2011/10/13  12:43

3年前の多胡運輸ローリー横転炎上事件の損害賠償を荷主の出光にも請求した首都高の決断と勝算  首都高炎上とタゴ運輸


■当会は、平成20年8月3日(日)早朝に発生した多胡運輸(群馬県高崎市箕郷町)所有の大型タンクローリーによる横転炎上事故で、これまでに首都高が多胡運輸やその元請、或いはガソリン等の運搬を依頼した荷主らに対して為した賠償請求にかかる一切の情報を、平成23年7月27日に首都高に開示請求しましたが、首都高は8月24日付で、全部不開示の通知をよこしました。

 そこで、8月30日付で「再検討の求め」で不服申し立てをしていましたが、9月27日付でまたもや不開示の通知が送られてきました。

 ところが、当会の推測どおり、首都高はこの事故について、時効前に多胡運輸らを相手取り損害賠償請求の手続を進めていたのでした。



■10月8日未明のNHKの報道は次のとおりです。

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首都高事故 34億円賠償請求
 3年前、首都高速道路でタンクローリーが横転して炎上し、2か月半にわたって通行規制が行われた事故を巡り、首都高速道路の運営会社が「交通量が著しく減り損害を受けた」と主張して、ガソリンの運搬を委託していた出光興産などに34億円余りの賠償を求める裁判を起こしました。
 この事故は、3年前の8月、東京・板橋区の首都高速環状線と5号線の合流付近で、ガソリンなどを積んでいたタンクローリーが横転して炎上したもので、現場の道路は、橋桁や路面が変形するなど大きく損傷し、2か月半にわたって通行規制が行われました。この事故について、首都高速道路株式会社は「復旧工事に多額の費用がかかったうえ、交通量が著しく減って損害を受けた」と主張して、ガソリンの運搬を継続的に委託していた出光興産のほか、運送会社などにおよそ34億5000万円の損害賠償を求める訴えを起こし、7日は東京地方裁判所で初めての審理が開かれました。訴えについて、出光興産は「今後、どのように対応するか検討していきたい」と話しています。この事故を巡っては、ドライバーの安全運転の対策が不十分だったとして、運送会社がトラックの使用停止などの行政処分を受けました。
【10月8日 0時20分 NHK】
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■また、共同通信社もこのニュースを簡単に報じています。

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運営会社、34億賠償求め提訴 08年の首都高炎上事故で
 首都高速道路で2008年、ガソリンなどを運搬していた大型トレーラーが横転して炎上し、通行規制が行われた事故をめぐり、首都高速道路の運営会社が、運搬を委託していた出光興産やトレーラーを所有する運送会社などに計約34億5千万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴していたことが7日、分かった。
 訴えによると、08年8月、東京都板橋区の首都高速5号線と環状線の合流付近でトレーラーが横転、側壁に衝突して炎上した。この影響で現場の道路は路面が沈下するなど激しく損傷し、約2カ月半にわたって通行規制が行われた。(共同)
 運営会社の「首都高速道路株式会社」側は「復旧工事に多額の費用がかかり、交通量も激減した」として今年7月に提訴していた。(共同)
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■しかし、妙なことに、大手新聞社はどこもこのニュースを報じません。報じたのがNHKと共同通信社だけだとなると、やはり出光興産の広告宣伝費の恩恵にあずかっているマスコミ各社の及び腰ぶりが象徴的に浮かび上がります。

 出光興産の広告宣伝費の恩恵を直接は受けていないNHKでも、報道の内容を見ると、事故を起こした多胡運輸(群馬県高崎市)の名前や、そこに出光の石油製品の配送を請け負わせていたホクブトランスポート(群馬県高崎市)の名前は表に出さず、「ガソリンの運搬を継続的に委託していた出光興産のほか、運送会社など」という表現を使っており、何か意図的な背景を感じさせます。共同通信社の記事も「トレーラーを所有する運送会社など」という記述をしており、同様の配慮がうかがえます。

■どのような経緯や背景があるにせよ、当会は、政治的な圧力にめげず、いちおう多胡運輸に対して損害賠償請求を起こし、利用者に対して説明責任を果たそうとするように見える首都高の対応に、ひとまず拍手を送りたいと思います。

