2010/9/3  23:50

八ッ場ダム推進でアブク銭にあずかりたい国交省職員の気持ちを体現した斉藤烈事件(その3)  八ッ場ダム問題

■協立測量から被告への貸付金名目の賄賂は、斉藤被告が平成16年4月に八ッ場ダム工事事務所に異動になるまでに2000万円に達しました。その後、被告はさらにトータルで710万円(850万円という数字も出ている)を借りました。貸付金ということで、一部返済した形跡がありますが、わずか171万6千円しか返済していませんでした。


 斉藤烈被告(当時44歳)は、平成18年4月1日に、八ッ場ダム工事事務所から、関東地方整備局首都国道事務所用地第2課長に異動し、そして、その後まもなく贈収賄事件が発覚し逮捕されたのでした。

<資料3>
斉藤から阿部への返済記録
H16.04.28   15.6万円
H16.06.02   15.6万円
H16.06.24   15.6万円
H16.07.30   15.6万円
H16.08.31   15.6万円
H16.09.29   15.6万円
H16.12.06   31.2万円(2か月分)
H17.02.01   31.2万円(2か月分)
※以上、8回(156万円)しか返済されていない。

■上記のとおり、斉藤被告は、平成16年3月に八ッ場ダム工事事務所に異動の打診を受けた段階で、まだ内示さえ出ていないのに、早くも協立測量の阿部から転勤祝いの電話をもらった当時のことについて、取調官Qに対して、Aのように供述しています。

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Q:八ッ場ダム工事事務所での2年間とは?
A:「前任者も含めて、通常3年というのが、ダムの管理所については3年というのが暗黙の了解でございまして、それは阿部さんの方から、自分は人事には顔が利く、口が出せるということで、あなたを2年で私は返してあげます」というふうに言われまして、常々言われまして、そんなのは無理だなとは思ったんですが、実際2年で単身赴任解消になりました」
Q:八ッ場ダム工事事務所に行く前に阿部から言われたことですか?
A:「まあ、2年で返す。自分が返してあげるからと、はい」
Q:間違いない?
A:「間違いない。阿部さんから常日ごろ言われてたことはですね。斉藤さん、何かあれば私が守るからとかですね、あと、将来偉くさせてあげるからとか、そういうことは常々言われていました。・・・斉藤さんに限らず、他からも資料はいろいろもらえるところがあるんだけれども、斉藤さんは斉藤さんで送ってくれといわれて、それで、・・・まあ、他の人もそういう書類等をお渡ししている人も居るのかなというふうには感じました」
Q:何度か、この話はあった。
A:実際に4月から八ッ場ダム工事事務所へ移って、自分の判断で(阿部の)自宅に送りました。
Q:あなたが、阿部から会社でも自宅でもどちらでもいいと聞かされたときに会社でもかまわないという説明をどのような意味で受け止めましたか?
A:「・・・まあ、会社でもいいということは、私から書類が行くということは、会社の人たちも知っているのかなというふうに」
Q:阿部は会社の業務時間中に送ってもらっては、他のFAXと混同し、社員にこのような内部文書を送ってもらっていることが知られたらまずいと思い、斉藤さんに昼休みに送ってもらえるようにお願いしたとこういうふうに説明しているんですけれども、これは間違いですか?
A:「間違いです」
Q:阿部はあなたから金を要求されたと。
A:「阿部から、『労務単価を知りたいので設計書を送れというよう』に言われた」
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■一方、協立測量の専務の調書を見ると、会社内では、被告のことを「烈(れつ)」というような言い方で呼び捨てしていて、高額な金を貸したのは「良い実を生らせるための肥料だった」「恩を売っておいて見返りをもらう下心があった」と専務が供述しています。

 被告の斉藤烈の調書を見ると、家庭で奥さんからもらえる家計からの「小遣いは4万円」だったそうです。業者から湯水のごとく供給される賄賂が、いかに有難いものだったのかが容易に想像できます。なお、被告は、平成18年9月27日の第1回公判前には、保釈されていますが、その保釈金は実父に立て替えてもらったり、保険金を解約して捻出したものでした。実家は相当な資産家と思われます。

 しかし被告は、保釈されてもなお、被告にはサラ金から300万円くらい、国交省の同僚職員らから160万円くらいが借金あり、そのほか、家のローンとして役所の共済組合、住宅金融公庫などの借入金が残っていて、協立測量の専務に対する借金が2700万円くらい残っています。

