2013/1/15  0:24

土地開発公社を解散する動きが県内外で加速するのに公社存続で群銀103年ローン支払に血道を上げる安中市  土地開発公社51億円横領事件

■土地開発公社は、地方公共団体が地域の秩序ある整備を図るために必要な公有地となるべき土地等の取得及び造成その他の管理等を行わせるため、単独で、又は他の地方公共団体と共同して設立することができる法人であると、公有地の拡大の推進に関する法律の第10条第1項に定められています。その他基本的な事項も同法に規定されています。
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公社元職員の実弟が経営する多胡運輸の様子。首都高ローリー横転炎上事故の民事裁判中のためか多胡運輸の名前はどこにも見られない。一方で、物々しい警備態勢を敷いている。防犯システムは国際警備鰍ノ委託か。

 ところが、土地の価格が右肩上がりの時代に設立された土地開発公社は、いつのまにか政治家や役人の利権の温床になりさがりました。必要のない土地を事業用地として先行取得してきましたが、地価の下落により簿価が下がり、大量に購入した土地が塩漬けとなっています。設立母体の自治体も財政状況が厳しくなり、公社が取得した用地の購入を先延ばしにするなどして、金利負担が増大し、どこでも土地開発公社が重荷になっています。

 このため、最近、土地開発公社の解散が相次いでいます。この背景には、経営の悪化した土地開発公社を解散する際に発行する「第三セクター等改革推進債(三セク債)」の期限が、平成21年度〜25年度と定められていることがあります。本来、地方債は負債を返済するために発行することはできませんが、期間限定で三セク債を発行できるため、経営の行き詰まった公社を解散する動きが全国各地の自治体で加速しているのです。

 三セク債を発行して債務を整理すると、その後の運営費や金利負担の軽減から、全体の費用負担を軽減できるとされています。いずれにしても、ツケは納税者に回されるわけですが、銀行に無用な金利を支払うのを少しでも減らすことにつながれば、それなりの意味はあるわけです。

■群馬県では、平成21年度以降、三セク債を活用した公社平成23年度の社団法人群馬県林業公社の再生手続きで52億3900万円(償還期間10年)を起債した例があるだけですが、全国的に見ると、平成21年度に富山県、千葉市、大阪市、北海道釧路市、江別市、余市町、白老町、岩手県北上町、宮城県美里町、神奈川県三浦市、平成22年度に大阪府貝塚市、河内長野市、阪南市、広島県三原市、高知市、富山市、平成23年度に山口県、平成23年度に宮城県石巻市、富山県黒部市、大阪府和泉市、山口県周南市、高知県室戸市、平成25年度に岩手県奥州市、千葉県茂原市、新潟県上越市、三重県名張市、京都府綾部市、大阪府豊中市、門真市、大阪狭山市、兵庫県伊丹市、奈良市、奈良県平群町、和歌山県橋本市、山口県美祢市、愛媛県四国中央市、内子町、大分市がこの三セク債を活用して土地開発公社を解散しています。

 土地開発公社を解散できても、設立母体の自治体が引き継いだ土地の事業化や売却が進まないと借金を先送りしただけで終わってしまい、その分はいずれ住民の負担となってしまいます。公社が解散した後も、住民は注意を払う必要があるのです。

■こうした全国の動きに影響されたのか、ついに前橋市も土地開発公社と工業団地造成組合を、三セク債の活用期限が到来する平成25年度に解散する方針を固めたことが、年末から年始にかけて報道されました。

