【東邦亜鉛安中公害】安中緑の大地を守る会が恒例の清掃作業を6/8に実施。工場視察会は8/21予定  東邦亜鉛カドミウム公害問題

■なかなか梅雨入り宣言が出ない関東地方ですが、2021年6月8日(火)午前8時から、安中市岩野谷地区西岩井にある安中緑の大地を守る会の事務所のある公園で、毎年恒例の清掃作業が行われ、8名ほどの会員が参加しました。
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国道18号線からダイソーとABC Martの間の脇道を信越線の踏切を渡り、オサカベ自動車工業と協立精工を過ぎ、農免道路の上り坂に係る左手に高崎信金のグランドに隣接して安中緑の大地を守る会の事務所と公園がある


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草刈り機を使って除草作業中。
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軒先を補強。
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すっかりきれいになった公園と記念碑。

 1時間半ほどかけて、公園の広場及び進入道路脇の草刈りをしたり、事務所の軒先の補強作業を行いました。やぶ蚊対策として虫よけを顔や首筋、手指に入念に擦り込み、各会員が作業に奮闘した後、10時半に事務所内に集い、30分間ほど情報交換をしました。事務局からお茶とお弁当の差し入れ、それに参加者が持参したお茶菓子をつまみながら休憩を兼ねて談笑が始まりました。

 ことしは意外に夜間の温度が上がらず、水稲苗の生育が遅く、通常であれば5月中旬に田植えを予定していたところ、少し遅れて5月23日に済ませたとの会員からの近況報告がありました。

 汗も引いてきたところで、事務局から本日の清掃作業等について、藤巻会長に挨拶の依頼がありました。会長からは「ご苦労さんです。今日もまた暑くなりそうですね。このコロナ騒ぎは大変なんでけれども、その中で皆さんお元気で何よりです。えらい作業をしてもらいありがとうございます。なかなか、本職に頼めば安ガネでは済まないのですが、実際には、本職並みに作業をしてもらい、いろいろとありがとうございます。ひとつこれからもよろしくお願い致します」と、会員の労をねぎらう挨拶を頂きました。

 続いて事務局長から、報告事項として、これまでの経過と今年8月頃までの予定について報告がありました。東邦亜鉛との協議会については、公害弁護団と会社側との間の折衝の結果、今年の協議会は7月20日(火)に開催予定となりました。これまでは例年、役員が出席して、協議会を年2回開催していましたが、コロナ禍ということもあり、今年は年1回となりました。また、それで、協議会の開催に当たり、東邦亜鉛側から「新型コロナウイルスワクチンは接種してきて欲しい」という提案があったらしく、接種が間に合わない人や接種を希望しない人は欠席もやむを得ないとし、接種済みの人のみの参加で、協議会を実施する予定であることが報告されました。

 7月20日の協議会は、東邦亜鉛と公害弁護団の双方の都合によるもので、弁護士らもいろいろ日程が入っているので、当日しか都合がつかないということになった結果だとのことです。なので、安中緑の大地を守る会の役員は、7月20日を開けておいてもらいたいとの事務局長からの依頼があり、参加者全員により承諾されました。なお、この日13時に会計監査を実施し、監査委員2名立会いのもとで、現物と現金と通帳を突き合わせて確認することになりました。

 例年開催の安中製錬所の工場視察会については、今のところ8月21日(土)午前9時から開催予定です。今回は3年ごとの協定書の更新にあたります。この工場視察会の後、当日午後から、この事務所で、令和3年度の総会を開くことになりました。最近は、視察会でも総会でも参加者が減少傾向にあるため、会員にはなるべく多くの人に声を掛けて参加してもらいたい、との強い要請が事務局長から出され、一同、了承しました。開催案内は期日が迫ってからあらためて文書による通知を出すとのことです。

 続いて事務局から筆者に「東邦亜鉛との関係でなにか動きがあれば」ということで、筆者から、東邦亜鉛関連情報として、北野殿公害対策委員会における活動、東邦亜鉛安中製錬所汚染土壌対策にかかる公特事業の進捗状況、および先日新聞報道された東邦亜鉛安中製錬所における焙焼炉休止とその影響について説明を行いました。

