2010/7/8  23:58

フリマ中止を巡る未来塾と安中市・岡田市長とのバトル…最終ラウンドその2-3(未来塾の最終準備書面)  安中フリマ中止騒動

■引き続き、3月18付けで未来塾が提出した原告最終準備書面です。



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5 被告岡田・被告安中市職員による記録の不作成
(1) 意見交換会最中
 被告岡田,被告安中市職員のいずれも,意見交換会の最中にメモは取っていなかった。
 被告岡田は,本法廷において,意見交換会の最中にやりとりをメモしていた旨証言したが(被告岡田:15頁),それが下記に述べる「要点筆記」(丙17)の「頭出し」であれば,後述するとおり甚だ不自然であるし,それ以外のメモであれば書証として提出がない。
 意見交換会の最中は,被告岡田がほんの数回程度,単語程度の短いものをメモしていただけであり(甲50:20頁・21頁,甲52:6頁,原告松本:17頁),被告岡田の証言は明らかに虚偽である。
(2) 意見交換会後
 そして,意見交換会後も,被告らによって議事録,報告書等は作成されていない。被告安中市も,「被告安中市の職員が公的に作成した議事録,報告書等は存在しない」と述べている(被告安中市準備書面(1)5頁)。
 被告らは,本訴訟においても被告安中市の内部文書を書証で複数提出しているが(丙6,丙8−2,丙10−1,丙10−2),肝心の意見交換会の議事録は作成されていなかったのである。

6 被告岡田の「要点筆記」は後日作成された虚偽のものである
(1) 総論
 被告岡田は,原告らより文書提出命令を申し立てられてようやく「要点筆記」(丙17)を提出したが,その内容及び提出経過を見れば,意見交換金当日(及び翌日)に作成されたものではなく,後日作成された虚偽のものであることは明白である。
 被告岡田は,市長でありながら,市民団体・個人の名誉毀損・名誉感情侵害・人格権侵害に及び,そして自らの非を省みることなく,訴訟という厳格な場において,かような虚偽の証拠を平然と提出したのである。
 以下,詳述する。
(1) 内容及び作成経過の不自然性
ア 「要点」の筆記でないこと
 丙17号証は,一見して明らかな通り,意見交換会のやりとりのほぼすべてを,各出席者の発言の順番や内容など細部にわたって記したものであって,「要点」(=重要な点,肝要な点。広辞苑)を記載したものでは到底ない。
 被告岡田は,「要点筆記」について,「話し合い終了後,会話の内容について要点をメモ用紙に記載したもの」と説明するが(被告岡田第2準備書面9頁),かような被告岡田の主張を聞いて,その「要点筆記」が90枚以上にもわたるメモ用紙に詳細が記されたものであるなどと,一体誰が想像するであろうか。
イ 意見交換会の細部の記憶・再現が不可能であること
 約2時間にもわたる話し合いを,録音もメモも取らずに,細部にわたって正確に記憶し再現することなど,たとえ当日であっても不可能であることは,経験則上明白である。
ウ 2日に分けて作成したとの証言の不自然性
(ア) 被告岡田は,「要点筆記」の作成方法について,本法廷において,以下のように証言した。
 「頭だけ全部書いて,それで,その夜,次の日,全部その頭出しのところ書きました」(被告岡田:9頁)
 「頭出しというのは,だれが発言,こういう,したという頭の部分ですね」(同9頁)
 「頭出しというのは,こういう短い文章は,言葉は全部書けますよね。長い文章かおるわけですよ,中には」(同10頁)
 「こういうの(注:2枚目「6」の長澤発言)は頭だけ書いて,それで,その晩とその次の山と」
 「(これは当時のメモに書いて,あとは,あとで思い出して書いたと,こういうことですか)そういうことですね」
(イ) しかし,そもそも被告岡田の証拠説明書上では,「要点筆記」の作成日は平成19年9月10日となっており,翌11日にもわたって作成していたということ自体,唐突な証言である。
(ウ) また,被告岡田は,意見交換会中に「頭だけ」を書いていたと証言するが(被告岡田:9頁),被告岡田はほんの数回程度,単語程度の短いものをメモしていただけであり(甲50:20頁・21頁,甲52:6頁,原告松本:17頁),同証言は明らかに虚偽である。
(エ) さらに被告岡田は,意見交換会中に「頭だけ」書き,細部をその晩と翌日に書き入れたと証言するが(被告岡田:9頁),翌日にわたったのであれば記憶の再現は当日に再現するのと比してさらにより一層困難である。
(オ) そして万一,被告岡田のいうような方法を取るならば,後で細部を書き入れようとする部分の余白スペースの見込みが異なるのが通常であり,細部を書き入れた後も余白が残ったり,逆に,余白が足らずに文字を詰めて書き入れる必要も出てくるはずである。しかし,実際の「要点筆記」(丙17)は,全てにわたって,文字間も行間もきれいに等間隔となっており,「頭だけ」書き入れて空白部分を作り,後日細部を書き込んだような形跡は,微塵もない。
エ 作成時間の不自然性
(ア) 「要点筆記」(丙17)はすべて被告岡田の手書きで記載されているところ,その文字数は,被告岡田の有利となるように句読点を除いて数えても,1万6334文字にもわたる。仮に1分間に100文字のペースで休みなく書き続けても,優に2時間40分を要することとなる。通常,日本語の筆記速度は1分間に70文字程度と言われており(太田清廉「リアルクイム字幕の自由化と要約筆記」,財団法人日本リハビリテーション協会『ノーマライゼーション』2000年9月号),1分間100文字のペースは,通常日本人の1.42倍という異常な速さである。その異常なスピードで,全く休みなく書き続け,しかも,何かを書き写すだけという単純作業ではなく,記憶を喚起しながらの作業で,数時間にもわたって筆記し続けることなど,およそ不可能である。
(イ) しかし,被告岡田は,この「要点筆記」の作成時間について,「2日合わせて要点筆記を作るのにかかった時間」を問われ,法廷で下記のように「1時間半から2時間jと証言した。
(被告岡田:13頁)
 原告ら訴訟代理人山下 二日合わせて,この要点筆記を作るのにかかった時間ですけれども,30分くらいですかね。
 岡田  いや,今少し考える時間もありますから,前後,考える時間ありますから。
 山下  そうすると,どのぐらいですか。
 岡田  1時間半から2時間はかかるんじやないでしようか。
 (略)
 山下  今,1時間半とおっしやいましだけど,例えば1時間半だと1枚当たり1分間のペース,2時間でも1枚あたり1分20秒のペースで,ずっと書き続けて休みなく書いてそのペースなんですが,1時間半ないし2時間ぐらいでしたか。
 岡田  そうですね。

