2010/5/21  12:06

タゴ51億円事件発覚から15周年・・・事件発覚当時の様子を振り返る  安中市土地開発公社事件クロニクル

■タゴ51億円巨額横領事件発覚から15周年の節目となる今月ですが、既報のとおり、タゴ復権に向けた動きが急に増えています。ところで、15年前の事件発覚当時の様子は、市民の間にまったく知られていません。当会は、事件が市役所の内部で発生した5月17日から約10日程度経過してから、「巨額横領事件が市役所内でおきたらしい」という情報を得ました。その直後の6月3日の新聞報道で、多くの市民が始めてこの横領事件のことを知ったのです

 とくに、事件が内部発覚した5月17日から、タゴの懲戒免職までの5月31日までの14日間については、市役所の誰からも何も発表が無く、まさに空白の2週間だったのです。



 その後、裁判を通じて、刑事記録を閲覧できたため、この空白の2週間に何がおきていたのかについても、安中市が上申書なるものを安中警察署に提出しており、これに、不完全ながら安中市役所の都合から見た2週間が記載されています。

■安中市の都合に合わせて任意にかかれたものなので、あまり信用できませんが、5月17日から5月21日までの様子を見てみましょう。

**********
●平7・5・17
  群馬銀行安中支店から公社借入金残高証明47億6596万円を取得した。24日の監査、30日役員会に備えるべく取得した。
●平7・5・18 11時10分
  高橋、竹内、群馬銀行へ訪問。融資課長栗田、融資担当次長清水、渉外次長山添に対し、「残高とあわないので明細があったら見せてほしい」と言ったところ、貸出明細照会票を出した。
 「金銭消費貸借契約書を見せてほしい」。「このとおりある」と言って袋の中に入っていた証書を見せた。金額欄の「金」と正規の数字の間の狭いところに 偽造の金額が割り込ませるように加筆され、改ざんがされていた。「本人の字かどうかもわからない。いかにもつけ加えているではないか」と言ったところ、「本部の監査でも本人の筆跡に間違いないということで検査はすんでいる」と支店長が答えた。
 半期に一回利息を払うところ、「総額が異なるのであれば7・3・31に支払った利息では足りないのではないか」と費したところ、「間違いなく頂いている。もう一つ安中市土地開発公社理事長湯浅正次 特別会計口座番号058−969という口座がある」とのことだった。「そんなはずはない」と述べると、「平2・4・16開設の特別会計がある」とし、口座開設時に記入した普通預金印鑑票を見せてきた。「だれが作ったのか」と費すると、清水融資課長が「多胡さんが作っております」と答えた。普通預金印鑑票は多胡の筆跡だった。
 「特別会計口座に幾らあるか」と聞いたところ、2億7500万円あった。引き出しできないようにしてくれと頼み、過去の資料を本部から取り寄せるなどして全部見せてほしいと依頼し、12時40分帰庁。高橋が竹田主任、加部部長に相談。市長に報告。
 銀行に連絡し、6時に群馬銀行を訪問。市長は安中市商工会青年部通常総会終了後、市長も7時に訪問。
 松井支店長、清水次長、山崎次長、加部事務局長、・高橋次長、竹内主任出席。
 預金取引履歴明細表の2枚だけを出してきた。払い出しの伝票の原本を見せてもらった。
 公社の借入金台帳と照合した。金銭消費貸借契約書も見た。狭いスペースに書き込みがなされているので、明らかにおかしいと指摘した。
 借入は31本あり、金額欄の数字の頭についているものが12本あった。その前の金銭消費貸借契約書も公社の台帳とつき合わせてチェックした。履歴明細表に記載してある金銭消費貸借契約書は原本が存在した。「多湖の指示により、特別会計に振り分けた」との説明があった。「それはおかしい」と指摘した。市からの依頼書はなかった。
 市長到着。説明を求めたところ、「湯浅市長の特命で、特別会計口座を作った」と松井支店長が説明。「特命など聞いていない。特命の依頼書などないはず」
 「四月に、田崎に公社の残高を書いた書類を渡したのになぜおかしいと言わなかったのか」
 銀行側の資料は、明細書が二枚、伝票も一部だったので翌日の昼までに本部の資料も全部調査するということだった。
●平7・5・19 1時
  銀行から(清水次長か)全部揃ったという連絡があったので、群馬銀行に四時頃来庁を依頼。
  市長、助役、収入役、加部局長、高橋が対応した。第一応接室に次長二人が来た。支店長は支店会議で来られないとのことだった。
  市長が、「こんな重大な事件で支店長か来ないのはどういうことだ」と言った。
  履歴表の2枚目以降の部分を持ってきた。伝票の一部をもってきた。契約証書の写しを四〜五枚受け取った。経緯についての説明があった。「200回以上引き出されている。Cというのが現金です。残高はこれだけです」「コジョウ・タゴ」の振込票を持ってきた。
  市長は、「こんなに額が出ているなら、特命を何で確認しなかったのか」と問いただす。
●平7・5・22
  公社調査
●平7・5・23
  公社調査
**********