 また、岩井地区で今年度からスタートする原状復旧方式による「碓氷川流域農用地土壌汚染対策計画」に基づく公害防除特別土地改良事業(公特事業)の対象地区の会員から、「今年6月から汚染土壌の入替え作業が始まると聞かされていたが、もう6月になるが、一向にいつ始まるのか、連絡がない」という質問がありました。

■そこで筆者が、安中市に問いあわせたところ、今年度の公特事業のうち、岩井地区の畑地については、現在、汚染土壌の集積場所(土捨場)として、非鉄スラグ置場の南隣にあるN氏及びS氏所有の農地(畑)を選定し、現在竹林となっているため、隣接する農免道路からの進入路及び竹林等伐採作業を行うべく手続き中とのことです。

 農地を汚染土壌の捨て場所とし、東邦亜鉛所有とするために、現在東邦亜鉛が西岩井地区に所有する土地との交換、及び農地を転用するための諸手続きを行う必要がありますが、東邦亜鉛では、昔から周辺住民との協議には一切応じようとせず、かならず「行政を介してしか対応しない」と豪語しています。そのため、今回も、安中市が東邦亜鉛といろいろ交渉しているものと見られます。

 このように東邦亜鉛は、行政の方が与しやすいと考えており、その理由としては政治力を行使できるから、とみられています。東邦亜鉛安中製錬所の事務課の応接室にはかならず小渕優子代議士のカレンダーが飾ってあることからも、その社是がうかがえます。

 というわけで、現在、安中製錬所の東端にある非鉄スラグ置場の南隣付近には、工事中の看板に「休工中」の張り紙がしてあります。おそらく今年度前半に、農地転用や土捨て場に関する地権者(行政が代行)と東邦亜鉛との交渉を終えて、今年度後半に土捨て場の整備に関わる工事が大手組により施工されることになりそうです。

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東邦亜鉛安中製錬所の東端にある非鉄スラグ置場の脇を通る農免道路。この右手奥の竹林を伐採して、公特事業で排土される重金属汚染土壌の土捨て場とする予定。
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工事休工中の看板。大手組が請け負っているが、実際の工期は未定。
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安中公害当時、変電所に反対する農民を騙して農地を買い取り、それを東邦亜鉛に転売した高崎信金の総合運動場。奥に見える小屋が安中緑の大地を守る会の事務所。

■また、例年7月頃、公特事業の役員会議が開催される予定です。安中公害が取りざたされて碓氷川流域農用地土壌汚染対策計画が昭和47年8月11日に承認されてから半世紀が経過しようとしています。ところが中宿や岩井地区等の水田については、排客土ないし汚染土壌の上に客土を施す対策が実施されましたが、岩井や野殿地区の畑地については、半世紀を経てもなお、進捗がほとんど見られません。

 この背景には、前述のとおり、東邦亜鉛が地元住民との直接対話を拒否し、行政仲介のみでの対応をしていることから、政治力を行使して事業推進を徹底して長引かせる作戦をとっており、地元でも東邦亜鉛に協力する一部住民が、事業の進捗に非協力の態度をとっています。

 そして行政側も、平均すると2年ごとに担当者が異動となり、本腰をいれて公害問題の負の遺産の解消に取り組もうとしても困難な状況が挙げられます。そもそも前任者からの引継ぎも不十分であり、「どうせ2年間では、担当として何もできない。ならば、何もせずにリスクを回避したほうがいい。しかし、何もしないと事務事業の実績報告が出来ないから、関係者との協議を行った事実を積み重ねて仕事をしたことにしよう」などと考えている可能性もあります。

 安中市と群馬県は、毎月1度のペースで、公特事業に関する協議を行っているようですが、その内容は地元関係者には知らされず、年1度の役員会議での席上、行政側から概要のみ報告があります。なので、今年度からは、なるべく都度、進捗状況について行政からヒヤリングをしていく必要があると考えています。

