【大同有害スラグ問題】市道スラグ訴訟控訴審で大同が突然補助参加したあと原告住民が痛烈に反論!  スラグ不法投棄問題

■大同特殊鋼(株)渋川工場由来の鉄鋼スラグは、有毒物質であり産業廃棄物です。不法に投棄されている廃棄物は撤去し、片づけなければなりません。しかし、群馬県県土整備部や国土交通省、そして渋川市の3者は、「鉄鋼スラグ連絡会議」というおよそ廃棄物とは関係ない怪しげな組織を立ち上げ、撤去はおろか、アスファルト舗装により被覆する工事が行われました。

 大同スラグ問題で当会は、群馬県東吾妻郡萩生川西地区の農道に不法投棄されたスラグについて、提訴し控訴審まで争った結果、「直ちに被害はない」などとして敗訴させられました。そうしたなかで大同の有毒スラグを巡り、当会の萩生スラグ裁判とは別の群馬県渋川市の市道(農道)に不法投棄されたスラグ裁判の判決で、8月5日に渋川市住民側が事実上勝訴しました。

 ところが、市民の生活環境保全を守るべき渋川市は8月19日までに控訴し、10月6日付で控訴理由書を提出しました。さらに大同特殊鋼が補助参加し、11月6日付で22ページもの準備書面(1)を東京高裁に提出してきました。まるで裁判が大同に乗っ取られたかのようです。

 これに対して住民側は、11月4日付で控訴人の渋川市長及び補助参加人の大同特殊鋼に対して、控訴答弁書を東京高裁第7民事部に提出しました。その後、11月27日付で大同の補助参加に係る異議申立書と併せて、大同の準備書面(1)への被控訴人として反論する為、準備書面Aを高裁に提出しました。



 なお、この問題に関するこれまでの情報は当会の次のブログ記事を参考にして下さい。
〇2018年6月6日:【報道】大同有害スラグを斬る!・・・もう一つのスラグ訴訟始まる!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2661.html
〇2018年6月10日:【報道】大同有害スラグを斬る!・・・もう一つのスラグ訴訟始まる!(その2)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2665.html
○2018年7月16日:大同有毒スラグを斬る!…毒物入スラグ撤去を求めない県・渋川市と撤去したがらない大同らの共通利害とは
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2698.html
○2020年8月6日:【速報】大同有害スラグ報道・・・スラグにアスファルトでフタすることは違法判決!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3186.html
○2020年8月13日:【大同有害スラグ問題】・・・“スラグにアスファルトでフタすることは違法”と断じた判決文について考察
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3189.html
○2010年10月9日:【大同有害スラグ問題】渋川市が控訴理由書を提出!そこになんと訴訟参加人として大同特殊鋼の名前が!!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3216.html
○2020年11月15日:【大同有害スラグ問題】渋川市の控訴は大同のシナリオ?訴訟参加人として準備書面(1)を出した大同の本性!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3238.html
○2020年12月2日:【大同有害スラグ問題】市道スラグ訴訟控訴審で大同が突然補助参加した訳を公開質問したら渋川市長が回答!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3249.html

■東京高裁に住民側が被控訴人として提出したのは、次の3つの裁判資料です。はじめは11月4日付で、東京高裁第7民事部に提出された控訴答弁書です。

*****11/4控訴答弁書*****ZIP ⇒ 20201104ti.zip
<P1>
令和2年(行コ)第181号
 渋川市が産業廃棄物撤去請求等を怠る事実の違法確認請求控訴事件
控 訴 人  渋川市長 高木 勉
被控訴人   角 田 喜 和
補助参加人  大同特殊鋼株式会社

           控 訴 答 弁 書

                   2020年11月4日

東京高等裁判所 第7民事部  御 中

          被控訴人訴訟代理人弁護士  吉  野     晶
                               外2名

第1 控訴の趣旨に対する答弁

 1 本件控訴を棄却する
 2 控訴費用は控訴人の負担とする
 との判決を求める。

第2 控訴理由書第1に対する反論等
 1 同1(地方自治法238条の4)は否認ないし争う。
   地方自治法238条の4は,行政財産の効用を減少する処分行為等を原則禁ずるものに過ぎないから,所有権に基づく妨害排除請求の不発生を基礎づける法令ではなく,原判決の誤りの指摘ともならないから,控訴理由にならない。
 2 同2(道路法における道路の管理)は否認ないし争う。