**********2012年12月30日東京新聞群馬版「財政検証」
前橋市 土地開発公社解散を検討
来年度めど 三セク債活用目指し
 前橋市が広大な塩漬け地を抱える市土地開発公社について、来年度をめどに解散を検討していることが二十九日、明らかになった。国が財政面の優遇措置をする「第三セクター等改革推進債(三セク債)」の活用期限が来年度中のため、活用を目指して検討を急ぐ。(菅原洋)
 三セク債は地方債の一種。解散時の負債を返済するため、原則十年以内を返済期限とし国が支払利息の一部を特別交付税で賄う。
 自治体の土地開発公社は、開発する土地の先行取得などを目的に設立された。しかし、全国的に地価の下落が止まらず、含み損が膨らんで財政の重荷となり問題化している。
 総務省によると、市土地開発公社が昨年三月に保有する土地の簿価(購入額に借入金利息などを加えた額)は総額約八十八億円。このうち十年以上の塩漬け地は約六十四億円を占め、ともに北関東で最高額となった。
 公社は二〇〇九年三月の時点で、保有する土地を、簿価ではなく下落した時価で適正に評価した場合、約五十三億円の実質的な債務超過に陥っていた。
 その後、市は公社の土地売却に努めてきたが、解散時に多額の負債が残り、三セク債を活用しても財政負担となる可能性が高い。
 市では公社以外でも、前橋工業団地造成組合が住宅団地を含む広大な塩漬け地を抱え問題化。市は組合に〇八年度からの三年間で総額約三十三億円を財政投入した。市は組合の解散方針を再三表明しており、土地の売却にめどが立ち、来年度に正式に解散する予定。
 市は長年の懸案だった公社と組合の問題に一定の区切りをつけようとしている。ただ、地価や土地売却への見通しの甘さなどで膨らんだ借金を市民に回し続ける結果となり、大きな負担となりそうだ。
**********2013年1月8日付東京新聞群馬版
【財政検証】前橋の塩漬け土地問題 市民負担は数十億円
公社・組合解散で見通し
 前橋市土地開発公社と前橋工業団地造成組合が二〇一三年度に解散した場合、その後に総額数十億円の借金が市民負担として残る見通しが七日、分かった。ともに市の事業に関連して借金で土地を購入してきたが、土地売却や地価下落などへの見込みの甘さから借金を返済できず、結果的に市民が巨額の代償を支払うことになりそうだ。(菅原洋)
 公社は国が財政面の優遇措置をする「第三セクター等改革推進債(三セク債)」の活用期限となる一三年度中に、解散する検討をしている。
 ただ、公社の借入金は昨年三月で約七十二億円。返済に充てる資本は約十一億円にとどまり、抱える広大な塩漬け他を大量に売却できるめどもなく、解散時に五十億円前後の借金が残る恐れがある。
 市は残金分の三セク價を発行し、約十年で返済する予定。公社の土地は市が引き受け、有効活用を検討する。
 一方、市は組合も一三年度中に解散させる方針。組合は地方債を発行して土地を購入しており、昨年三月の残高は約七十五億円。その後に工業団地などの売却が進み、今年三月の残高は約六十億円に減る見込み。
 一三年度は残る住宅団地向けの一括売却を目指している。ただ、仮に売却できても、地価の下落による売却損が出るため、解散時の地方債残高は十数億円から数十億円となる恐れがある。残高分は市が分割返済する。
 市はすでに○八年度からの四年間で、組合の地方債返済のために、別途計約四十三億円を財政投入している。
 土地開発公社は全国的な問題だが、前橋市合は組合も加わり、長年財政的に大きな重荷となってきた。特に公社は市民負担を減らせる三セク債の活用が必至で、問題の先送りは許されない。
 市と市議会は、土地問題で他の自治体にないような巨額の市民負担が発生する事態を重く受け止め、歴代の政策判断を厳しく検証する必要がある。
**********2013年1月9日付東京新聞群馬版
【財政検証】前橋市長 「塩漬け地問題に区切り」 公社・組合の解散意向表明
 前橋市の山本龍市長は八日の定例会見で、市に関連する二団体が抱える広大な塩漬け他の問題について、「ここで一定の区切りを付けるのが転換期に市長を務める私の責任」と述べ、二〇一三年度中に解散させる意向を正式に表明した。(菅原洋)
 二団体は市土地開発公社と前橋工業団地造成組合。二団体は市の事業や工業・住宅団地向けの土地を購入してきたが、売却が見込みより進まず、地価の下落もあって多額の借金や含み損を抱えている。このため、二団体を解散する場合、総額数十億円の市民負担が発生する恐れがある。
 山本市長は二団体に対して「損切りの批判を恐れて継続させるのが正しいのか。市政の政権交代を機に、野放図だった拡大を止め打つのが正しいのかを市民に説明したい」と決意を語った。
 山本市長は、国が財政面の優遇措置をする「第三セクター等かいかく推進債(三セク債)」にも言及。「(公社は)三セク債を利活用しながら市民負担が少ない方向へ清算を導くのが大きな方針。(市が引き受ける公社の土地は)一定の形で整理したい」と述べた。
 一方、組合については「工場立地による雇用の場や、市民への住宅供給の面で一定の使命をたし、工業団地は完売のめどが立った。解散後の工場誘致は特別会計などで対応したい」との方針を示した。
********** ■こうした動きを横目に、安中市の対応が注目されています。安中市の土地開発公社は、既に債務超過に陥っていますが、17年前に発覚した地方自治体では最大級の巨額横領事件により、あと89年間、群馬銀行に対する和解金の返済母体として、存続させなければならないという事情を抱えています。

