八木田恭介県議と萩原渉県議の政務活動費不正支出の監査結果で分かったズサン支出と無責任の実態  県内の税金無駄使い実態

■8月5日に当会事務局に太田市在住の県民のかたからいただいた1通の投書をもとに、当会は「八木田恭之県議会議員及び萩原渉県議会議員の政務活動費及び旅費の二重請求」について、9月14日、住民監査請求書を群馬県監査委員宛に提出しました。その後、補正手続を経て、10月12日に陳述と追加証拠をしていたところ、11月11日付で群馬県監査委員から当会に監査結果通知が配達証明郵便で届きました。さっそくその内容について分析と併せてご報告します。
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当会代表あてに11月12日に届いた監査委員事務局からの配達証明郵便の封筒。

 なお、これまでの経緯は次のブログ記事を参照ください。
○2020年9月22日:八木田恭介県議と萩原渉県議の政務活動費及び旅費の二重請求について住民監査請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3211.html
○2020年10月13日:八木田恭介県議と萩原渉県議の政務活動費及び旅費の二重請求に関し監査委員の面前で陳述
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3221.html


■群馬県監査委員から送られてきた住民監査請求に係る監査結果は次のとおりです。

*****監査結果通知*****ZIP ⇒ j.zip
                         群監第202−24号
                         令和2年11月11日
 小川 賢 様
                    群馬県監杏委員 丸 山 幸 男
                    同       林     章

          住民監杏請求に係る監査結果について

令和2年9月14日付けで収受した標記請求に係る監査結果は、別紙のとおりです。

                    群馬県監査委員事務局
                    特定監査係
                    TEL:027-226-2767

*****監査結果*****ZIP ⇒ j.zip
<P1>
            群馬県職員措置請求監査結果
第1 主文
   本件措置請求を棄却する。
第2 請求人
   群馬県安中市野殿980番地
   小川 賢
第3 請求書の提出
   令和2年9月14日
   なお、請求人に対し、同月18日に補正を求め、同月25日に補正が行われた。
第4 請求の内容
 1 請求の要旨
   県議会議員の議員報酬等支給条例(昭和26年群馬県条例第9号。以下「支給条例」という。)第5条により、議会の開会中、県議会議員に対して、旅費として1日につき6,200円が支給されている。これは調整日や議案調査日などの行事がない日でも、議会に登庁するだけで支給される。
   ところが、八木田議員と萩原議員は、議会開会中の旅費(以下「本件旅費」という。)の支給日と同日に「県庁に行った」、「前橋に行った」として、政務活動費の支払を受けている。
   当日2往復したのであればともかく、仮にそうでなかった場合、選良たる議員にとって、これらの二重請求や過大請求が単なるうっかりミスによるものとはおよそ考えにくく、とりわけ4期目の萩原議員の場合、今までにも同様な二璽請求を繰り返してきた可能性もあり、選良たる責任感の欠如に加え、故意に行った可能性も指摘される。
   よって、二重請求・過大請求の可能性がある金額は、違法不当な支出であると認められる。
   県民が日々、汗水垂らしてまじめに働き、納税義務を果たして納付した血税のうち、二重ないし過大に掠め取られたことにより、群馬県が本来果たせるべき行政事務事業が、両議員により、その分無効にさせられたことが県の損害として生じる。
   監査委員は、群馬県知事に対し、八木田議員に違法不当に支出された政務活動費56,425円及び支払から返還までの法定利息を加えた金額と、萩原議員に違法不当に支出さ れた政務活動費84,360円及び支払から返還までの法定利息を加えた金額につき、両 議員に各支出額(以下「本件政務活動費」という。)を返還させるなど、必要な措置を講じるように勧告することを求める。
 2 事実証明書(各事実証明書の表題は、措慨請求書における請求人の記載をそのまま記載した。ただし、陳述までに請求人から追加提出された資料は、当監査委員において表題を記戟し、事実証明書19及び20として付番した。)
  (1) 事実証明書1 No.093 八木田議員 政務活動費自動車使用記録簿【令和元年5月分】
  (2) 事実証明書2 No.096 八木田議員 政務活動費支払証明書(交通費)【令和元年7月】
  (3) 事実証明書3 No.097 八木田議員 政務活動費自動車使用記録簿【令和元年7月分】
  (4) 事実証明書4 No.099 八木田議員 政務活動費自動車使用記録簿【令和元年8月分】
  (5) 事実証明書5 No.101 八木田議員 政務活動費自動車使用記録簿【令和元年9月分】
  (6) 事実証明書6 No.103 八木田議員 政務活動費自動車使用記録簿【令和元年10月分】
  (7) 事実証明書7 No.107 八木田議員 政務活動費自動車使用記録簿【令和元年12月分】
  (8) 事実証明書8 No.113 八木田議員 政務活動費自動車使用記録簿【令和2年3月分)
  (9) 事実証明書9 No.859 萩原議員 政務活動費自動車使用記録簿【令和元年9月】

