2012/2/16  1:53

フリマ中止を巡る未来塾側と安中市・岡田市長とのバトル・・・逆転劇となった東京高裁での攻防(その4)  安中フリマ中止騒動

■未来塾側が安中市側を訴えた損害賠償控訴請求事件の第1回口頭弁論は、平成22年10月18日(月)午後1時50分から東京高等裁判所第5民事部511号法廷で開かれました。

 安中市職員が傍聴の為出張して同10月20日に市長に提出した復命書(出張報告書のこと)によると、次のとおりです。


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平成22年10月20日受付・起案、平成22年10月28日市長決裁
件名   復命書(損害賠償等請求控訴事件の口頭弁論)
 地域づくり団体未来塾の市に対する損害賠償控訴請求の訴えについて、下記のとおり第1回口頭弁論が行われ、傍聴しましたので復命いたします。
            記
1. 日時  平成22年10月18日(月)午後1時50分
2. 場所  東京高等裁判所第5民事部511号法廷
3. 事件番号  平成22年(ネ)第4137号
4. 当事者 (控訴人)地域づくり団体未来塾 代表 松本立家、訴訟代理人弁護士 山下敏雅
       (被控訴人) 岡田義弘、安中市訴訟代理人弁護士 渡辺明男
5. 概要  控訴人から控訴理由書及び甲57号証ないし甲59号証、被控訴人岡田市長から答弁書、安中市から準備書面及び乙22号証ないし乙24号証について陳述。控訴人は11月30日までに準備書面を提出することとなった。次回口頭弁論は、12月20日午前11時30分第5民事部511号法廷と決まった。
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■これをみると、安中市から準備書面と証拠書類(乙22〜24)が第1回口頭弁論で陳述されたことになっていますが、なぜか陳述されたはずの岡田義弘市長の答弁書が手元にありません。

 なぜ安中市が情報開示請求から、この公文書を除外したのか理由は定かではありませんが、おそらく、市民の目に触れさせたくないという配慮か、あるいは何らかの市民に言えない事情があったのだと思われます。

■東京高裁の裁判指揮に基づいて、控訴人の未来塾側は平成22年11月29日付で、「第1準備書面」を裁判所に提出しました。

 これは平成22年9月28日付の安中市側の準備書面に記載された岡田義弘市長による広報誌における未来塾に対する虚偽内容の記事が、未来塾に対する社会的評価の低下には繋がらないとする主張に対して、反論のコメントをおこなうためのものでした。

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平成22年(ネ)第4137号 損書賠償等請求控訴事件
控訴人(一審原告)  松本立家 外1名
被控訴人(一審被告) 岡田義弘 外1名
          第 1 準 備 書 面
                       平成22年11月29日
東京高等裁判所 第5民事部 御中
        控訴人(一審原告)ら訴訟代理人
                  弁護士  山 下 敏 雅
                  同    中 城 重 光
                  同    釜 井 英 法
                  同    登 坂 真 人
                  同    寺 町 東 子
                  同    後 藤 真紀子
                  同    青 木 知 己
                  同    吉 田 隆 宏
                  同    船 崎 ま み
                  同    寺 田 明 弘
                  同    高 城 智 子
                  同    山 口 裕 末
        目 次
第1 社会的評価の低下について ――――――――――――――――――― 4
 1 社会的評価の低下等 ………………………………………………………… 4
 2 市長選結果について ………………………………………………………… 4
第2 真実性・真実相当性について ―――――――――――――――――― 5
 1 真実性・真実相当性 ………………………………………………………… 5
 2 録音記録(甲39,甲40) ……………………………………………… 5
 (1) 提出経過 ……………………………………………………………………… 5
 (2)鑑定書(丙22)に信用性のないことについての一審原告らの指摘に一審被告らが何ら反論をなしえていないこと ……… 7
 ア 総論 …………………………………………………………………………… 7
 イ 鑑定書の骨子 ………………………………………………………………… 8
 ウ 時計の音が確認できないとする点(@)について ……………………… 8
 エ 時計の音の間隔の誤差(A)について ……………………………………10
 オ 結論 ……………………………………………………………………………12
 (3) 日本音響研究所の鑑定内容に関する他の訴訟での扱い …………………12
 ア 東京地方裁判所平成9年4月17日判決(判例タイムズ971号184頁) …12
 イ 東京地方裁判所平成12年5月30日判決(判例時報1719号40頁) …13
 ウ 札幌高等裁判所平成13年2月16日決定(判例タイムズ1057号268頁) …15
 (4) 追加証拠の提出予定 …………………………………………………・………16
 3 要点筆記(丙17) ……………………………………………………………16
 (1) 総論 ………………………………………………………………………………16
 (2) 内容及び作成経過の不自然性 …………………………………………………18
 ア 「要点」の筆記でないこと  …………………………………………………18
 イ 意見交換会の細部の記憶・再現が不可能であること ………………………18
 ウ 2日に分けて作成したとの証言の不自然性 …………………………………18
 エ 作成時間の不自然性 ……………………………………………………………19
 オ 各部長に作成させず一審被告岡田自らが作成したことの不自然性…………21
 4 長澤証人に関する録音記録(甲5 4, 甲55) ……………………………27
第3 人格権侵害 ――――――――――――――――――――――――――――27
 1 自己情報コントロール権 …………………………………………………………27
 2 団体の人格権侵害 …………………………………………………………………30
第4 請願権侵害 ――――――――――――――――――――――――――――32

第1 社会的評価の低下について
1 社会的評価の低下等
 本件談話による一審原告らの社会的評価の低下に開する,一審被告安中市の平成22年9月29日付準備書面(以下単に「準備書面」という)における1頁ないし13頁,及び,一審被告岡田答弁書2頁ないし3頁に関する一審原告らの主張は,すでに一審原告ら控訴理由書9頁ないし,56頁までに詳述した通りである。
 また,一審原告松本個人の社会的評価の低下に関する準備書面13頁ないし15頁及び19頁ないし20頁に関しても,すでに一審原告ら控訴理由書56頁ないし60頁に詳述した通りである。
2 市長選結果について
