2011/2/6  0:14

1年3カ月ぶりのジブチは様変わり(その3)  国内外からのトピックス

■アフリカというと大した食べ物は期待できないと考えがちですが、そうではありません。実に多様性のある料理にめぐり合うことができます。

 その場合、とくに、旧宗主国がフランスやポルトガルの国は、料理の幅がとくに広く感じます。反面、イギリスの植民地だった国は、比較的料理のレシピがいまひとつです。
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ジブチの有名なスーパーマーケット「Nougaprix(ヌガプリ)」の敷地内にあるビュッフェ形式のレストランの看板。

 1977年にフランスから独立したジブチの料理は、国境を接するエチオピアやソマリアの影響も受けていますが、長年フランスの植民地だったため、フランス料理の影響を受けており、アラブ系やインド系の料理と融合して、実にいろとりどりの料理にめぐり合えます。

 とりわけ、主食ともいえるパン類は、フランスパンのほか、フランスの植民地だった北アフリカや中東諸国では定番のクスクス、それにエチオピアで有名なインジェラという酸っぱいパン、さらに、インド料理でおなじみのチャパティ、ロティ、ナンのような薄焼きパンなどいろいろです。また、コメ料理もよく食され、サフランやスパイスを入れたものが一般的です。
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 今回の取材で、めぐり合った食べ物を紹介します。
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エチオピアの主食のインジェラ。テフと呼ばれる穀物の粉末を水で置いて発酵させ、薄いクレープ状に焼いた灰色の食べ物。発酵でできた気泡による凹凸と酸味と独特の香りが特徴なので、はじめて口にすると抵抗感を持つ人もいる。小麦粉と違いグルテン分がゼロなので、小麦粉アレルギー症の人も食することができる。

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大ぶりにカットされたバゲット(フランスパン)。朝昼晩、レストランやカフェで食事を頼むと自動的についてきて、無くなるとお変わりを持ってきてくれる。つまり食べ放題。

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朝食バゲットにバター、ジャムとコーヒーあるいはティーがつけば欧米スタイル、肉野菜炒めとアラビックコーヒーあるいは紅茶がつけばジブチスタイルになる。写真はヌガプリのすぐ近くにあるジブチ式高級カフェSable Blancの朝食。

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ベール(肝臓という意味のソマリ語)。この料理は、羊のレバーを野菜とスパイスと一緒に油いためしたもの。ジブチのカフェでは朝からこの肉野菜ソテーが定番。この他に牛肉や魚肉やチキンを使ったバージョンも旨い。フランス仕込みのバゲットパンをちぎって、フレンチマスタードをつけ、この肉野菜炒めを挟んで食べると、朝のひと時が充実する。

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昼食はもっぱらセルフサービスのNougaprixのレストランを利用。日替わりで料理のメニューが変わるので飽きがこない。ソフトドリンク付きで一人1900フラン(約950円)。ある日のメニューを次に紹介します。
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夕食はベトナム中華料理店か、宿泊ホテル内のイタリアレストラン。写真は、その1で報じた自衛隊員らもしょっちゅう利用しているベトナム中華料理店とその献立メニュー。

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ジブチには日本料理を出す店はなかったが、昨年から空港に近い新興住宅地の中に開店したレストランLa mer rouge(紅海という意味のフランス語)で、寿司や刺身等の和食を出す店が現れた。ただし板長はヨーロッパで修業したというインドネシア人。鉢巻をして、挨拶にきたが、恰好は日本人そっくり。寿司ネタには問題なく、みそ汁もなかなかの出来上がりだったが、水気の多い炊き具合なのか、スシ飯にしまりがないのが玉にきず。しかし、フランス風にアレンジした前菜はオーナーのフランス人のアイデアか、なかなか洒落ている。主なメニューを次の紹介する。
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■ところで料理には水が欠かせませんが、ジブチの水道水には少し塩味が感じられます。シャワーを浴びながら石鹸を使っても全く泡立ちません。非常に硬度が高い水なので、料理用にはともかく飲料用には不向きです。水道水は、海水淡水化装置で作った水にミネラル補給と増量用に地下水を混ぜているそうですが、ジブチの町の地下水には塩分が含まれているため舐めるとしょっぱい味がします。

