みなかみ町前町長セクハラ事件の疑義・・・被害女性の所属確認情報不開示の審査請求棄却で提訴  オンブズマン活動


■草津、伊香保など群馬県の名湯と並ぶみなかみ温泉ですが、おひざ元のみなかみ町では一昨年の2018年5月に前町長を巡るセクハラ事件が突然勃発しました。ところが同年12月27日付で前橋地検が不起訴処分を決定すると同時に、セクハラを受け被害届を警察に出した筈の被害女性が告訴を取り下げました。この不可思議なセクハラ事件の真相を究明するには、被害女性が前町長のセクハラをどのように役所に通報したのか、被害女性の所属先はどこで雇用形態はどうだったのか、など疑問点をあきらかにする必要がありますs。そこで、当会では地元会員を通じて、2019年3月4日付で情報開示請求を同町に提出したところ、同年3月15日付で部分開示決定が通知されました。ところが隊員氏名など黒塗りにされていたため、隊員が特定できないために同3月25日付で異議申立をしたところ、同年5月27日に隊員名が明らかとなる情報が開示されました。しかし、複数存在するはずの隊員が僅か1名のみとなっているため、当会会員は同年7月5日付で審査請求を行いました。そして、2019年11月25日付で審査結果の裁決書が届き、当会会員の審査請求が棄却されました。そこで当会会員は、6か月の期限が迫る今年2020年5月20日に、不開示決定処分の取消を求める住民訴訟を前橋地裁に提起しました。
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 なお、この事件の関連記事もご覧ください。
○2019年1月29日:みなかみ町前町長セクハラ事件の疑義・・・前町長の不起訴処分は被害女性側からの告訴取下と示談申出?
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2873.html
○2020年4月3日:みなかみ町前町長セクハラ事件の疑義・・・告訴取下げ被害女性の所属確認のため同町に開示請求した結果
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2921.html

■提訴の前置となった審査請求の経緯は次のとおりです。

*****審査請求書*****ZIP ⇒ 20190705rinsjj.zip
                      令和元年7月29日
みなかみ町長 鬼頭 春二 様 宛て

                   審査請求人  鈴木 章二  ㊞

        審 査 請 求 書 (異議申立書)

 次の通り、審査請求(異議申立て)をします。

1 審査請求人の氏名及び住所
 氏名   鈴木 章二
 住所   群馬県利根郡みなかみ町布施339−1

2 審査請求に係る処分の内容
 みなかみ町長が審査請求人に対し、令和元年5月27日付けみ総務発第208号により行った請求人宛公文書部分開示決定通知書(添付1)において開示された次の資料;
(1)「回議用紙」/発議年月日:平成28年7月13日、発議者:総合戦略課室長鈴木伸一、件名:地域おこし協力隊の募集について、別紙:募集要項(業務内容、応募要件等)
(2)「回議用紙」/発議年月日:平成28年8月3日、発議者:総合戦略課室長鈴木伸一、件名:地域おこし協力隊(非常勤嘱託職員)の内申について、別紙:嘱託員任用内申書(山本健太)・辞令(山本健太)
(3)「回議用紙」/発議年月日:平成29年3月1日、発議者:総合戦略課室長鈴木伸一、件名:地域おこし協力隊(非常勤嘱託職員)の内申について(継続)、別紙:嘱託員任用内申書(山本健太)・辞令(山本健太)
(4)「起案用紙」/発議年月日:平成30年3月1日、発議者:総合戦略課企画グループ主任三富健司、件名:地域おこし協力隊(非常勤嘱託職員)の内申について(継続)、別紙:募嘱託員任用内申書(山本健太)・辞令(山本健太)
において、「開示資料の内、個人の住民・生年月日」を開示しないとした部分開示決定処分。

3 審査請求に係る処分があったことを知った年月日
  令和元年6月3日(月)

4 審査請求の趣旨
(1)審査請求人は、「平成28年度以降」の地域おこし協力隊事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報を求めた。
(2)しかるに、みなかみ町は、山本健太のみの情報を開示決定した。
(3)平成28年度以降は、1名ではなく複数の隊員に対して、選考の結果辞令を交付しているはずであり、上記2の処分は明らかに不当であり、取消されなければならない。

5 審査請求の理由
(1)広報みなかみNo.141(2017年(平成29年)7月号)の13ページ(添付2)の下段記事を見ると、「過疎のまちのために働く4名 地域おこし協力隊の活動」と題して、「・・・(前略)・・・みなかみ町では、昨年8月から藤原地区を拠点とする山本健太さん、昨年11月からみなかみ町観光協会で活動する鈴木雄一さん、今年4月に着任した阿部茜さん、みなかみ農村公園を中心に町内4つの直売所で手腕を発揮する西坂文秀さんの4名が活動しています。・・・(後略)・・・」という記載がある。
(2)このことから、少なくとも、平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づき、応募と選考結果に関して、山本健太1名のみではなく、少なくともそのほかに3名の隊員が選考され、活動していたことがうかがえられる。
(3)よってみなかみ町の部分開示決定の判断は誤っているので、直ちに上記2に示す処分は取消けされ、対象者全員の情報が開示されるべきである。

6 処分庁の教示の有無及び教示の内容
 「この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、実施機関に対して異議申立てをすることができます(なお、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると異議申立てをすることができなくなります。)」との教示があった。
                             以上

添付1:公文書部分開示決定通知書
添付2:広報みなかみNo.141((2017年(平成29年)7月号)13ページ
**********

■すると2019年9月17日付でみなかみ町情報公開審査会から当会会員宛に意見書・資料の提出通知が届きました。また、町側の同9月13日付の弁明書も同封されていました。

*****通知*****ZIP ⇒ 20190922eom.zip
                             (公印省略)
                             令和元年9月17日
鈴木 章二 様
                           みなかみ町情報公開審査会

            意見書又は資料の提出について(通知)

 あなたは、下記1の諮問事件について、みなかみ町情報公開条例第19条の4に基づき、当審査会に対し、意見書又は資料を提出することができますが、当審査会において、下記2のとおり提出期限を定めたので、通知します。
                   記
1 諮問事件
  諮問番号:諮問第1号
  事件名:平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報の開示決定に関する件