 一審被告安中市は,平成22年4月22日に行われた安中市長選挙において,一審被告岡田と,一審原告未来塾メンバーの訴外高橋由信が立候補し,非常に接戦となったことを理由に,本件談話によって一審原告らの社会的評価が低下していないと主張するようであるが(準備書面13頁),明らかに失当である。
 「目を見て話をしろ(冒頭から怒鳴る)」等の記載をはじめとする虚偽の内容が記載された本件談話を,市の広報という形式で安中市全戸に配布されたことよって,一審原告らの社会的評価は著しく低下させられた。一審原告らは,本件談話の内容が虚偽のものであることを明らかにし,低下させられた社会的評価を回復するために,会報の発行や,訴外高橋による市議会一般質問,そして,本訴訟の提起などの,多大な負担を強いられることとなったのである。
 このような多大な負担は,一審被告らによる本件不法行為がなければ,一審原告らが負う必要のなかったはずのものであり,その分,本来は,フリーマーケットをはじめとする地域づくり活動に,より一層尽力することが可能だったのである。社会的評価の回復のための一審原告らの必死の努力があってこそ,市長選における接戦という結果を生んだのであって,仮に,一審被告らによる本件談話の掲載・発行に対して,一審原告らが多大な負担を負ってまで様々な形で異議を唱え続けなければ,一審被告らから低下させられた社会的評価の下で,このような選挙結果に至ることは困難だったのである。
 市長選の結果は,本件談話が一審原告らの社会的評価を低下させたことを否定する根拠とはなり得ない。
第2 真実性・真実相当性について
1 真実性・真実相当性
 本件談話に真実性及び真実相当性がないことについての,一審被告安中市準備書面15頁ないし16頁,及び,一審被告岡田答弁書1頁ないし2頁に関する,一審原告らの主張は,控訴理由書60頁ないし63頁,及び,一審原告ら原審最終準備書面40頁ないし60頁で詳述した通りである。
 ここで,真実性・真実相当性に関して重要な書証である,一審原告らが提出した録音記録(甲39,甲40),これに対する一審被告岡田が提出した鑑定書(丙22),及び,一審被告岡田が作成したとする要点筆記(丙17)について,本書面で主張を補充するとともに,原審ですでに述べた主張についても,重要な争点であり,かつ,現時点においても一審被告らが何らの反論もなしえていないことから,改めて指摘する。
 以下詳述する。
2 録音記録(甲3 9,甲40)
(1) 提出経過
ア 一審被告安中市は,「控訴人らが真実として主張する録音記録(甲39・40号証)は,被控訴人が提出を促すまで,なかなか証拠として提出されず」(準備書面15頁),「本来であれば訴状とともに提出されてしかるべきもの」(同18頁),などと主張するが,名誉毀損訴訟における立証責任を正解しないものであり,極めて失当である。
イ 「摘示された事実が真実であること」,「行為者において真実と信ずるについて相当の理由があること」が,被告が主張立証すべき抗弁事実であることは,確立した最高裁判例である(最判昭和41年6月23日民集20巻5号1118頁)。「摘示された事実が虚偽であること」「行為者において真実と信ずるについて相当の理由のないこと」は,原告で主張立証すべき請求原因事実ではなく,被告の抗弁事実に対する反論・反証として位置づけられるものである。
 したがって,一審原告らが録音記録(甲3 9, 甲40)を提出するよりも先に,本件談話の記載内容が真実である,あるいは真実と信ずるについての相当な理由がある,とする一審被告らにおいて,その根拠を示すべきであることは当然である。
ウ 実質的にみても,一審被告らは,一審原告らの社会的評価を低下させる記事を掲載・発行する以上,その内容が真実であることを裏付ける根拠を有していなければならず,ましてや,一審被告岡田は,本件訴訟以前から,この裏付ける根拠として「要点筆記」が存すると平成20年3月14日の市誰会においても公言し(甲2の7),さらに原審答弁書において「要点筆記」が存在することを明言していたのである。
 そうである以上,一審被告らは,本訴訟開始後速やかに,この「要点筆記」を提出すべきであったし,また,それが十分に可能であった。
 それにもかかわらず,一審被告岡田は,一審原告らからの書証提出の求釈明にも一向に応じず,一審被告岡田が「要点筆記」(丙17)を提出したのは,一審原告らが文書提出命令を申し立てた後の,平成21年4月だったのである。
エ なお,一審原告らは,一審被告岡田から「要点筆記」(丙17)の提出があった後,造やかに録音記録を提出している。
オ 仮に,一審被告らがいうように訴え提起段階で一審原告らがこの録音記録を提出していたとすれば,後述するように,一審被告岡田が提出した「要点筆記」(丙17)が後日作成された虚偽のものであることを明らかにすることも,困難となっていたであろう。
カ 非難されるべきは,最高裁のいう立証責任の分配にしたがって正当に証拠を提出した一審原告らの側ではなく,一審原告らの名誉を毀損する記事を市の広報に掲載しながら,その真実性・真実相当性の根拠となるべき「要点筆記」を一向に訴訟に提出せず,しかも,意見交換会直後ではなく後日作成した虚偽のものを提出した,一審被告らの側である。
(2) 鑑定書(丙22)に信用性のないことについての一審原告らの指摘に一審被告らが何ら反論をなしえていないこと
ア 総論
 ー審被告安中市は,意見交換会の録音記録(甲39)について,「鑑定書(丙17号証〔一審原告ら訴訟代理人注:ママ。丙22号証の誤り〕)の内容からも編集加工されている事実は明らかとなった」(準備書面16頁)などと述べている,また,一審被告岡田に至っては,自身の後援会会報において,録音記録(甲39)が偽造であるとする鑑定書を提出したとの新聞記事を掲載し(甲59),鑑定書(丙22)を地区懇談会の場でも振りかざすなどしている。
 しかしながら,図鑑定言には論理的に重大な誤りがあり,全く信用性を欠くものであるうえ,むしろその分析結果は,編集偽造されたものではないとの一審原告らの主張を裏付ける内容のものとなっている。
 これについて,一審原告らは,原審最終準備書面62頁以降で,鑑定書(丙22)の誤りを具体的かつ詳細に指摘した。しかるに,一審被告らからは,これに対する反論は何らなしえていないのである。
イ 鑑定書の骨子
 「録音内容は編集加工されたものである」と結論づける同鑑定書の骨子は,以下の通りである。
@ 30秒ごとの時計の音が確認できない部分が3ヵ所ある(15番=509秒付近,26番=899秒付近,51番=1781秒付近)。その3ヵ所の前後部分については,時計の音が記録されている部分を含む30秒,あるいは30秒の倍数を削除した可能性が考えられる(丙22:7頁)。
@ 30秒ごとの時計の音の間隔について,録音記録では誤差が生じている(およそ10分45秒で1秒のペースで長くなるという誤差が生じている)。その誤差が,「137番」のポイントで30秒に対し0.3秒と急激に増加していることから,約3分間あるいは約3分30秒間の録音内容の削除があったことが推測される(丙22:8頁)。
ウ 時計の音が確認できないとする点(@)について
(ア) そもそも,「時計の音がない=一審原告らが録音を一部削除した」との論理自体,明らかな飛躍がある。鑑定書の立論は,「時計の音は必ず全て録音されている」との前提に立っているが,マイクと時計との距離,マイクの感度等,何らかの原因によって録音されない場合があっても何ら不自然ではなく,前提自体が失当である。
(イ) 「衝撃音を意識して」(鑑定書8頁)30秒ないしその倍数の時間数を削除するという編集加工の作業自体が,極めて不自然である。