■興味深いのは、収賄で起訴されると、「収賄被疑者職務権限報告書」というものが作成され、法廷に提出されることです。斉藤烈事件では、乙9−1号証として、この「収賄被疑者職務権限報告書」(平成18年7月3日、29ページ)が提出されました。これには次の文書が関連情報として添付されています。

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資料2 日本国憲法(2ページ)
資料3 国家行政組織法(1ページ)
資料4 国土交通省設置法(4ページ)
資料5 国土交通省組織例(4ページ)
資料6 用語検索画面 国土交通省設置法 国土交通省組織規則(2ページ)
資料7 地方整備局組織規則(8ページ)
資料8 関東地方建設局組織細則(9ページ)
資料9 八ッ場ダム工事事務所組織図 インフォメーション(1ページ)
資料10 国家公務員法
資料11 刑法(2ページ)
資料12 財政法(2ページ)
資料13 会計法(2ページ)
資料14 契約事務取扱規則(1ページ)
資料15 国土交通所所管会計事務取扱規則(4ページ)
資料16 地方整備局会計事務取扱標準規則(7ページ)
資料17 関東地方整備局用地調査等業務請負基準(3ページ)
資料18 用地調査等請負業務監督検査要領(3ページ)
資料19 入札契約手続 建設コンサルタント業務等においては入札及び契約の過程並びに契約の内容等に係る情報の公表について(5ページ)
資料20 入札・契約手続運営委員会(2ページ)
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■また、平成17年4月1日から八ッ場ダム工事事務所の副所長として赴任した冨田衛の平成18年7月10日の供述によれば、当時の八ッ場ダム工事事務所の組織表の変遷は次のとおりでした。ちなみに、被告の斉藤烈の同事務所への赴任時期は平成16年4月1日〜平成18年3月31日でした。

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在任期間:@H16.4.1現在〜AH16.10.1〜BH17.4.1〜CH17.7.1〜DH18.3.31
・所長(技官)        @野口徹A安田吾郎B安田吾郎C→D
・副所長(事務官)      @須賀重治A→B冨田衛C→D
・副所長(事務官)      @佐久間邦夫A→B→C→D
・副所長(事務官)      @富岡秀顕A→B高橋克和C→D
・用地第一課長(事務官)   @斉藤烈A→B→C→D
 ・専門職(事務官)     @福田達也A→B→C→D
 ・用地第一係長(事務官)  @羽田智之A→B→C→D
 ・用地第二係長(技官)   @安田勝A→B→C→D
 ・用地第一・二係員(事務官)@久保昌弘A→B→C→D
 ・用地第三係長(事務官)  @中村秀馬A→B苗村秀幸C→D
 ・用地第三係長(事務官)  @玉置剛也A→B→C→D
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■警察の捜査に協力する形で、八ッ場ダム工事事務所が提出した資料には次のものがあります。