■このように、5月17日(水)に、横領額の漠然とした規模が尋常でないことが関係者の間で認識され、5月18日(木)が騒乱の一日だったことがわかります。ところが翌19日(金)になると、途端に上申書の記載量が減り、5月20日(土)、21日(日)の週末をはさんで、さらに急速に記述が少なくなっていきます。

 この間、小川勝壽(おがわ・しょうじ)市長(当時。現在は故人)は5月21日に、シングルプレーヤーでもある元職員タゴと、後閑にある太平洋ゴルフコースでゴルフに興じていました。このことを後日、市議会で追及されると、「タゴが自殺を図らないように監視するためだった」などと訳の分からない説明をしていました。

 一方で、小川市長は、この事件の深淵を知っていたと見えて、対応と処理について自分の手には負えないことを悟り、ただちに、別の開発プロジェクト(当然、タゴも関係)で接触のあった東京の弁護士らに相談して、自らが理事長を努める安中市土地開発公社から着手金・報酬金として1億円の支払いを約束し、契約を締結しています。

■その二人の弁護士、田邊勝己、菰田優にとっては思わぬ大仕事が舞い込んだわけで、張り切って安中市役所に乗り込んで、おろおろする小川市長ら公社幹部や職員を前に、てきぱきと指示をだしたに違いありません。

 その指示の中には、公社の帳簿類の取り扱いや、この事件の市民への秘匿など、平成7年6月14日付けの安中市から安中警察署長への上申書にかかれた「既に公社並びに市側の資料の提出、公社職員の事情聴取に全面的にご協力いたしておりますが、今後もさらに真相究明のため、ご協力いたします。」「いずれにせよ、捜査内容や起訴事実の確定は捜査当局の専権事項であり、市及び公社は如何なる要請にも全面的にご協力いたすことを重ねて明言いたします。」などという姿勢とは180度異なる行動をとっていました。

■このうち公社関連の帳簿類の取り扱いでは、小川市長・理事長と弁護士らが上申書で「平成2年4月16日以降の犯行分と思料しております」と言っているように、平成2年4月16日以前の帳簿を全部勝手に廃棄処分してしまったのでした。事実、タゴ事件が発覚した平成7年5月17日の直後、安中市役所の西庁舎の2階の都市計画課兼安中市土地開発公社の窓から、夜中に、大量の行政文書を投げ下ろす異様な音に近隣住民が気付いており、後日そのことを当会にも通報がありました。ドスン、ドスンいう異様な物音に目が覚めて、窓から西庁舎を見ると、数名の職員が手分けして、二階の窓から下に止めていた庁用車の軽トラックの荷台に向かって投げ下ろし、荷台が行政文書でいっぱいになったら、軽トラックはどこかに走り去ったということです。市民の間では、軽トラの行き先はゴミ焼却炉のある清掃センターだったとの見方が大半でした。

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タゴ事件での横領事実を押し隠そうと、平成2年4月16日以前の行政文書を慌てて焼却処分した安中市土地開発公社が2階に入っていた安中市役所の西庁舎。

