2012/9/6  22:35

サンパイ場に長年不法投棄していた特殊鋼メーカーの事件から想起される東邦亜鉛サンパイ場への不安  東邦亜鉛カドミウム公害問題

■9月5日まで操業を休止していた我らが郷土の安中市の誇る大手非鉄金属メーカーである東邦亜鉛安中製錬所ですが、5日の夜は、少し明かりが点きはじめてました。どうやら6日から再開する操業準備を始めたようです。また、操業を再開した6日の夜も、かなり照明が点いていましたが、まだ操業休止前に比べるといまひとつでした。どうやらフル操業までの全プロセスの立上げには少し準備期間がかかりそうです。そうした中、一昨日から昨日にかけて、新日鉄グループの、日本を代表する特殊鋼メーカーがサンパイ場に不法投棄をしたというニュースが日本中を駆け巡りました。


**********産経新聞 9月5日(水)15時9分配信
山陽特殊製鋼を捜索 金属くず不法投棄の疑い
 兵庫県姫路市内の産業廃棄物最終処分場に規定外の金属くずを投棄した疑いがあるとして、兵庫県警生活環境課と姫路署は9月5日、廃棄物処理法違反容疑で、東証1部上場の特殊鋼メーカー「山陽特殊製鋼」の本社事務所(同市飾磨区)を家宅捜索した。
 捜査関係者によると、同社は廃プラスチックやガラス、がれき類などしか処分できない姫路市打越の産廃最終処分場に、規定外の金属くずを持ち込み、廃棄した疑いが持たれている。
 この日は捜査員約20人が午前10時過ぎ、捜査車両に分乗して本社事務所に到着。事務所内で関係資料を押収するとともに、金属くずが廃棄された経緯などについて担当者らから事情を聴いた。産経新聞社の取材に対し、同社は「担当者がいないので答えられない」としている。
 県警はすでに同処分場を9月3日に現場検証し、廃棄物の中に微量の金属くずが混入しているのを確認。同4日には同処分場の運営会社事務所を家宅捜索していた。
 同処分場をめぐっては、別の規定外のごみが搬入されていたのを知りながら受け入れたなどとして、姫路市内の男性が8月、廃棄物処理法違反罪で運営会社と前社長(47)を姫路署に刑事告発していた。
 山陽特殊製鋼は新日鉄グループで、平成24年3月期の連結売上高は1718億円。昭和40年に会社更生法の適用を申請後、経営陣の粉飾決算や連鎖倒産などが問題化し、山崎豊子氏の小説「華麗なる一族」のモデルにもなった。
**********産経新聞2012年9月5日(水)23時32分配信
12年間で規定外の鉄くず173トン投棄 山陽特殊製鋼
 東証1部上場の特殊鋼メーカー「山陽特殊製鋼」(兵庫県姫路市)が同市内の産業廃棄物最終処分場に鉄くずを不法投棄したとされる事件で、同社は9月5日夜、記者会見を開き、過去12年間で規定外の鉄くず173トンを投棄したことを明らかにした。今年3月末に市から「不法投棄」と指摘を受けたが、6月末に市から再び指摘されるまで投棄を続けたという。
★「れんが扱い…認識甘く指摘後も継続…」
 また、兵庫県警は同日の家宅捜索で廃棄物関係などのファイル数十冊を押収。鉄くずが投棄された経緯について捜査を進める。
 同社や市によると、処分場に投棄された鉄くずは、鉄スクラップを溶かす電気炉で使用する耐火れんがを製作するための薄い鉄製の型枠。耐火れんがが劣化するたびに型枠ごと廃棄しており、平成11(1999)年12月以降、今年6月末までに耐火れんが計1050トンを処分場に投棄し、この中に鉄製の型枠173トンが混じっていたという。
 大井茂博取締役は「高温化で型枠はかなり劣化するため、『れんがくず』の一部と考えていたが、認識が甘かった。3月末に市の指摘を受けて以降も処分先が決まらず、投棄を続けてしまった」と釈明した。
**********日本経済新聞2012年3月7日
山陽特殊製鋼、不法投棄の疑い 兵庫県警が家宅捜索
兵庫県警生活環境課と姫路署は6日までに、プラスチックやガラスなどしか処分できない産業廃棄物処理場に金属くずを投棄したとして、山陽特殊製鋼(同県姫路市)の本社事務所を廃棄物処理法違反の疑いで家宅捜索した。県警は関係資料を押収するなどして、不法投棄の経緯など裏付けを進める。
 同社は9月5日、「レンガくずの一部に『鉄皮』という鉄板でできた薄い板を巻いたものが含まれていた。健康上の問題はない。意図的な行為ではないが、ご迷惑を掛け、深くおわびする」などとコメントした。
**********

 同処分場をめぐっては、別の規定外のごみが搬入されていたのを知りながら受け入れたなどとして、姫路市内の男性が8月、廃棄物処理法違反罪で運営会社と前社長(47)を姫路署に刑

■この事件は、9月3、4日に、産業廃棄物不法投棄の疑いで、サンパイ業者の成臨興業(セイリンコウギョウ)株式会社の運営する宮ヶ谷産業廃棄物最終処分場に兵庫県警が家宅捜査に入ったものです。そして、9月5日には排出元の山陽特殊製鋼に兵庫県警が家宅捜索に入りました。これに先立ち、上記の記事にある通り、8月13日、姫路市内の住民が、成臨興業と同社の前代表を不法投棄の疑いで刑事告発をしていました。

