャリーケースのストラップは標準のもの等、オプションはこちらの好みで選択しているが、基本構造は各社同じで形は違っているだけなので、どこの製品でも問題ないと考えていた。
 ウ 平成29年2月2日の排除措置命令及び課徴金納付命令後の対応として、2月6日に組合と契約課で沖電気工業に聴取を行った結果、基地局契約の方は談合を認め、謝罪の言葉があったが、本件契約については関越電子情報とは談合を行っていないという回答だった。その後、2月28日に関越電子情報の聴取を契約課が行ったが、沖電気工業との談合は行っていないと回答があり、また契約課も証拠等が認められないとの判断に至った。6月8日には基地局契約について違約金1億1,235万円を請求、7月26日に請求書を送付し9月4日に送金確認したが、本件契約については、確たる証拠が無いことから請求を行っていない。
   本件契約については、同じ製造販売業者と契約している近隣の消防本部に確認し入札の結果等の聴取を行い、不正行為や民法上の損害賠償請求権の有無等について弁護土に確認している。調査の中で、排除措置命令書の理由となる「代理店等」に該当する事業所名が分かる文書や談合が行われたことが分かる根拠が確認できる文書を公正取引委員会に公開請求していた消防本部があったが、全部不開示という回答だったことを確認している。引き続き総務省への相談や、沖電気工業が入っている代理店が入札を応需した消防本部の単価を確認する等、調査を進める。
 エ 公正取引委員会から言及されているのは沖電気工業であって関越電子情報ではないこと、契約課及び組合の聴取や入手した資料からは証拠となり得るものを見つけられていないことから、現状では請求には至っていない。
(2)令和2年3月23日に総務課及び通信指令課から、再度本件監査請求について聴取を行った。その要旨は、おおむね以下のとおりである。
 ア 他の消防本部に問い合わせたところ、先進的な対応をしている埼玉の組合から、富士通ゼネラルの課徴金命令取消訴訟の供述調書について言及があり、本件契約についても供述調書があ

<P6>
るのではないかという情報が得られたことから、東京地方裁判所に閲覧謄写申請を行い令和2年3月19日に入手した。富士通ゼネラルの課徴金命令取消訴訟(東京地裁平成29年(行ウ)第356号事件)の「乙288号証」供述調書(以下、「本件供述調書」という。)というもので、沖電気工業の社員の供述の中で高崎市等広城消防局の2件の契約についての説明があった。組合の対応について事実と異なる部分はあるが、関越電子情報と沖電気工業の協議があったという確たる証拠になり得るものであると考えている。
 イ 請求については弁護土等に確認しているところであるが、関越電子情報に課徴金納付命令が出ていないため、本件契約の第10条第1項の適用は困難であることから違約金請求はできないと思われる。
   しかし、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)第3条、民法第709条又は同法第719条に抵触する共同不法行為に該当し、損害賠償請求権を有するものと推測されることから、精査しているところである。2社の協議はあったものと考えられることから、組合は契約約款の違約金と同額として、契約金額の10%を2社に請求する等の請求方法を考えていく。ただし、損害額をどちらか一方が全額払うか分割するかは問わない。
   時効については、上記共同不法行為を知ってから3年ということで、本件供述調書を入手した日、東京地方裁判所で閲覧謄写を行った日である令和2年3月19日から3年と考えている。時効の考え方は請求方法により解釈が異なるため、しっかり検討していきたい。
確たる証拠になり得る資料を入手したことから、請求に向けた準備を進めているところである。


3 関係課からの聴取
  契約事務を行っていた契約課から、令和2年2月21日に本件監査請求について聴取を行った。その要旨は、おおむね以下のとおりである。
(1)本件契約の一般競争入札について、仕様書に基づき調達する物品を購入しているが、製造販売業者等の指定は行っていないため、この機能を満たしていればよいとしている。このため、沖電気工業と関越電子情報の2社入札で、結果として同一の製品を納入する業者だけの入札となってしまっているが、制度上問題はない。
   組合議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関しては、「高崎市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」の規定の例による、となっているので、当該条例第3条に該当することから、平成24年9月25日に仮契約締結、組合議会に上程し、10月19日議決をもって本契約した。なお、物品について議決が必要になる金額は、2,000万円以上である。
(2)平成29年2月6日市役所会議室において、沖電気工業の執行役員以下3名から入札談合に係る説明を受けた後、組合と契約課が質疑応答を行った。回答は以下のとおりである。
 ア 課徴金の対象となった事業は、組合の本件契約と基地局契約である。
 イ 本件契約の無線事業の入札についても5社の談合であった。
 ウ 本件契約は関越電子情報が落札者であるが、原則的に関与していない。あくまで5社間による談合である。
 エ 関越電子情報と沖電気工業の関わりに一切談合の事実はなかった。

