2012/2/17  0:08

フリマ中止を巡る未来塾側と安中市・岡田市長とのバトル・・・逆転劇となった東京高裁での攻防(その8)  安中フリマ中止騒動

■未来塾側が満を持して平成23年2月7日に提出した第3準備書面には、わが国を代表する国際的にも著名な蒲髢リ法科学鑑定研究所の代表取締役である鈴木隆雄氏が作成した同1月27日付の意見書が添付されていました。

 これに仰天した岡田市長は、さぞ慌てたことでしょう。しかし、冷静に考えてみれば自ら撒いたタネがこのような事情をわが身にもたらせたことになります。


■平成23年2月21日(月)に東京高裁で開催された第3回口頭弁論に関しては、残念ながら安中市職員の復命書の開示はなぜかありませんでしたが、同日付で、被控訴人として岡田義弘市長が提出した準備書面とそれに添付されている平成23年2月18日付の丙第25号証を見ると、2月7日付の未来塾側の準備書面から実質的に10日間で反論のための書類の作成を行ったことがわかります。

 もちろん、準備書面の活字のフォントを見る限り、いつもの岡田市長の小ぶりなワープロ文字ではなく、大き目の明朝体の活字となっており、犠牲となったのは安中市の職員たちであることは一目瞭然です。

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【岡田義弘市長が第3回口頭弁論当日に高裁に提出した準備書面】
平成22年(ネ)第4137号  損害賠償等請求控訴事件
控訴人  松本立家外1名
被控訴人 岡田義弘外1名
              準 備 書 面
                       平成23年2月21日
東京高等裁判所 第5民事部 御中
                    被控訴人  岡 田 義 弘
第1 控訴人らの提出した意見書(甲60)について
1 平成23年1月27日付け(株)鈴本法科学鑑定研究所・鈴木隆雄氏作成の意見書(以下「鈴木意見書」という。)は、以下のとおり信用性がないばかりか被控訴人らの主張に対する十分な反論の証拠となり得ていない。
 そもそも音声データの分析を依頼するのに、音声の第一次記録媒体であるICレコーダ本体は提出せずに、その写しであるCD−Rだけを用いているが、この点に関連して被控訴人安中市が、原審及び前回の準備書面(2)のなかで、ICレコーダを提出しようとしない控訴人らに対して、編集加工が大きく疑われるものであるとして繰り返し批判している。
 訴訟における原本主義に鑑みれば、控訴人らが所有する録音に係る第一次記録媒体によって鑑定を行うのが常道であり、被控訴人安中市の主張に反論するためにも鑑定にあたってはICレコーダをあわせて提出し、その第一次記録媒体とそれを複製したCD−Rの内容が、全く同一であってどちらも編集加工されていないことを同時に立証すべきであった。
 御庁平成20年(ネ)650号各損害賠償、手帳返還等請求控訴事件(乙25)においても第一次記録媒体を提出できないことに対し、証拠の保管ないし提出方法において著しく不自然な点があると第一次記録媒体の重要性を指摘している。
 従って、控訴人らが自分で依頼した鑑定にあたっても、第一次記録媒体であるICレコーダを全く使用しなかったことには理解ができない。
2 控訴人ら提出した鈴木意見書に信用性がないことを立証するため、限られた時間ではあったが、原審において提出した鑑定書(丙22)を作成した日本音響研究所に急濾依頼し、反論の意見書(丙25)の提出を求めた。
 そのなかで、ICレコーダで録音したデジタルデータの場合、編集を行ってもその形跡がわからない場合があり、この主張は前出の平成20年(ネ)650号各損害賠償、手帳返還等請求控訴事件でも採用されていること、衝撃音が見つけられないとしているが、周波数分析図面上でも聴覚上でもはっきりと確認できるものであって、しかも10秒ごとの周波数分析では時計の長針による衝撃音はおよそ0.08秒程度のものであるため、妥当な検証方法ではないことなど、鈴木意見書に信用性がないことを具体的に証明している。
 本来であれば、日本音響研究所としては、鈴木意見書について、時間をかけてより詳細に検証・分析を行ったうえで、意見書を提出したかったようであるが、このように結審直前に提出されたのでは限られた反論しか行えず、紳士的な方法ではなく憤りを感じると結んでいる。
 被控訴人としても、同じ意見であり、時間は十分にあったのだから、訴訟進行上もっと早い段階で鑑定を依頼し提出されるべきであり、故意に遅らせたとするならば許されるものではないと考える。
 また、先の平成20年(ネ)650号各損害賠償、手帳返還等請求控訴事件を参考とするならば、提出された鑑定書が「音声データのすべてについて,周波数分析を行い,音や信号の周波数成分の状態をスペクトログラムに表示し,録音内容の聴取検査をも併用し,本件音声データを検査した結果,合成,修正及び加工された箇所は見当たらず,編集改ざんされた録音ではない」としているにもかかわらず、実際は削除等の加工が施されていた。