(ウ) 被告岡田は,反対尋問において,筆記速度の不自然性を指摘されるや,意見交換会の最中に「ずっと書いていた」ので,「1時間半ないし2時間」は「仕上げた話で,空白を埋めたところの話です」と弁解した(被告岡田:15頁)。しかし,上述したように被告岡田が意見交換会の最中にメモをとっていたことはなく,また「空白を埋める」作業は不自然極まりないのであって,被告岡田の弁解は明らかに信用性がない。
(エ) しかも,被告岡田の主張によれば,意見交換会当日の被告岡田の状況について,「平成19年9月6日夜半から8日にかけて台風の襲来で睡眠不足と過労が重なっていた」(被告岡田第1準備書面11頁),「安中市は台風9号の被害を受けて職員の方々も,岡田も疲労が頂点に速していた」(同21頁),「寸陰なく議会・委員会の対応や台風9号襲来による被害対策に渾身してい(だ)」(同39頁)のであるから,その伏態で,原告らと2時間近くの意見交換会を終えたあとの午後8時以降に,「1時間半か2時間ぐらい」(被告岡田:15頁)をかけてこの「要点筆記」を作成したことになり,不自然極まりない。
オ 各部長に作成させず被告岡田自らが作成したことの不自然性
 被告岡田は,意見交換会について,出席していた各部長にメモ,議事録,報告書等を作成させておらず,市長である被告岡田自らが作成している点でも不自然である。
 行政機関が議事録・報告書等を作成するのは極めて常識的なことであり,本件では特に被告岡田が「市民からの指摘がある」と意見交換会で繰り返し述べていたのであるから,その指摘に答える可能性に備え,正確性を期すためにも,議事録・報告書を作成させるべきであったのに,作成させていない。
 また,上述したとおり,「要点筆記」は被告岡田が述べるだけでも意見交換会終了後に1時間半ないし2時間の作成時間を要するものであるところ,被告岡田の主張によれば当時は「睡眠不足と過労」が重なっていたのであるから,なおのこと,市長自らが作成せずに各部長に作成させて然るべきであるのに作成させていないのである。
(3) 提出経過の不自然性
ア 被告岡田は,「要点筆記」があると述べながら,その重要な書証を本訴訟に一向に提出せず,原告らが文書提出命令を申し立てて,ようやく平成21年4月7日に提出した。「談話」の真実性・真実相当性の立証責任を負う被告らが(最高裁昭和41年6月23日判決民集20巻5号1118頁参照),特段の理由もなく「要点筆記」を早期に提出しなかった(できなかった)こと自体,「要点筆記」が当初には存在していなかったことを強く裏付けている。
イ 「要点筆記」(丙17)は,被告岡田が,原告らによるICレコーダーの録音記録をもとに後日作成したものである。
(ア) 原告らは,録音記録(甲39)の反訳(甲40そのものではない)を,平成20年1月ころ,安中市議会議長の土屋弘氏と,フリーマーケットの支援者数名に対し,真実を知ってもらうために手渡している(甲50:20頁)。被告らは,その反威を何らかの方法で入手して,これに基づいて答弁書や準備書面を作成した。その後原告らより文書提出命令が申し立てられるや,さらに被告岡出は,同反訳をほとんど引き写した「要点筆記」(丙17)を作成して(ただし被告岡田白身に不利益となる事実部分は間引いたり,都合良く部分的に付け加えるなど加工してある),それをあたかも意見交換会当日に作成したものであるかのように平然と訴訟に提出したのである。
(イ) 意見交換会について被告側が有しているとする記録は,被告岡田の作成した「要点筆記」(丙17)のみである。
 それにもかかわらず,次項で具体的に示すように,被告ら答弁書や被告安中市準備書面(1)では,「要点筆記」(丙17)に記載のない細かい表現・ニュアンスが記載されており,それらは,後に原告らが提出した録音記録とその反訳(甲3 9, 甲40)と,正確に一致している。
 すなわち,被告ら答弁書や被告安中市準備書面(1)の作成時点で,被告らの手元には,録音記録の反訳が存していたのである。
 そして,被告岡田が「要点筆記」を訴訟に提出しだのはその後の平成21年4月7日であり,被告岡田は,手元にある反訳を参照しながら「要点筆記」を作成したのである。
(ウ) 「要点筆記」(丙17),被告ら答弁書・被告安中市準備書面田,及び,反訳書(甲40)の比較は,下記の通りである(甲56)。
@
■要点筆記(丙17)1丁目左上(「1」)
長沢 フリーマーケットの件で本日1時間程時間をいただきました。市長と代表の方から一言ずつお願いします。
■被告ら答弁書(平成20年11月5日付)5頁
建設部長:「長時間お待たせしました。以前から懸案でありましたフリーマーケットの件でございますが,本日1時間ほどお時間をいただきました。未来塾の方と市の執行部との竟見交換会ということで、ここに次第があります。いくつかのポイントに沿って意見交換をしていただき,今後について進めていきたいと思ってます。まず,はじめに市長と代表の方から一言ずつお願いします。」
■反訳書(甲40)2頁
長澤 えーとですね,えー,これは以前から懸案でありましたフリーマーケットの関係でございますけれども,えー,今日ですね,ちょうど時間を1時間ばっかもらいました。えー,未来塾の方とですね。執行部のほうと意見交換会ということで、ここに次第があります。えー,いくつかのポイントに沿ってですね,意見交換をしてもらってですね,是非ですね,えー,非常に地域振興のためになってるの__ね,十分ですね,意見交換をしてもらって,今後について,えー,進めていこうと思ってますんですね。よろしくお願いします,私,あの,今日,司会をいたします,建設部長の長澤でございます。
A
■要点筆記(丙17)1丁目右上(「2」)
市行政に入ってきている話は出店者から2000円を徴収している,2000円徴収しているにもかかわらず募金箱を持って回っているという話しが行政に来て行政は苦慮しています。
■被告ら答弁書(平成20年11月5日付)5頁
岡田市長:「これまでフリーマーケットを何回か開催してきたと思いますが,この行政に入ってきている話として,出店された方から1店舗2,000円を徴収していると,それが1点。2,000円徴収しているにもかかわらず,募金箱を持って出店されているお店を回っているという話しが来ていまして,大変行政としても苦慮いたしております。これについて明快なご返答をお願いします。
■反訳書(甲40)3頁
岡田 お待たせしてすいません。あのー,確認をですね,さしていただきたいと考えております。あのーまず,これまでフリーマーケットを何回かやって,開催してきたと思うんですが,この行政に入ってきている話として,出店された,その,か,方から1出店2000円を徴収していると。それが第1点。第2点はその,2000円を徴収しているにも関わらず,募金箱を持ってここに出店されているお宅,あのお店を回っているという,こういうお話が行政に来てまして,大変行政としてもですね,苦慮いたしていることであります。これについて,ひとつ明快なですね、ご返答をいただきたいと思ってます。
B
■要点筆記(丙17)22丁目左上(「85」)
(略)私はいつわかりますか,と課長が通りかかり聞いたら,今日の段階では貸せないので,これは,お預かりするかです,と言われましたから,■■■は持ち帰りました。出してもらわなけれと私共とすれば困ります。