 そのため、安中市の岡田義弘市長は、かつて自ら公社の監事や理事を務めていたにもかかわらず元職員タゴの不正経理を見抜けず巨額横領事件を起こした責任をとる形で、現在、安中市土地開発公社の理事長を兼務しています。

 17年前に巨額横領事件が発覚する前までは安中市土地開発公社の理事長は市長が兼務していました。事件発覚後、それでは独立性が保てないという反省から、土地開発公社の理事長には外部(といっても市役所OBですが)からの人物が就任していました。ところが、松井田との合併後の初めての市長選挙で当選した岡田市長が、翌年度の平成19年4月1日から公社の理事長を兼務するようになったのです。

■かつては、公社の理事に市議会議員も多数顔を並べていましたが、岡田市長になってからは、議員からあれこれ注文をつけられるのを嫌ってか、監事以外は全員、市役所の部長クラスの幹部職員が占めるようになりました。いまや、公社の運営は完全に、市長の独裁体制で行える人事になっています。公社の役員の市幹部職員が岡田市長=公社理事長に対して何かを言えば、左遷させられるので、誰も岡田市長の独裁を止めるものがいないのです。

 平成17年度以降の安中市土地開発公社の役員と職員の推移を見てみましょう。

**********
【安中市土地開発公社の変遷】
<平成17年度>
■役員(平成18年3月31日現在)
役 職 名/氏名/就任年月日/備考
理 事 長/中島 茂弥/平成 7年12月15日/(元助役)
副理事長/吉岡 完司/平成12年 4月 1日/(元収入役)
常務理事/長澤 和雄/平成15年 4月 1日/建設部長
理  事/真砂  豊/平成16年 1月 1日/総務部長
理  事/内堀 利之/平成15年12月11日/財務部長
理  事/伊藤 惣一/平成17年 4月 1日/市民部長
理  事/白石 茂夫/平成15年12月11日/保健福祉部長
理  事/土屋 文男/平成15年 4月 1日/産業部長
理  事/佐藤伸太郎/平成16年 4月 1日/教育部長
監  事/小林 悦行/平成 9年 2月12日/(元監査委員)
監  事/間崎 忠男/平成 8年 5月22日/税理士
 ※任期満了日は、平成18年3月31日
■職員(平成18年3月31日現在)
職 係 名/人員/摘要
事務局長/1/都市整備課長兼務
事務局次長/1/都市整備課計画開発係長兼務
総務係兼用地係/4/都市整備課計画開発係兼務
<平成18年度>
■役員(平成19年3月31日現在)
役 職 名/氏名/就任年月日/備考
常務理事/長澤 和雄/平成15年 4月 1日/建設部長
理  事/真砂  豊/平成16年 1月 1日/総務部長
理  事/内堀 利之/平成15年12月11日/財務部長
理  事/伊藤 惣一/平成17年 4月 1日/市民部長
理  事/白石 茂夫/平成15年12月11日/保健福祉部長
理  事/土屋 文男/平成15年 4月 1日/産業部長
理  事/佐藤伸太郎/平成16年 4月 1日/教育部長
理  事/吉岡 正夫/平成18年 4月 1日/上下水道部長
理  事/原田  勇/平成18年 4月 1日/松井田支所長
監  事/猿谷 祐康/平成18年 7月 1日/監査委員
監  事/安藤 忠善/平成18年 7月 1日/税理士
 ※任期満了日は、平成20年3月31日
■職員(平成19年3月31日現在)
職 係 名/人員/摘要
事務局長/1/都市整備課長兼務
事務局次長/1/都市整備課計画開発係長兼務
総務係兼用地係/4/都市整備課計画開発係兼務
※なお、上記ほか16名の市職員が併任職員として任命されています。
<平成19年度>
■役員(平成20年3月31日現在)
役 職 名/氏名/就任年月日/備考
理 事 長/岡田 義弘/平成19年 4月 1日/市長
副理事長/堀越 久男/平成19年 4月 1日/総務部長
常務理事/長澤 和雄/平成15年 4月 1日/建設部長
理  事/内堀 利之/平成15年12月11日/財務部長
理  事/秋山  潔/平成19年 4月 1日/市民部長
理  事/土屋 文男/平成15年 4月 1日/産業部長
理  事/小板橋俊一/平成19年 4月 1日/上下水道部長
理  事/原田  勇/平成18年 4月 1日/松井田支所長
監  事/猿谷 祐康/平成18年 7月 1日/監査委員
監  事/安藤 忠善/平成18年 7月 1日/税理士
■職員(平成20年3月31日現在)
職 係 名/人員/摘要
事務局長/1/都市整備課長兼務
事務局次長/1/都市整備課計画開発係長兼務
総務係兼用地係/4/都市整備課計画開発係兼務
※なお、上記ほか18名の市職員が併任職員として任命されています。
