2011/3/24  23:28

公共放送が好んで起用する御用学者が呪文のように繰り返す「問題ない」「安心だ」「直ちに影響ない」の辟易  前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災

■公共放送のNHKが、放射性物質の拡散による大気、水、土壌、食品汚染の被害の拡大の事実の打ち消しにやっきとなっています。


 先ほど、放送されたクローズアップ現代では、「原発事故 広がる波紋」(3月24日(木) 20:00〜20:45 )では、ゲストとしてスタジオに呼んだNHKの取材記者と大学教授と称する専門家が、政府のキャッチフレーズである「摂取しても直ちに健康に問題がないので、冷静に対応するように」という言葉どころか、さらに踏み込んでチェルノブイリの例を挙げて、「被災直後にミルクを摂取した子どもたちのなかには甲状腺がんはたしかに一時的にみられたが、その後はまったくそうした現象は見られず、大人に至っては、放射性物質による影響はまったくなかった」などと断言をしていました。

 しかし、海外では、すでに福島、栃木、群馬、茨城産の農産物は輸入禁止措置に踏み切っている国が続出しています。

■当会では、先日18日に、群馬県の衛生食品課を訪れて、前日送った水道水に関する質問に対する回答を聞こうとしましたが、電話がじゃんじゃなっており、10分ほど待たされました。結局、群馬県では水質検査を委託している県の検査機関に、水道水の検査について依頼をしようと言うことで、対応が後手後手であることが分かりました。

 「具体的な対策については、これから協議して対応したい」と繰り返すだけの県の担当者には、「とにかく、県民から分からないことについて質問があれば、いち早く行政のネットワークを駆使して専門家や専門機関に聞いて、その結果判明したことはホームページや記者会見で迅速に広報してほしい」と申し入れました。

 現時点では、群馬県ではまだ、1リットル当たり100ベクレルをこえる放射性物質が検出された水道水はないようですが、検査のサンプリング件数が圧倒的に少ないため、安心はできません。

■一方、関東地方に降下した放射性汚染物質が利根川に集まり、流れ下った先で水道原水として取水している金町浄水場では、3月23日に採取された水道水から食品衛生法に基づく乳児の摂取に関する暫定指標値の2.1倍となる210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されました。この他、セシウムやストロンチウムなどの半減期の長い物質も微量ながら含まれていると思われます。また、福島第1原発の3号機ではプルトニウムを使ったプルサーマル燃料棒を使っていたことから、猛毒のプルトニウムが環境中に放出されている可能性があります。

 当会は、5年前にウクライナのキエフを取材に訪れたことがありますが、そこで、国土の10数%が放射性物質に汚染された土壌であるという話を聞きました。ウクライナは肥沃な穀倉地帯が広がり、小麦などの穀物の一大生産地で、「ヨーロッパのパン籠」と呼ばれていましたが、チェルノブイリ原発事故で広大な穀倉地帯が、土壌汚染され、いまでも土壌汚染のひどい肥沃な農地が放棄されたままとなっており、国家的な損失が続いています。

■3月11日の福島原発事故から明日で2週間となります。今日のロイター報道http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20220820110324
によると、オーストリア気象地球力学中央研究所が3月23日に発表した内容は「試算したところ、福島第1原発の事故後3─4日間に放出されたヨウ素131とセシウム137の量が、旧ソ連チェルノブイリ原発の事故後10日間の放出量の約20─50%に相当する。日米の測定結果を基に算出した。事故後3─4日間のヨウ素131の放出量は、チェルノブイリ原発の事故後10日間の放出量の約20%。セシウム137の放出量は、同約50%に達する可能性がある」ということです。

 また、同じくロイター電によれば、フランスの放射線防御原子力安全研究所(IRSN)は3月22日、「福島原発の事故で漏えいした放射性物質の量はチェルノブイリ事故の約10%で、チェルノブイリの事故では原子炉が爆発したが、福島原発の事故では放射性物質が比較的ゆっくりと漏えいしている」という見解を示しています。