 本件意見交換会での会話の流れが不自然に途切れないように,かつ,30秒ないしその倍数で削除することなど,高度な専門知識・技能を持つ者であってもおよそ不可能であり,まして,一般市民の一審原告らがそのような編集加工を行えるはずがない。
(ウ) 仮に,鑑定書がいうように一審原告らが人為的に30秒又は30秒の倍数の時間数の録音を削除したのであれば,鑑定書がAで述べているような誤差が発生する可能性が高くなる。
 3ヵ所それぞれで30秒またはその倍数の時間数削除するということは,すなわち,「51番(1871秒)」のポイント時点までに削除される時間数の合計が,90秒ないしそれ以上ということと同義である。
 鑑定書の結果によれば時計の音の誤差は10分45秒で1秒遅れるペースであるから,合計で90秒以上削除すれば,当初よりも0.139秒以上の誤差が生じることとなる(90÷(10×60+45)×1≒0.139)。
 すると,鑑定書の別添10の表の「51番」と「137番」を結んだ直線(少なくとも鑑定書もこの区間に編集偽造があったとは述べていない)は,グラフの原点を通過せずに,縦軸で原点よりも上を通過するはずである(別添10の表の縦軸は2秒あたり3.5センチメードルであるから,原点よりも2.4ミリメートル上かそれよりさらに上を通過することとなる。0.139÷2×3,5≒2.4)。
 ところが,別添10の表は,原点から「1 3 7番」までの直線が,原点を通過し,きれいに比例しているのである。
 この事実は,むしろ,一審原告らが当該部分で録音記録を削除していないことを強く裏付けている(なお,周波数・バツクノイズ等から見て編集された形跡がないことも同鑑定書4頁で述べられているとおりであり,一審原告らが記録録音を削除していないことがさらに裏付けられている)。
エ 時計の音の間隔の誤差(A)について
(ア) そもそも,「市長室の時計の長針が常に正確に30秒きっかりで(コンマ何秒以下の狂いもなく)動き,衝撃音を発している」との前提自体,失当である。
 時計は,機械式であれば1日に10秒程度,クォーツ式でも1ヶ月に15秒程度の誤差を生じるところ,鑑定書は市長室の時計の種類についても明らかにしていない。また,市長室の時計が「1週間で5秒以上の誤差が生じていない」との鑑定書の調査結果も,何を基準に測定したのか,また正確に(コンマ以下も含めて)何秒の誤差を生じていたのかさえ,全く記載がなく,不明である。
 鑑定書は,コンマ何秒の微細な数値を基準に立論しているが,その依って立つ肝心の時計の「誤差」の有無・内容について,分析が全く欠けている。
(イ) また,鑑定書は,「ICレコーダーが常に精確な時間数で録音している」との前提に立っており,この点でも失当である。
 当該ICレコーダーは,科学研究等で用いるような1秒以下の秒数まで精確に測定することを目的とした機械ではない。あくまで会話内容の保存が目的であるから(甲49:30頁「本機は人の声を長時間録音するのに適した機器です」との記載参照),録音にあたってコンマ何秒の誤差が生じることは十分に生じ得る。
 現にほぼすべての衝撃音が30秒きっかりの間隔になっていないことから考えると,時計自体の誤差だけでなく,ICレコーダーの録音時における何らかの障害によって一部0.3秒の遅れが生じたということは,十分に考え得ることである。
(ウ) また,鑑定言は,30秒毎に発する時計の衝撃音との関係で30秒またはその倍数の削除があったとし,その時間数について,わずか0.3秒の衝撃音の誤差を根拠に,3分間あるいは3分30秒間の録音記録が削除されているとしている。その理屈(10分45秒で1秒の誤差であることから,0.3秒の誤差に対応する時間数は3分間あるいは3分30秒間との理屈)からすれば,削除した時間数は,30秒きっかり又は3分30秒きっかりの時間数,すなわち,コンマ何秒の誤差も全くない時間数を削除しなければならないはずである。
 ところが,鑑定書は,「約3分間,あるいは約3分30秒間の録音内容の削除があった」(8頁。下線一審原告ら訴訟代理人)と結論づけている。鑑定書が削除のあったとする時間数に「約」と付記した根拠は全く不明であるが,「約」3分ないし「約」3分30秒削除すれば,誤差は0.3秒からさらにずれる(その「約」の分だけ前後する)ことが必至であって,0.3秒の誤差から削除の時間数を導き出したことと矛盾する。鑑定書の論理は完全に破綻している。
(エ) 鑑定書の立論でいけば,3分間あるいは3分30秒間の削除があったのは「136番」から「137番」の間ということになる。この時間帯は,ICレコーダーの録音記録の反訳(甲40)では35頁の3行目から7行日,一審被告岡田の提出した「要点筆記」(丙17)では58頁の部分に該当し,両者の記載内容に食い違っている部分はない。
 仮に一審原告らがこの部分を削除したのであれば,「要点筆記」(丙17)の58頁に3分間あるいは3分30秒間分の会話内容が記載されていて然るべきであるが,むしろ,反訳(甲40)の方が記載の分量が多い。また,当該部分は,「冒頭から怒鳴った」等本件名誉毀損の主要部分とは関係のないやりとりがなされていた箇所であり,一審原告らが編集する必要性は全くない。一審被告らも,当該部分で一審原告らが一体どのような内容のやりとりを削除したとするのか,明確な主張を全く行っていない。
 鑑定書は,一審被告岡田が出した「要点筆記」(丙17)や,一審被告らの主張との間に,全く整合性がなく,この点でも信用性がない。
オ 結論
 以上の通り,鑑定書の編集偽造されたものとの結論は全く信用性を欠くものであるうえ,むしろその分析結果は,編集偽造されたものではないとの一審原告らの主張を裏付けている。
(3) 日本音響研究所の鑑定内容に関する他の訴訟での扱い
 一審被告岡田は,「控訴人らは,犯罪の声紋鑑定も行っている専門家の鑑定書を信用性がないと(する)」などと論難する(答弁書3頁)。
 しかし,以下に見るように,日本音響研究所所長鈴木松美作成の鑑定結果が裁判所に採用されない例は,多数に及んでいる。
ア 東京地方裁判所平成9年4月17日判決(判例タイムズ971号184頁)
 マンションの6階に居住する被告が,その階上で発生するゴルフのパター練習によって生ずると考えられる騒音のため生活の平穏を害されたとして,マンションの管理組合総会で右騒音を問題とし,善処を求めたことに端を発した事案である。原告は,そのようなパター練習は行っていないと争い,被告に対し,名誉毀損に基づく謝罪広告及び損害賠償を請求した。他方,被告は原告に対し,原告方で行うゴルフのパター練習によって発生する騒音のため睡眠妨害等の精神的苦痛を受けたとして,原告に対し,原告が行っているとする夜間のゴルフ練習の中止及び損害賠償を請求する反訴を提起した。
 この事案では,平成8年6月11日,当事者双方及び訴訟代理人ら関係者が集まったうえ,原告宅でゴルフ練習機を使用し,これによって発生する音を,被告宅において,被告がそれまで録音に使用してきた機材を用いて録音する,という実験が行われた。そして,同実験に立ち会った日本騒音防止協会事務局長が,こうして収録された音と,「被告方における騒音を録音したもの」として被告が提出したテープとを比較し,衝撃音の発生,周期及びレベル,並びに周波数分析によれば,「両データの音源を全く同一のものと断定するには無理があるものと思われる」とする測定報告書を,平成8年7月に作成していた。