2 意見書又は資料の提出期限等
 (1) 提出期限
   令和元年9月27日 (金)
 (2) 提出方法
   任意の様式により作成した意見書又は資料を、持参又は郵送でみなかみ町役場総務課に提出してください。また、提出された意見書又は資料は、諮問庁に対して、みなかみ町情報公開条例第19条の5第1項の規定に基づき写しを送付する又は同条第2項の規定に基づき閲覧に供することがありますので、その適否についての考えを、別紙「提出する意見書又は資 料の取扱いについて」に記入し、意見書又は資料に添付してください。ただし、当該取扱いについての当審査会の判断が、あなたの意見と異なる場合があることをご承知おきください。

=====別紙=====
(別紙)                       諮問第1号事件
       提出する意見書又は資料の取扱いについて

みなかみ町情報公開審査会長  様

                         令和  年  月  日

                   氏名

1 この度みなかみ町情報公開審査会に提出する意見書又は資料を、諮問庁に対して、みなかみ町情報公開条例第19条の5第1項の規定に基づき写しを送付する又は同条第2項の規定に基づき閲覧に 供することは、
□ 差し支えがない。
□ 適当ではない。
(適当ではない理由)

=====諮問通知書=====
                           み総戦発第90号
                          令和元年9月13日
鈴木 章二 様
                  みなかみ町長  鬼 頭 春 二
                      (総合戦略課)

            情報公開審査会諮問通知書

 令和元年5月27日付け公開決定等に対する審査請求について、次のとおりみなかみ町情報公開審査会に諮問しましたので、みなかみ町情報公開条例第18条の3の規定により通知します。

                 記

1 公開決定等に係る公文書の件名
  平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報の開示決定に関する件

2 審査請求の内容
  平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報の開示を求めたところ、複数名辞令を交付しているはずだが、実際に情報開示されたのは1名のみであったため、処分不当であり、取り消されなければならない。

3 審査請求年月日
  令和元年7月29日

4 諮問年月日
  令和元年9月13日

5 諮問実施機関
  みなかみ町役場 総合戦略課

=====弁明書=====
                          み総戦発第87号
                         令和元年9月13日
みなかみ町情報公開審査会長 様
                    処分庁
                    みなかみ町長  鬼 頭 春 二
                        (総合戦略課)

               弁 明 書

 審査請求人 鈴木 章二(以下、「審査請求人」という。)からの令和元年7月29日付け審査請求事件につき、処分庁は、以下のとおり弁明する。

                 記

第1 処分の内容及び理由
 1 処分の内容
   審査請求人に対する公文書部分開示決定処分(以下、「本件処分」という。)

 2 処分の理由
   平成31年3月4日付けで公文書開示請求のあった件について、みなかみ町情報公開条例に基づき、本件処分を行ったものである。

第2 審査請求の理由について
 1 処分に至った経緯について
   公文書開示請求のあった『平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報(応募者数、応募要領、選考手順、採用者氏名、活動開始〜終了年月。活動内容を含む選考結果が分かる情報を含む)』について、住所と生年月日を除く全ての対象者情報の開示を行った。
 2 審査請求の理由に対する反論
   「広報みなかみ」No.141(2017年7月号)掲載の「過疎のまちのために働く4名地域おこし協力隊の活動」の記事中、開示対象者の山本健太の他に3名の紹介があり、これをもって、みなかみ町で選考された人数が1名ではなく4名であるとの主張であった。しかし、山本健太以外の3名については、それぞれ「みなかみ町観光協会」及び「みなかみ農村公園公社」が独自に雇い上げており、応募状況や選考手順等については各団体で把握されている。そのため、みなかみ町において提供できる範囲の情報はすべて開示しており、本件処分に当たり、行政手続上の瑕疵は認められない。

第3 結語
   以上のとおり、審査請求の理由はなく、本審査請求は棄却されるべきである

**********

■これに対して当会会員は次の意見書と資料をみなかみ町に提出しました。

*****意見書*****ZIP ⇒ 20190927.zip
                             令和元年9月27日
みなかみ町情報公開審査会 御中

                      審査請求人
                       鈴 木 章 二     印

          意見書および資料の提出について

 諮問第1号にかかる令和元年9月17日付貴通知書について、下記の通り意見を述べます。

                 記

1.処分庁は弁明書のなかで、審査請求の理由に対する反論として、次の通り主張しています。

  「広報みなかみ」No.141(2017年7月号)掲載の「過疎のまちのために働く4名地域おこし協力隊の活動」の記事中、開示対象者の山本健太の他に3名の紹介があり、これをもって、みなかみ町で選考された人数が1名ではなく4名であるとの主張であった。しかし、山本健太以外の3名については、それぞれ「みなかみ町観光協会」及び「みなかみ農村公園公社」が独自に雇い上げており、応募状況や選考手順等については各団体で把握されている。そのため、みなかみ町において提供できる範囲の情報はすべて開示しており、本件処分に当たり、行政手続上の瑕疵は認められない。

2.処分庁の「山本健太以外の3名については、それぞれ『みなかみ町観光協会』及び『みなかみ農村公園公社』が独自に雇い上げており、」とする主張は、次の理由で失当です。