<P2>
   原判決は,道路法による行政処分(控訴人渋川市が指摘する原状回復処分)に関する権能(公法上の権能)を,物権的請求権である所有権に基づく妨害排除請求権(私法上の権利)の発生根拠としていないから,控訴人の指摘は原判決の法律構成の誤りを指摘するものといえず,控訴理由にならない。
   なお,本件市道をアスファルトで覆ってしまった状況は写真(甲11号証)からも明らかであるが,控訴人渋川市も「被覆工事」と主張しているとおり,本件市道について,公共工事の一つとしての「道路工」が行われたものではないことに注意を要する。
   単に,本件スラグが搬入されて存置されている状況を覆い隠す目的で,物理的にアスファルトで覆っただけであって,通常の「道路工」としての舗装工事がなされたわけではない(その意味で,道路法上の管理行為としての義務憮怠が控訴人渋川市に認められるが,本訴訟は住民訴訟であるから,問題としていない。)。
 3 同3(地方財政法8条)は否認ないし争う。
(1)本件で,被控訴人が問題にしている「怠る事実」のもとになった控訴人渋川市の行為は,次のように要約できる。
   すなわち,控訴人渋川市は,自らが所有する本件市道の敷地上に,補助参加人大同特殊鋼から排出された本件スラグ(有毒な鋼滓。基準値を超えるフッ素が検出されていることは甲1号証参照),すなわち産業廃棄物(一般廃棄物ではない。)が搬入され,かつ,そのまま存置されていることを知りつつ,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下,単に「廃棄物処理法」という。)に定める処分方法に従わず,控訴人渋川市の所有する本件市道の敷地内に,そのまま保持(保管)するために,本件スラグの上に,アスファルトで覆ってしまい,外見上その存在を分からなくしてしまったのである。
   この点について被控訴人は,控訴人渋川市が産業廃棄物法に違反する「私設の産業廃棄物処理場」を無許可で作っただけだと批判をしているところである。

<P3>
(2)有害な毒素を周囲に放散する本件スラグを控訴人渋川市が所有する本件市道の敷地上に残置したまま,道路工としての施工をすることなく,単に上から覆い隠す工事をしただけであることにより,控訴人渋川市は,その所有する本件道路敷地を,公共施設としての道路(控訴人渋川市が管理する市道)と指定していたにもかかわらず,道路としての効用を損なう施工方法をもってしてまで 有害産業廃棄物を覆い隠して保持したことにより客観的交換価値を減じさせたことはもちろん,本件スラグの撤去等処理費用を増大させることになったのであって,産業廃棄物処理法上で許容される産業廃棄物処理場ではない本件市道で本件スラグを保持する行為が「常に良好の状態においてこれを管理し」たと評価されることは,絶無である。
  したがって,控訴人渋川市が指摘するような「特段の事情」を論ずるまでもなく,地方財政法8条違反(もちろん,裁量権違反でもあるが,直接の法令違反行為であるから,裁量権を問題にする余地がない。)である。
(3)控訴人渋川市は,「自らの判断と責任において,合理的裁量に基づき適正な措置を取った」かのように述べているが,傲慢な態度であり,法律に基づく行政の原理を全く顧みない主張であって,信じがたい。
   先述のとおり,控訴人渋川市は,無許可で,産業廃棄物処理法に適合しない,アスファルトでただ覆うだけの私設の産業廃棄物処理場を,市道認定している公共施設たる「道路」に作り出して,保持する行為を行ったに過ぎず,合理的な裁量などとして救済する必要もない。

第3 控訴理由書第2に対する反論等
 1 同2は争う。
   本件協定書は,何ら法律の根拠に基づかないものに過ぎない。
   被控訴人は,原審において,本件協定書がいったい,どの法律のどの条文に基づく協定であるのか明らかにするように求めたが,それへの回答は今日まで