【北野殿公害対策委員長からの報告】

※参考情報「安中公害の負の遺産解消への道のり遠し」
**********群馬県HP 2021年1月8日
URL ⇒ https://www.pref.gunma.jp/04/e0100407.html
第2部第3章第6節 特定地域の公害防止対策
第1項 碓氷川柳瀬川流域
1 概要 【環境保全課】
(1)経過
 富山県で発生したイタイイタイ病(*注1)について1968(昭和43)年5月に厚生省(当時)の考え方が発表され、カドミウム(*注2)による環境汚染問題が全国的に注目されました。本県でも碓氷川・柳瀬川流域が調査研究の対象地域とされました。
 同年、県と国が共同で碓氷川・柳瀬川流域にある東邦亜鉛(株)安中製錬所の排出水、同流域の河川水や川底の泥・砂、井戸水、水稲及び土壌等のカドミウム汚染に関する調査を行いました。この結果から、厚生省は1969(昭和44)年3月「カドミウムによる環境汚染に関する厚生省の見解と今後の対応」を発表し、碓氷川・柳瀬川流域を「要観察地域」に指定しました。それ以来、東邦亜鉛(株)安中製錬所の発生源調査及び発生源対策、同製錬所周辺の環境保全対策、住民保健対策、農作物対策等を行っています。
(*注1) イタイイタイ病:富山県神通川流域に発生した腎病変と骨軟化症などを合併する病気です。身体中の骨がゆがんだりひびが入ったりして、患者が「痛い、痛い」と訴えることから、イタイイタイ病と命名されています。この病気は、神通川上流の三井金属鉱業(株)神岡鉱業所が排出したカドミウムが原因となって腎障害、骨軟化症をきたし、これにカルシウムの不足などが加わり発症すると考えられています。
(*注2) カドミウム:やや青みを帯びた銀白色の金属で、亜鉛鉱物に伴って少量産出します。主な発生源は、亜鉛冶金工場、カドミウム製錬工場などです。
(2)発生源対策
 カドミウム、硫黄酸化物等の鉱害防止施設設置による改善対策の結果、現在では、排出濃度は排出基準(*注3)を大幅に下回っています。
(*注3) 排出基準:「大気汚染防止法」において、ばい煙発生施設の排出口から大気中に排出されるばい煙の許容限度をいいます。
(3)損害賠償請求と公害防止協定(*注4)の締結
 住民が会社に対して行った損害賠償請求については、1986(昭和61)年9月に裁判での和解が成立し、両者の間で公害防止協定が締結されました。
 その後、協定に基づき、原告団及び弁護団等による製錬所への立入調査が行われ、1991(平成3)年4月には、会社と旧原告団等との間で、協定書に定めた事項の完了について確認書が取り交わされました。併せて、新たな公害防止協定が締結され、現在も3年ごとに継続して協定が締結されています。
(*注4) 公害防止協定(環境保全協定):地方公共団体と企業、住民団体と企業などの間で、公害防止(環境保全)のために必要な措置を取り決める協定のことを言います。公害規制法を補い、地域の特殊性に応じた有効な公害対策を、弾力的に実施できるため、法律や条例の規制と並ぶ有力な公害防止(環境保全)上の手段として利用されています。
2 環境調査 【環境保全課】
 東邦亜鉛(株)安中製錬所周辺の大気汚染及び水質汚濁の状況を知るため、環境調査を行いました。
(1)大気調査
ア 浮遊粒子状物質(SPM)中のカドミウム
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 表2−4−7−1に示す4地点で毎月試料を採取し、カドミウムの濃度を測定しています。各地点における空気1平方メートル中のカドミウムの量は表2−4−7−2のとおりです。
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 また過去10年間の調査の結果は図2−4−7−1及び図2−4−7−2のとおりです。SPM濃度は減少がみられ、カドミウム濃度は横ばいです。過去5年間の年平均値と比較しても大きな変化は見られませんでした。
イ 降下ばいじん
 東邦亜鉛(株)安中製錬所のばい煙発生施設等から排出されるばいじんによる汚染状態を把握するため、発生源近くの4地点にダストジャーを設置し、自然にあるいは雨によって降下してくるばいじんの総量及びばいじん中のカドミウム量を調査しています。比較のために太田市でも同様に測定しています。
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 測定結果は、要2−4−7−3のとおりでした。また過去10年間のカドミウムの効果量の経年変化は図2−4−7−3のとおりです。カドミウム濃度は概ね横ばいですが、対象地点(太田市)に比べてカドミウムの降下量が多いことから、引き続き監視していきます。