  総務省が定めた「地域おこし協力隊推進要綱」(平成21年3月31日(総行応第38号)制定)によれば、「第2 事業概要」として、「地方自治体が都市住民を受け入れ、地域おこし協力隊員として委嘱し、一定期間以上、農林漁業の応援、水源保全・監視活動、住民の生活支援などの各種の地域協力活動に従事してもらいながら、当該地域への定住・定着を図る取組について、地方自治体が意欲的・積極的に取り組むことができるよう、総務省として必要な支援を行う。」とされております。
  また、「(1)地域おこし協力隊員」でも、「地域おこし協力隊員は、おおむね1年以上3年以下の期間、地方自治体の委嘱を受け、地域で生活し、農林漁業の応援、水源保全・監視活動、住民の生活支援などの各種の地域協力活動に従事する者をいう。」とあります。
  さらに、「(2)地方自治体」でも、「地方自治体は、設置要綱等を策定した上で広報・募集等を行い、地域おこし協力隊員とする者を決定し、当該者を地域おこし協力隊員として委嘱し地域協力活動に従事させる。また、事業実施にあたっては、全国的な地域づくり推進組織、NPO 法人や大学等と連携することが望ましい。」と明記されております。
加えて、「第3 対象」の「(1)「地域おこし協力隊員」」において、「この要綱における「地域おこし協力隊員」とは、以下に該当する者をいう。@ 地方自治体から、委嘱状の交付等による委嘱を受け、地域協力活動に従事する者であること。A @の委嘱に当たり、地方自治体が、その対象者及び従事する地域協力活動の内容等を広報誌、ホームページ等で公表していること。」と定義づけられています。
  このように、地域おこし協力隊員はすべて地方自治体から委嘱されたかたちとなっています。
  したがって、処分庁のいう「山本健太以外の3名については、それぞれ『みなかみ町観光協会』及び『みなかみ農村公園公社』が独自に雇い上げており、」というのは失当で、全員が処分庁の委嘱を受けていなければなりません。
  資料1は、処分庁のみなかみ町が募集期間:平成28年11月7日〜12月15日(木)で1名を、みなかみ町観光協会嘱託員として雇用することを目的に、同町のホームページに掲載したものです。
  資料2は、処分庁のみなかみ町観光協会が募集期間:平成30年4月5日(木)〜5月31日(木)で1名をみなかみ町観光協会嘱託員として雇用することを目的に、同協会のホームページに掲載したものです。
  資料1および2ともに、冒頭に「みなかみ町では地域おこし協力隊を募集いたします。」と明記してあります。
  資料3は、総務省のホームページに掲載されている「地域おこし協力隊の活躍先@」であり、平成30年度特交(特別交付税)ベースでの全国各市町村における隊員数の一覧表です。2ページ目のみなかみ町の隊員数欄をみると、「5」とあります。このことからも、処分庁の主張する「1名」ということは有り得ません。
  資料4の4ページ目には、「地域おこし協力隊の受入れに当たっての留意点」として、地域おこし協力隊の任用・勤務条件について記されています。これをみると、「各地方自治体において、主に以下の2つの任用形態の地域おこし協力隊が存在します。」とあります。また、「このほか地方自治体が任用せず、委託契約を締結する場合も見られています。」とあることから、処分庁が任用していない可能性ももちろん否定できません。
  しかし、みなかみ町のホームページや、各団体のホームページにおいても、「業務内容」「勤務日数」「報酬」といった表現で任用があるように記載されていることから、地方公務員法に基づき、地方公務員として処分庁が任用していることが分かります。

3.処分庁の「応募状況や選考手順等については各団体で把握されている。そのため、みなかみ町において提供できる範囲の情報はすべて開示しており、本件処分に当たり、行政手続上の瑕疵は認められない。」とする主張は、次の理由で失当です。

  資料1は、処分庁のみなかみ町が募集期間:平成28年11月7日〜12月15日(木)で1名を、みなかみ町観光協会嘱託員として雇用することを目的に、同町のホームページに掲載したものです。
  資料2は、処分庁であるみなかみ町観光協会が募集期間:平成30年4月5日(木)〜5月31日(木)で1名をみなかみ町観光協会嘱託員として雇用することを目的に、同協会のホームページに掲載したものです。
  資料1および2ともに、冒頭に「みなかみ町では地域おこし協力隊を募集いたします。」と明記してあります。
  したがって、処分庁が委嘱して各団体に嘱託員として所属させていたとしても、その応募状況や選考手順等について、各団体から報告を受けていないはずはなく、実際に資料1にみられる通り、みなかみ町のホームページで掲載している例もあります。
  情報公開条例では、処分庁が作成した情報のみならず、他から受領した情報も行政情報として取り扱われることから、処分庁が委嘱した地域おこし協力隊員にかかる応募状況や選考手順等について、各団体のみで情報を保有することは許されません。
  よって、処分庁の「みなかみ町において提供できる範囲の情報はすべて開示しており、」とする主張は認められず、本件不開示処分は明らかに不当であり、行政手続上の瑕疵であることに疑いの余地がありません。
  なお、仮に、処分庁が主張する通り、当該各団体(今回の場合、みなかみ町観光協会およびみなかみ農村公園公社)の職員等(今回の場合嘱託職員)を地域おこし協力隊員として委嘱する場合には、地方自治体と隊員との間に直接的には指揮監督関係がないことや、隊員の活動内容や当該団体の公益性を踏まえ、当該団体と委託契約等を締結することが地域おこし協力隊の制度趣旨に合致していることなどを説明できることが必要とされています(資料4の13ページ目参照)。

                             以上

資料1:地域おこし協力隊を募集します|みなかみ町
資料2:みなかみ町観光協会 みなかみパーフェクトガイド新着情報「地域おこし協力隊募集について」
資料3:地域おこし協力隊の活躍先@(抜粋)
資料4:地域おこし協力隊の受入れに関する手引き(第3版)(抜粋)
**********

■そして、2019年11月20日付でみなかみ町情報公開審査会から町側に対して次の答申がなされました。

*****答申書*****ZIP ⇒ 20191120_toushin_sho.zip
                           (公印省略)
                          令和元年11月20日
鈴 木  章 二 様
                     みなかみ町情報公開審査会

        答申書の写しの送付について

 下記の事件については、令和元年11月20日に答申をしたので、みなかみ町情報公開条例第10条の6の規定に基づき、答申書の写しを進付します。

              記
  諮問番号:諮問第1号
  事件名:平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報の開示決定に関する件


=====答申=====
<P1>
答申第1号
諮問第1号
件名:平成28年度以降の「地域おこし」協力隊事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報の開示決定に関する件