<P2>
  (10) 事実証明書10 No.869 萩原議員 政務活動費自動車使用記録簿【令和元年10月】
  (11) 事実証明書11 No.879 萩原議員 政務活動費自動車使用記緑簿【令和元年11月】
  (12) 事実証明書12 No.888 萩原議員 政務活動費自動車使用記録簿【令和元年12月】
  (13) 事実証明書13 No.900 萩原議員 政務活動費自動車使用記録簿【令和2年2月】
  (14) 事実証明書14 No.910 萩原議員 政務活動費自動車使用記録簿【令和2年3月】
  (15) 事実証明書15 令和元年第2回定例会議事日程
  (16) 事実証明書16 令和元年第1回臨時会議事日程
  (17) 事実証明書17 令和元年第3回定例会議事日程
  (18) 事実証明書18 令和2年第1回定例会議事日程
  (19) 事実証明書19 政務活動費情報公開度ランキングについて
  (20) 事実証明書20 住民監査請求に係る陳述資料
 3 訂正依頼書
   本件措置請求書に誤記があったため、請求人から訂正依頻吾が送付され、令和2年9月17日付けで収受した。
第5 監査委員の除斥
   本件措置請求の審理に当たり、議会選出の監査委員は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「地自法」という。)第199条の2の規定により監査に加わらないこととなった。
第6 補正について
 1 補正依頼
   本件措置請求については、地自法第242条第1項に規定する請求の要件を具備しているかどうか判断するに当たり不明な点が存在したことから、請求人に対し、令和2年9月18日付けで補正依頼通知を送付し、同月25日に補正書が提出された。
 2 補正書の内容(当監査委員が補正を求めた事項に対する請求人の回答をまとめたも の)
  (1) 誰に関する措置請求かについて
    本件措置請求書の見出しには、群馬県知事に関する措置請求の要旨と記載されているのに対し、請求の対象となる執行機関又は職員については、八木田恭之県議会議員及び萩原渉県議会議員と記載されていたため、今回の措置請求は、監査委員が、誰に対して必要な措置を勧告することを求めるものなのかを確認する必要がある。
(回答)請求人から群馬県知事に対して必要な措罹を勧告することを求める旨の回答があった。
第7 請求の受理
   本件措置請求は、地自法第242条第1項に規定する要件を具備しているものと認め、令和2年10月1日に受理を決定した。
第8 監査の実施
 1 監査対象事項
   群馬県議会議員に対する政務活動費の支出について
 2 監査対象機関
   議会事務局総務課(以下「(議)総務課」という。)
 3 請求人の陳述及び証拠提出
   令和2年10月12日、地自法第242条第7項の規定により、請求人の陳述を聴取した。また、請求人から事実証明書19及び20が追加提出された。

