2013/2/4  22:39

贈収賄で名を馳せた戸田・西松のJVが計画するアスベスト処理施設計画に群馬県・富岡市・安中市が意見書  全国のサンパイ業者が注目!

■安中市との境界に近い富岡市桑原地区で建設が計画されているアスベスト含有産業廃棄物の建材を無害化処理する中間処理施設の設置計画について、1月22日に安中市が、1月29日に群馬県と富岡市が環境省に対して意見書を提出したと報じられました。

 この無害化処理の為の施設は、戸田建設と西松建設が50%ずつ出資した資本金5000万円の中央資源開発株式会社(代表取締役:山下雅己、〒104-0031東京都中央区京橋1-7-1、Tel: 03-3535-8319)により計画されているものです。

■ゼネコン業界準大手の戸田建設は、2013年3月期通算連結業績予想を先日下方修正し、前回売上高予想4778億円で12億円の黒字の純損益だったのが、今回売上高予想5098億円で385億円の赤字に陥る見通しを明らかにしました。売上高は前回予想を上回ると見込むものの、工事利益の減少や投資有価証券評価損として36億円、繰延税金資産の取り崩しとして194億円を計上することから、営業損益・純損益ともに従来の黒字予想を一転し赤字見通しとなりました。

 また、西松建設といえば、後述のように、金丸・野中時代から贈収賄事件でつとに有名なゼネンコンです。

 戸田建設も2002年2月に茨城県下妻市が発注した図書館建設工事の入札予定価格が事前に漏れていたとされる事件で、東京地検特捜部が2月5日、下妻市長の山中博容疑者やコンサルタント会社「業際都市開発研究所」(東京都千代田区)取締役の尾崎光郎容疑者=同県石岡市長への贈賄容疑で逮捕=、落札業者の戸田建設(同中央区)横浜支店長の石田直之容疑者ら6人が競売入札妨害容疑で逮捕されたことがあります。同時に、戸田建設本社などが家宅捜索されました。

■両社とも東証第一部に上場しているゼネコンとしては、売上高で戸田建設が第5位、西松建設が10位です。上位4社のスーパーゼネコンはいずれも売上高が1兆円を超えていますが、準大手の戸田は約5000億円、西松は約2500億円です。この2社はかねてより経営統合説がささやかれており、1999年から業務提携関係にありますが、統合しても、ゼネコン業界では5位のままとなります。

 この業務提携関係について両社は5年後の2004年に業務提携を更新し、その後5年を経過したため、最近2009年10月4日付で技術提携に関する合意書をあらたに締結しており、今回のアスベスト無害化技術もそのひとつとみられます。今回の提携期間は3年で、期間満了時に継続の是非を両社で協議するようです。そのため昨年10月4日で更新したと思われます。

 提携の内容は、技術研究開発として、開発中の技術テーマの継続研究や新規開発テーマの発掘を含み、技術に関する現業面での連携としては、人材交流や資機材相互利用、技術交流、現場見学会・安全パトロールを実施しているとしています。

■西松建設はまた、先日の人質事件で有名になったアルジェリアで、鹿島・大成・ハザマ・伊藤忠商事とともに高速道路建設工事のためのジョイントベンチャーを組んでおり、この工事で巨額の損失問題に見舞われています。上述のように、西松建設は海外での裏ガネづくりが発覚して、2009年1月14日に東京地検特捜部が外為法違反容疑で海外事業担当だった藤巻恵次・元副社長(当時非常勤顧問)ら4人を逮捕しました。そして2009年1月20日に外国為替及び外国貿易法違反容疑で、國澤幹雄・前社長が逮捕される事態に陥ったことがあり、業界の信用を失い、これまでも再編の有力カードと見なされてきました。