(2)水質底質調査
 水質調査は、烏川・碓氷川・柳瀬川の利水地点等の8地点及び東邦亜鉛(株)安中製錬所排水口2地点の計10地点において実施し、碓氷川の昭和橋並びに柳瀬川の柳瀬橋及び下の淀橋では毎月、その他の地点では年2回実施しました。
 2019(令和元)年度の水質調査結果では、全ての地点で排水基準及び河川の環境基準に適合していました。
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 過去5年間に実施した調査のカドミウム及び亜鉛濃度の最大値、最小値及び平均値は、図2−4−7−4及び図2−4−7−5のとおりです(実施年度、調査地点により年間の調査回数が異なります)。過去5年間では、年平均値の環境基準超過はなく、柳瀬川のカドミウムは低下傾向です。
 また、低室調査は、水質調査地点のうち排水口2地点を除く8地点において、年2回実施しました。過去5年間に実施した調査のカドミウム及び亜鉛濃度の最大値、最小値及び平均値は、図2−4−7−6及び図2−4−7−7のとおりです。
3 住民健康調査 【保健予防課】
 要観察地域等の住民を対象とした健康調査を2000(平成12)年度まで延べ11,027人について実施しましたが、健康被害が疑われる人はいませんでした。
4 土壌汚染防止対策 【技術支援課】
(1)農用地土壌汚染対策地域の指定
 碓氷川柳瀬川流域については、「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」に基づき、1972(昭和47)年4月にカドミウムに係る農用地土壌汚染対策地域として、118ヘクタールの農用地を指定しました。
 以降、1973(昭和48)年2月に11.66ヘクタール、1974(昭和49)年3月に4.42ヘクタールを追加し、合計で134.08ヘクタールが対策地域となりました。
(2)農用地土壌汚染対策計画の策定
 指定地域の汚染の防止及び有害物質の除去については、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づき、1972(昭和47)年8月対策計画を定め、1976(昭和51)年3月及び1978(昭和53)年6月に追加指定した農用地を含めた計画に変更しました。
※昭和53年度碓氷川流域農用地土壌汚染対策計画変更計画書 ZIP ⇒ 20210324_jis53nxox_pnyvxvj.zip
(3)碓氷川流域公害防除特別土地改良事業の実施
 1972(昭和47)年から1975(昭和50)年まで農用地土壌汚染対策計画に基づき、公害防除特別土地改良事業を実施しました。
 有害物質は10〜20センチメートルの排土及び客土により除去し、事業面積は85.1ヘクタールとなりました。
 なお、事業費は769百万円となり、このうち75%を「公害防止事業事業者負担法」に基づき事業者(汚染原因者)が負担しました。
(4)事業効果の確認
 県では、公害防除工事の効果を確認するために、指定地域内の農用地の土壌中の有害物質について継続して調査を行っています。
 また、関係市や生産者団体では、コメ中の有害物質について、継続して調査を行っており、安全性を確認しています。
(5)農用地土壌汚染対策地域の指定の解除
 有害物質の除去や工場や住宅等、農用地以外に土地利用が変更される等、指定の要件を満たさなくなった場合は、指定地域の解除を行うことができます。
 こうした農用地について、1983(昭和58)年3月に105.20ヘクタールの農用地土壌汚染対策地域の指定を解除しました。
 指定の解除により2016(平成28)年度末の指定面積は28.88ヘクタールとなっています。
(6)未解除地域への対応
 農用地土壌汚染対策計画の策定から40年あまりが経過しており、農用地の利用状況は計画策定時と大きく変わっています。
 このため県では、未解除となっている農用地の土壌等調査や、土地所有者等の意向の確認を継続して行い、この結果に基づき、対策計画の見直しを行っています。
【当会注:平成30年度に、岩井畑地区の公特事業を原状復旧方式に変更したため、昭和53年度碓氷川流域農用地土壌汚染対策計画変更書が「軽微な変更」とされました。 ZIP ⇒ 202103241h30nxox_pnyxvjyx.zip
202103242h30nxox_pnyxvjyxb.zip
また、この事業実施に際して東邦亜鉛、群馬県、安中市の間で取り交わされた承諾書・協定書。 ZIP ⇒ 20210324ne.zip

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