 これに対して,日本音響研究所所長鈴木松美は,被告の依頼を受け,被告が,平成6年に被告が被告宅で録音した音を,実験室の階上でゴルフボールを転がしてゴルフ練習機に強く接触させて発生さ甘た音を階下の部屋の天井付近で録音した音と対比・検討し,「被告の提出したテープに録音されていた音は,原告方でゴルフボールと形伏,質量,材料がほぼ同等の物体と,右練習機に類する物体とが強く接触した際に発した音を被告方で録音したものと推定できる」旨の平成7年8月21日付け鑑定書を提出し,さらに,被告が平成6年に録音したテープと本件実験によって発生した音を録音したテープの衝撃音とを周波数分析等により対比した結果「両者は同種のものと推定される」とする鑑定書を,平成8年12月4日付けで提出した。
 しかしながら,判決は,日本騒音防止協会事務局長の意見を採用し,「原告方から被告の主張するような騒音が発生していたとは認められないというべきである」旨判示した。
イ 東京地方裁判所平成12年5月30日判決(判例時報1719号40頁)
 原告の妻が,被告(創価学会の名誉会長)によって昭和58年8月ころ及び平成3年8月ころの2回強姦された,として,原告が被告に対し,損害賠償を提起した事実である。
 裁判所は,「事実的根拠が極めて乏しい」とし,「本件訴えは,その提起が原告の実体的権利の実現ないし紛争の解決を真摯に目的とするものではなく,被告に応訴の負担その他の不利益を披らせることを目的とし,かつ,原告の主張する権利が事実的根拠を欠き,権利保護の必要性が乏しいものであり,このことから,民事訴訟制度の趣旨・目的に照らして著しく相当性を欠き,信義に反するものと認めざるを得ないのである」として,訴権を濫用した不適法な訴えとして,却下判決を言い渡した。
 この訴訟において,日本音響研究所所長鈴木松美は,原告の依頼を受け,被告が提出した,原告及び原告の妻が創価学会関係者との間で行った電話でのやりとりの録音記録について,「録音されている女性の声は妻の声ではない」としてその証拠能力を争う原告の主張に沿う形で,同趣旨の声紋鑑定書・意見書を作成した。
 これに対し,裁判所は,日本音響研究所の鑑定書・意見書の結論を否定した。裁判所は,元警察庁科学警察研究所副所長の鈴木隆雄の意見を引き,「声紋とは,同じ言葉又は発音の音声を周波数分析して得られる周波数の分布状態をいい,声紋鑑定とは,この声紋を比較し,その同一性の有無を鑑定するものである」としたうえで,日本音響研究所の声紋鑑定が,同じ言葉又は発音の音声の中央周波数を比較するという手法を採用していたことから,「声紋鑑定の手法として妥当であるかどうか基本的な疑問が残るといわなければならない」とした。さらに,日本音響研究所が比較対照に使用した資料の適切性の観点からみても疑問がある,とした。その他,会話の流れそれ自体が自然であること,仮に録音が偽造であるとすると,似た声の人物二人を用意して録音テープを偽造したということになり,そのような事態が経験則上想定しにくいこと,さらに鈴木隆雄氏が行った声紋鑑定結果等を踏まえ,同録音記録について「偽造により証拠能力を欠くものであるとする主張には理由がないといわざるを得ない」とされた。
ウ 札幌高等裁判所平成13年2月16日決定(判例タイムズ1057号268頁)
 空知の連続婦女強姦殺人事件再審請求事件において,警察官と再審請求人との対話を録音したとされる2巻の録音テープについて,日本音響研究所代表鈴木松美は,弁護人の主張に沿うように,同録音テープが人為的に録音を編集したものである旨の鑑定書を作成・提出した。
 同鑑定書は,明らかに録音を中断したときに発生するスイッチの接点部より発生するパルスがあると判断できること,ダビングについては,録音を停止したと思われるパルスがあるにもかかわらず,ある種の音がそのパルスの中に混入していることなどを根拠とするものであった。
 これに対して,決定は下記のように述べ,その鑑定書の結論を否定している。
「 検察官は…科学警察研究所技官鈴木隆雄作成の鑑定書を提出するが,右鑑定書によれば…右両テープは同一の録音機で録音された可能性が大きいと考えられるとしている。そして,鈴木隆雄は…「甲308のテープのOIの部分は,マイクロホンのスイッチ操作による録音停止・開始の場合に類似しており,右録音停止から開始まで録音テープは走行していた可能性が強く,マイクロホンのスイッチをオフにした直後マイクロホンをたたくような音がしているのは,インジケーターの針が動いて録音状態にあるのを確認したのではないかと思う」,「鈴木松美の鑑定書で,甲308のテープについてダビングしたものと判断する根拠とされた点,すなわち,録音を停止したと思われるパルスがあるにもかかわらず,ある種の音がそのパルスの中に混入しているとすることについては,この音は,右パルスが発生する前からあり(本件の録音がなされる以前に何らかの理由により録音された音ではないかと思う),停止のパルスとは無関係であるとみなければならない」としている。
 右の両鑑定を対比し,更に,実際に録音テープを再生した結果によれば,鈴木隆雄が説明するところに説得力があるように考えられる。
 そして,鈴木松美が録音の中断や停止があると指摘するところは,話題が別のものに変わる部分や,対話を終えた部分がほとんどであり,そこで,事実を曲げるための操作が行われたとは考えにくい。鈴木松美の鑑定書をもとに2巻の録音テープが人為的に編集されたものであるという所論は採用できない。」
(4) 追加証拠の提出予定
 なお,一審原告らは,丙22考証の鑑定書に信用性のないことについて,専門家の立場から分析した書面を,次回期日に証拠として提出する予定である。
3 要点筆記(丙17)
(1) 総論
ア 繰り返し述べるが,真実性・真実相当性の立証責任を負うのは,一審被告らの側である。一審被告らは,本控訴審においても,一審原告らが録音記録を提出した時期について論難するが,かかる主張が失当であることはすでに上述した。
 他方において,一審被告らは,自身の抗弁を支える重要証拠となる「要点筆記」(丙17)の提出を一向になさず,一審原告らが文書提出命令を申し立ててようやく提出したことについて,何らの弁明もない。
イ 「要点筆記」は,その内容及び提出経過を見れば,意見交換会当日(及び翌日)に作成されたものではなく,後日作成された虚偽のものであることは明白である。一審原告らは,原審最終準備書面67頁ないし76頁において,これを具体的に論証し,さらに,控訴理由書63頁においても指摘した。
 ところが,一審被告岡田,一審被告安中市ともに,本控訴審においてこのー審原告らの主張に対する反論は,全くない。そもそも,一審被告らは,本控訴審においては,「要点筆記」に触れること自体を回避している。このような一審被告らの態度自体,「要点筆記」が後日作成された虚偽のものであることを否定し得ないことを端的に示している。
ウ 近時,検察官が証拠を改ざんしたとの疑いがもたれ,マスコミで大きく報道されたことは,周知の事実である。
 一般論として,訴追権という強大な公権力を有する検察官がその依って立つべき証拠を改ざんすることなど,言語道断である。
 同様に,多大な公権力を有し,法を遵守すべき要請の著しく高い一地方公共団体の長も,法廷に虚偽の証拠を提出することなど,断じてあってはならないのである。
 一審被告岡田は,その長という立場を利用し,市の広報を用いて,一般市民や市民団体の言動について,当該市民・団体の社会的評価を低下させる内容の記事を掲載・発行し,その内容が「真実である」と根拠づける証拠として,後日作成した虚偽の「要点筆記」を作成し,厳粛な法廷に平然と提出した。