<P3>
   また、萩原議員の違法不当に支出された政務活動費について、67,710円から84,360円に訂正する旨の申出があった。
 4 監査の実施
   令和2年10月23日、(議)総務課に対し、監査委員による対面監査を行った。また、これに先立ち監査委員事務局職員による事務ヒアリングを行った。
第9 監査の結果
 1 (議)総務課の主張及び説明
  (1) 務活動費の趣旨について
    普通地方公共団体の議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し交付されるものである(地自法第100条第14項)。
  (2) 政務活動費の交付対象について
    群馬県政務活動費の交付に関する条例(平成13年群馬県条例第31号。以下「政務活動費条例」という。)第2条の規定により、議会の会派に対して交付している。
  (3) 政務活動費(交通費)及び旅費について
    政務活動費(交通費)は、政務活動費条例別表のとおり、政務活動のため日常的に必要な交通費に充当することができる。
    旅費は、支給条例第5条の規定により、議員が議会の招集に応じて会議又は委員会等に出席した場合に支給される。
    政務活動費(交通費)と旅費の併給については、用務先が複数あり、議会活動の用務先と政務活動の用務先が分けられる場合は、それぞれ支出できるが、用務先が1つであり、同じ場所で議会活動と 政務活動の両方を行った場合は、政務活動費(交通費)は支出できない。また、議会開会中の議案調査日における政務活動費(交通費)は、旅費と路程が重複しない範囲で、政務活動である限りは認められる。
  (4) 政務活動費(交通費)及び旅費の重複における議会事務局の確認について
    政務活動費(交通費)と旅費の支出記録との突合を行っている。また、会派に対しては、政務活動費マニュアルに沿って処理するよう指導している。しかし、本件政務活動費と本件旅費の重複は、発見できなかった。
  (5) 本件政務活動費の訂正報告及び返還について
   ・ 現状、群馬県では訂正報告に関する規定(ルール)はない。
   ・ 自由民主党及びリベラル群馬(以下「両会派」という。)から、自主的に政務活動費の訂正報告書が提出され、その内容を審査したところ、適正と認められたため、これを受理して政務活動費の支給額の再確定を行った。
    また、これにより残余額が発生したため、過年度戻入として、両会派に対し納入通知書を発行し、返還を求めた。
  (6) 本件政務活動費の返還における法定利息(又は遅延損害金)について
    両会派に対し、法定利息は求めていない。政務活動費条例に法定利息や遅延損害金を求める規定はなく、民法(明治29年法律第89号)第704条に規定する悪意の受益者とは考えていないので、法定利息は不要と考えている。悪意の受益者と考えていない理由については、両議員は当初の収支報告書提出時に不適切な支出が含まれている認識はなかったと考えるためである。
    また、政務活動費条例には政務活動費の収支報告書の提出期限を定めた規定はあるが、残余金の返還期限を定めた規定はなく、残余金の返還は期限の定めのない債務である(平成25年11月18日福岡地裁判決)。

<P4>
    今回の返還金の納期限は、自由民主党は令和2年10月5日、リベラル群馬は同年11月4日、納入されたのが、それぞれ同年9月30日、同年10月21日であるため、支払遅延は発生していない。
  (7) 本件措置請求における両議員の見解について
    訂正報告書の提出を受け、改めて両会派に確認したところ、両議員とも疑いを持たれたこと自体が不注意であったことを反省しており、故意によるものではないとのことだった。
  (8) 請求人の主張に対する見解について
   ア 議会開会中、議員に対して旅費として1日につき、6,200円が支給され、調整日や議案調査日などの行事がない日でも、議会に登庁するだけで支給されるとする主張について
     旅費の金額は、距離によるため、議員により異なる。6,200円は八木田議員の場合の金額である。また、調整日や議案調査日でも支給されるが、議員活動を行うために登庁しているのであり、議会に登庁するだけで支給されるとする請求人の見解は当たらない。
   イ 本件政務活動費と本件旅費の二重請求及び過大請求の可能性があるとする主張について
     1日に2往復したことを説明できる日もあるが、時間がたっているので記憶が薄れている部分もあると会派からは聞いている。
     本件政務活動費は、不当利得状態だった可能性はあるが、今回、自主的な訂正報告と返納等が行われたことにより、その状態は既に解消されたと考えている。
   ウ 自動車使用記録簿に記された行先や使用目的はいずれも自己申告であり、政務活動との因果関係についても、復命書等、第三者に対して疎明し得る証拠がない限り、不信感を禁じ得ないとする主張について
     議会として、政務活動費の使途の透明性の確保を図るため、具体的な運用を政務活動費マニュアルとして取りまとめ、会派間及び議員間において統一的な運用を図っており、自動車の走行距離による支払については、会派の代表者が証明することとされている。したがって、請求人の主張は当たらないと考える。
 2 事実関係の確認
  (1) 政務活動費の支出権限者について
    政務活動費を群馬県議会の各会派の代表者に交付(支出)する権限については、群馬県財務規則(平成3年群馬県規則第18号)第3条及び群馬県事務委任規則(昭和43年群馬県規則第72号)第5条の規定により、知事から議会事務局長に委任されている。
  (2) 知事に提出される書類について
    会派の代表者は、政務活動費条例第9条第1項及び第3項の規定により、政務活動費に係る収支報告書及び領収書等の証拠書類を、当該年度の終了の日の翌日から起算して 30日以内に議長に提出しなければならないこととされており、議長は、群馬県政務活動費の交付に関する程規(平成13年群馬県議会訓令甲第1号)第6条の規定により、当該収支報告書及び証拠書類の写しを知事に送付することとされている。
  (3) 本件旅費と本件政務活動費の支出の突合について
   ア 八木田議員
 事実証明書/令和元年度/議会活動/政務活動/本件政務活動費(走行キロ数×単価(円)=合計(円))/本件旅費支出の有無
1/5月16日/調整日/前橋市 県勤労福祉センター・消費者団体意見聴取/65×37=2,405/有
   5月21日/議案調査/前橋市 群馬自治労会館・自治労群馬県本部意見交換/85×37=3,145/有
   5月22日/議案調査/前橋市 天川原町/女性と政治を考える会/70×37=2,590/有
   5月計////220×37=8,140/
 2, 3/7月//1,200-1,020=180キロ//180×37=6,660/誤集計
7月計////180×37=6,660/
 4/8月23日/議運委・本会議/前橋市 群馬自治労会館/自治労自治体議員連合総会/85×37=3,145/有
8月計////85× 37=3,145/