 この事件は、國澤前社長が藤巻元副社長ら4人と共謀し、2006年2月から07年8月までの間、税関に無申告のまま、裏金計7000万円を国内に持ち込んだものです。当時の関係者の話によれば、藤巻元副社長が海外事業の受注工作資金として、部下だった高原和彦・元海外事業部副事業部長に裏金作りを指示し、高原容疑者が総額10億円以上を香港のペーパー会社名義の銀行口座などで管理していました。裏金は、タイ・バンコク市発注工事などの海外での受注工作に充てられたほか、必要に応じて一部が国内に秘密裏に持ち込まれていました。

■こうして曰く因縁のある西松建設と組んだ戸田建設のJVが作った子会社の計画なので、最初から胡散臭さが漂うのは無理もありません。地元住民らが、両社のJVの担当者の説明に疑念を抱いたのも当然のことです。

 過去のた経緯をみれば、両社がこのアスベスト無害化処理で、環境面ではなく、利益面を重視している背景が自ずと透けて見えます。

 こうした背景を調べれば調べるほど、今回の中央環境資源鰍フアスベスト中間処理施設の危うさが心配になります。

■今回、行政が環境省に意見書を提出したという記事を見てみましょう。

**********毎日新聞1月30日(水)朝刊
アスベスト:富岡に石綿含む産廃建材処理施設計画 県と市、国に意見書を提出 改善指導や建設反対 /群馬
 富岡市桑原で建設が計画されているアスベスト(石綿)を含む産業廃棄物の建材を無害化処理する施設について、県と富岡市は1月29日、環境省に事業所への改善指導や建設反対などを求める意見書をそれぞれ提出した。
 同施設はアスベストを低温加熱で無害化する新技術を採用予定で、国が認可を判断する。しかし、健康被害を懸念する地元住民が反発。富岡市議会も反対陳情を採択して県と環境省に提出し、同市も全市民的な理解を得られないとして建設反対の姿勢を示している。
 県の意見書では、アスベストの飛散防止対策が不十分などとして、事業者への改善指導を求める内容にとどまったが、富岡市の意見書は建設反対を強調。(1)約3万8000人の反対署名が集まり、県や環境省などに反対陳情を提出(2)3市(富岡、高崎、安中)にまたがる計画地周辺にはすでに多くの産廃施設があり、さらなる健康被害を招く(3)アスベストを含む産業廃棄物の運搬により、住民生活に多大な影響を及ぼす−−などとして計画の白紙撤回を求めている。
 安中市も同様に建設反対を訴える意見書を1月22日に提出していた。【畑広志、喜屋武真之介】
**********産経新聞1月30日朝刊
石綿処理施設に「反対」意見書 群馬
 富岡市内で石綿(アスベスト)の無害化処理施設が計画されている問題で、岡野光利市長は1月29日、建設反対の意見書を国に提出した。県も同日、飛散防止対策が不十分であるとして国に事業者への改善指導を求める意見書を出した。
 岡野市長は(1)3万8千人余の反対署名など全市的な理解が得られていない(2)近接地に多くの産業廃棄物処理施設があり、騒音や振動などの影響を受けている(3)石綿含有産業廃棄物の運搬による環境への影響に大きな懸念を抱いている−などを理由に計画の白紙撤回を求めた。
 計画はアスベストを含むスレート波板などの廃棄物を無害化処理する民間の施設。昨年10月、国に認定申請が出されており、審査委員会を経て今後、認定が判断される。隣の安中市も今月22日、反対の意見書を提出している。
**********

■これに関連して、群馬県の環境行政を担当する環境・リサイクル課のホームページに群馬県が環境省に提出した意見書の骨子が掲載されています。
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700056.html

