2007/11/25  22:53

51億円事件第5回公判(平成8年2月1日)その4  安中市土地開発公社事件クロニクル

後藤裁判官
あなたが土地開発課の職務を担当するようになって、その当時の事で結構なんですが、ギャンブルをやってたということですけれども、まず、マージャンは週に何回ぐらいやってたんですか。
 ほとんど毎日やってました。
それは、何時から何時ぐらいですか。
 役所が終わってから、夜の12時、1時までです。
競馬はどうですか。
 競馬は月に3、4回行きました。
その当時、まだ自由になる金があったわけじゃないですね。
 はい。
幾らぐらいつぎ込んでたんですか。
 そのときは、先ほど申し上げましたように、マージャンのレートはそんなに高くありませんでした。競馬も、ほとんど遊ぶ程度でした。
あなたは、そのころから奥さんに給料袋は渡したことないんですか。
 はい、ありません。
それはどうしてですか。
 特に理由はございません。
奥さんに、あなたが幾ら給料をもらってるかも数えたことはないんですか。
 はい。
奥さんのほうからは、生活費幾らかかるから幾ら欲しいとか、そういう相談もないんですか。
 私がほとんど全額渡してましたので、これがすべてだというふうに話してました。
あなたのギャンブル代金は、どうやって捻出したわけですか。
 結婚した当初でしょうか。事件になる前は、私の小遣い、前からありました小遣いを内緒でへそくったもの、独身のときありましたのがありましたので、それを使ってました。
後で金額がどんどん増えていくわけですが、このマージャンとか競馬とかは、ずっとその後も続いてたわけですか。
 はい、続いておりました。
あなたの生活としては、昭和55年当時から事件発覚に至るまで、ずっとマージャンやりっぱなしなわけですか。
 ほとんどそうでした。
お子さんもいるわけで、家庭サービスも必要だと思うんですけれども、そういうことはしなかったんですか。
 ですから、それは海外旅行だとか普通の旅行だとかで穴埋めしたつもりでいました、私は。
日ごろは全然しないわけですか。
 日ごろは、ほとんど子供に会いませんでした。
今回の詐欺の経過の中で、まず開発計画が決まってから公社のほうで動き出すと思うんですけれども、開発計画というのは、市議会の決議があったことを前提としているんですか。
 いえ、開発計画というのは、議会は通っていません。事務局レベルで動いてます。
その話は、どこからあるんですか。
 市の事業であれば、安中市長から土地開発公社の理事長宛に業務委託がまいります。委託契約をもらいます。
じゃあ、議会を通さずに、行政のほうから命令があって動き出すということですか。
 そうです。
そのときには、具体的な書面とか、そういうものは来ないんですか。
 書面と言いますと。
その命令が、こういう事業をやって、こういう内容があると、ついてはこれぐらいの金が要るというような書面はないんですか。
 大ざっぱなもので来ます。それがもとで債務保証の金額が決められてくるわけですから。
債務保証だけについては、議会の決議が必要なわけですね。
 そうです。
あなたが融資を申し込むときには、群馬銀行側は、開発計画についての素案、そういうものはないのかということで、提出を求められたということはないんですか。
 ございません。
提出を求められたものとしては、何ですか。
 最初は申込書を持ってきてくださいと言ってたんです。
債務保証の限度額を示すための書類としては、何が欲しいと言われたんですか。
 それは、一番最初、当該年度の当初、議決書の抄本をいただきたいというふうには言われてました。
あなたのほうから、開発計画の素案としてこんなものがあるということで、大枠の書面はあるわけですから、その写しを提出するとか、そういうこともしたことはないんですか。
 ございません。
銀行で融資するときには、どこに使われるのかというのは気になるところだと思うんですが、その点について、あなたとしては、そういう書面があるわけですから、普通はそういうものを示して説得すると思うんですけれども、そういう問い合わせはないんですか。
 ございません。