<P5>
 5/9月19日/議案調査/前橋市 群馬県庁/県教組意見交換/80×37=2,960/有
   9月26日/議案調査/前橋市 福対協ビル/国民民主党群馬県連地方議員情報交換/90×37=3,330/有
   9月30日/議案調査/前橋市 敷島公園/食と環境を考える会現地調査/80×37=2,960/有
   9月計////250×37=9,250/
 6/10月3日/議案調査/前橋市 前橋市役所/前橋市職労意見交換/80×37=2,960/有
   10月8日/議運委/前橋市 群馬県庁/食と環境を考える懇親会/80×37=2,960/有
   10月29日/議運委/前橋市 群馬県庁/会派打合せ/80×37=2,960/有
   10月計////240×37=8,880/
 7/12月5日/議案調査/前橋市 群馬県庁/観光による地域振興学習会/80×37=2,960/有
   12月10日/議案調査/前橋市 県勤労福祉センター/連合群馬政策研究会/70×37=2,590/有
   12月13日/議運委/前橋市 群馬県庁/県病院労組打合せ/80×17=2,960/有
   12月計////230×37=8,510/
 8/3月2日/議案調査/前橋市 群馬教育会館/群馬県教組ヒアリング/80×37=2,960/有
   3月12日/議案調査/前橋市 群馬県庁/労働政策調査/80×37=2,960/有
   3月17日/議運委/前橋市 群馬県庁/会派打合せ/80×37=2,960/有
   3月25日/議運委/前橋市 群馬県庁/会派打合せ/80×37=2,960/有
   3月計////320×37=11,840/
   合計////l,525×37=56,425/
   イ 萩原議員
 事実証明書/令和元年度/議会活動/政務活動/本件政務活動費(走行キロ数×単価(円)=合計(円))/本件旅費支出の有無
 9/9月30日/議案調査/群馬県県庁/中小企業の支援について/150×37=5,550/有
   9月計////150×37=5,550/
 10/10月7日/委員会予備日/前橋市議会庁舎/各種団体からの要望聴取/150×37=5,550/有
   10月8日/議運委/前橋市議会庁舎/各種団体からの要望聴取/150×37=5,550/有
   10月16日/決算委/前橋市 県議会庁舎/台風19号被害状況調査/150×37=5,550/有
   10月21日/調整日/前橋市 県議会庁舎/SGDsの普及について/150× 37=5,550/有
   10月計////600×37=22,200/
 11/11月28日/議案調査/高崎/国と県との連携について/180×37=6,660/有
   11月計////180×37=6,660/
 12/12月5日/議案調査/前橋市 県民幸福度向上に向けた取り組みについて/150×37=5,550/有
   12月11日/特別委/前橋市/国体開催に向けた取組について/150×37=5,550/無
   12月13日/議運委/前橋市/群馬DCについて/150×37=5,550/有
   12月計////450×37=16.650/
 13/2月18日/議案調査/群馬県庁/産業及び経済に関する意見交換/150×37=5,550/有
   2月19日/議案調査/群馬県庁/新型コロナウイルスの防止策について/150×37=5,550/有
   2月26日/議案調査/前橋テルサ/まちづくりシンポジウム参加/150×37=5,550/無
   2月計////450×37=16,650/
 14/3月6日/議運委・本会議/前橋市/新型コロナウイルス県内拡大防止について/150×37=5,550/有
   3月16日/特別委/群馬県庁/新型コロナウイルス県内拡大防止について/150×37=5,550/有
   3月25日/議運委/群馬県庁 県全体の情報発信や誘客について/150×37=5,550/有
   3月計////450×37=16,650/
   合計////2,280×37=84,360/
 ※ 議会活動と政務活動の内容は、措置請求書における請求人の事実証明書による。
 以上のとおり、同一日に本件政務活動費と本件旅費が支出されている日があること、及び八木田議員の令和元年度7月に誤集計による本件政務活動費の支出があることを確認した。
  (4) 本件政務活動費の返還について
    両会派から、議長に政務活動費に係る収支報告の訂正報告書が提出され、議会事務局長が政務活動費交付額を再確定の上、以下のとおり、両会派に対して、請求人が主張する本件政務活動費(議員が議会出席簿に押印していない日を除く。)は、残余額の返還請求を行い、県の歳入になっていた。
    また、法定利息は請求していなかった。
   ア 自由民主党
    ・ 令和元年度訂正報告書収受日:令和2年9月14日
    ・ 請求日:令和2年9月23日(納期限:同年10月5日、納付日:同年9月30日)
    ・ 納付額:177,008円(なお、納付額には、本件措置請求以外の訂正箇所も含まれる。)
   イ リベラル群馬
    ・ 令和元年度訂正報告書収受日(第1回):令和2年9月14日