**********
【1月29日】富岡市桑原地区「石綿含有産業廃棄物処理施設」無害化処理認定手続における知事の意見について(廃棄物・リサイクル課)
 標記の件について、廃棄物の清掃及び処理に関する法律第15条の4の4第3項において準用する同法第15条第5項に基づき、平成25年1月29日、国(環境大臣)に対し下記のとおり知事の意見を提出しました。
     記
1 意見書の骨子
(1)富岡市長及び安中市長をはじめ、地域住民等から設置反対の意見がある。国においても、地元の意見に十分配慮するとともに、生活環境保全に関する住民の不安払拭に一層努力するよう、事業者の指導をお願いしたい。
(2)現時点において、設置計画は、生活環境保全上、飛散防止対策が不十分であると考えられ、国から事業者に改善するよう指導をお願いしたい。
 イ 石綿含有産業廃棄物が処理できる規格を超えた場合の寸法合わせの際の飛散防止対策が不十分である。
 ロ 石綿含有産業廃棄物の加熱過程で発生する未燃ガス中に石綿成分が混入しているおそれがあり、計画設備では飛散防止対策が不十分である。
 ハ 新技術であることから、万が一、十分に無害化されていない場合には、処理後物を破砕する際の飛散防止対策が不十分である。
(3)事業者が、事前協議の途中で国へ認定申請を行った点は、誠に遺憾である。生活環境保全上の対策が確実に実行されるか危惧しており、国においても事業者に適切な指導をお願いしたい。
2 計画の概要
(1)事業者
 中央環境資源開発株式会社 代表取締役 山下雅己
(2)計画地
 富岡市桑原字七曲り579−12ほか6筆 合計7筆 9,228平方メートル
(3)処理対象物
 石綿含有産業廃棄物(スレート波板・住宅屋根用スレート)
(4) 処理方式
 低温加熱方式(950℃)による無害化処理
(5)認定申請日
 平成24年10月29日
(6)今後の予定
 国において、石綿廃棄物の無害化処理に係る技術等審査委員会を3〜4回実施する予定(第2回:技術に対する検討(論点整理)、第3回:現地調査予定)
このページについてのお問い合わせ
環境森林部廃棄物・リサイクル課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-2861
FAX 027-223-7292
haikirisaka@pref.gunma.lg.jp
**********

■毎日新聞の記事の中のコメントにもある通り、本気で県民の生活環境を守り抜こうという気概に乏しい群馬県の意見書では、「アスベストの飛散防止対策が不十分」などとして、事業者への改善指導を求める内容にとどまっています。この点、富岡市長の意見書は具体的に反対表明を明記しており、地元住民の立場に立った記述をしているといえます。安中市長の意見書の内容についても、一体どんな内容なのか、確認しておく必要がありそうです。

 いずれにしても、今までの国の対応を見ると、粛々と業者の意向に沿った判断をするケースがもっぱらなので、行政から反対の意向の意見書が出されたとしても、油断はなりません。

【ひらく会情報部】

※参考情報
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
(昭和四十五年十二月二十五日法律第百三十七号)
第五節 産業廃棄物処理施設
(産業廃棄物処理施設)
第十五条  産業廃棄物処理施設(廃プラスチック類処理施設、産業廃棄物の最終処分場その他の産業廃棄物の処理施設で政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置しようとする者は、当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
2  前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。
一  氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二  産業廃棄物処理施設の設置の場所
三  産業廃棄物処理施設の種類
四  産業廃棄物処理施設において処理する産業廃棄物の種類
五  産業廃棄物処理施設の処理能力(産業廃棄物の最終処分場である場合にあつては、産業廃棄物の埋立処分の用に供される場所の面積及び埋立容量)
六  産業廃棄物処理施設の位置、構造等の設置に関する計画
七  産業廃棄物処理施設の維持管理に関する計画
八  産業廃棄物の最終処分場である場合にあつては、災害防止のための計画
九  その他環境省令で定める事項
3  前項の申請書には、環境省令で定めるところにより、当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を添付しなければならない。ただし、当該申請書に記載した同項第二号から第七号までに掲げる事項が、過去になされた第一項の許可に係る当該事項と同一である場合その他の環境省令で定める場合は、この限りでない。
4  都道府県知事は、産業廃棄物処理施設(政令で定めるものに限る。)について第一項の許可の申請があつた場合には、遅滞なく、第二項第一号から第四号までに掲げる事項、申請年月日及び縦覧場所を告示するとともに、同項の申請書及び前項の書類(同項ただし書に規定する場合にあつては、第二項の申請書)を当該告示の日から一月間公衆の縦覧に供しなければならない。
5  都道府県知事は、前項の規定による告示をしたときは、遅滞なく、その旨を当該産業廃棄物処理施設の設置に関し生活環境の保全上関係がある市町村の長に通知し、期間を指定して当該市町村長の生活環境の保全上の見地からの意見を聴かなければならない。
6  第四項の規定による告示があつたときは、当該産業廃棄物処理施設の設置に関し利害関係を有する者は、同項の縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、当該都道府県知事に生活環境の保全上の見地からの意見書を提出することができる。