ただ、あなたのほうとしては、もっともらしい話を持っていかなければいけないわけですけれども、あなたとしては、どうやってその点を、相手をごまかすといいますか、信用させたわけですか。
 ですから、私が詐欺をしているのは大体9月と3月の時期が多いんですけれども、その時期に利息残金の支払がございますので、そこに付け込んで、単なる公共用地取得事業という形で持って行きました。
新駅の開発計画だとか、そういうことも、あなたは言ったことあるんですか。相手に、こうやって、そういう計画があるとかということも言ったことがあるんですか。
 新駅は、私が言わなくても新聞等で報道されてましたので、周知の事実です。
あなたのほうで勝手に作った特別会計の通帳ですけども、どこに保管してありましたか。
 通帳は常に私が持って歩いてました。
じゃあ、これが人目に触れたということはないわけですね。
 ございません。
正規の口座の通帳は、どこにありましたか。
 正規の通帳は、手提げ金庫があるんですが、その中に入っていたと思います。
あなたが実際にお金を現金で引き下ろしているんですけれども、その回数が250回ぐらいということですが、最高でどれぐらい、最低でどれくらいですか。
 最低は数万円だと思います。最高が1000万から2000万の間ぐらいだと思います。
1000万を超えるような大金を引き出しに行く時間というのは、何時ごろなんですか。
 大体午前中が多かったと思いますけれども、10時から11時ごろだったと思います。
そうすると、勤務時間中出て行くということですか。
 そうです。
それは、当然あなた一人で行くわけですか。
 もちろんそうです。
乗っていく車は、自分の車ですか。
 いいえ、役所の車です。
自分で運転していくんですか。
 そうです。
その1000万を超えるような金額のお金があるときに、入れ物とか、そういうものを気を付けなければいけないと思うんですけれども、あなたはどういう形で取りに行ったんですか。
 ビニールの黒い袋を持っていきまして、それに入れてもらってました。
かばんじゃないんですか。
 かばんのような、袋のようなものです。
ジュラルミンのケースとか、そういうものでは全然ないわけですか。
 そうじゃございません。
あなたがお金を受け取る窓口というのは、ほかの人からも見えるようなところなんですか。
 もちろんカウンターの前です。
カウンター越しですか。
 はい。
低い金額だと数万円という金額ですけれども、その金額を下ろしに行くときというのも、相手に怪しまれたことはないんですか。
 ございません。
通常、土地開発の関係であれば、そんな単位で下ろすということは考えにくいと思うんですけれども、怪しまれると思いませんでしたか。
 金額が多すぎてですか。
いや、金額が少なすぎて。
 それは、特別会計じゃなく普通のほうでも何千円ということもありますから、特にそれは。
ないですか。
 はい。
平成2年の4月に高橋さんが来てから、通帳との突き合わせをやるという話があったそうですが、そのときはまだ正規の通帳しかないわけですよね。
 はい。
これは、それまでの不正な分もあるわけですから、発覚するおそれが非常に高かったと思うんですけれども、高橋さんは、これは見なかったんですか。
 高橋さんが来たのは平成2年の4月1日なんですが、それ以前につきましては見ませんでした。
結局、高橋さんが来てから、これからは通帳と突き合わせの方式で帳簿を作っていくということだったわけですか。
 そうです。
多額な詐欺があって、群馬銀行側では利息がどんどん膨らんでくるわけですけれども、その利息があと幾ら、半年毎に幾らになるかというのを、数値として市のほうへ報告があると思うんですけれども、それはどういう形で報告になるんですか。
 正式な報告ではありませんで、私のほうがお願いをしまして、一つ一つ計算していただきたいというふうにお願いしておきますと作っていただいたという状況です。
あなたが不正なことをやる前から、そういう形だったんですか。
 そうです。
あなたのところには、たくさんの骨董品があったわけで、それから奥さんの経営する店でも置いてあったわけで、その点について税務調査というのは受けたことないんですか。
 ございません。