■被告安中市準備書面(1)(平成21年2月26日付)3頁
意見交換会の中で未来塾の■■■■■は,都市整備課長から「今日の段階では,使用許可が出せないので,申請書をお預かりするか,お持ち帰りください。」と言われたという趣旨の発言をしている。
■反訳書(甲40)56頁
■■■(略)私は,じゃ,そのことの保留はいつわかるのか?って言ったら今係の者がいないのでわからないと言われましたね,と思っていたらそこに課長さんか誰か,課長さんかな,顔見りやわかりますけども,来て,そこで聞いたら,今,今日の段階では,貸せないのでこれはお預かりするかお持ち帰り下さいと言われたもんだから,わたしは持ち帰りました。(略)

(エ) 被告岡田は,要点筆記にない表現・ニュアンスが答弁書,準備書面に記載されている理由について,「要約ですから」(被告岡田:17頁)「要点筆記ですから」(被告岡田:19頁)などと弁解するが,意見交換会からすでに2年近く経過した時点でこのような微細にわたって被告らが再現できるはずのないことは指摘するまでもなく明白であり,被告岡田の弁解は不自然極まりない。
 さらには,被告岡田は,自らの記名押印のある答弁書について,
 「・・・私は答弁書ではそういうのは書いてないですから」(被告岡田:18頁)
 「(でも,ここに岡田義弘と,岡田の判こ押しでありますよね)はい。(あなたが作った書面ですよね)いや,違います」(被告岡田:18頁)
などと,その作成自体まで否認する,不誠実極まりない訴訟態度をとっている。
(オ) 被告岡田は,反対尋問において,反訴をもとに「要点筆記」(丙17)を作成したのではないかとの質問に対し,下記のように証言した
(被告岡田:16〜17頁。下線原告ら訴訟代理人)。
 原告ら訴訟代理人山下  それから,原告の陳述書を見ますと,平成20年1月ごろに原告が安中市議会の議長さんに対してICレコーダーの反訳の文書を手渡したというふうに書いてあるので,それであなたに端的にお伺いするんですが,丙第17号証の要点筆記は,その反訳を見ながらお作りになったものではありませんか。
 岡田  議長からはそういうものは一切ありません。
 山下  質問に対して,はいかいいえで答えていただけますか。その反訳を見ながら丙第17号証を作ったのではありませんか。
 岡田  いいえ,違います。今初めて知りました。
 被告岡田は,原告松本に対し,鑑定書(丙22)を読んだか否か尋問し,原告松本が「読む」の意味を「深く理解するほど読んでいない」という趣旨で読んでいないと回答したこと(原告松本:30頁)に対し,「なんで読まないんですか」「それはちょっと不思議ですね」などと述べ(原告松本:29頁),さらには,証人尋問後,各地区懇談会において,「原告が鑑定言を読んでいない」などと原告らを非難する発言を繰り返している。
 そのような言動をとる以上,被告岡田は原告松本の陳述書(甲50)を読んでいるはずであり,「要点筆記」という重要な証拠の信用性を疑わしめる事実である「原告らが反訳を議長に手渡していたこと」についても,当然読んでいたはずである。この事実について,「今初めて知りました」との弁解はあまりに不自然極まりない。かような不自然な弁解を行うこと自体,被告岡田が反訳を見ながら「要点筆記」を作成していた事実を強く裏付けている。

第11 平成20年2月19日付文書(甲27)
1 総論
 平成20年2月19日付の被告岡田作成の「フリーマーケット開催会場について」と題された文書(甲27)は,同月20日に,長澤部長が原告らの松本商店へ持参してきたものである(甲50:25頁,原告松本:17頁)。
 同文書は,今後のフリーマーケット会場として石毛運動公園広場を使用するよう要請するものであり,その理由として,米山公園の周辺住民への配慮と,スポーツセンター広場の混乱回避が挙げられているが,米山公園の周辺住民への配慮は,それまで意見交換会では全く出ていなかった論点であり(甲50:25頁,原告松本:19頁,被告岡田:24頁),当然ながら「談話」でも全く触れられていないうえ,会場周辺住民からは苦情はなく,むしろ,「迷惑はない」「もっとやってほしい」とフリーマーケット開催を望む声が多かったのである(甲3,甲46:添付資料1,原告松本:18頁)。
 以下,詳述する。