               答   申

第1 審査会の結論
 審査請求人(以下「請求人」という。)の平成31年3月4日付け公文書開示請求(以下「本件開示請求」という。)に対してみなかみ町長(以下「実施機関」という。)が令和元年5月27日付けで行った公文書部分開示決定(以下「本件処分」という。)は,妥当である。

第2 事件経過
 別紙事件進行経過記載のとおり

第3 請求人の主張の要旨
 請求人の主張の要旨は,概ね以下のとおりである。
1 審査請求の趣旨
 本件処分は,地域おこし協力隊員(以下「協力隊員」という。)1名についての開示請求対象文書のみが開示されているが,協力隊員は複数名いるはずであるから,本件処分は不当であり取り消されるべきであって,開示されていない協力隊員に関する開示請求対象文書も開示されなければならない。
2 害査請求の理由
(1)平成28年度以降の地域おこし協力隊事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報を求めたところ,実施機関は1名の情報を開示したが,「広報みなかみ」の記事により,少なくとも他に3名の協力隊員が選考され,活動していたことがうかがえる。したがって,複数の協力隊員に関する開示請求対象文書が存在するはずである(任用者が複数名存在するはずであることの主張)。
(2)実施機関は,町で任用した協力隊員は1名であり,その他の協力隊員について,それぞれ「みなかみ町観光協会」及び「みなかみ農村公園公社」(以下「各団体」という。)が独自に雇用していると主張しているが,総務省の地域おこし協力隊梓進要綱(平成21年3月31日付け総行応第38号。以下「推進要綱」という。)第 2・事業概豊には「地方自治体が(中省略)『委嘱し』」との記載があるため,協力隊員全員が町からの委嘱を受けていなければならないはずである。したがって,複数の 協力隊員に関する開示請求対象文書が存在するはずである(少なくとも

<P2>
委嘱状が存在するはずであることの主張)。
(3)実施機関は,令和元年9月13日付の弁明書において,「応募状況や選考手順等については各団体で把握されている。そのため,みなかみ町において提供できる範囲の情報はすべて開示して」いると主張しているが,町のホームページの記載内容等から考えれば,実施機関が応募状況や選考手順等について各団体から文書による報告を受けているはずである。したがって,複数の協力隊員に関する開示請求対象文書が存在するはずである(実施機関が各団体から報告を受けているはずであること の主張)。

第4 実施機関の主張の要旨
 実施機関の主張の要旨は,概ね以下のとおりである。
1 主張の趣旨
  町が募集して任用した協力隊員は1名である。町は各団体と業務委託契約を締結し,各団体が独自に協力隊員の募集,選考を行っている。また,地域おこし協力隊事業に基づく応募状況と選考結果に 関する情報について各団体から文書による報告は受けていないから,各団体と契約を締結している者についての開示請求対象文書は存在しない。委嘱状はそもそも作成交付していない。よって,審査請求は棄却されるべきである。
2 主張の理由
(1)請求人は,協力隊員全員が町からの委嘱を受けていなければならないから,そうであるとすると,地方公務員法に基づく地方公務員として町が任用しているはずの者が存在するはずであると主張する。しかし,町が任用する者を除くその他の協力隊員については,町と各団体との間で地域おこし協力隊についての業務委計契約を締結している。そして,同契約を前様に,それぞれ各団体が独自に 協力隊員と何らかの労務の掃供に関する契約をしているはずであり,かつ,応募状況や選考手順等に ついても各団体で把握されている。
   この点,協力隊員への委嘱と,公務員としての任用は別の行為である。結果として,部分開示した1名の協力隊員の他に任用した協力隊員はおらず,請求人が主張する開示請求対象文書は存在しない。 (2)町と各団体が業務委託契約を締結した後,実施機関は,各団体が行った選考手続きや手順等に ついて文書による報告は受けていないし,選考手続き等に関与していない。結果,部分開示した1名の協力隊員のものの他に,請求人が主張する開示請求対象文書は存在しない。
(3)請求人の主張する,協力隊員への『委嘱』について,推進要綱の第3・対象の(1)Cなお書きには,「委嘱の方法,期間(中省略)弾力的に対応することで差し支えない」旨の記載がある。実施機関としてはこの記載に基づき,委嘱状の交付をもって委嘱をするという方法は採用せず7地域の実情に応じた委嘱の方法(口頭での事後承認)をとったと認

<P3>
識している。したがって,委嘱状も存在しない。また,各団体との委託契約書の存在が認められれば,国からの財源手当てが受けられる仕組みとなっており,委嘱状は財源手当てを受けるための要件となっていないため,必須不可欠の文書とは認識していない。結果として,請求人が主張する開示請求対象文書は存在しない。

第5 争点
 実施機関は,既に開示済みの山本健太氏(以下「山本氏」という。)に関する文書の他に,その他協力隊員についての文書も保有しているか。

第6 審査会の判断の理由
1 協力隊員には,公務員たる身分を有する者と,公務員たる身分を有しない者が存在しうることが認められる。
  すなわち,協力隊員には,地方自治体が任用し,一般職非常勤職員たる地位を有する者及び特別職非常動職員たる地位を有する者が存在しうる。 また,地方自治体が任用せず,各種団体等と委託契約を締結することを前提に,各種団体と何らかの労務提供契約(雇用契約等)が締結されている者も存在しうる。各種団体と委託契約を締結することを前提に各種団体件と契約を締結している者には,原則として,地方自治体との間において任用関係は生じない。ただし,実質的指揮監督関係等の存在によって労働者性が認められる可能性はある(平成31年3月総務省地域力創造グループ地域自立応援課 地域おこし協力隊の受入れに関する手引き(第3版)。以下「手引き」という。)。
2 実施機関は,各団体とそれぞれ「地域おこし協力隊業務委証契約」(以下「各業務委託契約」という。)を締結したことが認められる。各業務委託契約書には,各団体から町への報告等については何らの定めがない(審議の結果に基づく。)。
  そして,かかる各業務委託契約の存在を前提にしても,各団体が,地域おこし協力隊事業に基づく応募状況や選考結果に関する情報を町に文書による報告をしたことは認められない(審議の結果に 基づく。)。
  なお,協力隊員の記事が「広報みなかみ」に掲載されているが,当該記事の具体的記載内容を検討するに,各団体が協力隊員を採用後,何らかの方法(電話,直接面談)で,何らかの情報を実施機関に提供しているとしても,地域おこし協力隊事業に基づく応募状況や選考結果に関する情報(開示請求の対象となる情報)自体を実施機関に文書により報告していると認めるのは困難であるし,実施機関が当該情報を保有していると合理的に推認することも困難と言わざるを得ない。また,実施機関が山本氏を除くその他の協力隊員に委嘱状を交付した事実は認められない。この点,結果として国から町に対して財源手当てが行われていることが認められ,この事実からすると,各団体との委託契約書