お店の関係の所得については、税金の申告はどうやってやってたわけですか。
 私がしてました。
税理士さんとか頼んでないんですか。
 頼んでません。骨董品に関しては、一切税務のほうで、売ってるわけじゃありませんから、載せてませんでした。
現実に、買ったものを売ったことはなかったんですか。
 ございません。
奥さんの方では、骨董品の売買でお金をもうけてるんじゃないかと思ってたというんですが、うちに置いてある骨董品の数が減っていったということはないんですか。
 ないです。
奥さんがそういうことを言ってることから言うと、全然あなたの骨董品の数についても見当はついてなかったということですか。
 見せたことはありません。
結局あなた方夫婦というのは、あなたはギャンブルで遅くまでいないし、あなたの趣味についても奥さんは知らないし、実態としてあなた方夫婦というのはどういう関係なんですか。
 それば、マージャンして遅かったというのは最初のころで、子供が学校行くようになってからは、さほどマージャンに凝ってたわけではありませんけれども、ただ、趣味の骨董品について言いますと、骨董品というのは専門的な知識がなければ分からないものですから、説明してもなかなか最初のころ分かってもらえなかったもんですから、それからは一切話をしませんでした。
あなたの今回の事件について、話によると、いつか発覚するだろうと、発覚してもらいたいという気持ちも半分はあったというようなことを言ってるわけですけれども、少なくとも、平成2年の4月の段階で高橋さんが来た段階で、もうこれはやばいなと思うのが普通だと思うんですけれども、まず、あなたはそこで自分のやってきたことを正直に言わなかったですね。
 言いませんでした。
それから、平成7年4月に、社会教育課ですか、移るときも、群銀のほうには、特命があるからまだ私が窓口をやりますと言っていたわけでしょう。
 それは、下ろすために言っていたんですけれども。もう借入れすることはできませんでしたから。
いずれ、でも、あなたがいなくなれば、金利の支払いのおかしな請求がくれば、すぐ発覚するわけでしょう。
 はい。
なぜ、そのときに正直に言えなかったんですか。
 怖かったです。
結局、引き下ろしについては、4月の異動になっても、まだ続けるつもりでいたわけでしょう。
 はい。
市のほうにあなたの犯行が発覚した日は、いつですか。
 詳しくは、私、知りません。
5月の24日ぐらいじゃないですか。
 5月の24日は、監査の日だったと思うんですけれども。高橋課長に呼ばれて話をしたのは、その日です。
あなたは、そのとき何と言い訳したんですか。
 調書にもあると思うんですが、突然言われたものですから、とっさ的に、伊藤さんと親しくしてたもんですから、つい伊藤さんの名前を出してしまいました。
伊藤さんというのはだれですか。
 群馬銀行の行員の方です。
具体的には何といったんですか。
 伊藤さんがよく承知している話なんだと言いました。
群馬銀行の伊藤さんが関係しているので、少し時間をくださいと。
 そうです。
この問題については銀行側にも関与者がいて、共犯者がいるということを言ったわけですか。
 いえ、そういうふうには申してません。共犯者がいるとは申してません。
じゃあ、どういうふうに言ったんですか。
 私は、よく内容を知ってる人がいますからというふうに話しました。
このときも、あなた、正直に話す気にならなかったんですか。
 (首を示して)ここまで出かかりました、正直申し上げて。ただ、その場で警察に連れて行かれるのが一番怖かったので。
26日にも、高橋係長からあなたに話を聞きたいということがあったんですけども、そのときは何と言い逃れしたんですか。
 そのときは、今度の土日の間に伊藤さんと会うというふうに話をしました。
そこで2日間あるわけですけれども、なぜまたそこで正直に言えないんですか。
 子供のことを考えまして、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ので、土日になって帰ってきますので、そこで会って私が話したいことがありましたものですから、その話をしてからというふうに考えてました。  ※当時、長男は本庄市にある学校に通学していたと言われる。