 鈴木意見書でも、録音の一部を削除したりする操作をICレコーダに添付されているソフトやパソコンを使って編集処理を行っても、スペクトログラムの解析でその接続箇所の痕跡を抽出することが可能であるとしている(2頁20行目以降)が、先の裁判の例では、スペクトログラムによっても編集改ざんの痕跡を検出することができない可能性は十分残されていることになる。
 つまり、今回控訴人らが提出した鈴木意見書における鑑定も同様な方法で分析しているならば、その信用性が全くないことは明らかである。
 鈴木意見書の結論としても、編集加工された可能性は極めて低いとはしているが、全くないとは断じておらず、ICレコーダで録音したデジタルデータの場合、編集を行ってもその形跡がわからない場合もあることを暗に示している。
3 以上に加えて、編集加工されていないとする鈴木意見書の中で、逆に現場にいた人間でなければわからない、編集加工が大いに疑われる記述がある。
 それは、鈴木意見書の9頁の図19及び図20の検討所見であって、そこに「笑い声のある部分に急に大きな音のため、音が歪んだ箇所がある」という指摘がなされていることである。
 正に、その箇所は意見交換会で控訴人未来塾側の出席者が怒鳴った場面であり、もし、編集加工されていないとするならば、この音の正体はいったい何なのか?
 付言するが、意見交換会のこの場面で急に大きな音が発生した事実は一切ない。
 雑音の類の音であれば、他の図の検討所見と同様に『「ガサガサ」というような雑音、カシッというような音、カツコツというような音』と明確に書かれているはずであり、なぜ、鈴木隆雄氏は「急に大きな音」としか表現できなかったのか、しかもなぜ原因不明の音が問題となっている場面だけに発生しているのか?
 また、図19及び図20の原信号の波形は他の図のものと比較して明らかに異なっているのが見て取れる。
 原審で提出した鑑定書(丙22)においても、本件で争いとなっているこの部分(約899秒反訳書8頁26秒付近)近くで時計の長針による衝撃音が確認されておらず、不自然であるため、この前後部分で削除が行われた可能性があると指摘している(鑑定書7頁1行目〜5行目)。
 これらの理由として想定されるのは、この箇所に鑑定によってもわからない何らかの処理がなされているか、鑑定を依頼された鈴木隆雄氏が依頼主である控訴人らの不利とならないように、このような表現しかできなかったとしか考えられない。
 そうでなければ、その場にいた職員、ましてや隣室で仕事をしていた秘書行政課の職員全員が驚いたほどの大きな声が録音されていないわけがない。
 公務員は、真面目な職員ほど保守的で保身主義の傾向があるが、裁判において、意見交換会に出席した部長が3人とも偽りの陳述をすることなど、よほどのことがない限りはあり得ない
 しかも、退職して既に市と関わりを持だない職員が、市又は市長個人のために偽証罪のおそれがある危険を犯すとは到底思えない
第2 名誉毀損について
 本件談話の作成にあたっては、控訴人らの人権には十分配慮し、誰がどのような言動をしたのかわからないように、個人の名前は一切明らかにしなかった。
 一方、団体である未来塾については、県議会議員や市議会議員を有し、マスコミにも多く登場し、市民の未来塾に対する社会的関心は非常に高い。
 このような団体は、選挙で選出される市長等公人と同様に、常に社会的評価や批判にさらされる立場にあるため、名誉保護の範囲が一般の市民や団体よりも、より限定されたものになるべきである。
 また、本件談話は、控訴人らの社会的評価を低下させる内容ではないが、仮に低下させたとしても公共の利害に係る事実であり、先に発行された未来塾ニュースに反論する意味も含めて、市民に意見交換会の内容を知らしめるべく、専ら公益を図る目的で書いたものであって、その内容も真実であるから、免責される性質のものである。
 なお、これまで繰り返し主張してきたとおり、公務員の職務行為に基づく損害賠償請求については、国家賠償法第1条の適用がある限り、公務員個人の責任を追及することができないのは、最高裁判例でも明らかであって、本件控訴はこの点においてはじめから不適法である。
 その他披控訴人岡田義弘の主張及び立証は、披控訴人安中市の主張及び立証を援用する。
                             以 上
【岡田義弘市長の準備書面に添付された証拠説明書】
平成22年(ネ)第4137号 損害賠償等請求控訴事件
原 告  松 本 立 家 タト1名
被 告  岡 田 義 弘 外1名
          証  拠  説  明  書
                            平成23年2月21日