<P4>
の存在が認められれば国からの財源手当てが受けられる仕組みとなっており,委嘱状は財源手当てを受けるための要件となっていないため,実施機関において作成が必須不可欠の文書とは認識してしいないとの実施機関の主張は信用することができる。そして,かかる認識を前提にすれば委嘱状の作成が行われなかったことの経緯は具体的に説明がされてしいると考えられる。
3 地域おこし協力隊の募集経過は以下のとおりであると認められる。
(1)実施機関は,平成28年7月13日に隊員募集についての決裁を行い,「地域おこし協力隊員を募集します」と題する文書をホームベージ上に掲載することによって協力隊員を募集したことが認 められる(発議年月日平成28年7月13日付回議用紙及び「地域おこし協力隊員を募集します!」と題する文書)。
(2)そして,実施機関は,平成28年8月15日発令,任期満了年月日を平成29年3月31日とし,山本氏を任用したことが認められる。同人は引き続き平成29年4月1日から平成30年3月31日まで再度町に任用されたことが認められる。同人は,さらに平成30年4月1日から平成31年3月31日まで任用されたことが認められる(平成28年8月3日付嘱託員任用内申書案,同年同月15日付辞令案,平成20年3月1日付嘱託員任用内申書案,同年4月1日付辞令案,平成30年3月1日付嘱託員任用内申書案,同年4月1日付辞令案)。
   実施機関が地域おこし協力隊制度を利用して,協力隊員を任用したのは,平成28年度が初めてである。手引き,推進要綱いずれにも各団体と地方公共団体が委託契約を締結して協力隊員を募集した場合において,各団体からどのような内容,どのような方法で報告を受けるべきかについて詳細な記載はない。
   同人の各再任時期にあたり,新たに協力隊員が募集されたことはない(審議の結果に基づく。)。
(3)上記山本氏は,平成30年10月31日に退職した。実施機関は,上記山本氏の退任後,協力隊員を募集したことはない。
   上記の経過であり,町には,平成28年以降,協力隊員として山本氏のみが任用されており,同人を除いては誰も任用されていない(審議の結果に基づく。)。
4 結語
 請求人は,手引きの記載等を根拠に,実施機関が各団体から文書により報告を受けていないはずがないと主張している。しかし,各業務委託契約書中には,各団体から町への報告等については何らの定めがないこと,各団体と町との業務委託契約の存在が国からの財源手当ての要件となっており実施機関においてその他の文書を必須不可欠と認識していないこと,実施機関が地域おこし協力隊の制度を利用したのは平成28年度が初めてであり以後募集を行っていないことの各事実を総合勘案しても,請求人が主張する報告に関する

<P5>
文書や委嘱状等の開示請求対象文書が存在していないとしても不自然とは言えない。そして,町が任用した者は山本氏1名であり,請求人主張の開示請求対象文書は存在しないから,本件処分は妥当である。よって,第 1記載の「審査会の結論」のとおり判断する。

<P6>
別紙 事件進行経過

  年 月 日         内 容
平成31年 3月 4日   本件開示請求
平成31年 3月15日   公文書部分開示決定
平成31年 4月 1日   異議申立て
令和 元年 5月 2日   申立認容による公文書部分開示決定
令和 元年 7月29日   審査請求(異議申立て)
令和 元年 9月13日   実施機関から諮問を受けた。実施機関から弁明書を受領した。
令和 元年 9月25日   審査請求人の左記同日付,意見書及び資料の提出についてと題する書面の提出を受けた。
令和 元年 9月30日   審議(第1回審査会)。実施機関から理由説明,意見聴取,インカメラ調査
令和 元年10月23日   審議(第2回審査会)
**********

■この5日後に、早くもみなかみ町長から当会会員あてに審査請求に対する裁決通知が出されました。

*****審査請求裁決通知*****ZIP ⇒ 20191125r.zip


                           み総戦発第120号
                           令和元年11月25日
鈴木 章二 様
                      みなかみ町長  鬼 頭  春 二
                         (総 合 戦 略 課)

         審査請求に対する裁決について(通知)

 今和元年7月29日付けで提起された公文書の公開決定等に対する審査請求については、別紙のとおり裁決したので謄本を送付します。
                 記
1 裁決書(謄本)  1部

=====裁決書=====
           裁 決 書
                       審査請求人
                        みなかみ町布施339番地1
                         鈴木 章二

 上記審査諸求人(以下「請求人」という。)から令和元年7月29日付けで提起されたみなかみ町惜報公開条例(平成17年条例第5号)第11条第1項の規定による情報の部分開示決定処分(以下「本件処分」という。)に対する審査諸求については、次のとおり裁決する。
              主  文
 本件審査請求を棄却する。

              理  由
第1 事実
1 請求人は、平成31年3月4日付けで「平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報(応募者数、応募要領、選考手順及び各採用者の氏名、活動開始〜終了年月、活動内容を含む選考結果が分かる情報を含む)」他l件の公文書開示請求を行った。
2 実施機関は、平成31年3月15日付けで部分開示を決定し、町で任用していた地域おこし協力隊員(以下「協力隊員」という。)1名に係る公文書の開示を行った。
3 請求人は、平成31年4月1日付けで「開示資料の内、個人を特定できる部分」の解釈について異議申立てを行った。
4 実施機関は、請求人の申立てを認容し、令和元年5月27日付けで本件処分を行った。
5 請求人は、令和元年7月29日付けで「l 名でなく複数の隊貝」に関する情報開示を求め、審査請求を行った。
6 実施機関は、本件処分の維持が適当との理由により、令和元年9月13日付けでみなかみ町情報公開審査会へ諮問を行った。
7 実施機関は、令和元年11月20日付けでみなかみ町情報公開審査会より答申を受けた。