2 会場周辺住民への「配慮」
(1) 文書(甲27)の記載
 「フリーマーケット開催会場について」と題された文書(甲27)には,米山公園について,下記の通り記載されている,
 「1.米山公園について
   拡声器等による夜間勤務明けの方や病弱者・乳幼児の安眠支障への配慮が肝要と思慮します。」
(2) ■■■■氏に関する被告ら主張への反論
 この点に関し,被告岡田は,平成20年3月末頃,原告松本及び原告ら訴訟代理人(主任)山下が,フリーマーケット会場の米山公園に隣接する地区(米山地区)の■■■■氏自宅を訪問し,その際に,■■■■の■■氏からの苦情を話した,と主張するが(被告岡田第2準備書面4頁,同第3準備書面11頁,33頁),虚偽である。
ア ■■氏のテレビ取材に対する回答
 ■■氏は,テレビ番組の本件フリーマーケットに関する取材に対し,「我々はね,ちっとも不都合とは思っていませんj「ぽんとはね,もっともっとやってくれと思ってました」と回答しており,同取材結果は,平成20年5月11日に報道されている。
 また,その取材の場に居合わせていた他の近隣住民も,迷惑と思うことがあったかとのレポーターからの問いに対して,「とんでもないです,楽しいです」と回答し,また,別の住民も,市民の方から苦情があったという話もあるが,とのレポーターの問いに対して,「聞いたことがないですね]と回答している(甲46:添付資料1,原告松本:18頁)。
イ 原告及び代理人の皿氏自宅訪問時期
 原告松本が,原告ら訴訟代理人(主任)の山下と共に,■■氏の自宅を訪問したのは,平成20年8月18日である。
 山下は,平成20年4月1日付けで東京弁護士会より委嘱されて現事務所(弁護士法人東京パブリック法律事務所)に移籍し(甲47),その後,本件を受任した。被告岡田の主張する「平成20年3月末」の時期に,山下が本件に関して■■氏の自宅を訪問することはあり得ない。
 また,山下は,上記の平成20年5月11日の報道での内容を確認するために■■氏と面談したのであり,それ以前に■■氏の自宅を訪問することはあり得ない。
 平成20年8月18日,■■氏は,原告松本及び山下に対し,上記テレビ取材の発言に誤りがない旨話したことから,陳述書の作成を依頼した。その際,■■氏からの苦情の話は出ておらず,■■氏から,かような修正の求めもなかった(甲46:添付資料2)。被告岡田は,同人の第3準備書面12頁に記載されている■■氏の話を,「市民からの苦情」と主張するかのようであるが,かかる「苦情」について,フリーマーケットが開催されていた時期(「談話」発行前)に,■■氏本人や■■氏から原告らに対して申し入れられたことはない。
 原告らは,平成15年ころに米山公園が新築された後,毎年秋に公園周辺住民に対する協力費として5000円を,■■■■■■である■■氏の自宅を訪問して手渡していたが,■■氏から原告らに対し,そのような苦情についての話は一度もなかった(甲50:26頁,原告松本18頁)。
ウ 丙5号証について
 被告岡田は,本訴訟において,当初,原告松本が丙5号証(山下の名刺が刷り込まれている)の文書を■■氏に持参して届けた旨主張し(被告岡田第1準備書面41頁)。その後,原告が釈明を求めるや否や,丙5号証は■■氏が作成した文書であると主張を翻した(被告岡田第2準備書面8頁)。文書の作成者という重要な事実自体,被告岡田の主張は曖昧で一貫性を欠いており,丙5号証の証拠の信用性は全くない。
 丙5号証には手書きで「20.‘4.26」との記載がある。
 他方で,上述したとおり,■■氏が「我々はね,ちっとも不都合とは思っていません」「ほんとはね,もっともっとやってくれと思ってました」と述べ,他の近隣住民が「(市民の方から苦情を)聞いたことがないですね」と回答したテレビ番組が報道されたのは,平成20年5月11日である。原告らが同局から取材を受けたのは同年4月30日であり,■■氏が取材を受けたのも同日と推測される。まさに,丙5号証に手書きで記載されている日付の直後である。
(3) 意見交換会では全く出ていなかった論点であること
 米山公園の周辺住民への配慮は,それまで意見交換会では全く出ていなかった論点であった(甲50:25頁,原告松本:19頁)。
 被告岡田もその旨を認めている(被告岡田:24頁)。
 原告ら訴訟代理人山下  それから,米山公園近隣の方からの苦情の話も,意見交換会では出ていませんね。
 岡田  ・・・出なかったんではないでしようか。

3 被告岡田が西毛運動公園の使用を要請したことについて
 被告岡田は,甲27号証の文書において「今後のフリーマーケットの開催は石毛運動公園広場を使用されたくご要請を申し上げます」と記載した(下線原告ら代理人)。
 同公園広場は,フリーマーケット開始当時(第1回及び第2回)の,70区画しか取れない小規模な会場である(甲6.乙9の地図のうち,「小庭園」と記載された部分)。同広場は,石毛運動公園中わずか5,250uしか存しない。同公園内には「自由広場」も存するが,従前の経過からして「広場」といえばこの「小庭園」の区画を指す。被告岡田の要請は,原告らのフリーマーケットを妨害する悪質な嫌がらせという他ない(甲50:25頁)。
 被告らは,本訴訟になるや,「石毛運動公園の陸上競技場及び少年野球場を活用すれば25,000uを超える面積が確保できる」などと主張しているが,「高崎市等広域市町村圏進行整備組合石毛総合運動公園設置及び管理条例」(甲37)において「陸上競技場」「野球場」と「広場」とを明確に別個の施設として定義していることからも明らかな通り,被告岡田は「広場」部分のみを原告らに使用するよう主張したのである。