(第2回):同年10月13日
    ・ 請求日:令和2年10月20日(納期限:同年11月4日、納付日:同年10月21日)
    ・ 納付額:66,045円(なお、納付額には、本件措置請求以外の訂正箇所も含まれる。)

第10 監査委員の判断
 1 判断
   本件措置請求において、請求人は、八木田議員と萩原議員が本件旅費の支給日と同日に、本件政務活動費の支払を受けていることは二重請求、過大請求に当たり、違法・不当であるから、監査委員は、群馬県知事に対し、八木田議員に違法・不当に支出された政務活動費56,425円及び支払から返還までの法定利息を加えた金額と、萩原議員に違法・不当に支出された政務活動費84,360円及び支払から返還までの法定利息を加えた金額につき、両議員に返還させるなど、必要な措置を講じるように勧告することを求めているものと解される。
   そして、本件措置請求において、違法・不当に支出された本件政務活動費を返還させるためには、本件政務 活動費と本件旅費の支払において、明らかな二重請求及び過大請求があり、(議)総務課が両会派に対し、本件政務活動費の返還を求めていない状態でなければならない。
   これを本件についてみるに、二重請求及び過大請求であると疑われる事例について、 (議)総務課が両会派に対し、確認を求めた結果、両会派から議長に自主的に訂正報告書が提出され、議会事務局長が政務活動費交付額を再確定の上、残余金の返還請求を行い、県の歳入になっていることで、請求人の主張する県の損害は補填されていると認められる。
   また、法定利息については、政務活動費条例には当該法定利息を求める規定はない(←当会注:規定がないならすぐ作るべき)しかし、本件政務活動費は、一般原則である民法の不当利得に当たる可能性があり、その場合、民法第704条は、「悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。」と規定している。
   そして、政務活動費における悪意の受益者であるかどうかの裁判例では、「民法704条の「悪意の受益者」とは、法律上の原因のないことを知りながら利得した者をいい、政務活動費からの各支出についていえば、議員としての活動との間に合理的関連性が認められない支出(すなわち、本件条例及び本件規程の定めに違反した支出)であることについて認識していることをいうものと解すべきである。もっとも、議員としての活動との間に合理的関連性が認められるか否かは、法的評価に関わる問題であるから、当該支出が合理的関連性を有さないことが明らかな場合でない限り、合理的関連性が認められないことについて悪意であると認めることはできないというべきである(平成30年8月28日東京地裁)。」と判示している。
   本件政務活動費について、(議)総務課が会派に両議員の認識を確認したとごろ、疑いを持たれたこと自体が不注意であったことを反省し、故意によるものではないとのことであり、議員としての活動との間に合理的関連性が認められない支出であることについて認識していた事実を認めるに足りる特段の事情がないことから、悪意があるとまでは認めるごとはできず、法定利息を請求しないことが違法又は不当であるとはいえない。
 2 結論
   以上のとおりであるから、請求人の主張には理由がなく、これを棄却する。
                                以上
**********