 そこで、飲用水はミネラルウォーターに頼ることになります。ジブチで売られているミネラルウォーターは、内陸の地下水から作られています。エチオピア街道を西に向かって1時間ほど走ると、右方向にミネラルウォーターの製造工場が見えます。

■ジブチは、家畜と魚以外の殆んどの食材や食品を輸入に頼っています。したがって、物価は日本並みに高くなっています。しかし、水さえあれば豊富な日差しで植物の生育は問題ないはずです。太陽エネルギーをうまく利用して、海水から真水を低コストで作ることができれば、水耕栽培で新鮮野菜の供給が可能になるかもしれません。

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ジブチの市街地には、フランス統治時代を思わせるコロニアル風の建物が今でも多く残っている。通りには、白や淡いクリーム色など明るい色調の建物が多くみられる。大きな窓には、日中の日差しを避けるための鎧戸がついている。建物内部の天井に大きな扇風機がついている。

■ジブチの人口は70万人とも80万人ともいわれています。ただし本当の人数は不明です。郊外に出れば一面の荒野で、そこに暮らす遊牧民には国境という概念は希薄です。隣国エチオピアやソマリアの紛争で、大量の避難民がジブチに入っており、ジブチ市内の4人に一人は避難民だといわれています。

 取材を終えるにあたり、最後の朝、市内のカフェで現地の人たちと朝食をとった際に、チュニジアで起きたベンアリ長期政権の崩壊劇が話題となりました。これは、今年1月初めに、同国の地方都市で高い失業率や食料価格高騰に抗議するデモが相次ぎ、それが首都に飛び火して、1月14日にベンアリ大統領がサウジアラビアに亡命し、長期にわたる政権が崩壊したものです。

■このニュースは他のアフリカや中東諸国に大きなショックを与えました。多くの国が王制や長期独裁的政権だからです。ジブチでは、今年3月に大統領選挙が控えており、現大統領の再選の可能性が取りざたされていますが、もともとエチオピア系のアファール族と、ソマリア系のイッサ族から構成されてる複合民族国家のため、国の安定のためには、多少、軍の力も必要だというのが、ジブチ人の意見です。

 もちろん、こちらからは内政干渉になるので具体的なコメントは避けましたが、ジブチ人は、現下のジブチの安定を、欧米諸国による軍事的支援によるものであることを認めつつ、しかし欧米の価値観に振り回されたくないという彼らの本音も痛感しました。

■くしくも、ジブチの人がチュニジア政権崩壊の話題を話したその日に、エジプトで大規模な暴動が発生しました。その後、このエジプトの暴動はムバラク政権即時退陣を要求する全国的な民衆の運動によるエジプト情勢は瞬く間に緊迫化しました。

 さらにこの民主化の動きはヨルダンや、ジブチの対岸にあるイエメンにも飛び火して、アフリカ・中東のイスラム諸国を揺るがし続けています。当会の分析では、親米政策をとっている超独裁国のサウジアラビアが、このイスラム諸国の民衆による民主化運動を一番恐れているはずです。

■イスラム諸国で突然勃発したこうした急激な民衆行動の背景には、小麦などの穀物の値上がりが原因の一つに挙げられています。やはり食料品の値上がりは、宗教を超えて庶民にとっては、石油の値上がりよりも切実な問題なのです。

 日本の食料自給率もジブチに近い数値ではないかと思われますが、せめて食べ残しによる残飯の廃棄は減らしたいものです。

【ひらく会情報部海外取材班・この項おわり】
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タグ: ジブチ共和国 Sabl La



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