<P4>
ない。
   そのため原判決は,「公法である土壌汚染対策法及び廃棄物処理法における本件スラグの取扱いに関するものであり…これらに適合するものであったとしても」と認定し,本件協定書が法律に適合するものかどうかも判断していない。
   さらに,そのような取り決めが何らかの効力を有するものであったとしても,法令上の根拠もはっきりしないうえ,単に廃棄物処理法違反の,私設の廃棄物処理場を,どこにでも創設することを許容するかのような本件協定書が,本件スラグが本件市道に搬入されて基準値を超えるフッ素が検出される状況が判明したのちに作成されたとしても,既発生の私法上の所有権に基づく妨害排除請求権を行使しないことが正当化されるものではない,という原判決に,何の誤りもない。
 2 同3については否認ないし争う。
   控訴人渋川市は,被覆工事で本件スラグが空気中に飛散せず,また,その物的塊に人間が接触する可能性を途絶させたことについて,「地域住民の生命,身体の安全性が確保され,財産的価値にも支障がなくなった」と主張しているが,完全な誤りである。
   まず,被控訴人が原審で繰り返し述べているように,本件スラグは,有害な鋼滓であって,産業廃棄物処理法によって規制される産業廃棄物である。産業廃棄物処理法は,国民の生命身体だけでなく,国民の生活環境の保全をも保護法益としており(同法1条),土壌汚染対策法より,広い保護法益を対象としている。本件スラグを廃棄物処理法に従って管理,処分していない控訴人渋川市の実情は明らかであり,同法の生活環境の保全に支障が生じているか,あるいは,支障が生じるおそれが現存している事実は,いまもなお変わらないのである。
   したがって,財産的価値に支障がなくなったなどという評価は誤りである。
   なお,土壌汚染対策法は,国民の生活環境への支障があることは前提として

<P5>
も,国民の生命身体という最重要の保護法益だけは守ろうという法律であるから(同法1条。同法は, 大気汚染防止法,水質汚濁防止法,廃棄物処理法と違って,国民の生活環境の保全は保護法益に含まれていない。),保護法益のより広い産業廃棄物処理法が土壌汚染対策法に優先して適用されることは論を侯たない。
 3 同4は争う。
 4 同6は否認ないし争う。
   本件協定書は,廃棄物処理法や土壌汚染対策法に「関する」ものであるようであるから,環境基本法やこれに基づく渋川市環境基本条例(甲13号証)こそが,控訴人渋川市における,本件スラグヘの対処方針を定めるうえでの,あるいは,行政機関相互の契約を締結するうえでの,解釈指針である。
   しかし,控訴人渋川市には,環境基本条例を意識した片りんもなく,かつ,産業廃棄物処理法の保護法益である生活環境の保全に努めた形跡もない。
 5 同7は否認ないし争う。
   原判決は,本件協定書が何らの法令に適合していると認定していない。
   繰り返しになるが,産業廃棄物処理法は,生活環境の保全をも保護法益としているうえ,環境基本法や渋川市環境基本条例(同1条,同2条(3),同4条,同8条(1),同11条など)は, 渋川市に対し,人の生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずることを防止し,生活環境に被害を及ぼす環境保全上の支障を防止し,自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し必要な措置を講じることなどを責務として課している。
   それにもかかわらず,控訴人渋川市は,有害な毒素を周囲に放散する本件スラグが,公共施設としての道路(控訴人渋川市が管理する市道)敷地上に残置されることを容認し,通常の道路工としての施工をすることなく,単に散乱する本件スラグを覆い隠す工事をしたことにより,道路としての効用を損ない,

<P6>
有害産業廃棄物を覆い隠して保持したことにより客観的交換価値を減じさせ,産業廃棄物処理法で許容されない私設の産業廃棄物処理場を創設したのであるから,財産的価値の減少,しかも将来に亘る長期の財産的価値の減少を招いたことが明らかである。
 6 同8は否認する。
   回復できない財産的価値云々は独自の立論であって失当である。
   なお,本件スラグ(有毒である)を「路盤材」として使った道路と主張している個所があるが,これは,控訴人渋川市がもはや行政機関としての適法性の推定が及ぶような行政行為を行っていなかったことを自認するようなものであり,非常に驚愕し,かつ,住民として失望することであるため,釈明を求める。
 (求釈明)
  本件市道において,有害な毒素を含有しており,土壌に基準地を超えるフッ素が検出される本件スラグについて,「路盤材」として使用したという主張が控訴理由書で複数個所に存在するが,間違いないのか。
  そうであればなぜ「道路工」を実施せず,「被覆工事」をしているのか。
 7 同9は争う。
   原判決の説示を控訴人渋川市が理解できていないだけであるうえ,原判決の説示内容を曲解しており,意味をなさない。
 8 同10及び11は争う。
   すでに反論をしたので繰り返さないが,控訴人渋川市の主張は,廃棄物処理法でどう定められていようが,渋川市が取り決めて対応したことに文句をつけるな,と言わんばかりの暴論である。