■読者の皆様は、上記の監査結果を読んでどのような感想をお持ちになりましたか。

 最後の結論は「以上のとおりであるから、請求人の主張には理由がなく、これを棄却する。」とあり、あたかも当会の住民監査請求には意味がないような表現ですが、実質的には、当会の指摘通りに、ふたりの県議の旅費に対して、群馬県が不正に公費を支出した事実が証明され、県議が不正に受け取った公費を返還したことが明らかにされました。

 しかし、今回の住民監査請求で当会が問題点として挙げた次のことについては、まったく監査結果に触れられていないか、もしくは反映されていません。

@1キロメートルあたり37円という旅費の算出根拠は、公共バス料金がベースとなっており、個人が自家用車を使って移動している場合は燃料代のみにすべきであり、実勢にそぐわない。
A自動車使用記録簿に記された行先や使用目的はいずれも自己申告であり、政務活動との因果関係を示す証拠(復命書、打合せメモなど)の提出が必要なのではないか。
B県議らが不正利得として受け取っていた旅費は、今回の監査請求が端緒となって返還されたが、一定期間、県議らの不正利得であったことから、法定利息が加算される必要がある。


 さらに、今回の監査結果から、あらたに次の疑問点や課題点が生じます。

a) 二重請求による不法利得としての法定利息の考え方
 監査結果では、不当利得について民法704条を根拠として「悪意の受益者」の場合に限り、法定利息を付して返還しなければならないが、今回の場合、「1日に2往復したことを説明できる日もあるが、時間がたっているので記憶が薄れている部分もある」と2名の県議のそれぞれの所属会派から聞いていると議会事務局の総務課が監査委員に対して説明したことから、二重請求に当たることを認識していて、今回このことがバレてしまったため仕方がなく返還に応じたことが窺える。したがって、この場合、民法第704条は,「悪意の受益者は,その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において,なお損害があるときは,その賠償の責任を負う。」と規定していることから、利得者である会派が「悪意の受益者」であると考えるのが妥当である。
 ところが、監査委員の判断によると、今回の場合「悪意の受益者とは、法律上の原因のないことを知りながら利得した者をいい」さらに「政務活動費からの各支出についていえば、議員としての活動との間に合理的関連性が認められない支出(すならち、本件条例及び本件規定の定めに違反した支出)であることについて認識していることをいう」と定義付けているにもかかわらず、「もっとも、議員としての活動との間に合理的関連性が認められるか否かは、法的評価に関わる問題であるから、当該支出が合理的関連性を有さない個tが明らかな場合でない限り、合理的関連性が認められないことについて悪意であると認めることはできない」などと、煙に巻く回答で胡麻化している。
 1日に2往復したことが疎明されない限り、県議として、あるいは会派として、政務活動費の運用のガイドラインはそもそも熟知していたことになるから、二重請求をした事実について、議員活動との間の合理的関連性は関係ないはず。よって、法定利息も含めて返還しなければならない。

b)議会事務局の果たすべき役割
 議員から会派を通じて提出された政務活動費の申告内容について、今回、議会事務局が二重請求など不適切な内容について、チェックできなかったことについての反省が全く見られない。
 監査結果の中で、議会事務局総務課は「政務活動費(交通費)と旅費の支出記録との突合を行っている。また、会派に対しては、政務活動費マニュアルに沿って処理するよう指導している。しかし、本件政務活動費と本件旅費の重複は、発見できなかった」と監査委員に対して説明しているだけで、そこに反省や謝罪を示す言葉は皆無である。
 そもそも、議会事務局がきちんと業務責任を果たしていれば、今回の二重請求や水増し請求は容易にチェックでき、会派を通じて議員らに指導できたはず。
 しかし、それを怠りながらも、反省の色が全く示されない。法定利息さえ、不当利息者の議員らに請求するつもりもない。これでは、議会事務局の存在価値が見いだせない。