<P7>
 オ 公正取引委員会から沖電気工業と関越電子情報の関係性や談合については聴取されなかった。
   この結果を受け、5社に調査を行い、組合、高崎市及び安中市は6月1日付けで沖電気工業外1社を3か月の指名停止、関与していない又は訴訟等の都合により回答できないとした3社を2か月の指名停止とした。
(3)平成29年2月28日市役所入札控室において、関越電子情報の代表取締役から契約課が事情聴取を行った。回答は以下のとおりである。
 ア 本件契約の入札にあたり、他社と何らかの打合せ、又は話し合いをしたことはない。
 イ 公正取引委員会による調査はなかった。当社も新聞報道等で知った。
   以上の質問から、沖電気工業と関越電子情報の談合の事実は認められないとの判断に至った。

4 監査の着眼点
  請求人は、無線のデジタル化に伴う諸契約について談合が行われていたということで、公正取引委員会から平成29年2月2日付けで、5社に対し排除措置命令が出され、またうち4社に対し課徴金納付命令が出されたが、組合も本件契約に関し損害を被っていることから、関越電子情報の違 約金又は関越電子情報及び沖電気工業の不法行為による損害賠償として、両社から合計で5,234万2,500円を組合に返還させるための必要な措置をとることを勧告するよう求めている。したがって、@組合は関越電子情報に対し本件契約に基づく違約金請求権又は損害賠償請求権を有し、これら債権の管理を違法又は不当に怠る事実があるか、A組合は沖電気工業に対し損害賠償請求権を有し、この債権の管理を違法又は不当に怠る事実があるか、の2点について、監査の着眼点とした。

第3 監査の結果
1 事実関係の確認
(1)入札及び契約の経緯
   平成24年8月31日 一般競争入札について公告し、9月3日から9月7日まで入札参加資格確認申請書及び入札参加資格確認資料(以下「申請書等」とする。)の提出を求めた。
        9月 5日 沖電気工業及び関越電子情報から申請書等が提出された。
        9月 7日 沖電気工業及び関越電子情報の2件とも適格と認められた。
        9月21日 沖電気工業及び関越電子情報の2社による入札を執行、関越電子情報が5億2,342万5,000円(消費税込価格)で落札
        9月25日 仮契約を締結
       10月19日 議決後、本契約を締結
(2)本件契約における違約金条項について
   本件契約における違約金条項は、次のとおりである。
   (談合等不正行為があった場合の違約金等)
  第10条 関越電子情報が次の各号のいずれかに該当したときは、関越電子情報は、組合の請求に基づき、契約金額(本契約締結後、契約金額の変更があった場合には、変更後の金額)の100分の10に相当する額を違約金として組合の指定する期間内に支払わなければならない。

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(1)この契約に関し、関越電子情報が独占禁止法第3条の規定に違反し、又は関越電子情報が構成事業者である事業者団体が独占禁止法第8条第1項の規定に違反したことにより、公正取引委員会が関越電子情報に対し、独占禁止法第7条の2第1項(独占禁止法第8条の3において準用する場合を含む。)の規定に基づく課徴金の納付命令(以下「納付命令」という。)を行い、当該納付命令が確定したとき。(独占禁止法第7条の2第10項の規定に基づき課徴金の納付を命じない場合を含む。)
(2)この契約に関し、関越電子情報(法人にあっては、その役員又は使用人を含む。)の刑法(明治40年法律第45号)第96条の3又は独占禁止法第89条第1項若しくは第95条第1項第1号の規定する刑が確定したとき。