第4 控訴理由書第3に対する反論等
 1 原判決が引用する高裁判例との事案の違いの指摘は認め,大同特殊鋼が侵害状況の作出者と認定できないとの点は否認ないし争う。

<P7>
 2 廃棄物処理法は,鋼滓等産業廃棄物については,産業廃棄物の排出者に対し,許可を得た業者のみへの処理委託を許容し,同業者がこれを搬出し,搬送し,許可を得た産業廃棄物処理場において,適法に処分することを定めている。逆に言えば,これに沿わない産業廃棄物の処分の在り方を全く許容していない。同法律違反行為があった場合には,行政処分の対象となるほか,刑事罰をもって厳正に処罰される。
 3 補助参加人大同特殊鋼が実践していた逆有償取引(甲14号証)は,産業廃棄物処理法の極めて厳格なトレーサビリティ制度を無にする行為であって産業廃棄物処理法の趣旨に全くそぐわないものであるほか,産業廃棄物処理法の定める生活環境保全,生命身体の安全のいずれの保護目的を達成するにあたっても,取引安全を勘案する必要性がなく,逆有償取引という商取引の常識にそぐわない取引行為を行ってまで本件スラグを廃棄物処理法に従った処分に付することを回避し,かつ,その逆有償取引を群馬県が認定できただけでも複数年時に亘って持続していたというのであるから,その不法性の認識も極めて強度のものと評価される。
 4 廃棄物処理法は,生活環境の保全だけでなく国民の生命身体という最も基本的で重大な法益の保護も目的とする法律であることを踏まえると,有毒な本件スラグを輩出した補助参加人大同特殊鋼が行っていた無許可業者への本件スラグの販売等私法取引(しかも逆有償取引)は,単なる行政取締法規違反に留まらず,公序良俗に反し無効である(食品衛生法違反の有毒性物質が混入したアラレを販売する行為を無効とした最判昭和39年1月23日民集18巻1号37頁など)。
 5 したがって,本件市道上にある本件スラグを輩出した補助参加人大同特殊鋼が本件土地所有権を侵害しているから,原判決の認定に誤りはない。
 6 なお,控訴人渋川市は,本件スラグを本件土地に保持することを承諾していたものであり,意思に反する投棄ではないなどと述べている。

<P8>
   このような主張を行政機関が訴訟上で展開することは,驚きというほかはないが,廃棄物処理法上,自己所有地に,廃棄物を不法に残置しておくことは,不法投棄である。行政機関が,廃棄物処理法に違反する行為を行ったというのであれば致し方ないが,当該行為が違法の誹りを免れないことは言うまでもない。
   また,その承諾が,原判決が認定した士地所有権に基づく妨害排除請求権の放棄であるという趣旨であれば,そのような財産権の放棄は本件協定書締結によっては行うことができないから,法律上有効に妨害排除請求権の放棄があっ たとは評価されない。
                            以 上
**********

■次に、11月27日付で高裁に提出した大同特殊鋼の補助参加申出を却下するよう求めた被控訴人の異議申立書の内容は次のとおりです。

*****11/27異議申立書*****ZIP ⇒ 20201127_igi_mousitatesho.zip
令和2年(行コ)第181号
 渋川市が産業廃棄物撤去請求等を怠る事実の違法確認請求控訴事件
控 訴 人  渋川市長 高木 勉
被控訴人   角 田 喜 和
補助参加人  大同特殊鋼株式会社