成臨興業が運営しているこの宮ヶ谷サンパイ場では、7月10日に、姫路市の立入り検査が実施されました。その際、搬入不可品目の金属くずが、軽トラック1台分確認されたのでした。

 続いて、 9月3日、兵庫県警と姫路市が合同で宮ヶ谷サンパイ場の現場検証を行いました。7月10日に金属くずが発見された場所をさらに掘ってみたところ、なんと、大型ダンプ1台分の金属クズが確認されたのでした。

サンパイは、通常は、排出元の事業者から運搬業者に渡り、その運搬業者から中間処理業者ないし最終処分業者へと運ばれます。その過程はすべてマニフェストで管理されます。

中間処理業者は、排出元の事業者から搬入されたサンパイをリサイクルし、リサイクルできないサンパイを埋め立てる為に最終処分場に搬入するために、分別作業を行ないます。

■今回の事件は、排出元事業者の山陽特殊製鋼から、中間処理業者を経ずに、直接、宮ヶ谷サンパイ場へ廃棄物が搬入されていたと思われます。

すなわち、山陽特殊製鋼には、自分で排出した金属くずを、成臨興業が受入れできないと解っていながら、宮ヶ谷サンパイ場へ搬入していた疑惑があります。本来、サンパイの運搬にはマニフェスト添付が義務付けられていて、排出元事業者は、自分が出したサンパイが、最終的にどこに持ち込まれて埋め立てられたかを、把握していなければなりません。

 宮ヶ谷サンパイ場の周辺住民によると、山陽特殊製鋼は20年近く当該サンパイ場に搬入されているそうです。20年間にわたり、こうした違法投棄が継続して行われていたとすれば、上記の記事にあるような、「平成11(1999)年12月以降、今年6月末までに耐火れんが計1050トンを処分場に投棄し、この中に鉄製の型枠173トンが混じっていた」という程度の問題ではなく、もっともっと多くの量の搬入禁止品目が持ち込まれて埋め立てられていたと見るべきでしょう。また、山陽特殊製鋼に加えて、成臨興業の前社長の関与も当然疑惑として考えられます。

■山陽特殊製鋼鰍ェ、東証1部上場の特殊鋼メーカーで、平成24年3月期の連結売上高は1718億円だったすれば、東邦亜鉛鰍ヘ亜鉛・鉛の製錬を中心とする東証1部上場の非鉄金属メーカーで、平成24年3月期の連結売上高が1059億円でした。

 今回の事件が発覚したのは、長年にわたりサンパイ場を監視してきた地元住民の労によるものとみられます。しかし、東邦亜鉛が安中製錬所の構内に作ったサンパイ場ですと、自分で出したサンパイを自分で処分するわけですから、山陽特殊製鋼が起こした違法投棄よりも、さらに不安度が増大します。

 新日鉄グループの山陽特殊鋼でさえも、こうした違法投棄をサンパイ業者と示し合わせて、長年平気で行なってきたということですから、日本有数の公害問題の原因企業で、その後もきちんと反省していない東邦亜鉛の場合、さらに不安のリスクは高まります。

■さらに心配なのは、東邦亜鉛のサンパイ場の場合、はじめから「金属くず」も含まれていることです。日的金属メーカーですから、重金属を含んだ危ないサンパイも「金属くず」というくくりで片付けられてしまう懸念があります。

 東邦亜鉛では、サンパイ場の許可申請で廃棄物の種類を「
廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、がれき類並びにガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」としており、しかも、群馬県の配慮で、さらに「廃ブラスチック類、がれき類並びにガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずについては、石綿含有産業廃棄物を含む」という優遇措置をとってもらっています。

 今回、兵庫県や姫路市のとった対応は、法律にのっとり、当然の対応をしているのでしょうが、群馬県や安中市の場合には、サンパイ業者やサンパイ排出企業に対しては、他の都道府県では想像もできないほどの優遇措置をとるけいこうにあり、安中市内にサンパイ業者が注目しているのも、そうした背景が影響しているのです。

 東邦亜鉛は、亜鉛の製錬の過程で、鉄を含むスラグも排出します。これらは、安中製錬所の構内に野積みされていますが、主成分は石灰やシリカで、膨張して固まる性質があるため、セメント材や道路の路盤材、造成工事の埋立などに利用されています。東邦亜鉛でも、セメント会社に販売していると言っていますが、詳細はよくわかりません。

こうしたスラグは、廃棄物処理法上はサンパイです。野積みされたものが雨水に触れれば、強アルカリ性の排水が生じ、周囲の植物を枯らしたりします。乾けば粉ジンが舞い、周辺住民の皮膚や粘膜など健康への影響が懸念される代物です。しかも、東邦亜鉛安中製錬所に設けられたサンパイ場には、群馬県の環境行政の後押しで、アスベストを含む有害ゴミもどうどうと捨てられることになるのです。

■群馬県にも「廃棄物110番」の通報制度がありますが、その実態は有名無実といえます。当会では、実際にサンパイの不法投棄を群馬県のサンパイ110番に告発したことがありますが、彼らの対応には失望されられました。完全に業者側を擁護する立場をとるからです。

サンパイを取り扱うサンパイ業者と、サンパイを排出する企業、そしてそれを取り締まる自治体が、いずれもインチキをしないように、徹底的に法律遵守することが、本当の環境保全とリサイクル社会を推進する道なのですが、群馬県そして安中市の場合、住民として悲観せざるを得ません。とうてい、行政も企業もそれを認識する自覚を持ち合わせるという期待ができそうにないためです。

【ひらく会情報部】
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