■チェルノブイリでは、原子炉4号炉の炉心溶融により、およそ10tの放射性物質が大気中に放出されたといわれています。ところが、今回の福島原発では、1号炉から4号炉まで、冷却材の欠乏により炉心溶融が発生して、原子炉格納容器に穴があいていたり、使用済み燃料棒の冷却プールの水がなくなって、直接、大気中にさらされているのです。単純計算でいえば、原子炉の数からいえば4倍であり、可能性としては、核分裂反応は止まっているとはいえ大気中に拡散しかねない放射性物質の量はそれだけチェルノブイリよりも多いことになります。

 しかし、政府の経済産業省原子力安全・保安院は3月11日の原発事故が連続的に発生後、国際原子力機関(IAEA)が決めた8段階の国際原子力事象評価尺度(INES)でレベル4程度相当だと言っていましたが、3月18日になって渋々「レベル5に相当する」との暫定評価を発表しました。これは、原子炉が炉心溶融を起こし周辺に放射性物質が放出された米スリーマイルアイランド原発事故(1979年に)と同レベルというわけですが、海外ではすでに、スリーマイルとチェルノブイリとの中間のレベル6或いはレベル6.5だという報道がされてきました。

 レベル6は「原子炉や放射性物質障壁に致命的な被害」により「放射性物質のかなりの外部放出:ヨウ素131等価で数千から数万テラベクレル相当の放射性物質の外部放出」とされていますが、日本政府だけが、まだレベル5のスリーマイル事故と同程度だと言ってます。この未曾有の原発大事故を矮小化したいという思惑が見え見えです。この期に及んで、相変わらずの事なかれ主義では困ったものです。

■それでも、ようやく最近になって、日本国内でも、「ひょっとしたらこの福島原発事故の比較の対象は、1986年4月26日1時23分(モスクワ時間)に発生した史上最悪の原発事故だったチェルノブイリしかないのではないか」と思うようになってきました。

 今後、このまま福島原発の事故で、放射性物質が飛散し続けた場合、どこまで被害が拡散し深刻化するのかを評価するには、やはりチェルノブイリしか比較対象がないことになります。

 今日のNHK番組「クローズアップ現代」の「とんでもない発言」にも見られるように、「直ちに健康に影響はない」とひとくくりにされてしまいがちですが、要するに確率の問題だと思われます。広島の原爆でも爆心地から3キロの場所で被ばくしても、物陰にいたため、直接閃光を浴び素に住んだ人の中には、90歳以上の長寿で存命のかたもいますが、同じように物陰にいて被ばくして、数年後に血液ガンで死亡した人もいます。要するに、発がん等放射線被曝に起因する疾患がどの程度、数的及び質的に発症するかどうかの確率の問題なのですが、今後、日本人の放射線被ばくレベルは3.11の福島原発事故を境にして、確実に、しかも大幅に上昇したことは誰も否定できないでしょう。

■この変化の程度は、後世にならないと定量的評価値は正確に確定されないのでしょうが、ここでも指標として参考になるのは、やはり25年前に発生したチェルノブイリ原発事故の事後評価です。そのチェルノブイリ原発事故の医療支援活動に平成3年3月からNGOの一員として参加した甲状腺疾患が専門の医師で、現在、長野県松本市の市長となっている菅谷昭(すげのや・あきら)氏は、平成8年1月から平成13年6月までベラルーシ共和国で、5年半に及ぶ長期滞在活動をした経験から、今回の福島原発の事故について、3月22日の定例記者会見で、放射性物質による大気、水、土壌、食物の汚染で発言をしています。非常に含蓄のある発言ですので、ぜひ参考にしてください。
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/aramasi/sityo/puro/index.html
(菅谷・松本市長の経歴)
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/aramasi/sityo/kaiken/teirei20110322/index.html
(福島原発に関する発言)

【ひらく会情報部】
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