 そして,一審被告岡田は,自身が立証責任を負う事実を支える証拠について虚偽証拠を提出していることについては沈黙し,棚に上げながら,他方で,一審原告らが録音記録を編集加工したなどと主張し,信用性のない鑑定書(丙22)を金科玉条の如く振りかざし,果てには,国家賠償法に関する最高裁判例を根拠に免責されるなどと主張して憚らない(答弁書4頁。なお,この点に関する一審原告らの主張はー審原告ら原審最終準備書面123頁記載のとおり)。
 かような一審被告岡田の行為を,裁判所が看過することがあっては,断じてならない。
(2) 内容及び作成経過の不自然性
ア 「要点」の筆記でないこと
 丙17号証は,一見して明らかな通り,意見交換会のやりとりのほぼすべてを,各出席者の発言の順番や内容など細部にわたって記したものであって,「要点」(=重要な点,肝要な点。広辞苑)を記載したものでは到底ない。
 一審被告岡田は,「要点筆記」について,「話し合い終了後,会話の内容について要点をメモ用紙に記載したもの」と説明するが(一審被告岡田第2準備書面9頁),かような一審被告岡田の主張を聞いて,その「要点筆記」が90枚以上にもわたるメモ用紙に詳細が記されたものであるなどと,一体誰が想像するであろうか。
イ 意見交換会の細部の記憶・再現が不可能であること
 約2時間にもわたる話し合いを,録音もメモも取らずに,細部にわたって正確に記憶し再現することなど,たとえ当日であっても不可能であることは,経験則上明白である。
ウ 2日に分けて作成したとの証言の不自然性
(ア) 一審被告岡田は,「要点筆記」の作成方法について,以下のように証言した。
「 頭だけ全部書いて,それで,その夜,次の日,全部その頭出しのところ書きました」(一審被告岡田:9頁)
「 頭出しというのは,だれが発言,こういう,したという頭の部分ですね」(同9頁)
「 頭出しというのは,こういう短い文章は,言葉は全部書けますよね。長い文章があるわけですよ,中には」(同10頁)
「 こういうの(注:2紋日「6」の長澤発言)は頭だけ書いて,それで,その晩とその次の副こ」
「(これは当時のメモに書いて,あとは,あとで思い出して書いたと,こういうことですか)そういうことですね」
(イ) しかし,そもそも一審被告岡田の証拠説明書上では,「要点筆記」の作成日は平成19年9月10日となっており,翌11日にもわたって作成していたということ自体,唐突な証言である。
(ウ) また,-一審被告岡田は,意見交換会中に「頭だけ」を書いていたと証言するが(一審被告岡田:9頁),一審被告岡田はほんの数回程度,単語程度の短いものをメモしていただけであり(甲50;20頁・21頁,甲52:6頁,一審原告松本:17頁),同証言は明らかに虚偽である。
(エ) さらに,一審被告岡田は,意見交換会中に「頭だけ」書き,細部をその晩と翌日に書き入れたと証言するが(一審被告岡田:9頁),翌日にわたったのであれば記憶の再現は当日に再現するのと比してさらにより一層困難である。
(オ) そして万一,一審被告岡田のいうような方法を取るならば,後で細部を書き入れようとする部分の余白スペースの見込みが異なるのが通常であり,細部を書き入れた後も余白が残ったり,逆に,余白が足らずに文字を詰めて書き入れる必要も出てくるはずである。しかし,実際の「要点筆記」(丙17)は,全てにわたって,文字間も行間もきれいに等間隔となっており,「頭だけ」書き入れて空白部分を作り,後日細部を書き込んだような形跡は,微塵もない。
エ 作成時間の不自然性
(ア) 「要点筆記」(丙17)はすべて一審被告岡田の手書きで記載されているところ,その文字数は,一審被告岡田の有利となるように句読点を除いて数えても,1万6334文字にもわたる。仮に1分間に100文字のペースで休みなく書き続けても,優に2時間40分を要することとなる。通常,日本語の筆記速度は1分間に70文字程度と言われており(太田晴康「リアルタイム字幕の自由化と要約筆記」,財団法人日本リハビリテーション協会『ノーマライゼーション』2000年9月号),1分間100文字のペースは,通常日本人の1.42倍という異常な速さである。その異常なスピードで,全く休みなく書き続け,しかも,何かを書き写すだけという単純作業ではなく,記憶を喚起しながらの作業で,数時間にもわたって筆記し続けることなど,およそ不可能である。
(イ) しかし,一審被告岡田は,この「要点筆記」の作成時間について,「2日合わせて要点筆記を作るのにかかった時間」を問われ,法廷で下記のように「1時間半から2時間」と証言した。
(一審被告岡田:13頁)
一審原告ら訴訟代理人山下  二日合わせて,この要点筆記を作るのにかかった時間ですけれども,30分くらいですかね。
岡田  いや,今少し考える時間もありますから,前後,考える時間ありますから。
山下  そうすると,どのぐらいですか。
岡田  1時間半から2時間はかかるんじゃないでしようか。
(略)
山下  今,1時間半とおっしやいましたけど,例えば1時間半だと1枚当たり1分間のペース,2時間でも1枚あたり1分20秒のペースで,ずっと書き続けて休みなく書いてそのペースなんですが,1時間半ないし2時間ぐらいでしたか。
岡田  そうですね。
(ウ) 一審被告岡田は,反対尋問において,筆記速度の不自然性を指摘されるや,意見交換会の最中に「ずっと書いていた」ので,「1時間半ないし2時間」は「仕上げた話で,空白を埋めたところの話です」と弁解した(一審被告岡田:15頁)。しかし,上述したように一審被告岡田が意見交換会の最中にメモをとっていたことはなく,また「空白を埋める」作業は不自然極まりないのであって,一審被告岡田の弁解は明らかに信用性がない。
(エ) しかも,一審被告岡田の主張によれば,意見交換会当日の一審被告岡田の状況について,「平成19年9月6日夜半から8日にかけて台風の襲来で睡眠不足と過労が重なっていた」(一審被告岡田原審第1準備書面11頁),「安中市は台風9号の被害を受けて職員の方々も,岡田も疲労が頂点に達していた」(同21頁),「寸陰なく議会・委員会の対応や台風9号襲来による被害対策に渾身してい(た)」(同39頁)のであるから,その状態で,一審原告らと2時間近くの意見交換会を終えたあとの午後8時以降に,「1時間半か2時間ぐらい」(一審被告岡田:15頁)をかけてこの「要点筆記」を作成したことになり,不自然極まりない。
オ 各部長に作成させず一審被告岡田自らが作成したことの不自然性
 一審被告岡田は,意見交換会について,出席していた各部長にメモ,議事録,報告書等を作成させておらず,市長である一審被告岡田自らが作成している点でも不自然である。
 行政機関が議事録・報告書等を作成するのは極めて常識的なことであり,本件では特に,一審被告岡田が「市民からの指摘がある」と意見交換会で繰り返し述べていたのであるから,その指摘に答える可能性に備え,正確性を期すためにも,議事録・報告書を作成させるべきであったのに,作成させていない。
 また,上述したとおり,「要点筆記」は被告岡田が述べるだけでも意見交換会終了後に1時間半ないし2時間の作成時間を要するものであるところ,一審被告岡田の主張によれば当時は「睡眠不足と過労」が重なっていたのであるから,なおのこと,市長自らが作成せずに各部長に作成させて然るべきであるのに,作成させていないのである。
(3) 提出経過の不自然性
ア 一審被告岡田は,「要点筆記」があると述べながら,その重要な書証を本訴訟に一向に提出せず,一審原告らが文書提出命令を申し立てて,ようやく平成21年4月7日に提出した。「談話」の真実性・真実相当性の立証責任を負う一審被告らが(最高裁昭和41年6月23日判決民集20巻5号1118頁参照),特段の理由もなく「要点筆記」を早期に提出しなかった(できなかった)こと自体,「要点筆記」が当初には存在していなかったことを強く裏付けている。