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・国交省機構関係法令集 H17現在 組織関係(中央省庁等改革基本法)(3ページ)
・国交省組織関係(国家行政組織法)(3ページ)
・国交省設置法(7ページ)
・組織関係(国交省組織令)(22ページ)
・組織関係(国交省組織規則)(4ページ)
・組織関係(司法整備局組織規則)(16ページ)
・八ッ場ダム20年のあゆみ(6ページ)
     初代所長 西敏賢(株式会社大東設計コンサルタント)
     昭和43年当時調査技術課長 梅津光郎
     昭和43年当時用地化用地第一係長 高柳達夫
     昭和45年当時工務課長 多賀芳治
     昭和45年当時庶務課庶務係 水野洋子
・関東地方建設局例規集(12ページ)
・八ッ場ダム組織図 H16.4.1 (1ページ)
・八ッ場ダム組織図 H17.4.1 (1ページ)
・八ッ場ダム組織図 H18.4.1 (1ページ)
・平成17年版 服務・勤務時間・休暇関係法令集 (4ページ)
・国家公務員法
・刑法 (3ページ)
・関東地方建設局例規集(6ページ)
     第1編 総務 第1節 組織・処務 ○関東司法建設局組織細則
・用地業務内容の説明(1ページ)
・国土交通省会計実務要覧(H17年度版)(3ページ)
・国土交通省会計実務要覧(H17度版)(12ページ)
・国土交通省会計実務要覧(H17度版)(13ページ)
  ○地方整備局会計実務取扱標準細則
    1、2、3/23、24、25、26、27/72、73、74、75、76/77、78、79、80、81
   地方整備局会計事務取扱標準細則
・補助者任命簿 H15.4.1〜
   所属 八ッ場ダム工事事務所
   補助者の官職名等/用地第一課長(6ページ)
   補助事務の範囲
     1.設計書、仕様書その他の関係書類の審査
     2.契約の相手方の推薦調書の審査
     3.予定価格の積算調査の審査
     4.工事・製造等の監督
     5.検査、検査調書の作成その他の契約の履行の確認
  予算執行職員の責任に関する法律第2条第12項第12号の補助者を上記のとおり命ずる。
   補助者
     ■■■ ■■ 任命年月日15.4.1 解任年月日16.3.31
     斎藤烈 サイトウ 任命年月日16.4.1 解任年月日18.4.3
     ■■■ ■■ 任命年月日18.4.3
  その他の補助作業
    1.賃金支払内訳書その他の関係書類の審査
    1.計画書、仕様書その他の関係書類の審査
    2.契約の相手方の推薦調書の審査
    3.予定価格の積算調査の審査
    4.検査、検査調書の作成その他の契約の履行の確認
    1.支出負担行為決議書案及び関係書類の審査
    2.設計書、仕様書その他の関係書類の審査
    3.契約の相手方の推薦調書の審査
    4.予定価格の積算調査の審査
    5.工事、製造等の監督
    6.検査、検査調書の作成その他の契約の履行の確認
    1.契約決議書案及び関係書類の審査
    2.計画書、仕様書その他の関係書類の審査
    3.契約の相手方の推薦調書の審査
    4.予定価格の積算調書の審査
    5.検査、検査調書の作成その他の契約の履行の審査
・関東地方建設局用地調査等(7ページ)
    業務請負関係例規集 H9年4月 関東地方建設局
    関東地方整備局用地調査等
    業務請負関係例規集   関東地方整備局
    <関東地方整備局用地調査等業務請負基準構成表>
・工事契約実務要覧(国土交通(建設)編)(5ページ)
    H18年度版 新日本法規
    1276 入札・契約手続 入札・契約手続運営委員会設置要領準則の制定について
     3.入札・契約手続運営委員会
・関東地方整備局訓令第3号(4ページ)
    関東地方整備局事務所出張所文書管理細則
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■また、被告の斉藤烈の後任者として、平成18年4月3日に着任した武士修の供述によると、用地一課が請負に付することができる業務は、関東地方整備局用地調査等業務請負基準の次の条項に基づいて実施されるということです。

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第2条(1)地図の転写
   (2)土地及び建物等の登記簿等の調査
   (3)戸籍簿等の調査
   (4)土地等の権利者の確認調査
   (5)土地の測量、面積計算又は製図等
   (6)土地及び土地に関する所有権以外の権利の評価並び残地補償等に冠する調査又は補償金額の算定
   (7)建物、工作物、墳墓及び立竹木に関する調査又は補償金額の算定
   (8)居住者及び動産に関する調査又は補償金額の算定
   (9)営業に関する調査又は補償金額の算定
   (10)農業に関する調査又は補償金額の算定
   (11)鉱業権、温泉利用権、漁業権、水利権及びその他特殊な権利の補償に冠する調査又は補償金額の算定
   (12)立毛、養殖場又は特産物に関する調査又は補償金額の算定
   (13)公共補償に関する調査又は補償金額の算定
   (14)電波障害、日照阻害、水枯等及びその他の事業損失に関する調査又は費用負担額の算定
   (15)生活再建対策等に関する調査又は補償金額の算定
   (16)標準家賃の実態等に関する調査
   (17)土地調書及び物件調書の作成
   (18)事業認定申請書添付図書等の作成
   (19)建物等の移転工法認定
   (20)土地に関する登記業務
   (21)測量又は調査の監督業務
   (22)精度管理
   (23)補償説明業務
   (24)その他前各号に類する業務の調査又は補償金額の算定
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【ひらく会情報部・八ッ場ダム問題研究班】
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