 こうして弁護士の指導で、この途方も無い事件の証拠隠滅に狂奔した悪夢の2週間でしたが、平成7年6月2日(金)午前中に小川市長が安中警察署に告発するまでは、タゴ関係者にとっては、さぞかし悪夢の半月間だったことでしょう。

 6月5日から捜査を開始した警察も、平成2年4月16日以前の資料の大半が無いため、捜査に難航したようすが、捜査記録から伺えます。

■こうして、タゴが平成2年4月16日に特別会計口座として横領金を管理するための専用口座を設ける以前は、正規の口座で横領していたため、タゴ事件関係者にとっては、それらがバレることをぜひとも避けたかったので、それ以前の公社の帳簿を大量に廃棄して証拠隠滅を図ったものと思われます。

 とりあえず、タゴ事件発覚とその直後の騒乱の3日間である平成7年5月17日、18日、19日の状況を分析してみました。以降、時系列的に分析を行っていきます。

【ひらく会情報部】

<参考資料>※赤字は当会のコメントです。
【上申書】(群馬県安中警察署受付7.6.14第110号)
 住所 群馬県安中市安中一丁目二三番一三号
          上申人 安中市 市長 小川勝壽
 住所 群馬県安中市安中一丁目二三番一三号
          上申人 安中市土地開発公社 理事長 小川勝壽
 住所 東京都港区虎ノ門一丁目一五番一一号 虎ノ門SSビル五階
          右上申人ら代理人 弁護士 田邊勝己
                   同   菰田 優
              電 話 ○三(三五〇七)○六三三
 住所 群馬県安中市安中一丁目二三番三二号
          被疑者 多胡邦夫
上申の趣旨
 被疑者多胡邦夫については、平成七年六月二日、既に逮捕済みでありますが、さらに後記のとおり刑法第一五五条第一項、第一五八条第一項、第二四六条第一項の有印公文書偽造、同行使、詐欺罪に該当する余罪が存するものと認められるので、捜査の上、厳重に処罰されたく、上申します。(なぜか、横領罪、背任罪などが入っていない。弁護士の策略か)
上甲の理由
一 安中市及び安中市土地開発公社は、今回の被疑者多胡邦夫の公文書偽造、同行使、詐欺事件について、既に平成七年六月二日小川勝壽安中市長が御署に赴き口頭にて告発を行ったものでありますが、今回、安中市及び安中市土地開発公社の立場を明確にするため、本上申に及びます。
二 今回の事件は、群馬銀行を被害者とする詐欺事件でありますか、公社職員による悪質な犯罪であり、公社としても道義的責任を痛感しております。平成七年五月一七日の借入残高証明書取得後の事件発覚以来事実解明に努め(←これはウソ。努めたのは証拠隠滅のほう)、迅速なる調査の結果、平成七年五月三一日には被疑者を懲戒免職といたしましたが、従来通り捜査機関に全面的にご協力申し上げることをお約束いたします。既に公社並びに市側の資料の提出、公社職員の事情聴取に全面的にご協力いたしておりますが、今後もさらに真相究明のため、ご協力いたします。
 他方、安中市及び安中市土地開発公社は市民に対し、疑惑解明の結果を報告し、説明する義務を負っております。事実、これまでの報道の中には横領事件と間違えている(←公金着服だから横領事件。報道は正しい)のではないかと思われるものや、非難を市及び公社に集中させるものが目立ちました。今後は、捜査当局にご協力申し上げる中で、捜査に支障のない範囲で、安中市としても真相を明らかにして参りたい(←結局15年経過しても、安中市からはいまだに事件の真相解明がされていない)と思料いたしております。
 また、今回の直接の逮捕事実は、平成七年三月三一日の詐欺の分のみと聞き及んでおりますが、被疑者は平成二年四月一六日、「湯浅市長の特命により、表面に出せない土地を先行取得するため」との欺罔行為により、全く架空の「安中市土地開発公社理事長湯浅正次特別会計」名義の被疑者自身の口座を開設し、以後一三回に亘り多額の金員を公社借入金名目で借り入れ、同口座から現金を引き出す方法で金員を詐取していたものであります。それ以前についても犯行を重ねていたようでありますが、客観的資料に基づき、市及び公社の立場として告発可能なものは平成二年四月一六日以降の犯行分と思料しております。(←なぜ、こうも勝手に、平成2年4月16日以前の犯罪は関係ない、と言いたがるのだろうか)
 いずれにせよ、捜査内容や起訴事実の確定は捜査当局の専権事項であり、市及び公社は如何なる要請にも全面的にご協力いたすことを重ねて明言いたします。
三 捜査当局のご参考になるか否かは別として、市及び公社が被疑者を懲戒免職にするまでの事実経過を別紙時系列表にまとめましたので添付いたします。
 右別紙時系列表について付言すれば、市及び公社は、公社側の最初の事情聴取の段階での被疑者の弁解について重大な関心を寄せております。被疑者が全くの虚偽の事実を述べたのであれば群馬銀行行員に対する名誉毀損罪にも該当する悪質な行為であります。被疑者を許すことはできません。他方、市及び公社は今回の事件に共犯者はいないと信じておりますが(←なぜ、こうも勝手に、共犯者不存在宣言を軽々しくやりたがるのだろうか。タゴから金品をもらった人物は多数いるのに。共犯者といえば、タゴの親友の金融マンや、経理チェックをしてこなかった上司、それからタゴの親族ら、該当候補者がゾロゾロいるのに)、群馬銀行の管理体制については疑問を抱いております。刑事的には被害者側の落ち度の問題であろうかと思料いたします。この点についても、捜査上ご協力できることがあればお申し付け下さい。
一 以上、厳正なる捜査のうえ、被疑者を厳罰に処していただきたく上申する次第であります。
  平成七年六月一四日
    上申人ら代理人 弁護士 田邊勝己
            同   菰田 優
群馬県安中警察署長 殿