イ 「要点筆記」(丙17)は,一審被告岡田が,原告らによるICレコーダーの録音記録をもとに,後日作成したものである。
(ア) 一審原告らは,録音記録(甲39)の反訳(甲40そのものではない)を,平成20年1月ころ,安中市議会議長の土屋弘氏と,フリーマーケットの支援者数名に対し,真実を知ってもらうために手渡している(甲50:20頁)。一審被告らは,その反訳を何らかの方法で入手して,これに基づいて答弁書や準備書面を作成した。その後一審原告らより文書提出命令が申し立てられるや,さらに一審被告岡田は,同反訳をほとんど引き写した「要点筆記」(丙17)を作成して(ただし一審被告岡田自身に不利益となる事実部分は間引いたり,都合良く部分的に付け加えるなど加工してある),それをあたかも意見交換会当日に作成したものであるかのように平然と訴訟に提出したのである。
(イ) 意見交換会について一審被告側が有しているとする記録は,一審被告岡田の作成した「要点筆記」(丙17)のみである。
 それにもかかわらず,次項で具体的に示すように,ー審被告ら答弁書や一審被告安中市原審準備書面(1)では,「要点筆記」(丙17)に記載のない細かい表現・ニュアンスが記載されており,それらは,後に一審原告らが提出した録音記録とその反訳(甲39,甲40)と,正確に一致している。
 すなわち,一審被告ら原審答弁書やー審被告安中市原審準備書面(1)の作成時点で,一審被告らの手元には,録音記録の反訳が存していたのである。
 そして,一審被告岡田が「要点筆記」を訴訟に提出したのはその後の平成21年4月7日であり,一審被告岡田は,手元にある反訴を参照しながら「要点筆記」を作成したのである。
(ウ) 「要点筆記」(丙17),一審被告ら原審答弁書・一審被告安中市原審準備書面(1),及び,反訳書(甲40)の比較は,下記の通りである(甲56)。

@
■要点筆記(丙17)1丁目左上(「1」):
長沢 フリーマーケットの件で本日1時間程時間をいただきました。市長と代表の方から一言ずつお願いします。

■一審被告ら原審答弁書(平成20年11月5日付)5頁:
建設部長:「長時間お待たせしました。以前から懸案でありましたフリーマーケットの件でございますが,本日1時間ほどお時間をいただきました。未来塾の方と市の執行部との意見交換会ということで,ここに次第があります。いくつかのポイントに沿って意見交換をしていただき、今後について進めて行きたいと思ってます。まず、はじめに市町と代表の方から一言ずつお願いします。

■反訳書(甲40)2頁:
長澤 えーとですね,えー,これは以前から提案でありましたフリーマーケットの関係でございますけれども,えー,今日ですね,ちょうど時間を1時間ばっかもらいました。えー,未来塾の関係の方とですね、執行部のほうと意見交換会ということで,ここに次第があります。えー,いくつかのポイントに沿ってですね,意見交換をしてもらってですね,是非ですね,えー,非常に地域振興のためになってるの___ね,十分ですね,意見交換をしてもらって,今後について,えー,進めていこうと思ってますんでですね,よろしくお願いします,私,あの,今日,司会をいたします,建設部長の長澤でございます。
A
■要点筆記(丙17)1丁目右上(「2」):
市 行政に入ってきている話は出店者から2000円を徴収している,2000円徴収しているにもかかわらず募金箱を持って回っているという話しが行政に来て行政は苦慮しています。
■一審被告ら原審答弁書(平成20年11月5日付)5頁:
岡田市長:「これまでフリーマーケットを何回か開催してきたと思いますが,この行政に行政に入ってきている話として,出店された方から1店舗2,000円を徴収していると,それが1点。2,000円徴収しているにもかかわらず,募金箱を持って出店されているお店を回っているという話が来ていまして,大変行政としても苦慮いたしております。これについて明快なご返答をお願いします
■反訳書(甲40)3頁
岡田 お待たせしてすいません。あのー,確認をですね,さしていただきたいと考えております。あのーまず,これまでフリーマーケットを何回かやって,開催してきたと思うんですが,この行政に入ってきている話として、出店された,その,か,方から1出店2000円を徴収していると。それが第1点。第2点はその,2000円を徴収しているにも関わらず,募金箱を持ってここに出店されているお宅,あのお店を回っているという,こういうお話が行政に来てまして,大変行政としてもですね,苦慮いたしていることであります。これについて,ひとつ明快なですね,ご返答をいただきたいと思ってます
B
■要点筆記(丙17)22丁目左上(「85」)
(略)私はいつわかりますか,と課長が通りかかり聞いたら,今日の段階では貸せないので,これは,お預かりするかです,と言われましたから,■■は持ち帰りました。出してもらわなけれと私共とすれば困ります。
■一審被告安中市原審準備書面(1)(平成21年2月26日付)2頁:
意見交換会の中で未来塾の加藤副代表は,都市整備課長から「今日の段階では,使用許可が出せないので,申請書をお頂かりするか,お持ち帰りください。」と言われたという趣旨の発言をしている。
■反訳書(甲40)56頁
■■ (略)私は,じゃ、そのことの保留はいつわかるのか?って言ったら今係の者がいないのでわからないと言われましたね,と思っていたらそこに課長さんか誰か,課長さんかな,顔見りりゃわかりますけども,来て,そこで聞いたら、今,今日の段階では,貸せないのでこれはお預かりするかお持ち帰り下さいと言われたもんだから,わたしは持ち帰りました。(略)
(エ) 一審被告岡田は,要点筆記にない表現・ニュアンスが答弁書,準備書面に記載されている理由について,「要約ですから」(一審被告岡田:17頁)「要点筆記ですから」(一審被告岡田:19頁)などと弁解するが,意見交換会からすでに2年近く経過した時点でこのような微細にわたって一審被告らが再現できるはずのないことは指摘するまでもなく明白であり,一審被告岡田の弁解は不自然極まりない。
 さらには,一審被告岡田は,自らの記名押印のある答弁書について,
「 ・・・私は答弁書ではそういうのは書いてないですから」(一審被告岡田:18頁)
「(でも,ここに岡田義弘と,岡田の判こ押してありますよね)はい。(あなたが作った書面ですよね)いや,違います」(一審被告岡田:18頁)
などと,その作成自体まで否認する,不誠実極まりない訴訟態度をとっている。
(オ) 一審被告岡田は,反対尋問において,反訳をもとに「要点筆記」(丙17)を作成したのではないかとの質問に対し,下記のように証言した(一審被告岡田:16〜17頁。下線一審原告ら訴訟代理人)。
一審原告ら訴訟代理人山下  それから,原告の陳述書を見ますと,平成20年1月ごろに原告が安中市議会の議長さんに対してICレコーダーの反訳の文書を手渡したというふうに言いてあるので,それであなたに端的にお伺いするんですが,丙第17号証の要点筆記は,その反訳を見ながらお作りになったものではありませんか。
岡田  議長からはそういうものは一切ありません。
山下  質問に対して,はいかいいえで答えていただけますか。その反訳を見ながら丙第17号証を作ったのではありませんか。
岡田  いいえ,違います。今初めて知りました。