4 同文書を持参した際の長澤建設部長の発言
(1) 総論
 長澤建設部長は,平成20年2月20日,同文書(甲27)を原告松本の経営する松本商店に持参した際,原告松本及び■■■■■■■■■と40分程度会話した(証人長澤:13頁,甲55)。
 その際,すでに本最終準備書面で引用したとおり,長澤建設部長は,@会場使用許可の日にちが9月14日であったこと(甲55;7頁),A平成19年5月22日付文書(甲22)の作成者が長澤建設部長ではなく被告岡田であったこと(甲55:9頁,11頁),Bフリーマーケットでの参加費の徴収に問題のなかったこと(甲55:10頁),Cスポーツセンター駐車場の利用方法に問題のなかったこと(甲55:11頁)につき,それぞれ認める発言を行っている。
 そして,それらのみならず,長澤建設部長は,下記のとおり,D意見交換会で原告らが怒鳴っていないこと,E「談話」が事実に反することを部長から市長に対し指摘できないこと,F長澤建設部長が「談話」に代わる文書を事前に作成していたにもかかわらず被告岡田が差し置いて本件「談話」を掲載したこと,をそれぞれ認め,さらにG原告松本と長澤建設部長が一番の被害者だと述べていたのである。
(2) 意見交換会で原告らが怒鳴っていないこと
(甲55:3頁)

 松本  (略)9月10日の話ってのがさ,そこらじゆうで今,言いふらされてるんだけど,私は怒鳴った覚えは何もないんだけども。
 長澤  あ,懇談会の席でね。うん,ねえ。
 松本  いやー,いろんな聞いた人がですね,あの,そうゆうことをね,あの,言ってくるんですよ。そういう風に言ってるよっていう風に。
 長澤  そうでしようね。そりゃ。
 松本  長澤さんもそこにいてさ,司会をやってくれたじゃないですか。
 長澤  うんうん。
 松本  だから,私は怒鳴ってないでしよ。
 長澤  だから,私も,その,私も総務部長も,言ってるんだけれども,その中で,意見交換会なんだからね。
 松本  そうそう。
 (略)
 松本  あれはどういうことですか。私をだまし討ちにしたん,あれは。
 長澤  いや,とんでもないです。そういうつもりはいっこもない。
 松本  だって,市のさ,広報に,お知らせ版で出てることは全く嘘じやないですか。
 長澤  だからそれはさ,市長の「談話」の話であってさ,どういう趣旨でやったか,それはちょっとわかんないんだけどもね。あの。
 (略)
 長澤 (略)うちの方はテープも何もとってないし,議事録も何もしてないですよ。
 松本  それで,どうしてあれができちゃんうですか?
 長澤  そう言われると困るんですけどね・・・(笑)。そりやあ困っちゃう(笑)。

(3) 「談話」が事実に反すると部長から被告岡田に指摘できないこと
(甲55:5頁,原告松本:19頁)

 松本  私の個人の,私の名前も出るそうですよ。で,中傷するそうですね。そんなことがさ,いくらあの偉い人で,長澤さんの上であってもさ,そういう,そのことでそのまんま,部長職と,みなさん,こう,あそこの現場にいた人達は,許してこのまま置いておけるんかい?
 長澤  許しても何も,「それは違います」って言ったって,任命権者ですよ。
 松本  わかる,わかる,わかる。
 長澤  クビですよ。
 松本  それでは,クビかい?
 長澤  はい,そんだけ任命権者は強いんですよ。こりゃあもう。
 ■■■ じやあ,聞違いだって言ったらクビ切られちゃうんですか?
 長澤  話,聞いてますか?私の。
 松本  いや,聞いてない,わからないけど。
 長澤  クビですよ。
 松本  クビ?
 長澤  はい。
 松本  ふ−ん。
 長澤  だからそれはやっぱり,今の,任命権者っていうのはそんだけやっぱり権力があるんですよ。

(4) 長澤建設部長が「談話」に代わる文書を事前に作成していたにもかかわらず,被告岡田が差し置いて本件「談話」を掲載したこと
(甲55:4頁。なお,甲50:27頁,原告松本19頁)

 松本  長澤さんの文章があるっていう話ですよね,一説には。
 長澤  ありますよ。
 松本  ねえ。
 長澤  ありますよ。
 松本  ねえ,それをこう,そちらにはじかれて,市長の文書が出たってことでしょ?
 長澤  市長の文章は,どっちがいいかっていえば,市長の方が全然えらいですからねえ。私は宮仕えですから(笑)。こんなんダメっていわれたら,私が,私があの,出せませんから(略)

(5) 「原告松本と長澤建設部長が一番の被害者だ」と述べたこと
(甲55:8頁)

 長澤  あの,もう係わりませんよ。もう,こんなおおごとにしてさあ,まさに,まさしく,松本さんと私ですよ,一番の被害者は。
 松本  被害者,そうそう。
 長澤  あんなおおごとにしてさあ。セッティングしてやってさあ。

(甲55:17頁)

 長澤  もう一年間,本当に勉強になりましたんで。うちの方,役所の中では私が一番の被害者なもんですから。うーんともう,被害者っていうのは変なんだけれども。
 ■■■ でも,被害者ですよね。
 長澤  信頼無くしました,私も。ええ。38年間,もう積み重ねたことが・・・