<平成20年度>
■役員(平成21年3月31日現在)
役 職 名/氏名/就任年月日/備考
理 事 長/岡田 義弘/平成19年 4月 1日/市長
副理事長/秋山  潔/平成19年 4月 1日/総務部長
常務理事/長澤 和雄/平成15年 4月 1日/建設部長
理  事/田島 文雄/平成20年 4月 1日/財務部長
理  事/原田  勇/平成18年 4月 1日/市民部長
理  事/小板橋俊一/平成19年 4月 1日/上下水道部長
理  事/松本 次男/平成20年 4月 1日/松井田支所長
監  事/猿谷 祐康/平成18年 7月 1日/監査委員
監  事/安藤 忠善/平成18年 7月 1日/税理士
■職員(平成21年3月31日現在)
職 係 名/人員/摘要
事務局長/1/都市整備課長兼務
事務局次長/1/都市整備課計画開発係長兼務
総務係兼用地係/4/都市整備課計画開発係兼務
※なお、上記ほか19名の市職員が併任職員として任命されています。
■その他の事項
 本年度は、平成7年(ワ)第599号貸金・保証債務履行請求事件に係り、平成10年12月9日に(株)群馬銀行との和解が成立してから10年が経過ということで、和解条項に基づき平成21年以降の10年間の支払金額、支払方法について、公社、安中市、(株)群馬銀行の三者で協議を行い、今までの10年と同様に毎年12月25日に2,000万円を支払うことで合意に至りました。
<平成21年度>
■役員(平成22年3月31日現在)
役 職 名/氏名/就任年月日/備考
理 事 長/岡田 義弘/平成19年 4月 1日/市長
副理事長/鳥越 一成/平成21年 4月 1日/総務部長
常務理事/大沢 秀夫/平成21年 4月 1日/建設部長
理  事/嶋田 孝章/平成21年 4月 1日/財務部長
理  事/原田  勇/平成18年 4月 1日/市民部長
理  事/駒井  悟/平成21年 4月 1日/産業部長
理  事/小板橋俊一/平成19年 4月 1日/上下水道部長
理  事/松本 次男/平成20年 4月 1日/松井田支所長
監  事/猿谷 祐康/平成18年 7月 1日/監査委員
監  事/安藤 忠善/平成18年 7月 1日/税理士
■職員(平成22年3月31日現在)
職 係 名/人員/摘要
事務局長/1/都市整備課長兼務
事務局次長/1/都市整備課計画開発係長兼務
総務係兼用地係/4/都市整備課計画開発係兼務
※なお、上記ほか19名の市職員が併任職員として任命されています。
<平成22年度>
■役員(平成23年3月31日現在)
役 職 名/氏名/就任年月日/備考
理 事 長/岡田 義弘/平成22年 4月16日/市長
副理事長/鳥越 一成/平成21年 4月 1日/総務部長
常務理事/大沢 秀夫/平成21年 4月 1日/建設部長
理  事/嶋田 孝章/平成21年 4月 1日/財務部長
理  事/松岡 隆夫/平成22年 4月 1日/市民部長
理  事/駒井  悟/平成21年 4月 1日/産業部長
理  事/小板橋俊一/平成19年 4月 1日/上下水道部長
理  事/松本 次男/平成20年 4月 1日/松井田支所長
監  事/安藤 忠善/平成18年 7月 1日/監査委員
監  事/猿谷 祐廉/平成18年 7月 1日/有識者
■職員(平成23年3月31日現在)
職 係 名/人員/摘要
事務局長/1/都市整備課長兼務
事務局次長/1/都市整備課計画開発係長兼務
総務係兼用地係/4/都市整備課計画開発係兼務
※なお、上記ほか19名の市職員が併任職員として任命されています。
<平成23年度>
■役員(平成24年3月31日現在)
役 職 名/氏名/就任年月日/備考
理 事 長/岡田 義弘/平成22年 4月16日/市長
副理事長/鳥越 一成/平成21年 4月 1日/総務部長
常務理事/佐藤 徹也/平成23年 4月 1日/建設部長
理  事/須藤 俊夫/平成23年 4月 1日/財務部長
理  事/松岡 隆夫/平成22年 4月 1日/市民部長
理  事/駒井  悟/平成21年 4月 1日/産業部長
理  事/富田  恭/平成23年 4月 1日/上下水道部長
理  事/荒川  明/平成23年 4月 1日/松井田支所長
監  事/安藤 忠善/平成18年 7月 1日/監査委員
監  事/猿谷 祐康/平成18年 7月 1日/有識者
■職員(平成24年3月31日現在)
職 係 名/人員/摘要
事務局長/1/都市整備課長兼務
事務局次長/1/都市整備課計画開発係長兼務
総務係兼用地係/4都市整備課計画開発係兼務
※なお、上記ほか19名の市職員が併任職員として任命されています。
**********