 一審被告岡田は,原告松本に対し,鑑定書(丙22)を読んだか否か尋問し,一審原告松本が「読む」の意味を「深く理解するほど読んでいない」という趣旨で読んでいないと回答したこと(一審原告松本:30頁)に対し,「なんで読まないんですか」「それはちょっと不思議ですね」などと述べ(一審原告松本:29頁),さらには,証人尋問後,各地区懇談会において,「一審原告が鑑定書を読んでいない」などと一審原告らを非難する発言を繰り返している。
 そのような言動をとる以上,一審被告岡田は一審原告松本の陳述書(甲50)を読んでいるはずであり,「要点筆記」という重要な証拠の信用性を疑わしめる事実である「一審原告らが反訳を議長に手渡していたこと」についても,当然読んでいたはずである。この事実について,「今初めて知りました」との弁解はあまりに不自然極まりない。かような不自然な弁解を行うこと自体,一審被告岡田が反訳を見ながら「要点筆記」を作成していた事実を強く裏付けている。
4 長澤証人に関する録音記録(甲54, 甲55)
 一審被告安中市は「準備手続での裁判官の指示を守らず,証人尋問の当日に証拠(甲54・55号証)を提出するなど,真実性が疑われるようなことを控訴人らは行っている」などと主張する(準備書面16頁)。
 しかし,民事訴訟規則102条は,書証の提出時期について,「証人等の陳述の信用性を争うための証拠として使用するものを除き」相当期間前までに提出するよう定めている。これに基づいて長澤証人の証言内容の弾劾証拠となる甲54号証,甲55号証を尋問当日に提出することは当然である。
 これらの書証を提出した口頭弁論期日において,一審原告は裁判所からの求釈明に対し,同様に釈明した。さらに,その直後に裁判所が一審被告らに対し意見を求めた際,一審被告らは,何らの異議も留めておらず,結果,証拠として採用されたのである。
 一審被告安中市の主張は明らかに失当である。
第3 人格権侵害
1 自己情報コントロール権
(1) 憲法13条から導かれる人格権には,自己情報コントロール権として,「自己の重要な身上,生き方,人格形成と強く結びついた活動に関して,正確に周知され,ないしは,誤った情報をみだりに流布されない権利」も含まれ,不法行為法上の保護を受けるべきこと,及び,本件において,一審被告らによる本件談話の掲載・発行が,一審原告らのかかる権利を侵害するものであることは,控訴理由書67頁ないし71頁に詳述した通りである。
(2) ここで,控訴理由書70頁に引用した東京高裁平成21年5月13日判決(乙13)は,「人は,自らの個人に関する誤った情報をみだりに開示又は公表されないことについても,不法行為法上の保護を受ける人格的な利益を有する」と判示した。
 そして,この判示内容は,最高裁によっても維持されている。
 すなわち,同高裁判決に対しては,その後,一審被告出版社側が,平成21年5月26日付で上告及び上告受理申立を行った。そして,一審被告出版社は,上告については同年7月23日付で取下げ,上告受理中立については維持していた。
 一審被告出版社側の上告受理中立理由の骨子は,おおよそ下記の通りであった。
 ・ 最高裁平成20年3月6日第一小法廷判決は,原判決のように,「誤った情報」という,情報の真偽に基づいて人格権侵害の成否を判断することをしていない。
 ・ 最高裁判決からすれば,「個人に関する情報」の開示又は公表が不法行為となるか否かは,「みだりに」の要件を満たすかどうかで判断されるべきであり,「誤った情報」か否かで判断すべきでない。「誤った情報」が公表・開示された場合には,情報を公表・開示されない法的利益がいかに僅少であろうとも,公表・開示によって得られる利益がゼロであれば,前者の利益は常に後者を上回ることになり,不法行為が成立することになる。
 ・ 原判決が保護した情報は,たとえば「通常人の感覚で他人に知られなくない」といった制限が存せず,およそ「個人に関する情報」であればすべて含まれている。誤っていれば,ほぼ確実に人格権侵害が認定され,これによって,報道機関は著しく不安定な立場に置かれてしまう。
 この上告受理申立に対し,最高裁判所第二小法廷は,同年9月18日付で不受理決定を行い,同高裁判決は確定した(平成21年(受)第1486号)。
(3) 一審被告安中市は,この東京高裁の事件について,@「出版会社の記者が本人への取材を行っていない」,A「記事の真実性についての主張・立証にも応じず」,B「記事の主たる内容の記載だけでなく,その他の記載も含めて相当部分が真実に反すると認められたもの」,などの理由を挙げて,本件とは「全く比較にならない」などと主張するが(準備書面17頁),失当である。
 @東京高裁の事件で,「本人への取材」が行われなかったのは,出版社側が当該個人に取材を申し入れたにもかかわらず断られた,という経過によるものである(乙13:7頁)。本件において,一審被告らは,「本人」たる-一審原告らに対して,本件談話発行前に何らの確認を取っていない(「意見交換会に出席した3人の部長から事実確認を行った」というのは「本人への確認」ではない)。A真実性の主張立証について,「要点筆記」(丙17)の提出が一向になされず,また,その後,「要点筆記」が後日作成された虚偽のものであるとの一審原告らの主張に対し一審被告らが何らの反論も行っていないことは上述した通りである。Bそして,「目を見て話をしろ(冒頭から怒鳴る)」をはじめとする本件談話の主たる内容を含めた相当部分が真実に反することも,従前より詳述しているとおりである。
 この東京高裁の事業を踏まえれば,個人のダイエット情報以上に人格的生存・存立基盤にも関わるものというべき,一審原告らの地域づくり活動に関する情報が,営利目的に発行される週刊誌以上に公共性・公益性を有し正確の情報性が求められる地方公共団体の広報紙に,市長名で誤った情報が流布されていることから,より一層,人格権侵害が認められるべきである。
(4) また,一審被告安中市は,「自分の発言内容等が正確に発表される利益」が直ちに人格権として不法行為法上保護される利益とはならないなどと主張するが(準備書面17頁),一審原告らが人格権として保護されると主張しているのは。「自己の重要な身上,生き方,人格形成と強く結びついた活動に関して,正確に周知され,ないしは,誤った情報をみだりに流布されない権利」であって,「自分の発言内容等が正確に発表される利益」ではない。
 一審被告安中市が一審原告らの法的利益を侵害していないとする根拠に挙げている「記事の特殊性やスペース上の理由」は,一審原告らの権利利益を「発言内容」を「正確に発表する」利益と倭小化したことから生じる根拠付けである。
 「発言内容を正確に発表する」のであれば紙幅が不足するのであろうが,一審原告らはそのように大量のスペースを割いて発言内容を正確に記載することを求めているのではない。「重要な身上,生き方,人格形成と強く結びついた活動に関して,正確に周知され,ないしは,誤った情報をみだりに流布されない」こと自体は,本件記事の性質や限定されたスペースを前提としてもなお十分に達しうることは,言うまでもなく明らかである。
2 団体の人格権侵害
 一審被告安中市は,「控訴人らの主張は,団体等の人格権を全く理解していない」などと主張するが,人格権を正解していないのはむしろ一審被告安中市である。
 一審被告安中市は,その論旨の大前提として,「人格権とは,個人の人格的利益を保護するための権利のことであって,基本的人権の一つであるとすれば,本来私法上の権利であって私人間に適用されるべきものである」などと述べるが(準備書面22頁),かような主張が憲法の基本原理・原則から大きく逸脱したものであることは明白であり,驚きを禁じ得ない。