5 原告らが意見交換会で怒鳴った旨の長渾証言に信用性のないこと
(1) 長澤建設部長は,本法廷において,意見交換会において目を見て話をしという声があったということは事実である旨証言したが(証人長澤:9頁),全くの虚偽であり,その証言に信用性はない。
(2) すでに述べたとおり,ICレコーダーの録音記録(甲39,甲40)に原告らが怒鳴った形跡は全くなく,客観的に事実と異なるうえ,長澤建設部長自身,平成20年2月20日,原告らに対して,意見交換会で原告らが怒鳴っていないことを認めているのである(甲55:3頁)。
(3) 長澤建設部長は,反対尋問において,当初,平成20年2月20日の松本商店における原告及び■■■■との会話において,冒頭から怒鳴っていないのにどうしてこのような記事になったのかと原告らが何度も話さなかったかとの問いに対し,「そのへん,ちょっと記憶ないんですけども」と証言していた(証人長澤:14頁)。
 しかし,些細な事柄であればいざしらず,意見交換会の冒頭から怒鳴ったか否かは,今回このように訴訟にまで発展している重要な事実関係である。この重要な事柄について,「談話」発行後初めて原告らが長澤建設部長と直接会って話す場で(証人長澤:14頁),しかも,1度だけでなく何度もこの点を原告らが話していなかったか否かについて,記憶がない,というのは不自然極まりない。平成19年9月10日の意見交換会でのやりとりは記憶があるのにその後の平成20年2月20日の松本商店でのやりとりは記憶がない,ということも,より一層不自然である。
(4) 結局,長澤建設部長は,反対尋問において,ICレコーダーの録音の存在と偽証罪の制裁を示唆された後に,下記のとおり,怒鳴った覚えはないとの原告松本の発言に対して「懇親会の席でね,うん,ねえ」と回答したことを詰め,反対尋問に対して言葉に詰まり,また,「間違いだと言ったら首を切られる,今の任命権者はそれだけ権力がある」との趣旨の自身の発言について明確な否定を行うことはできなかった。
(証人長澤:16頁)
 原告ら訴訟代理人山下  もう一度お伺いします。平成20年2月20日にあなたが松本さんとお話をしたときに,松本さんはあなたに対して,「9月10日の話ってのがさ,そこらじゅうで今言いふらされてるんだけど,私はどなった覚えも何もないんだけども」と言ったのに対して,あなたは「あっ懇談会の席でね,うん,ねえ。」とこのように発言していませんか。
 長澤  あの。
 山下  したか,しなかっただけ。
 長澤  はい。
 山下  発言したということですね。
 長澤  はい,そうですね。
 山下  それから,松本さんが「おしらせ版に出ていることは全くうそじゃないですか。」と言ったのに対して,あなたは「だからそれはさ,市長の談話であってさ,どういう趣旨であったかそれはちょっと分かんないんだけれどもね。」と,このように発言しませんでしたか。
 長澤  ・・・。
 山下  それからあなたは,この2月20日の日に松本さんに対して,「それは違いますと言ったって任命権者ですよ,首ですよ。」と,それに対して■■■■の■■■が「間違いだと言ったら首切られちゃうんですか。」と確認したのに対して,あなたは「首ですよ,それはやっぱり今の任命権者というのはそんだけやっぱり権力があるんですよ。」と,このように発言していませんか。
 長澤  ちょっと細かいことまで分からない,ちょっと覚えてないんですけども。
 山下  そんなことは言っていないという回答ですか。
 長澤  いや,だから言ってないじやなくて,ちょっとそのへんまでは覚えてないです。
(5) また,上に示した録音記録の内容から明らかな通り,長澤建設部長は,平成20年2月20日,自分と原告松本が「被害者」であるとの表現を,2回にわたって,しかも自発的に述べている。それにもかかわらず,法廷において,被害者という言葉を使用していないなどと,事実に明確に反する証言を行った(証人長澤:22頁)。法廷で被告岡田がすぐ横に座っている証言台において,自らが「被害者」だと発言したことを認めることができなかった事実自体,平成20年2月20日に長澤建設部長が「任命権者っていうのはそんだけやっぱり権力があるんですよ」と述べていたとおりの,市長たる被告岡田と長澤建設部長との関係性を,端的に示している。
 原告らが冒頭から怒鳴ったとの長澤建設部長の主尋問での証言も,被告岡田との関係性から出た虚偽の証言であって,信用性は全くない。

第12 その後も被告岡田が名誉毀損行為を反復継続していること
1 平成20年2月の地区懇談会における名誉毀損行為
 その後,平成。20年2月6日から市内8会場で行われた地区懇談会でも,被告岡田は,原告らに対する名誉毀損行為を平然と繰り返した。
 被告岡田は,「談話」の内容が全く真実であるとして,「目を見て話をしろ」と冒頭から怒鳴りつけた,などとすることをはじめとして,「9月13日午後8時30分に建設部長が代表に会って誠意を持って口頭で(会場の使用を)許可したのに,44日間もあるのに(フリーマーケットを)やらないのは,やる気がないからだ。行政には全く落ち度がない」「(未来塾は)一体良心がどこにあるんだ。常識と節度がどこにあるのか」「公園条例で決められている手数料を未来塾は払っていない。手数料は免除できるが,私は免除していない」「団地や民家に近いところでのフリーマーケットの開催は,弱者に対して配慮や心遣いに大いに欠ける。配慮できない団体は市民的信頼を受けるのにはほど違い」「フリーマーケットの松本立家さんを中心としたそのグループの皆さんは,国民的英雄気取りの亀田家と同じだ」などと,複数の会場で述べている(甲50:25頁)。

2 訴訟・和解に関する地区懇談会での発言と陳述書との食い違い
 被告岡田は,本訴訟において,自身の陳述書(乙17)を提出し,その中で,「まさか,その『談話』が原因で訴えられることになるとは,思いもよりませんでした。私としては,法に違反したことは行っていないことを確信しておりますが,いきなり法廷での争いではなく,調停などの方法でお互いにもっとよく話し合って,解決の糸口が見つけられれば良かったと思っています]などと記載した。
 しかしながら,被告岡田は,平成20年2月の地区懇談会の複数の会場において,「法的措置をとっていただいて結構です。むしろその方が私は歓迎しますjなどと語気強く発言していた。
 そして,本訴訟においても,被告岡田は,被告本人尋問の場で,和解をする意思がないことを明言したのである(被告岡田:27耳,29頁)。
 本心とは全く異なった意見を陳述書に記載し,法廷に提出する被告岡田の訴訟態度は,極めて悪質と言わざるを得ない。

第13 本訴訟で初めて被告らが出した
1 総論
 上述したとおり,被告岡田は,意見交換会後に,「米山公園の周辺住民ヘの配慮」などと,フリーマーケットの開催を阻む理屈を付け加えているところ,被告らはさらに,本訴訟においても新たな論点を持ち出した。