第2 請求人の審査請求の趣旨及び主張要旨
 請求人の主張の要旨は、概ね以下のとおりである。
1 審査請求の趣旨
 本件処分は、協力隊員1名についての開示請求対象文書のみが開示されているが、協力隊員は複数名いるはずであるから、本件処分は不当であり取り消されるべきであって、開示されていない協力隊員に関する開示請求対象文書も開示されなければならない。
2 審査請求の理由
 (1) 平成28年度以降の地域おこし協力隊専業に基づく応募状況と選考結果に関する情報を求めたところ、実施機関は1名の情報を開示したが、「広報みなかみ」の記事により、少なくとも他に3名の協力隊員が選考され、活動していたことがうかがえる。したがって.複数の協力隊員に関する開示請求対象文書が存在するはずである(任用者が複数名存在するはずであることの主張)。
 (2) 実施機関は、町で件用した協力隊員は1名であり、その他の協力隊員について、それぞれ「みなかみ町観光協会」及び「みなかみ農村公園公社」(以下「各団体」という。)が独自に雇用していると主張しているが、総務省の地域おこし協力隊推進要綱(平成21年3月31日付け総行応第38号、以下「推進要綱」という。)第2・事業概要には「地方自治体が(中省略)『委嘱し』」との記載があるため、協力隊員全員が町からの委嘱を受けていなければならないはずである。したがって、複数の協力隊員に関する開示請求対象文書が存在するはずである(少なくとも委嘱状が存在するはずであることの主張)。
 (3) 実施機関は、令和元年9月13日付の弁明書において、「応募状況や選考手順等については各団体で把握されている。そのため、みなかみ町において提供できる範囲の情報はすべて開示して」いると主張しているが、町のホームページの記載内容等から考えれば、実施機関が応募状況や選考手順等について各団体から文書による報告を受けているはずである。したがって、複数の協力隊員に関する開示請求対象文書が存在するはずである(実施機関が各団体から報告を受けているはずであることの主張)。

第3 実施機関の主張要旨
 実施機関の主張の要旨は、概ね以下のとおりである。
1 主張の趣旨
  町が募集して任用した協力隊貝は1名である。町は各団体と業務委託契約を締結し、各団体が独自に協力隊員の募集、選考を行っている。また、地域おこし協力隊事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報について各団体から文書による報告は受けていないから、各団体と契約を締結している者についての開示請求対象文書は存在しない。委嘱状はそもそも作成、交付していない。よって、審査請求は棄却されるべきである。
2 主張の理由
 (1) 請求人は、協力隊員全員が町からの委嘱を受けていなければならないから、そうであるとすると、地方公務員法に基づく地力公務負として町が任用しているはずの者が存在すがまずであると主張する。しかし、町が任用する者を除くその他の協力隊員については、町と各団体との間で地域おこし協力隊についての業務委託契約を締結し


ている。そして、同契約を前提に、それぞれ各団体が独自に協力隊員と何らかの労務の提供に関する契約をしているはずであり、かつ、応募状況や選考手順等についても各団体で把据されている。この点協力隊員への委嘱と、公務員としての任用は別の行為である。
   結果として部分関示した1名の協力隊員の他に任用した協力隊員はおらず、請求人が主張する開示請求対象文書は存在しない。
 (2) 町と各団体が業務委託契約を締結した後、実施機関は、各団体が行った選考手続きや手順等について文書による報告は受けていないし、選考手続き等に関与していない。結果、部分開示した1名の協力隊員のものの他に、請求人が主張する関示請求文書は存在しない。
 (3) 請求人の主張する、協力隊員への『委嘱』について、推進要綱の第3・対象の(1)Cなお書きには、「委嘱の方法、期間(中省略)強力的に対応することで差し支えない」旨の記載がある。実施機関としてはこの記載に基づき、委嘱状の交付をもって委嘱をするという方法は採用せず、地域の実情に応じた委嘱の方法(口頭での事後承認)をとったと認識している。したがって、委嘱状も存在しない。また、各団体との委託契約書の存在が認められれば、国からの財源手当てが受けられる仕組みとなっており、委嘱状は財源手当てを受けるための要件となっていないため、必須不可欠の文書とは認識していない。結果として、請求人が主張する開示請求対象文書は存在しない。

第4 裁決の理由
1 協力隊員には、公務員たる身分を有する者と、公務員たる身分を有しない者が存在し うることが認められる。
  すなわち、協力隊員には、地方自治体が任用し、一般職非常勤職員たる地位を有する者及び特別職非常勤職員たる地位を有する者が存在しうる。また、地方自治体が任用せず、各種団体等と委託契約を締結することを前提に、各種団体と何らかの労務提供契約(雇用契約等)が締結されている者も存在しうる。各種団体と委託契約を締結することを前提に各種団体と契約を締結している者には、原則として、地方自治体との間において任用関係は生じない。ただし、実質的指揮監督関係等の存在によって労働者性が認められる可能性はある(平成31年3月総務省地域力創造グループ地域自立応援課 地域おこし協力隊の受入れに関する手引き(第3 版)。以下「手引き」という。)。
2 実施機関は、各団体とそれぞれ「地域おこし協力隊業務委託契約」(以下「各業務委託契約」という。)を締結したことが認められる。各業務委託契約書には、各団体から町への報告等については何らの定めがない(審議の結果に基づく。)。
  そして、かかる各業務委託契約の存在を前提にしても、各団体が、地域おこし協力隊事業に基づく応募状況や選考結果に関する情報を町に文書による報告をしたことは認められない(審議の結果に基づく。)。
  なお、協力隊員の記事が「広報みなかみ」に掲載されているが、当該記亭の具体的記載内容を検討するに、各団体が協力隊貝を採用後、何らかの方法(電話、直接面談)で、何らかの情報を実施機関に提供しているとしても、地域おこし協力隊事業に基づく応募状況や選考結果に関する情報(開示請求の対象となる情報)自体を実施機関に文書によ