 憲法学者らも,「憲法の基本的人権の規定は,公権力との関係で国民の権利・利益を保護するものであると考えられてきた」(芦部信喜,「憲法〔新版〕」106頁),「基本的人権は歴史的には元来対公権力との関係で構想されたもの」(佐藤幸治,「憲法〔第三版〕」483頁)と述べている。このように,憲法の基本的人権の規定が公権力との関係を規律するものであることを前提としたうえで,憲法の人権規定が私人間でも何らかの形で適用されるべきとする,いわゆる私人間効力について論じているのである。
 このことは,最高裁も,三菱樹脂事件判決(昭和48年12月12日判決民集27巻11号1536頁)において,
「 憲法の右各規定〔一審原告ら代理人注:憲法19条及び14条〕は,同法第三章のその他の自由権的基本権の保障規定と同じく,国または公共団体の統治行動に対して個人の基本的な自由と平等を保障する目的に出たもので,もっぱら国または公共団体と個人との関係を規律するものであり,私人相互の関係を直接規律することを予定するものではない。このことは,基本的人権なる観念の成立および発展の歴史的沿革に徴し,かつ,憲法における基本権規定の形式,内容にかんがみても明らかである。のみならず,これらの規定の定める個人の自由や平等は,国や公共団体の統治行動に対する関係においてこそ,侵されることのない権利として保障されるべき性質のものであるけれども,私人間の関係においては,各人の有する自由と平等の権利自体が具体的場合に相互に矛盾,対立する可能性があり,このような場合におけるその対立の調整は,近代自由社会においては/原則として私的自治に委ねられ,ただ,一方の他方に対する侵害の態様、程度が社会的に許容しうる一定の限界を超える場合にのみ,法がこれに介入しその間の調整をはかるという建前がとられているのであって,この点において国または公共団体と個人との関係の場合とはおのずから別個の観点からの考慮を必要とし,後者についての憲法上の基本権保障規定をそのまま私人相互間の関係についても適用ないしは類推適用すべきものとすることは,決して当をえた解釈ということはできないのである。 」
と明確に判示している(下線一審原告ら訴訟代理人)。
 したがって,一審被告安中市の主張は,その前提自体を誤っており,失当である。
第4 請願権侵害
1 一審被告らの本件談話の掲載・発行は,一審原告らの名誉を毀損し,名誉感情を侵害し,人格権(自己情報コントロール権及び重要な身上・生き方・人格形成と強く結びついた活動を平穏に行うことを妨げられない権利)を侵害するだけでなく,一審原告らの請願権(憲法16条)をも侵害するものである。
2 すなわち,憲法16条は,「何人も,損害の救済,公務員の罷免,法律,命令又は規則の制定,廃止又は改正その他の事項に間し,平穏に請願する権利を有し,何人も,かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」と定めている。
 請願権とは,国や地方公共団体の機関に対し,それぞれの職務にかかわる事項について,苦情や希望を串し立てることのできる権利をいう(佐藤幸治「憲法〔第三版〕」639頁) 。この請願権は,かつて,専制君主の絶対的支配に対して,国民が自己の権利の確保を求める手段として発達した権利であり,国民が政治的意思を表明するための有力な手段であったところ,国民主権に基づく議会政治が発達し,言論の自由が広く認められるようになった現在においても,国民の意思表明の重要な手段としての役割を果たしている(芦部信喜「憲法〔新版〕」230頁参照)。このような請願権の歴史的経過及び役割に照らすと,同条に規定されている「いかなる差別待遇も受けないjとは,「請願を実質的に萎縮させるような圧力を加えることも許されない」との趣旨を含むと解すべきである。
 この点,東京地方裁判所八王子支部平成12年12月25日判決(判例時報1747号110頁)も,
「 請願とは,国又は地方公共団体の機関に対して,その職務に属する事柄について希望を述べることであり,何人も,請願をしたためにいかなる差別待遇も受けないのであるが,そこには,請願を実質的に萎縮させるような圧力を加えることも許されないとの趣旨が含まれており,請願を受けた国又は地方公共団体が,請願の趣旨を釈明する限度を超えて,請願した者に対して反対の事実を説明し,説得する等のことは許されないものと考えられる。」
と判示している(下線一審原告ら訴訟代理人)。
3 そこで本件についてみるに,本件フリーマーケットに関して安中市及び安中市長の「職務にかかわる事項」であるところの,@出店料の徴収を自粛して真のボランティア活動で,との趣旨不明な文番(甲22)が突然届いたこと,A寄付金の受け取りも突然拒否されたこと,B会場の使用許可が下りなかったこと,の3点について,一審原告らは再三にわたって一審被告らとの話し合いを求め,結果,平成19年9月10日に「意見交換会」が開催されて,一審原告らは「平穏に」「苦情・希望を申し立て」だ。
 ところが,一審被告らは,「意見交換会」の内容について,一審被告らは,その地方公共団体の広報紙という,公的かつ影響力の大きい媒体を用いて,一審原告らが「目を見て話をしろ」と冒頭から怒鳴ったなどの記載を始めとして事実関係を歪めた本件談話を,安中市全戸に配布した。
 一審被告らによるこの本件談話の掲載・発行は,請願を行った一審原告らに対する「差別待遇」,すなわち,請願を実質的に萎縮させる圧力を加えるものである。このようなー審被告らの行為が許されれば,一審被告らや国・地方公共団体に対して,一般市民・国民が請願を行うことを躊躇せざるを得なくなる。かかる事態が,請願権を保障する憲法的価値を毀損することとなり,到底許容できないことは明らかである。
4 したがって,一審被告らの本件談話の掲載・発行は,一審原告らの請願権(憲法16条)をも侵害するものであり,違法である。
                        以上
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■また、未来塾側は、岡田義弘市長が胡散臭い鑑定書を一審で提出してきたことから、これを一蹴するために、きちんとした音響分析専門の研究機関に依頼した万全な鑑定書を用意周到に準備していたらしく、このとき満を持して、提出のタイミングを図っていたらしく、12月20日(月)の第2回口頭弁論でのタイミングに間に合わないことから、急遽内容を変更した第2準備書面を併せて、裁判所に提出しました。

**********
平成22年(ネ)第4137号 損害賠償等請求控訴事件
控訴人(一審原告) 松 本 立 家 外1名
被控訴人(一審被告)  岡 田 義 弘 外1名
          第2準備書面
                   平成22年11月29日
東京高等裁判所第5民事部 御中
        控訴人(一審原告)ら訴訟代理人
               弁護士 山 下 敏 雅
 一審原告ら第1準備書面16頁12行目を,下記の通り訂正する。
              記
誤 「専門家の立場から分析した書面を,次回期日に証拠として提出する予定である」
正 「専門家の立場から分析した書面を,次々回期日までに証拠として提出する予定である」
                      以上
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■こうして、着々と平成22年12月20日の第2回口頭弁論に向けて両者のせめぎ合いが続くのでした。

【ひらく会情報部・この項つづく】
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