         異 議 申 立 書

                  2020年11月27日

東京高等裁判所 第7民事部  御 中

     申立人(被控訴人訴訟)代理人弁護士  吉 野   晶
                           外2名

第1 申立の趣旨
   補助参加人の参加申出を却下する
 との裁判を求める。

第2 申立の理由
 1 補助参加の要件を欠くこと
   補助参加の要件には,訴訟の結果についての法律上の利害関係が必要である。これは,補助参加人の権利義務その他の法律上の地位が,訴訟物判断との論理上の先決関係にあることをいう(裁判所書記官研修所監修『民事訴訟法講義案』260頁など参照)。つまり,判決理由中の判断によって直接間接に法律上の不利益を受けるという程度では足りない。
   本件では,原審判決主文第2項において,補助参加人を特定して記載しているものの,控訴人による撤去請求を怠る事実の違法を確認したにとどまり,控 訴人による補助参加人に対しての撤去請求を義務付けたものではない。本件は, 地方自治法 242条の2第1項3号請求であって,同項4号請求ではないのである。
   控訴人の地方自治体としての財産管理行為そのものを問題とする本件の原審判決主文との関係で,補助参加人には法律上の利害関係がない。
   よって,民事訴訟法44条1項に基づき, 補助参加人の補助参加の申出に対する異議を申し立てる。
                            以 上
**********

■同じく11月27日付で、被控訴人の住民側は、補助参加人の大同特殊鋼の準備書面(1)に対する反論を記した準備書面(1)を、高裁に提出しました。

*****11/27準備書面A*****ZIP ⇒ 20201127z.zip
令和2年(行コ)第181号
 渋川市が産業廃棄物撤去請求等を怠る事実の違法確認請求控訴事件
控 訴 人  渋川市長 高木 勉
被控訴人   角 田 喜 和
補助参加人  大同特殊鋼株式会社

            準 備 書 面 A

                     2020年11月27日

東京高等裁判所 第7民事部  御 中

          被控訴人訴訟代理人弁護士  吉 野   晶
                            外2名

第1 補助参加人準備書面(1)について
 1 本件鉄鋼スラグが産業廃棄物でないという主張は許されないこと
(1)原審において,控訴人は,本件鉄鋼スラグが産業廃棄物にあたるのかどうか明確にするよう原審裁判所から釈明を受けていた(わざわざ,いわゆる「おから判決」の存在を原審裁判所が指摘したうえで,控訴人に対して,主張を構成するよう指示したのである。)。
   しかし,控訴人は,原審において,補助参加人がその準備書面(1)で主張するような,本件鉄鋼スラグが産業廃棄物であることを否定する主張を行わなかった。
   そのため,原審裁判所は,原審において,控訴人に対し,本件鉄鋼スラグが 産業廃棄物にあたることは争わないのかどうかを再度期日において釈明させ,控訴人から争わない旨の発言を得て,原審判決に至っている。
(2)しかるに,補助参加人準備書面(1)第2及び同第4, 1に関する主張は,原審における控訴人の主張(本件鉄鋼スラグが産業廃棄物にあたることを前提とする主張)を顧みず,その主張を真っ向から否定するものとなっている。
   補助参加人の訴訟行為は,その性質上,参加当時の訴訟状態に従い,制限される。他人間の訴訟を前提とする訴訟行為であるから,このような制限が加わることは当然であるし,審理の混乱を回避する趣旨からも当然である(裁判所 書記官研修所監修『民事訴訟法講義案』 2 6 1 頁参照)。被参加人と しての攻撃防御方法の提出という観点でも,原審裁判所の釈明手続きを経ていることを勘案すると,すでに時機に遅れた攻撃防御方法の提出と評価されるべき事項である。
   したがって,補助参加人による,本件鉄鋼スラグが産業廃棄物ではないことを前提とする主張(補助参加人準備書面(1)第2及び同第4, 1)については,控訴審の現時点ではもはや行うことができない行為であるから(民事訴訟法45条1項ただし書),陳述することができない。
(3)加えて,控訴人は,原審の訴訟追行においても,また控訴理由書においても,本件鉄鋼スラグが産業廃棄物でないことを主張しておらず,補助参加人の訴訟行為(補助参加人準備書面(1)第2及び同第4, 1)と被参加人の訴訟行為とが矛盾抵触するから,やはり,補助参加人準備書面(1)第2及び同第4, 1の個所については,陳述をすることができない(民事訴訟法45条2項)。これが許されるとすれば,被控訴人は,審級の利益を失うものであり,到底容認できない。
2 法律上の主張について
  妨害排除請求権の存在を認めた原判決について,補助参加人が法律解釈の誤りを主張している点については,否認ないし争う。
                            以 上
**********

