2010/4/12  0:05

安中市長選の開票結果を受けて思うこと  安中市長選挙

■地縁金権型選挙VS都市型選挙の一騎打ちに終止符が打たれました。結果は、次のとおりです。

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<安中市長選>現職の岡田氏が再選 群馬
4月11日21時1分配信 毎日新聞
 任期満了に伴う群馬県安中市長選が11日投開票され、現職の岡田義弘氏(71)=無所属=が、新人で前市議の高橋由信氏(53)=同=を破り、再選を果たした。投票率は53.34%。
◇確定得票数は次の通り。
当14673 岡田義弘=無現<2>
 12401 高橋由信=無新
最終更新:4月11日21時39分
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■この数字を見た感想を述べてみます。

 選挙で無敗を誇る岡田義弘候補が、今回も無敗神話を維持したことになりますが、この数字を見る限り、高橋由信候補が非常に善戦したとみるべきでしょう。

 新聞などでは、前回の合併市長選挙で、岡田義弘候補が得票した票以外の、その他の3候補が得票した票数の行方がどうなるのか、というような分析がされていました。

 前回、2006年4月に行われた合併市長選挙の結果は、次の通りでした。
 1.岡田義弘 11583
 2.中島博範 10725
 3.早川正雄  6316
 4.小川 賢  2666
有権者数 : 52394人  投票者数 : 31783人  投票率 : 60.66%

 今回は、投票率が前回を7.32ポイント下回りましたが、岡田義弘候補は、3千票以上、前回より上乗せしています。この上乗せ分の相当部分は、前回早川正雄候補に投じられた票が流れたと見ることができます。

 一方、高橋由信候補は、おそらく前回選挙で中島博範前市長に投じられた票の相当部分に、この4年間で新規に選挙権を得た若い世代票を上乗せしたかたちとなったと思われます。

 前回より、投票率が大幅に下がった理由にはいろいろな要因が考えられますが、当会の事務局長の小川賢候補に投じられた票が、今回、行き場を失って棄権、あるいは白票となって現れた可能性も、要因の一つとして挙げられます。

■やはり安中市では、都市型選挙では勝てないことが証明された形です。今回は、岡田義弘候補VS高橋由信候補という構図というよりも、保守利権構造ネットワークVS市民ネットワークという構図での戦いだったといえます。

 いまから15年前に安中市土地開発公社を舞台にした前代未聞、空前絶後のタゴ51億円巨額詐欺横領事件が発覚して、当時の市長が椅子を投げ出したあとに行われた出直し市長選で、市民団体擁立の候補がやはり約2200票差で涙を飲んだことがありました。その時、市民団体擁立候補に清き一票を投じた多くの市民は、「いったいなぜなんだ」という思いを禁じえませんでした。

 今回も、フリーマーケットに代表される市民ボランティア活動に携わる市民ネットワークの関係者や、それに共鳴した市民の多くは、「いったいなぜなんだ」と、戸惑う気持ちを抑えきれないことでしょう。隣の富岡市で同じく県議出身で現職の岩井賢太郎候補が地縁金権選挙で落選したのをみるにつけ、51億円事件を起こした安中の特質性を感じざるを得ません。

■しかし、選挙というものは、やはり利権がものをいうのです。15年前の選挙でも、未来塾は、51億円事件の真相究明をさけぶ市民代替候補よりも、自らの活動に理解をしめしてくれる候補を支援しました。

 今回の地縁金権型選挙VS都市型選挙でも、高邁な市民ボランティア精神を掲げるよりも、法律やルールを捻じ曲げてさえも、利権の実現のために口利きをしてもらえる候補のほうが、安中市民の多くの支援を受けたということに他なりません。

 51億円事件で103年ローンの尻拭いをさせられようが、孫子の代までツケ払いをさせられようが、今、現在の利権を擁護してくれる候補を選ぶ安中市民が、15年を経てもなお、多いということなのです。

■今回の選挙戦に先立ち、当会の事務局に、上毛新聞から選挙戦の展望について、電話インタビューを受けたことがあります。その時、当会では次の趣旨でインタビューに答えました。

「当会は、今回の選挙を地縁金権型と都市型の選挙の戦いというふうに捉えている、在来型の選挙を展開する岡田候補のほうが現状では有利だと思うが、選挙は水ものなので、高橋候補が選挙戦の途中で、急に勢いづく可能性もあり、その場合は結果は流動的になるかもしれない。本来なら、フリーマーケットをめぐる岡田市政対未来塾の因縁の戦いが根底にあることから、未来塾の代表が岡田市長と直接対決をすれば、市民にとってわかりやすいと思う」