<別紙>
【時系列表】※原文は縦書き
  被疑者 多胡邦夫  昭和二七年三月三〇日生
■昭四五・ 六
  入庁
■昭五四・一〇
  建設都都市計画課主事
■昭五五・ 四
  安中市土地開発公社設立(理事長 湯浅正次)時に同公社職員を併任
■平二・四・ 一
  高橋次長就任。経理チェックを強化。
■平二・四・一六
  「安中市土地開発公社理事長湯浅正次特別会計」名義の多胡個人の口座開設。栃木県小山支店から転勤してきた伊藤試支店長代理が担当して開設。市長の特命事項を処理するために表に出さない土地を先行取得するために使うという理由。その後、借入として一三回、約三六億三千万円。
■平七・四・ 一
  教育委員会社会教育科社会教育係長に転任。清水裕之が入れ替わりに公社職員(市都市計画課と併任)として任命される。
■平七・四・一二又は一八
  群馬銀行安中市派出所の田崎操が公社を訪れ、竹内に対し「公社の融資の残高を教えてほしい」上司の高橋次長かいないので、「翌日来て下さい」と答えた。翌日高橋が「群馬銀行は借入残高を承知しているので、なぜ聞くのか」と田崎に対し言ったところ、「いろいろの調べに使いたい、できれば他行分、も教えて下さい」と言った。他行分の明細は教えられないか、公社全体の総額と群馬銀行のものは教えてもよいとしで、公社の借入金総額約一九億円と群馬銀行の約一〇億一七〇〇万円の借人分を書面でその日のうちに竹内が派出所に届けた。その時には、銀行からなんら返答はなかった。
■平七・四・一九
  高橋次長、竹内主任、清水が群馬銀行安中支店に挨拶に行った。山添次長、栗田が対応に出た。多胡が転勤になったので、挨拶に来たと述べた。
■平七・五・ 八
  多胡 一四八五万円現金引き出し(五/二三頃判明)
■平七・五・一七
  群馬銀行安中支店から公社借入金残高証明四七億六五九六万円を取得した。二四日の監査、三〇日役員会に備えるべく取得した。
■平七・五・一八 一一時一〇分
  高橋、竹内、群馬銀行へ訪問。融資課長栗田、融資担当次長清水、渉外次長山添に対し、「残高とあわないので明細があったら見せてほしい」と言ったところ、貸出明細照会票を出した。
 「金銭消費貸借契約書を見せてほしい」。「このとおりある」と言って袋の中に入って、いた証書を見せた。金額欄の「金」と正規の数字の間の狭いところに 偽造の金額か割り込ませるように加筆され、改ざんがされていた。「本人の字かどうかもわからない。いかにもつけ加えているではないか」と言ったところ、「本部の監査でも本人の筆跡に間違いないということで検査はすんでいる」と支店長が答えた。
 半期に一回利息を払うところ、「総額が異なるのであれば七・三・三一に支払った利息では足りないのではないか」と費したところ、「間違いなく頂いている。もう一つ安中市土地開発公社理事長湯浅正次 特別会計口座番号○五八−九六九という口座がある」とのことだった。「そんなはずはない」と述べると、「平二・四・一六開設の特別会計がある」とし、口座開設時に記入した普通預金印鑑票を見せてきた。「だれが作ったのか」と費すると、清水融資課長が「多胡さんか作っております」と答えた。普通預金印鑑票は多胡の筆跡だった。