 本来は「大喝采を送る」と言いたいところですが、「ひとまず拍手を送る」という控えめな表現をした背景には、次の経緯があるからです。

■前述のとおり、当会の切実な「再検討の求め」に対して、首都高は次のとおり、再度「不開示」通知を9月27日付で当会に送ってきました。
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                    総 務 第27号
                    平成23年9月27日
 市政をひらく安中市民の会
   事務局長 小川 賢 様
                    首都高速道路株式会社
                    代表取締役社長 橋本 圭一郎
      首都高速道路株式会社が保有する情報の開示について(通知)
 平成23年8月31日付けで受理しました情報開示請求に係る再検討の求めについて、再検討を求める内容及び理由に基づき再度検討いたしましたが、下記のとおり不開示とすることとしましたので、通知します。
                    記
1 再検討の求めがあった情報の名称
 平成20年8月3日(日)早朝に発生した多胡運輸所有の大型タンクローリーによる横転炎上事故で、同年10月14日に記者会見した佐々木克己社長(当時)は「損害が経営に与える影響は小さくない。賠償請求をきちんとやりたい」と述べた件に関して、これまでに首都高が多胡運輸やその元請、或いはガソリン等の運搬を依頼した荷主らに対して為した賠償請求にかかる一切の情報。
2 不開示とした情報とその理由
(1)不開示とした情報
 上記1の情報
(2)不開示とした理由
 「首都高速道路株式会社が保有する情報の開示に関する規則」第5条第四号ニの規定に該当するため不開示とした。
(参考) 首都高速道路株式会社が保有する情報の開示に関する規則(抜粋)
 第5条 会社は、開示の求めがあったときは、開示の求めに係る保有情報に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示の求めを行う者に対し、当該保有情報を開示するよう努めるものとする。
 一〜三 略
四 会社が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
 イ〜ハ 略
 二 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、会社の財産上の利益又は当事者としての地位を害するおそれ
 ホ〜ト 略
                   以 上
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■当会が、詳細に、再検討の求めの理由を説明したのも係らず、ごらんのとおりの紋切り型の不開示通知には本当にガッカリさせられました。

 この分では、なぜ、損害賠償金額が当初の45億円(内訳は、通行止めのあった8〜9月の料金収入減少分25億円+橋桁の架け替え等の復旧工事に20億円)という意気込みに対して、約10億5千万円減額した形となったのか、また、いつ、出光興産、ホクブトランスポート、多胡運輸に損害賠償請求を出したのか、どんな内容の訴状を出したのか、などについて、情報開示を行っても、木で鼻をくくった対応で、再び不開示にされてしまうかもしれません。

 報道では、「訴えについて、出光興産は『今後、どのように対応するか検討していきたい』と話しています」と報じていますが、3年前の事故発生直後から、今日に至るまで、なんのコメントを発してこなかった出光興産が、この期に及んでもこのようなことしか言わないということは、同社の体質を如実に物語っているといえるでしょう。

■現在、日本経済は超円高で、製造業の海外シフトが顕著に進んでいますが、出光興産のような輸入会社は、円高差益でホクホクの状況が続いています。こうした追い風が、群馬県の超大物政治家との繋がりの深いホクブトランスポートとその庇護の下にある多胡運輸への賠償請求という向かい風を帳消しにする絶好の機会であることから、首都高が全面勝訴した場合には、出光興産が全額を支払い、ホクブや多胡運輸には実質的な負担がないように配慮されると見られます。

 なぜなら、多胡運輸は、安中市土地開発公社を舞台にした巨額詐欺横領事件(当会をはじめ安中市民はこの事件を「タゴ51億円事件」と呼んでいます)で、単独犯として、市役所や市議会、金融機関など共犯と目されていた多くの共同正犯の関係者の罪を一手にひきかぶった元職員の親族である実弟が経営している多胡運輸や、超大物政治家との結びつきの強いホクブトランスポートをつぶすわけにはいかないからです。

 現在、元職員は藤岡市に在住していますが、彼らには虎の子の使途不明金14億円余りがあるはずです。それらを全部使えば、首都高からの損害賠償請求額の4割強を賄えることになるからです。

 もっとも、使途不明金は、もともと安中市の公金ですから、首都高に支払うより、安中市民に還元されなければならないカネです。

 にもかかわらず、タゴ一族の巨額の使途不明金の温存はもとより、タゴ一族を養う為に存在する多胡運輸と、そこに超大物政治家の口利きで出光の石油製品の配送の仕事を与えているホクブトランスポートの存続は、至上命題であることは天下り機関でもある首都高としては、既に承知の上だと思われるからです。

 莫大な円高差益を出光興産がちょっぴり首都高に還元するだけで、この損害賠償請求が片付けられ、タゴ一族の安泰は担保されるに違いない、というのが、この件に関する当会の見解です。

【ひらく会事務局】
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