子供に会いたかったということですか。
 そうです。
次の日の27日に、あなたは実際に特別会計の通帳を燃やして、払戻書も燃やしているわけでしょう。
 はい。
証拠隠滅の時間を稼ぐんじゃないんですか。
 いいえ、これは証拠隠滅というよりは、私が自分自身で自分の片をつけるつもりでしたから、すべてのものを燃して、妻や子供に迷惑がかからないことにしようというだけのことでした。
その通帳を燃やしたり、払戻書を燃やすと、何か責任が取れるんですか。
 いいえ、そういうことはないと思います。
かえって、どういうふうになってるのか分かりにくくなるだけじゃないですか。
 気が動転してましたもんですから、自分でもはっきり、どういう気持ちでというのは。とっさ的にそういうことをしてしまったんですけれども。
あなたは死ぬつもりだったのかもしれませんけれども、責任をはっきりさせるんであれば、証拠物燃やす必要なんか全然ないじゃないですか。
 責任をはっきりうんぬんという気持ちは全くありませんでした。そのときは。そこまで頭が回ってませんでした。
結局、市のほうに対しては、責任を明確にしようという気はなかったんですか。
 私が死ぬことで、それが明確になると思ってました。
死ぬことは別として、証拠物燃やす必要ないでしょう。
 はい。
それから、ふろ場で自殺を図ったということですけれども、この後あなたは病院行って輸血してもらったりとか、そういうことはあったんですか。
 してません。
縫ってもらって止血をしてもらったということはあるんですか。
 ないです。
じゃあ、この血はどうやって止まったんですか。
 自然に止まりました。しばらく出ていたようですけれども、薬を飲んでいましたので、ふろ場で横になってましたので、どういう状況か分かりませんでした。気が付いたときには止まってたんです。少しは出てましたけど。
それから、29日になってまた高橋係長から問い詰められたときには、何と言いましたか。月曜日です。
 月曜日、私は高橋係長と会ってないと思うんですけれども。
調書のほうでは、月曜日にも出掛けていって、あなたは、伊藤代理に会って穴埋めできると。
 29日の日に、そういうお話はした記憶ないのですが。私、29日には、午後大ごとで役所にいられませんでしたので、帰っちゃったんです。
もう、その後会ってないんですか。
 会ってないです。ただ、その事件発覚して市長のほう呼ばれたりうんぬんというときには、当然会ってますけども。
穴埋めできますという話はしたことがないんですか。
 それは、もっと前の話だと思いますが。
できるんですか、穴埋めは。
 できません。
結局、市のほうから問い詰められてたときに、あなたは自分から進んで言おうとしたのは全然やってないんじゃないですか。
 ですから、子供に会った後のことを考えたわけです。
預金の払戻しですけれども、たくさんやってますし、まだ燃えちゃってなくなっちゃった分もあるんですけれども、払戻しの用紙は理事長印がいるんですが、これはいつ作ったものなんですか。
 私が持ってたものですか。おそらく、処分してしまったものは、私の異動の内示があったころのものだと思います。
250回以上やってるわけですから、その都度必要だったわけですけれども、それはやっぱり仕事中に作っておくんですか。
 ええ、仕事中、お昼休みだとか、人のいない時期を見計らって数枚程度まとめて押してたということです。
あなたが日曜にとか閉庁の日に役所に行って、かぎを開けて印鑑を出して使ったということはあるんですか。
 宿直の日にあるかもしれません。
あなたと群馬銀行の間で、非常にお得意様なわけですから、接待があったと思うんですけれども、どんなものがありましたか。
 ゴルフに数回行ったことがあります。あとは、夏と暮れのあいさつ程度のものはもらいました。
ゴルフは、どこまで出掛けるんですか。
 ほとんど近くです。
相手をする方は、どなたですか。
 支店長、次長、担当者ですね。
市から出ていくのは、あなた一人ですか。
 そうです。

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