■こうしてみると、平成18年7月に、それまで事件発覚直後から前市長の体制で公社を監理してきた理事長と監事を入れ替えた岡田市長は、平成19年4月から自ら理事長に就任し、その後、イエスマンばかりの市役所の幹部職員を公社の役員に配置しています。さらに19名の市職員を公社の併任職員として任命しています。これは、安中市のあらゆる公共事業において土地開発公社を絡ませ、事務費として事業費の5%を公社につぎ込むことにより、毎年2000万円の群銀への和解金=タゴ事件尻拭い金を捻出するのが目的と見られます。
 このように、岡田市長=公社理事長は、群馬銀行に対して愚直なほど103年ローンの和解金の支払いに一生懸命になっています。本気で、あと89年間にわたり子々孫々まで我々の世代が起こした不祥事のツケを後世に付回ししようとしているかのようです。

■実は、安中市土地開発公社を舞台にした史上空前の巨額横領事件による和解金の103年ローン支払い地獄から、安中市民が開放されるチャンスがありました。

 安中市は、群馬銀行との和解条項に基づいて、平成10年12月25日に4億円、平成11年12月25日から毎年12月25日に2000万円ずつ、公社が群銀に支払を行い、10年目の支払となる平成20年12月25日までに、平成21年から10年間の支払方法を協議して決めることになっていました。

 このため、岡田市長は平成19年11月27日から平成20年3月28日まで、協議を始める前段として、都合3回、群馬銀行本店を訪問しました。

 当時は、ちょうど福田康夫内閣が成立した直後でした。福田康夫内閣が発足したのは平成19年9月26日で、平成20年8月2日に内閣改造を行い、同9月24日に退陣するまで約1年間続きました。岡田市長が群馬銀行とタゴ事件の和解金に関して“企業対話”をしたのは、まさにこの頃でした。

 そもそも、巨額横領事件の尻拭いを103年にわたり継続して行うというのは、誰が見ても不合理です。安中市の抱える103年ローン問題は、実は深刻な問題です。喫緊の5年ないし10年間ぐらいは返済できたとしても、将来的には長期の財政見通しが立てられないため、安中市の支払が滞った場合には夕張市のように財政再建団体に転落する恐れもあります。巨額横領事件で自治体がつぶれるようなことになれば、それこそ群馬県の恥さらしです。