 「特別会計口座に幾らあるか」と聞いたところ、二億七五〇〇万円あった。引き出しできないようにしてくれと頼み、過去の資料を本部から取り寄せるなどして全部見せてほしいと依頼し、一二時四〇分帰庁。高橋が竹田主任、加部部長に相談。市長に報告。
 銀行に連絡し、六時、に群馬銀行を訪問。市長は安中市商工会青年部通常総会終了後、市長も七時に訪問。
 松井支店長、清水次長、山崎次長、加部事務局長、高橋次長、竹内主任出席。
 預金取引履歴明細表の二枚だけを出してきた。払い出しの伝票の原本を見せてもらった。
 公社の借入金台帳と照合した。金銭消費貸借契約書も見た。狭いスペースに書き込みがなされているので、明らかにおかしいと指摘した。
 借入は三一本あり、金額欄の数字の頭順についているものが一二本あった。その前の金銭消費貸借契約書も公社の台帳とつき合わせてチェックした。履歴明細表に記載してある金銭消費貸借契約書は原本が存在した。「多胡の指示により、特別会計に振り分けた」との説明があった。「それはおかしい」と指摘した。市からの依頼書はなかった。
 市長到着。説明を求めたところ、「湯浅市長の特命で、特別会計口座を作った」と松井支店長か説明。「特命など聞いていない。特命の依頼書などないはず」
 「四月に、田崎に公社の残高を書いた書類を渡しだのになぜおかしいと言わなかったのか」
 銀行側の資料は、明細書が二枚、伝票も一部だったので翌日の昼までに本部の資料も全部調査するということだった。
■平七・五・一九 一時
  銀行から(清水次長か)全部揃ったという連絡があったので、群馬銀行に四時頃来庁を依頼。
 市長、助役、収入役、加部局長、高橋が対応した。第一応接室に次長二人が来た。支店長は支店会議で来られないとのことだった。
 市長が、「こんな重大な事件で支店長か来ないのはどういうことだ」と言った。
 履歴表の二枚目以降の部分を持ってきた。伝票の一部をもってきた。契約証書の写しを四〜五枚受け取った。経緯についての説明があった。「二〇〇回以上引き出されている。Cというのが現金です。残高はこれだけです」「コジョウ・タゴ」の振込票を持ってきた。
 市長は、「こんなに額が出ているなら、特命を何で確認しなかったのか」と問いただす。
■平七・ 五・二二
  公社調査
■平七・ 五・二三
  〃
■平七・ 五・二四 午前中、公社監査。二時、多胡に事情聴取。高橋・竹田・竹内 「残高は何だ」
  多胡「これは違う。俺がやったのではない。不正の事実はあるがこんなに多くない」
  伊藤支店長代理が主犯というニュアンスで「伊藤が絡んでいる話なので、伊藤代理と話をする。二六日までに連絡する。伊藤の他にもいる。名前は出せない」と弁解した。
■平七・ 五・二六
  高橋・竹田・竹内 多胡に事情聴取。
  多胡「伊藤に連絡を取ったが、仕事中でニ八日の日曜に会うことになっている。そこで話をつける」
  リミットは市長の指示により、二九日と通告。銀行次長に伊藤の件を話し、調査をお願いした。
■平七・ 五・二九 九時
  高橋・竹田・竹内 多胡に事情聴取。
  多胡「二九日伊藤と会ったところ、額は違うし、この金は別口座にプールしている。それで、返済すれば一億円くらいになる。伊藤も自宅を売却し残りも俺が払えば済む。伊藤から銀行に電話を入れてもらい、支店長と相談したうえで、自分が行って話をつける」ということだった。伊藤は一二時ころ支店長と会うと言っていたと言った。