り報告していると認めるのは困難であるし、実施機関が当該情報を保有していると合理的に推認することも困難と言わざるを得ない。
  また、実施機関が山本氏を除くその他の協力隊員に委嘱状を交付した事実は認められない。この点、結果として国から町に対して財源手当てが行われていることが認められ、この事実からすると、各団体との委託契約書の存在が認められれば国からの財源手当てが受けられる仕組みとなっており、委嘱状は財源手当てを受けるための要件となっていないため、実施機閑において作成が必須不可欠の文書とは認識していないとの実施機関の主張は信用することができる。そして、かかる認識を前提にすれば委嘱状の作成が行われなかったことの経緯は具体的に説明がされていると考えられる。
3 地域おこし協力隊の募集経過は以下のとおりであると認められる。
 (1) 実施機関は、平成28年7月13日に隊員募集についての決裁を行い、「地域おこし協力隊員を募集します!」と題する文書をホームページ上に掲載することによって協力隊員を募集したことが認められる(発議年月日平成28年7月13日付回議用紙及び「地域おこし協力隊員を募集します!」と題する文書)。
 (2) そして、実施機関は、平成28年8月15日発令、任期満了年月日を平成29年3月31日とし、山本氏を任用したことが認められる。同人は引き続き平成29年4月1日から平成30年3月31日まで再度町に任用されたことが認められる。同人は、さらに平成30年4月1日から平成31年3月31日まで任用されたことが認められる(平成28年8月3日付嘱託員任用内申書案、同年同月15日付辞令案、平成29年3月1日付嘱託員任用内申書案、同年4月1日付辞令案、平成30年3月1日付嘱託員任用内申書案、同年4月1日付辞令案)。
   実施欅関が地域おこし協力隊制度を利用して、協力隊員を任用したのは、平成28年度が初めてである。手引き、推進要綱いずれにも各団体と地方公共団体が委託契約を締結して協力隊員を募集した場合において、各団体からどのような内容、どのような方法で報告を受けるべきかについて詳細な記載はない。
   同人の各再任時病にあたり、新たに協力隊員が募集されたことはない(審議の結果に基づく。)。
 (3) 上記山本氏は、平成30年10月31日に退職した。実施機関は、上記山本氏の退任後、協力隊員を募集したことはない。
   上記の経過であり、町には、平成28年以降、協力隊員として山本氏のみが任用されており.同人を除いては誰も任用されていない(審議の結果に基づく。)。
4 結語
  請求人は、手引きの記載等を根拠に.実施機関が各団体から文書により報告を受けていないはずがないと主張している。しかし、各業務委託契約書中には、各団体から町への報告等についでは何らの定めがないこと。各団体と町との業務委託契約の存在が国からの財源手当ての要件となっており実施機関においてその他の文書を必須不可欠と認識していないこと。実施機関が地域おこし協力隊の制度を利用したのは平成28年度が初めてであり以後募集を行っていないことの各事実を総合勘案しても、請求人が主張する報告に関する文書や委嘱状等の開示聘求対象文書が存在していないとしても不自然とは言えない。


  そして、町が任用した者は山本氏1名であり、請求人主張の開示請求対象文書は存在しないから、本件処分は妥当である。

よって、主文のとおり裁決する。

  令和元年11月25日

                        みなかみ町長 鬼 頭 春 二

(教示) この裁決に不服がある場合には、この裁決があったことを知った日の翌日から起算して6ヵ月以内に、みなかみ町を被告として(訴訟において町を代表する者は町長となります。)裁決の取消しの訴えを捉起することができます(なお、この裁決があったことを知った日の翌日から起算して6ヵ月以内であっても、裁決の日の翌日から起算して1年を経過すると、裁決の取消しの訴えを提起することができなくなります。
**********

■そして、半年近くの期間を経て、やはりこれはきちんと法廷の場で、地域おこし協力隊全員の情報を開示してもらう必要があると考えて、2020年5月20日に次の訴状を前橋地裁に提出しました。

*****訴状*****ZIP ⇒ 20200520ieinj.zip
          訴    状
      
                           令和2年5月20日
前橋地方裁判所民事部 御中

                   原   告  鈴 木 章 二

 〒379−1414 群馬県みなかみ町布施339−1(送達先)
        原   告    鈴 木 章 二
         電 話 090−1431−6607(携帯)
         FAX 0278−64−0753(固定電話兼用)

 〒379−1393 群馬県利根郡みなかみ町後閑318
        被   告    みなかみ町
        上記代表者    町長 鬼 頭 春 二
         電 話 0278−62−2111(代表)
         FAX 0278−62−2291


法人文書不開示処分取消請求事件
 訴訟物の価額 金160万円(算定不能)
 貼用印紙額   金1万3000円

第1 請求の趣旨
1 被告が原告に対し、平成31年3月15日付み総務発第1064−2号公文書部分開示決定(以下「本決定」)において不開示とした箇所のうち、山本健太以外の阿部茜ら地域おこし協力隊員に関する情報について不開示を取消せ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
 との判決を求める。