 案の定、このような展開になってしまいましたが、代議士さえも舌を巻く岡田義弘候補の選挙強さはいったいどこからくるのでしょうか。

■岡田義弘候補は、有権者の前での態度と、役所の職員の前での態度が180度異なることで知られています。普通の市民はそのことを知りません。役所の職員はみな知っていますが、市役所の職員は、報復が怖くて口に出せません。事実、1期目の岡田市政においても、中島前市長に仕えていた幹部らは、1、2年間のうちに殆どが辞めたり、辞めさせられました。残ったのは、保身のために豹変して岡田市長への忠誠を誓った職員ばかりです。

 また、岡田義弘候補は、市議当時から、地元住民の冠婚葬祭、とりわけ、法事の際の弔辞を通じて、ふかく住民のプライバシーに根をおろしてきました。そうして蓄積した個人情報は、他の候補には絶対マネのできない強力な武器となっています。

■とりわけ、信越化学や東邦亜鉛など、地元の有力企業をリタイヤした地元のOBのネットワークを利活用する術にかけては、他の候補の追従を許しません。企業を定年退職して、手持無沙汰なOBに対して、「今度の選挙では、ぜひ選対に入っていただき、貴殿の人脈を使わせていただきたい。それをお願いできるのは貴殿をおいて他にいません」などと言いくるめ、集票網を構築するのです。これも、市長として、毎年公務で200社を訪問できる環境をフルに活用した賜物ということができます。

 そして、最終的な決め球は、やはり金品のやりとりです。前回選挙では、大勢の住民、とりわけ、以前町長選で現金買収事件でひどい目にあった住民が、選挙後に大挙して警察に申し出ましたが、結局、警察沙汰はひとつも起きませんでした。前回選挙では、長年岡田義弘候補のやりかたをみてきた地元の支援者でさえも、「今度は絶対にあぶない」と言っていましたが、結局、なんらかの口利きがあったのかどうか、候補者本人には司直の手は及ばなかったのでした。こうしたことも、候補者が当選を果たすための実力として、この安中市ではカウントしなければなりません。

■今回、2272票差をつけられた高橋義信候補の後ろ盾となっている未来塾としては、フリマ中止をめぐり、市役所の市長室で行われた意見交換会の議事内容を勝手に岡田市長に改ざんされて、しかも市の広報にそれを掲載されるという仕打ちに対して、岡田市長を相手取り名誉棄損による損害賠償請求を提訴して係争中の事件について、きたる5月27日の判決に向けて、今回の市長選の敗北の意味するところは甚大です。

 おそらく、裁判所は、岡田市長が提出した事実をゆがめる偽造書類でさえも、有効だとみなし、結局、岡田市長に有利な判決、あるいは和解案を提示する可能性が高くなると思われます。

■未来塾としては、この選挙での敗北を深刻に受け止めるのでしょうが、裁判で不利な結果が出たとしても、それで泣き寝入りすることはないでしょう。なぜなら、フリマ中止という仕打ちに屈することは、ますます岡田市政を増長させることになるからです。今回の選挙でも、市民の45.8%がフリマ継続支持をしてくれた、と積極的に受け止めるべきでしょう。

 真の市民運動とは、決してあきらめず、継続することです。また、初心を貫き通すことです。残念ながら、15年経過しても安中市を覆うモヤモヤを、市民の目線で吹き飛ばす困難さは、あいかわらずであることが今回の選挙でも実証されてしまいました。しかし、今回の選挙で、安中市を変えなければならないと考えた若い世代のパワーが、これだけの接戦を成し遂げたことも事実です。

 「決してあきらめないこと」これを未来に向けたメッセージとして、未来塾がどのような活動を今後継続してゆくのか。とりあえず選挙に勝利してホッとした岡田市長が、すぐにまた気にし始めるような展開を、未来塾が打ち出すことを、期待する市民は多いはずです。

■なお、選挙が終わっても、選挙違反による摘発の動きがどうなるのか。3か月を経過してみないと、岡田市長も本当にホッとするわけにはまいりません。15年前のタゴ事件による出直し市長選でも、埼玉のサイボウの社長が、3千万円持って選挙期間中安中市内に入ったことが警察でも確認されましたが、3か月経過しても、結局なにも起きず、多くの市民はがっかりしたことがあります。さて、今回は?

【ひらく会情報部】
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