(産業廃棄物の無害化処理に係る特例)
第十五条の四の四  石綿が含まれている産業廃棄物その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する産業廃棄物として環境省令で定めるものの高度な技術を用いた無害化処理を行い、又は行おうとする者は、環境省令で定めるところにより、次の各号のいずれにも適合していることについて、環境大臣の認定を受けることができる。
一  当該無害化処理の内容が、当該産業廃棄物の迅速かつ安全な処理の確保に資するものとして環境省令で定める基準に適合すること。
二  当該無害化処理を行い、又は行おうとする者が環境省令で定める基準に適合すること。
三  前号に規定する者が設置し、又は設置しようとする当該無害化処理の用に供する施設が環境省令で定める基準に適合すること。
2  前項の認定を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。
一  氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二  無害化処理の用に供する施設の設置の場所
三  無害化処理の用に供する施設の種類
四  無害化処理の用に供する施設において処理する産業廃棄物の種類
五  無害化処理の用に供する施設の処理能力
六  無害化処理の用に供する施設の位置、構造等の設置に関する計画
七  無害化処理の用に供する施設の維持管理に関する計画
八  その他環境省令で定める事項
3  第八条の四の規定は第一項の認定を受けた者について、第九条の十第三項の規定は第一項の認定について、同条第四項から第六項までの規定は第一項の認定を受けた者について、同条第七項及び第九項並びに第十五条第三項本文及び第四項から第六項までの規定は第一項の認定について準用する。この場合において、第八条の四中「当該許可に係る一般廃棄物処理施設」とあるのは「当該認定に係る施設」と、「当該一般廃棄物処理施設」とあるのは「当該施設」と、第九条の十第四項中「第七条第一項若しくは第六項又は第八条第一項」とあるのは「第十四条第一項若しくは第六項若しくは第十四条の四第一項若しくは第六項又は第十五条第一項」と、「一般廃棄物の」とあるのは「産業廃棄物若しくは特別管理産業廃棄物の」と、「一般廃棄物処理施設」とあるのは「産業廃棄物処理施設」と、同条第五項中「第七条第十三項、第十五項及び第十六項」とあるのは「第十四条第十二項、第十五項及び第十七項又は第十四条の四第十二項、第十五項及び第十八項」と、「一般廃棄物収集運搬業者又は一般廃棄物処分業者」とあるのは「産業廃棄物収集運搬業者若しくは産業廃棄物処分業者又は特別管理産業廃棄物収集運搬業者若しくは特別管理産業廃棄物処分業者」と、同条第六項中「第二項第一号」とあるのは「第十五条の四の四第二項第一号」と、第十五条第三項本文中「前項」とあるのは「第十五条の四の四第二項」と、同条第四項中「都道府県知事は、産業廃棄物処理施設(政令で定めるものに限る。)について」とあるのは「環境大臣は、」と、「第二項第一号」とあるのは「第十五条の四の四第二項第一号」と、「書類(同項ただし書に規定する場合にあつては、第二項の申請書)」とあるのは「書類」と、同条第五項中「都道府県知事」とあるのは「環境大臣」と、「市町村の長」とあり、及び「市町村長」とあるのは「都道府県及び市町村の長」と、同条第六項中「当該都道府県知事」とあるのは「環境大臣」と読み替えるほか、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
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