第2 請求の原因
1 請求に至る経緯
(1)原告は、みなかみ町情報公開条例(以下「条例」)に基づき、被告に対して平成31年3月4日付で、公文書開示請求を行ったが、平成31年3月15日付公文書部分開示決定通知書で、地域おこし協力隊員の山本健太の情報のみ開示された。
(2)広報みなかみNo.141(2017年(平成29年)7月号)の13ページの下段記事によれば、少なくとも山本健太以外にも地域おこし協力隊員がみなかみ町で活動しているようすがうかがえるため、原告は、令和元年7月29日付で被告に審査請求書を提出した。
(3)その後、被告から令和元年9月17日付で「意見書又は資料の提出について(通知)」、及び、令和元年9月13日付み総戦発第87号弁明書が届いた。
(4)原告は、通知にもとづき、みなかみ町情報公開審査会宛に令和元年9月27日に「意見書および資料の提出について」を送った。
(5)その結果、令和元年11月20日付で、みなかみ町情報公開審査会から原告宛に答申書の写しが送付された。
(6)そして、令和元年11月25日付で、被告は、原告の審査請求を棄却するとした「裁決書」を原告に通知した。
2 部分開示(不開示処分)取消請求理由
(1)被告であるみなかみ町では、地域おこし協力隊員事業を毎年行っている。
(2)地域おこし協力隊事業とは、人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、そのて移住・定着を図ることで、意欲ある都市住民のニーズに答えながら、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度であるとされている。
(3)地域おこし協力隊になるためには、次の手続きを踏むとされている。
   @地方自治体による協力隊の募集情報を確認する。活動内容や条件、待遇等は各自治体によって異なる。
   A募集している地方自治体へ申込む。
   B地方自治体による選考(書類選考、面接等)の結果、採用が決定する。
   C地方自治体から、委嘱状等の交付により「地域おこし協力隊」としての委嘱を受ける。
   D現住所から採用先の自治体に住民票を移動し、地域おこし協力隊として活動を開始する。
(4)期間・待遇は、おおむね1年以上3年以下の期間、地方自治体の委嘱を受け、地域で生活し、各種の地域協力活動を行う。また、活動費については、自治体及び活動内容により異なっている。
(5)このことから、みなかみ町は、平成28年度以降、地域おこし協力隊員に対して、委嘱状を発行していなければならず、広報みなかみNo.141(2017年(平成29年)7月号)の13ページの下段記事によれば、少なくとも平成28年8月からの山本健太以外にも、同年11月から鈴木健一、平成29年4月から阿部茜、西坂文秀が地域おこし協力隊員として被告が委嘱していることがわかる。
(6)これらの地域おこし協力隊員のうち、少なくとも、阿部茜については、みなかみ町前町長の前田善成が、平成30年4月18日に水上温泉街で行われた同町観光協会の送別会の2次会で、男子トイレで阿部茜に無理やりキスをしたとして平成30年5月7日に阿部茜が強制わいせつの被害届を提出した。
(7)その後、同年9月18日に前町長は失職したが、同年10月24日、群馬県警が強制わいせつの疑いで、前町長を書類送検した。
(8)一方で、前町長は平成30年8月8日に阿部茜を相手取り民事事件(事件番号:平成30年(ワ)第361号、謝罪広告等請求事件)を前橋地裁に提起し、同年11月2日に第1回口頭弁論が開かれたあと、同年12月21日に非公開での弁論準備手続きが行われることになっていた。
(9)しかし非公開での弁論準備手続きは突然キャンセルとなり、同年12月27日に、阿部茜は過度の精神的苦痛により、「これ以上事件を長引かせたくない」として刑事事件の被害届を取下げた。
   ところが、前橋地検は民事事件の取下げに応じようとしない前町長に対して、阿部茜に関する一方的なブログ記事の掲載は、上司としてパワハラになることを理由に、民事事件について示談にしないかぎり、刑事訴追すると迫った。その結果、同日、前町長が示談に応じ、刑事事件も民事事件もともに取り下げられた。
(10)このことから、阿部茜に対してみなかみ町長がセクハラ事件に関する事情をブログで公開したことが上司として部下に対するパワハラと判断されたことが分かる。このことは地域おこし協力隊の阿部茜に対し、みなかみ町長が委嘱状を交付したことを意味しており、地域おこし協力隊員の雇用主が首長であり、隊員の給料は自治体の一般会計から支出されていることを示している。
(11)また、阿部茜の場合は、一時高崎市に在住していたようだが、実家はみなかみ町内で燃料商を営んでおり、少なくとも、県外からの移住者ではないことから、被告は本当に地域おこし協力隊の制度を、ルール通りに運用していたのかどうかも定かでない。

第3 むすび
   以上のとおり、本決定において山本健太以外の、阿部茜ら地域おこし協力隊員に関する情報について不開示とした処分が違法であることは明らかであるから、すべて取消を求める。

                                   以上

           証拠方法

 1 甲1号証の1 公文書部分開示決定通知書
 2 甲1号証の2 開示資料一式(山本健太)
 3 甲2号証   審査請求書(異議申立書)
 4 甲3号証   意見書又は資料の提出について(通知)
 5 甲4号証   意見書および資料の提出について
 6 甲5号証   答申書の写しの送付について
 7 甲6号証   審査請求に対する裁決について(通知)

           附属書類

 1 訴状副本     1通
 2 証拠説明書    1通
 3 甲号証写し   各1通

                            以上
**********

■前町長をセクハラで訴えた被害女性は、みなかみ町観光協会に所属する地域おこし協力隊員でした。情報筋によれば、前町長が被害女性を名誉毀損にかかる謝罪広告等請求事件を提訴した際、被害女性が応訴のため起用した弁護士費用は、すべてみなかみ町観光協会が支出した可能性を指摘する声があります。もしそうだとすれば、公費で職員のプライベートな訴訟費用が支払われたことになります。

 いずれにしても、被害女性が地域おこし協力隊員として、みなかみ町長から委嘱状を交付されていないとするみなかみ町の主張が本当なのかどうか、この裁判により法廷できっちりと判断されることがなにより重要です。

 なぜなら、そのことにより、前町長が被害女性に無理やりキスをしたとするセクハラ(強制わいせつ)事件は、キスは被害女性との合意のもとに行われたとする前町長のブログによる不特定多数に対する公表が被害女性の意に添わなかったのが真相であり、実はセクハラ事件ではなく、町長から委嘱を受けた地域おこし協力隊員がプライバシーを首長に公にされたことを不服としたパワハラ事件として、警察や検察が取り扱っていたことが確認できるからです。

 はたしてみなかみ町側が、この事件の訴訟代理人をいったいどの弁護士事務所に依頼するのか、そのことも極めて注目に値します。引き続き、当会会員からの今後の報告を注視してまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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