2 募金に関する条例上の許可
 被告らは,「公園使用許可における行為の制限として,安中市公園条例第4条第1号で,公回内で物品の販売,募金その他これらに類する行為をする場合は,あらかじめ市長の許可を受けなければならないが,原告らは,一度も募金の許可を受けていない」と主張する(被告ら答弁書3頁)。
 フリーマーケットにおける募金については意見交換会においてやりとりがあったが,条例上の許可の要否に関しては意見交換会で全く触れられておらず,本訴訟で初めて被告らが主張し姑めたことである。
 原告らは被告らより募金の許可を明示的には受けていないが,被告らの主張する条例第4条1項では,「物品の販売,募金その他これらに類する行為」とまとめて規定しているところ(下線原告ら訴訟代理人),被告らから,フリーマーケットにおいて「物品の販売」は許可するが「募金」は許可しない,などと明示的に区分した許可は一度もなされていない。
 使用許可書では,「使用目的」欄に「フリーマーケット」と記軟されているが,主催団体が営利を目的とせずに行っているフリーマーケット内においては,物品の販売のみならず,公益的な募金活動が行われることも,全く自然である。実際,原告らはこれまでも同様の申請方法をとり,原告未来塾やそれ以外のグループが,震災復興や赤い羽根等,公益目的の募金活動を行っていた。

3 転貸禁止条項について
(1) 被告らは,安中市公園条例第11条の権利の転貸禁止条項をも持ち出した(答弁書3頁)。転貸禁止条項を根拠とする主張が被告らから出されたのも,本訴訟が係属した後であり,意見交換会時を含め,これまでかような主張は一切なかった。
(2) そもそも,フリーマーケットという形態で会場を使用することは被告らも十分認識したうえで,これまでも使用を許可していた。フリーマーケット参加者が各区画を使用することが果たして「転貸」であるか甚だ疑問であるうえ,同条には,市長による許可等を条件に認める例外規定もない。
 被告らは,多数に及ぶフリーマーケットの参加者が,各自,各区画ごとの使用許可申請を行う必要があるとでも主張するのであろうか。
(3) この点,長澤建設部長ですら,転貸には該当しない旨を証言している
(証人長澤:5頁)。
 被告安中市訴訟代理人渡辺  市から米山公園を借りて区画を設けて出店料をもらうということは,ある意味では又貸しに似た関係ですよね。
 長澤  又貸しに,そういうふうにとらえれば言えないこともないですけども,これはボランティア活動という一環ですから,私どものほうとしては,そういうちょっと理解はしてなかったです。

4 被告岡田自身,意見交換会で議論されていないことを認めている
(1) 上記の各論点については,被告岡田自身,意見交換会では議論されていなかったことを認めている(被告岡田:24頁)。
 原告ら訴訟代理人山下  それから,募金については,一応話は上がっていますけれども,条例上は許可が必要になっているんだということをあなたや市の職員は一言も話してませんね。
 岡田  はい。
 山下  それから,転貸の禁止条項,答弁書の中で違法性がないか疑問が生じていたところであったとまで書かれているんですけれども,転貸が禁止になっているんだと,フリーマーケットで出店者に使わせることは転貸になるんじやないかということを意見交換会の場で一言でも話しましたか。
 岡田  3人の皆さんから矢継ぎ早に出ますから。
 山下  話したか話してないかだけ答えてください。話してないですね。
 岡田  そういう話題にはつながらなかったと思っております。
 山下  話題に出なかったということですね。
 岡田  はい。
(2) なお,被告岡田は,意見交換会では予定されたテーマ全部を済ませることができずに終了したために上記の論点に話が進まなかった旨証言するが(被告岡田:28〜29頁),事実に反する。
 意見交換会全体の半分にも及ばない開始後納40分余りの特点て,被告岡田は,「はい,以上です。伺うことは。」(甲40:22頁)と述べ,開始後納50分弱の時点でも「いや,もうさきほど申し上げたように,あの,こちらからの質問は以上で終わります」(同25頁)と述べている。
 そしてその後1時間にもわたって意見交換会は行われているのであって,「論点に話が進まなかった」との被告岡田の証言は,明らかに事実に反する。

V 法的主張@ ―名誉毀損―

第14 名誉毀損総論
 名誉,すなわち人の品性,徳行,名声,信用等の人格的価値にづいて社会から受ける客観的な社会的評価を低下させる行為は,名誉毀損として不法行為が成立する。
 原告らは,フリーマーケットの開催をはじめとして,安中市の地域活性化,自然保護等のため,ボランティア活動に従事し,尽力してきた。実際,諸団体からもその活動を高く評価され,多くの賞を受けてきた。
 被告岡田の作成した「おしらせ版あんなか」41号の「談話」と称する本件記事は,一般読者の普通の注意と読み方を基準としてみれば,全体として,あたかも原告らが私利私欲のためにフリーマーケットに開し不正な活動に従事し,また,被告安中市関係者との話し合いに際しても不誠実な態度を示す者・団体であるかのように虚偽の事実を摘示し,原告らの築き上げてきた上記の社会的評価を低下させるものである。
 被告岡田が本件記事を作成し,被告安中市をして全戸への配布させた行為が,名誉毀損行為に該当することは明らかである。
 以下,詳述する。

第15 名誉毀損該当性
1 総論
 ある表現が名誉毀損的表現に当たるか否かは,一般読者の普通の注意と読み方を基準として解釈すべきである(最判昭和31年7月20日民集10巻8号1059頁)。
 そして,被告安中市の広報紙である「おしらせ版あんなか」の一般読者たる安中全市民の普通の注意と読み方を基準とすれば,「談話」の記事は,あたかも原告らが私利私欲のためにフリーマーケットに関し不正な活動に従事し,また,話し合いに際しても不誠実な態度を示す者・団体であるかのように事実が摘示され,客観的に原告らの社会的評価を低下させる内容のものであることは明らかである。