■このように渋川市は、完全に大同特殊鋼に支配された自治体であることが露呈しました。

 控訴答弁書の中で住民側が指摘している通り、渋川市は、「有毒スラグが市道に残置されたことを承諾していて、意思に反する投棄ではない」と主張しているのです。

 このような主張を自治体が法廷の場で堂々と主張すること自体、もはや主権在民ではなく、渋川市の主権は大同特殊鋼にあることを示すものです。

 住民側が指摘するように、「廃棄物処理法上、自分の所有地に廃棄物を不法に残置しておくことは、不法投棄そのもの」です。

■どうやら渋川市には、市長を含め、この裁判の意味を考えている幹部職員は皆無のようです。すべて訴訟代理人の田島義康弁護士任せであり、その弁護士仲間のツテで、大同特殊鋼の顧問弁護士らが訴訟に補助参加して、実質的に本件控訴請求事件が乗っ取られているのに、まるで関心が無いというのですから、ましてや渋川市民の生活環境を守る気持ちなど毛頭持ち合わせていないことは明らかです。また、市議会も市議会で、あっさりと臨時会で賛成多数で可決する始末でした。

 控訴審の第1回弁論は、おそらく年明けに東京地裁で開かれる見込みです。当会としても今後の控訴審における控訴人・渋川市と補助参加人の大同特殊鋼の動きを注視してまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報1「渋川市議会議案第88号」
URL ⇒ https://www.city.shibukawa.lg.jp/manage/contents/upload/5f6d3b0de7780.pdf
**********ZIP ⇒ 20200819ascc88.zip
議案第88号
   控訴の提起について
 前橋地方裁判所平成30年(行ウ)第10号渋川市が産業廃棄物撤去請求
等を怠る事実の違法確認請求事件について、次のとおり控訴を提起したいの
で、地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第1項第12号の規定
により、議会の議決を求める。
  令和2年8月19日提出
                  渋川市長 高 木   勉

1 当事者
   群馬県渋川市石原80番地
    控訴人 渋川市長 高 木   勉
   ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
    被控訴人 ■■■■■■
2 事件の概要
  本事件は、渋川市民である原告が、渋川市市道1−4265号線上に大同 特殊鋼株式会社が排出した産業廃棄物である鉄鋼スラグが廃棄されている旨 を主張して、渋川市の執行機関である被告に対し、地方自治法第242条の2第1項第3号に基づき、@被告が、大同特殊鋼株式会社に対し、渋川市市 道1−4265号線上の上記鉄鋼スラグ(以下「本件スラグ」という。)の 撤去請求をすることを怠る事実及びA被告が、本件スラグについて、「渋川市の工事における大同特殊鋼株式会社の鉄鋼スラグ製品の処理に関する基本 協定書」第3条第1項による措置を怠る事実がそれぞれ違法であることの確認を求めた事案である。 原告の訴状における主張に対し、様々反論を行ってきた。
3 判決の内容
 (1)本件訴えのうち、渋川市市道1−4265号線上に存在する大同 特殊鋼株式会社排出に係る産業廃棄物について「渋川市の工事における 大同特殊鋼株式会社の鉄鋼スラグ製品の処理に関する基本協定書」第3条第1項による措置を怠ったことが違法であることの確認を求める部分を却下する。
 (2)被告が、大同特殊鋼株式会社に対し、渋川市市道1−4265号 線上に存在する同社排出に係る産業廃棄物について撤去請求をしないことが違法であることを確認する。
 (3)訴訟費用は、これを2分し、その1を原告の負担とし、その余は 被告の負担とする。
4 控訴の趣旨
 (1)原判決中控訴人敗訴部分の取消し
 (2)被控訴人の請求の棄却
 (3)訴訟費用は、第1審、第2審とも被控訴人の負担
5 本件に関する取扱い
  本件の訴訟は、弁護士に委任する。

理 由
 渋川市が産業廃棄物撤去請求を怠る事実の違法確認請求事件の判決に不服があるので、控訴を提起しようとするものである。

添付 参考資料
**********

※参考情報2「渋川市議会だより2020年11月1日号」
URL⇒ https://www.city.shibukawa.lg.jp/manage/contents/upload/5fa767fbe0075.pdf
*****第4回臨時会のあらまし(ページ7)*****
【控訴の提起について】
 市道1─4265号線上の産業廃棄物について、渋川市が産業廃棄物撤去請求を怠る事実の違法確認請求事件で、大同特殊鋼株式会社に対し、市道上の産業廃棄物の撤去請求権を行使していないのは違法とする判決に不服があるため、控訴を提起しようとするものです。賛成多数で可決しました。
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