東京高等裁判所民事第5部 御中
                   被控訴人 岡 田 義 弘
号証/標目/作成年月日/作成者/立証趣旨
丙25/意見書Z・原本/平成23年2月18日/日本音響研究所/意見書(甲60)に信用性がないこと
【丙第25号証】
                    日音研発第2260号
                    2011年2月18日
群馬県安中市野殿969番地
 岡田義弘様
                    東京都渋谷区鷹ヶ谷1-38-7
                    日本音響研究所
                     所長 鈴木松美
                  主任研究員 鈴木 創
             意見書
 2011年2月10日に群馬県安中市野殿969番地 岡田義弘より依頼のあった、株式会社鈴本法科学鑑定研究所・鈴木隆雄作成の、甲第60号証、平成23年1月27日付意見書(以下鈴木隆雄意見書という)に対する意見を報告する。
@
 ICレコーダで録音したようなディジタルデータの場合、編集を行ってもその形跡はわからない場合もある。
 特に鈴木隆雄意見書で例として挙げられている編集の形跡(参考図1及び2)は、耳で聞いてもはっきりわかる程度のバックノイズが異なる箇所をつないでいるものであり、証拠の内容を改ざんする目的がある場合には、バックノイズがはっきりと変化する箇所をつなぐことは、編集に関して知識があまりない人間が行っても考え難いことである。
 東京高等裁判所の判例(※に事件番号)でも鈴木隆雄氏のこの類の見解は一蹴されており、当研究所が主張するディジタルデータの場合には編集されたとしてもその形跡は明らかにすることは出来ない場合もあるという主張を採用されている。
※東京高等裁判所の事件
平成20年(ネ)第650号各損害賠償,手帳返還等請求控訴審件
 (原審・東京地方裁判所平成17年(ワ)第15151号〔第1事件],第15738号〔第2事件〕,第23436号〔第3事件〕)
A
 編集された範囲を明らかにしていないとの指摘だが、当方はそもそも編集された箇所が非常に判別しがたいと主張しているので当然である。
 また、KAY社のCSLを用いて全体的なバックノイズの傾向よりバックノイズによる編集された形跡は見つけられないといった結果、及び時計の長針による衝撃音の時間的・周波数的特徴の明示を行ったが、長針による衝撃音は、周波数分析を参考にしながら、SONY製のSoundForge8.0dというソフトウェアを用いて、聴覚上での確認を併せて行っており、CSLの時間分解能よりも詳細な数値を得ている。
B
 鈴木隆雄意見書では衝撃音が見つけられないとしているが、周波数分析図面上でも聴覚上でもはっきりと確認出来るものであり、鈴木隆雄氏は何を根拠にそのような主張をされているか不明である。
 また、鈴木隆雄意見書では10秒ごとに周波数分析を行って、時計の長針による衝撃音が見当たらないと主張しているが、時計の長針による衝撃音はおよそ0.08秒程度のものであり、10秒間隔で確認しても見つけることは非常に難しく、時間軸の設定を衝撃音が確認しがたい数値にするなど妥当な検証方法であるとは到底言えない。
C
 マスキング効果によって衝撃音が確認しがたい部分があるのは、会議の録音であるので致し方ないものであり、当方は衝撃音が確認出来ない部分があったことがそのまま編集の形跡であるとは主張していない。
 あくまでも、衝撃音の時間間隔のズレが生じていることについて論じているものであり、編集された形跡として看過できない情報であると考える。
D
 結審直前にこのような意見書を提出することにより、当方による鈴木隆雄意見書の検証・反論の時間を与えない手法は非常に紳士的な方法論ではないものであり憤りを感じる。
                                 以下余白
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■こうして、一審の前橋地裁高崎支部で敗訴した未来塾が、起死回生をかけて、東京高裁に控訴してからおよそ7ヶ月に及んだ二審が結審したのでした。

 最後にドタバタを露呈した安中市側のとくに岡田義弘市長としては、忸怩たる想いで控訴審の幕切れをみていたことでしょう。しかし、実際にはその余韻に浸るまもなく、それからわずか3週間後には東日本大震災が勃発したのでした。

 第3回口頭弁論での審議の内容が不明な為、そのためかどうか理由は定かではありませんが、判決までに随分時間がかかりました。結局、判決が出たのは平成23年7月13日だったのでした。

【ひらく会情報部・この項つづく】
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