  三時に多胡が銀行に行くということだった。三時には高橋が同席すると言った。そこで教育課に三時頃多胡が退席したかを確認したところ、三時から休みをもらったと教育課の者が言ったので、役所のすぐ前にある多胡の家を見に行った。
  丁度その時、多胡は車で出ていった。その前に、安中支店次長に「多胡が行ったら電話くれ」と頼んでいたところ、四時二〇分頃、銀行(山添)から電話あり、「多胡が来ていない」とのことだった。
  慌てて高橋、竹内が銀行に行った。伊藤から電話あったかと聞いたところ、一切ないとのことだった。支店長が伊藤に確認したところ、二月の結婚式以来会っていないと言われたそうである。
  市役所に樵り、市長に報告し、銀行を呼んだ。
  五時に多胡から電話があり、「係長はどうした」「銀行に行った」と答えたところ、「じゃあいい」と切られた。その間、役所、自宅にも戻っていなかった。
  七時
  支店長、次長二人か来、庁。市長が疑問点の指摘をし、相手が答える形で話し合いが行われた。市側、銀行側、双方テープを取りながら会話をした。
  再度、伊藤氏の件を話した。伊藤本人に確認してくれと要請。
  「多胡本人を呼んでこい」ということになったが、本人が所在不明。
  六時頃、子供だけ家にいた。「お父さんもお母さんいない」とのことだった。
  七時三〇分頃、再度本人を呼びに行ったところ、子供もいなかった。
  公社職員は、頻簿等の調査をしながら、一一時くらいまで多胡の帰ってくるのを待っていた。
  一一時頃、高橋宅に奥さんから電話かあり、「本人は出られない。本人は錯乱状態で話を初めて聞いた」「いまどこにいるんだ」「遠いところにいる」「とにかく明日出てこい」子供も一緒にいるとのことだった。
  一一時三〇分、市長に連絡。職員全員に連絡し、一二時頃集合。身内にも連絡。
  二時三〇分まで捜索したが、見つからない。

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手前がタゴ邸。後方が市役所本庁舎。安中市民のうちで最も市役所に近い場所に住んでいたタゴなのに、なぜ安中市はタゴの動静を見張るため、すぐ目の前のタゴ自宅に職員を張り付かせておかなかったのだろうか。

■平七・五・三〇 朝
  高橋宅に電話あり、「今日は行けない、明日には帰るので、三一日午後話をしたい」
  一時三〇分、帰宅したらしく、多胡の懇意にしている■■■■■が本人から事情聴取していた。小諸に行ったという話で、自殺を図った。左手の手首にキズバンがはってあった。ホース、を買った。共犯者はいないらしい。
■平七・五・三一
  一二時三〇分頃、「家にいる。弁護士とアポイントが取れた」との電話か高橋にあった。
  四時、懲戒免職を言い渡し、本人から確認書を取得。本人に出頭を促す。
  出頭するときは電話をしろと言った。
■平七・六・ 一
  市としても警察に事前に捜査依頼することを決定。
■平七・六・ 二 午前
  市長が警察へ告発の相談に行った。
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