c)監査委員(ないし同事務局)の果たすべき役割
 監査報告では、当会が問題提起した「自動車使用記録簿に記された行先や使用目的はいずれも自己申告であり、政務活動との因果関係についても、第三者への疎明し得る証拠が必要だ」とする指摘に対して、「政務活動費の運用について、マニュアルとしてとりまとめて会派や議員により統一的な運用が図られていることから、今回の場合会派代表者が証明しているので、当会の主張は当たらない」などと、とんでもない判断をした。
 これでは、監査委員としての責務を放棄したも同然であり、群馬県の監査制度の無責任体制は今回も露呈したと言える。

d)政務活動費の「自主的な」訂正報告と返還の時期や金額についての疑義
 監査報告では、議会事務局の主張や説明として、「現在、群馬県では訂正報告に関する規程(ルール)はない」と明記している。しかも、今回の住民監査請求日である9月14日と同日に、八木田恭介県議が所属するリベラル群馬と、萩原渉県議が所属する自由民主党の両会派から、訂正報告書が提出され収受されている。なお、リベラル群馬からは10月13日にも第2回目の訂正報告書が提出され収受されている。
 そして、議会事務局では、リベラル群馬の2件の訂正報告書を踏まえて、10月20日にリベラル群馬に対して、66,045円(本件住民監査請求分56,425円以外の訂正箇所を含む)を請求し、翌10月21日にリベラル群馬から納付された。
 他方、自民党の1件の訂正報告書を踏まえて、9月23日に自民党に対して、177,008円(本件住民監査請求分84,300円以外の訂正箇所を含む)を請求し、1週間後の9月30日に自民党から納付された。
 通常、当会が住民監査請求をした日と当日に、訂正報告書が出せるものだろうか。たしかに、太田市在住の県民のかたは、2020年8月5日に当会をはじめ、各マスコミ機関や群馬県監査委員にも、今回の政務調査費の不正支出について通報していた。そのため、某マスコミ社が、当会の住民監査請求の9月14日以前に、既に議会事務局にコンタクトしていた。そのため、旅費(交通費)の不正支出について、議会事務局から会派に対して、「不正がバレた」という情報はその時点で既に連絡されていたことは間違いない。
 とはいえ、当会が住民監査請求をした日に合わせて、訂正報告書が提出されるのはあまりにもタイミングが良すぎる。おそらく、これはまずいと思い、急遽訂正報告書を作成したか、あるいは日付をバックデートして同日に合わせたか、議会筋での事情が垣間見える。
 また、訂正報告書記載の金額が、両会派ともに今回の住民監査請求分以外の訂正箇所も含まれていることから、当会の住民監査請求がもとで、他の不正支出もヤバいと感じて、その分も訂正分に繰り入れた可能性も考えられる。

 以上a)からd)までの疑義を考えますと、新たに監査委員事務局ないし群馬県議会議長に対して次の情報開示請求をすることで、経緯を確認する必要がありそうです。

(1)議会事務局総務課が会派に両議員の記載を確認したところ「疑いを持たれたこと自体が不注意であったことを反省し、故意によるものではない」とのことであったとしている旨裏付ける文書(聞き取りメモなどを含む)
(2)自民党とリベラル群馬が議会事務局に提出した政務活動費の訂正報告書(計3件。収受印のあるもの)
(3)自民党とリベラル群馬に対して議会事務局が出した請求書
(4)上記(3)に基づく両会派からの納付の事実が分かる情報


■それにしても、今回の住民監査では、議会選出の監査委員2名が地方自治法199条の2の規定を理由に除斥され監査に加わりませんでした。政務活動費の不正の根絶のためには、むしろ、自らの議会、会派、所属議員が関わった不正支出について、きちんと正面から取り組んだ方が、身に染みるはずだと思われるからです。
※第百九十九条の二 監査委員は、自己若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、監査することができない。

 最後に、今回の不正支出を指摘して通報していただいた太田市在住の県民のかたに、この場をお借りして、当市民オンブズマン群馬から厚く御礼を申し上げたいと存じます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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