 このため、そのような事態を回避するため、地元群馬出身の福田康夫首相の力を借りて、公的資金による銀行の赤字を補填するという期待があったようです。

 群馬銀行は、地元出身の福田内閣のそうした動きを知って、国家が支援してくれるならと、安中市に対する債権の放棄に同意する姿勢を、一旦は示したのでした。

 しかし、せっかく動き出した流れはせき止められてしまったのでした。その理由として、岡田市長が群銀にどのような下話をしていたのか、その経緯が注目されます。

■広報あんなか2009年2月号によれば、群馬銀行との交渉の経緯は次の通りです。

 平成19年11月27日  群馬銀行訪問(本店応接室)
平成20年 1月 7日  群馬銀行訪問(本店応接室)
平成20年 3月28日  群馬銀行訪問(本店応接室)
平成20年 4月 9日  安中市土地開発公社、群馬銀行話し合い(市役所市長室)
平成20年 4月23日  今後の取り組みについて、顧問弁護士に相談
平成20年 4月30日  安中市土地開発公社、群馬銀行話し合い(群銀本店応接室)
平成20年 5月 1日  「市の考え方について」市幹部会議を開催
平成20年 6月 3日  「公社保有財産等について」市幹部会議を開催
平成20年 6月 5日  「群馬銀行との交渉について」市幹部会議を開催
平成20年 6月23日  安中市土地開発公社、群馬銀行話し合い(群銀本店応接室)
平成20年 8月11日  安中市土地開発公社、群馬銀行話し合い(市役所応接室)
平成20年 8月12日  公社監事に群馬銀行の考え方を説明し、見解を伺う
平成20年 9月 2日  安中市土地開発公社、群馬銀行話し合い(群銀本店応接室)
平成20年 9月 3日  安中市土地開発公社、群馬銀行話し合い(市役所旧助役室)
平成20年10月 7日  安中市土地開発公社、群馬銀行話し合い(群銀本店応接室)
平成20年10月 8日  「10月7日の話し合いの結果について」市幹部会議を開催
平成20年10月17日  安中市土地開発公社理事会、政策調整会議を開催
平成20年10月20日  安中市土地開発公社理事長名で株式会社群馬銀行取締役頭取宛「和解に関する協議書を提出
平成20年11月 4日  経過等を市議会全員協議会に報告
平成20年11月27日  群馬銀行から「和解に開する協議書」に対する回答

 同号の記事によれば、平成20年度が始まり、和解条項第四項第3号を基本原則として進めることで4月9日、4月30日に本格的な話し合いが始まったとあります。これは、その時点で既に、平成21年12月25日から10年間の残金支払を前提にしていたことを意味します。つまり、岡田市長はそれ以前に、群馬銀行に対して、引き続き10年間和解金の支払を前提にした協議を表明してしまっていたことになります。

 その後、安中市・公社では、平成20年5月1日、6月3日、6月5日には、群銀との協議に備えて幹部会議をひらき、「市の考え方」「公社保有資産等」「交渉内容」について検討、調整を行ったとしています。そして、同6月23日、8月11日、9月2日・3日には、これまでの10年で決着を付けられないか、群馬銀行と協議を重ねた結果、10月7日に、「市・公社ともに健全経営だから債権放棄はできない」との群銀からの回答を経て、交渉成立には至らなかったとされています。

 ところが、当会がこれらの経緯を示す内部文書を情報開示請求したところ、公社の群馬銀行との話し合いや専門家との話し合いの内容を示す文書は、公社にも安中市にも存在していないという結果でした。いかに、市・公社と群銀との交渉の内容と過程が秘密裏に行われたかの証左と言えるでしょう。

こうして、群馬銀行の株主総会で安中市に対する債権放棄決議の動きも途絶えてしまい、結局、群馬銀行が103年ローンを最初の10年目で打ち止めにするという話は立ち消えになってしまったのでした。

■ちなみに、福田内閣が終焉を迎えた直後にリーマンショックが発生しました。実は、米政府系受託金融機関2社(フレティマック社とファニーメイ社)が経営危機を迎えていた2008年8月下旬に、日本政府が外貨準備を使って両者の支援を検討していたのでした。

 両社は社債で調達した資金で金融機関から住宅ローンを買い取り、証券化商品に組み合えて投資家に売っていました。両者で発行した住宅ローン担保証券の残高は約6兆ドル(約540兆円)に上り、米国尾住宅ローン残高の半分を占め、世界の金融機関も広く保有していました。両者が経営破たんすれば世界の金融システムに深刻な影響を与えることは確実でした。

 日本政府では、限られた財務省幹部が米財務省と緊密な連携を取りつつ、外貨準備から数兆円を拠出して両者の社債を購入する救済計画を立案しました。通常であれば非公表の外貨準備の運用内容を敢えて公表し、日本の支援姿勢を打ち出して両社の経営に対する不安を払拭することも検討されました。

 しかし当時の伊吹文明財務省が慎重論を出し、平成20年9月1日の福田康夫改造内閣の退陣表明で政府が機能不全に陥ったため、実現しませんでした。米政府は同9月7日に公的資金を投入して両社を国有化して救済しましたが、同15日にリーマン・ブラザースが破綻し、結局、未曾有の金融危機が到来したのでした。

 これに比べれば、安中市の救済などは取るに足らない出来事だったのかもしれません。しかし、なぜか、岡田市長と群銀との密室での協議の結果、安中市・公社は引き続き10年間の和解金の支払を群銀に約束してしまったのでした。

 公社は安中市とは別法人だから、安中市民には損害はなく、公社問題について訴える資格がないとして、住民訴訟で最高裁において住民の主張が却下され、敗訴させられてから早くも11年が経過しました。本当に、安中市土地開発公社があと89年間存続し続けられるのかどうかが、いよいよ問われる状況になりつつあります。

【ひらく会情報部】
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