2 監査委員の判断
(1)組合は関越電子情報に対し本件契約に基づく違約金請求権又は損害賠償請求権を有し、これら債権の管理を違法又は不当に怠る事実があるか。
 ア 違約金請求権について
   関越電子情報は、公正取引委員会による排除措置命令及び課徴金納付命令の名宛人ではなく本件契約第10条第1項各号のいずれにも該当しない。よって、組合の関越電子情報に対する違約金請求権は生じないと考える。
 イ 損害賠償請求権について
   公正取引委員会は、平成29年2月2日に沖電気工業に対して排除措置命令及び課徽金納付命令を行い、8月3日に確定している。この課徴金納付命令の課徴金算定対象物件一覧、に本件契約の物件が掲載されている。
   しかし、本件契約に関する事実認定の記載は存在しないことから、関越電子情報の関与は定かではない。
   このため、組合は本件契約に関し、契約条項に基づく遮約金は生じないとしても、関越電子情報に独占禁止法違反行為若しくは不法行為が認められることにより組合が損害を被った場合には、民法第709条又は同法第719条により損害賠償請求を行わなければならない。
   本監査において、監査対象部局から提出された資料及び職員からの聴取結果によると、組合は損害賠償請求権を有すると判断できる可能性の高い資料を入手しているものの、その内容について精査を行っている最中であり、本監査時点において請求権を決定づける資料であるとまでは言い難い。
   なお、損害賠償請求権を有すると判断できる可能性の高い資料を入手したことから、更なる聴取を予定する等、損害賠償請求権の調査を進めている
ことから、違法又は不当に債権の管理を怠っているとは言えない。

(2)組合は沖電気工業に対し損害賠償請求権を有し、この債権の管理を違法又は不当に怠る事実があるか。
   2(1)イのとおり、公正取引委員会は、平成29年2月2日に沖電気工業に対して排除措置命令及び課徴金納付命令を行い、8月3日に確定している。
   このため、沖電気工業は本件契約の直接の相手方ではないものの、沖電気工業が行った独占禁止法違反行為によって組合が損害を受けた場合には、独占禁止法第25条又は民法第709条等

<P9>
により損害賠償請求を行わなければならない。
   しかし、沖電気工業は本件契約の直接の相手方ではないことから、本件契約に基づく違約金を請求することはできない。
   よって、組合が損害賠償請求を行うにあたっては、通常の損害賠償請求と同様に、組合が損害額を明らかにして請求する必要がある
   本監査時点において、組合には消防庁から具体的な計算方法が示されていないが、引き続き消防庁に対する照会を行うとともに、他の消防本部と情報交換を行いつつ資料収集に努めている。また、弁護士に対し請求根拠や時効について相談する等、損害賠償請求に向けて準備を進めていることから、違法又は不当に債権の管理を怠っているとは言えない。

3 結論
  以上のことから、請求に理由がないので棄却とする。

4 意見
  本件契約に関わる協議の事実が推察される資料を入手したため、早急に内容を精査し、その上で、他の消防組合の対応や専門家の意見、裁判例等を参考に損害額を決定するなどして、速やかに損害賠償請求を進めてもらいたい。
  なお、損害額の算定については、情報収集に努め適正な額を算定してもらいたい。
  本件の消滅時効については様々な意見があるものの、期間が短い可能性を考慮して、迅速かつ遥切な対応を望むものである。

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■当会の住民監査請求を契機に関係先に調査をかけたところ、沖電気と関越電子情報との間で談合に係る証拠を裏付ける決定的な情報が入手できたのですから、当会の住民監査請求を是として、直ちに必要な行動をとればよいものを、「さらに情報収集に努め、適正な額を算定したうえで、速やかに損害賠償請求を進められたい」などともったいぶっているのは、いかがなものでしょうか。

 そして、「棄却」通知を当会に出すにしても、意見欄には、一言くらい「オンブズマンの住民監査請求が引き金となって、損害賠償請求の道筋を切り開いた」というような表現を入れても、特に問題はなかったでは、と思う次第です。

 このまま黙って30日が経過するのを見過ごすのか、それとも、きちんと損害賠償請求を実施する旨の意思確認を当局に確認すべきか、現在検討中です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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