2 冒頭から怒鳴ったり罵ったりする者・団体であれば受賞に値しない
 原告未来塾は,地域づくり活動に関して,外部から高い評価を受けており,様々な賞を受賞してきた。授賞者は,自治体たる群馬県や安中市のほか,地元の有力新聞社である上毛新聞社をはじめ,群馬銀行環境財団,群馬県社会福祉協議会等,いずれも信頼性の非常に高い機関・団体である。
 また,原告松本個人も,群馬県から,群馬県総合表彰「地域づくり功労賞」を受賞している。
 これらの貧は,原告らの地域づくり活動の内容それ自体が評価されていることは当然のことながら,それのみならず,活動を遂行するにあたっての外部の各関係機関との協調性や誠実さなども,その評価の対象となっていることは自明である。仮に,ある団体の活動内容それ自体がどれほど評価できるものであったとしても,その遂行にあたって外部の各関係機関との間で協調性なく不誠実な態度をとるような独善的団体に対してまで,信頼性の高い団体が賞を与えることはあり得ない(そのようなことを行えば,賞を与える側の機関・団体が自身の信頼を低下させることとなってしまうであろう)。
 仮に,フリーマーケット会場を提供してくれる市の長に対して,「目を見て話をしろ」と「冒頭から怒鳴」ったり,市長を「罵る」ような団体や個人が,地域づくりに関して多数受賞するになおも値するなどと,安中市の一般市民が考えないであろうことは明らかである。
(原告松本:11頁)
 原告ら訴訟代理人山下  未来塾やあなた個人が地域づくりに関して受けてる数々の表彰は,仮に,会場を貸してくれる市のトップに向かって,目を見て話をしろと命令口調で話し合いの冒頭から怒鳴るような団体や個人であっても受けられる可能性のあるものですか。
 松本  いや,受けられないと思います。
 山下  なぜそのように思いますか。
 松本  私たちがいただいている賞は,私たちがぽしいと言って手を上げていただけるようなものではございません。私たちが日頃から地道な活動を地域社会の中でやり遂げて,そして,その評価を,客観的なその評価を下した人たちが私たちを推薦してくれるからです。
 山下  つまり,活動内容もそうだけれども,関係各機関とのやりとり,そのときの誠実さなども含めて評価をされていると,こういうことですね。
 松本  はい,そうです。
(原告松本:12頁)
 山下  目を見て話をしろと冒頭からどなるのに加えて,さらに市長をののしるような団体や個人が,先ほどのような地域づくりに関する表彰を受けるということはあり得ますか。
 松本  いいえ。なおのこと,ないと思います。

3 その他原告らの社会的評価を低下させる記載
(1) 参加費
 「談話」では,参加費について,徴収の事実だけが質問回答形式で記載されるのみで,フリーマーケットに多額の経費を要すること,参加費を集めても収支は赤字であったこと等の原告らの説明が一切書かれていない。
 一般市民が同記載を読めば,あたかも,参加費の徴収によって原告らに利益が生じている,すなわち,原告らが営利目的でフリーマーケットを開催運営しているかのような印象を与えるものであり,ボランティア団体として高い評価を受けている原告らの社会的評価を低下させるものである。
 実際,「談話」掲載後に,原告らに対し一般市民から「金儲けと一緒だ」との抗議があった(甲50:23頁,原告松本:13頁)。
(2) 地震の募金
 「談話」では,地震の募金に関して,「募金箱を持って回るのはおかしい。市はそういうことを知っているのか・・・という指摘もあります。本当なの・か伺います」との質問で始まり,新潟の震災についての募金を行っていた原告らの説明も欠如しており,さらに,市側の発言として「阪神大震災は12年前ですよね。 12年前のことを市民が指摘するのですかね・・・。」などと記載されている。
 一般市民が同記載を読めば,市が「本当なのか」と質問している以上,あたかも客観的に「募金箱を持って回るのはおかしい」行為であると受け止められ,そのような「おかしい」行為を原告らが行っていたかのような印象を与えるものである。
 また,「阪神大震災は12年前ですよね。12年前のことを市民が指摘するのですかね・・・。」との反語的表現は,一般市民が読めば,あたかも原告らが募金に関して不自然な弁解を行ったかのような印象を与え,「おかしい」行為を反復継続しているのにそれを市に説関していない不滅実な印象を与えるものである。
(3) スポーツセンター駐車場の利用方法
 また,「談話]では,スポーツセンター駐車場の利用方法についでも,「はっきりスミワケを決めたことはご承知ですか」との質問で始まり,原告らが駐車場利用に関して努力していたこと,現場ではスムーズにいっていたことの説明の記載もなく,市側の「市は何を考えて提供しているのだ・・・と市民から抗議や苦情が来て困っているのですよ」との発言が記載されているのみである。
 一般市民が同記載を読めば,原告らがあたかも市との間の約束事を守らず,市民から抗議や苦情が出るような活動を行いながら,それらに対して対応せず改善の努力も行わない不誠実な団体であるかのような印象を与えるものである。

(4) 市の跡地買収
 さらに,「談話」では,「市が跡地を買収するよう3回束庁しています」などとも記載されている。
 一般市民が同記載を読めば,原告らがボランティア活動ではなく営利目的活動(それも不動産売買取引によるもの)に従事し,しかも,市に対し何らかの不当要求を行う団体一個人のように誤解を与えるものである。
(5) 寄付金
 「談話」では,説明会資料(甲7)の抜粋にあたって,「活動のための寄付金を集めています」とだけ記載し,その目的として資料にも明記してある「公園建設,福祉向上,自然保護活動のため」の部分が省略されている。
 一般市民が,F談話」内の他の記載と併せて同記載部分を読めば,原告らがあたかも自らの利益のために寄付金を募っているかのように誤解を与えるものである。
(6) 開催準備期間
 「談話」では,「市の回答から44日間もある」(下線原告ら訴訟代理人)と記載されている。
 一般市民は,44日間で開催準備を行うことが不可能だということは知らないため,そのような一般市民が同記載を読めば,あたかも,開催準備期間が十分にあるのに原告らにやる気がないために開催しなかったかのような誤解を与えるものである(原告松本:16頁)。
(7) 総合的に読めば原告らの社会的評価はより一層低下すること
 上記のような,原告らが不正な活動に従事し,不自然な弁解を行い,また開催準備期聞か十分にあるのにやる気がないために開催しないかのような各記載は,一つ一つがそれぞれ悪質な名誉毀損である。これが,複数重なり,さらに上述の市との話し合いの回頭から怒鳴るとの事実や市長を罵るとの事実と合わせて総合的に見れば(一般市民の「談話」の読み方としてそのように総合的に続むのが自然であることは論を俟たない),より一層,原告らの社会的評価を低下させる内容のものであり,地域づくりに関して多数受賞するになおも値するなどと,安中市の一般市民が考えないであろうことは明らかである。

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【ひらく会情報部・最終ラウンド2-4につづく】

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