2013/2/22  22:18

安中市鷺宮の県有桑園の売買契約が3月県議会で議決された途端ほくそ笑むか、岡田市長と東邦亜鉛  東邦亜鉛カドミウム公害問題

■1937年に設立された日本亜鉛製錬鰍ヘ、同年6月に当時の安中町に安中製錬所を設置しましたが、当時、日本亜鉛製錬は「設置工場は高度鋼(こうどこう)という、鉄兜に使う特殊な合金を製造する工場をつくる」と住民に説明していました。ところが操業2日目に「高度鋼」の看板を取り外して「亜鉛」につけかえたというエピソードが残っています。そのため、未だに地域のお年寄りは、現在においてもなお、東邦亜鉛とは呼ばずに「コードコウ」と呼んでいるのです。


 このように、設立当初から平気でウソをつく体質は、我が国の非鉄金属業界の主要な企業の一つとして確固たる地位を築いている現在においても、DNAとして受け継がれています。

 そのため、群馬県安中市の東邦亜鉛安中製錬所周辺で営農していた農民は、同社から排出されたカドミウムをふくむ鉱煙、廃水によって田畑を汚染され、同社と40年余り闘いを余儀なくされてきました。長く苦しい闘いの結果、1986年に、東邦亜鉛が責任を認め、地元農民らに4億5000万円を賠償する形で和解が成立し、同時に公害防止協定も締結されました。

 これで公害地の汚名は返上できるかと思いきや、カドミウム等で汚染された一部の水田に10センチ程度の客土をしただけで、依然として安中製錬所周辺の土地は、汚染土壌を抱えたまま、さらに30年近くが経過しています。安中製錬所では毎年4月に公害防止協定により、住民代表らによる立入り検査が毎年行われていますが、既にマンネリ化しており、もともと住民軽視のDNAを持つ東邦亜鉛には、既に公害企業としての緊張感が見られません。アスベスト投棄可能なサンパイ場を、地元北野殿住民の先祖代々の墓地の近くに設置したことからも、その体質がうかがえます。

■ところで、当会のブログで報告しているように、東邦亜鉛公害の負の遺産を解消するため公害防除特別土地改良事業(通称「公特事業」)が未だに呻吟させられています。本来、原因者の東邦亜鉛にとって地元住民にとっても、そして、もちろん行政サイドにとっても、こうした負の遺産の解消は、本来、共通の悲願のはずですが、信じがたいことに東邦亜鉛と安中市は例外的な対応をしています。

 この公特事業の成否の大きな切り札の一つが、数十ヘクタール分の事業対象地区の汚染土壌の客土のために必要な、クリーンで良質な大量の表土をどう確保できるか、という点です。

 というのは、昭和40年代後半に行われた水田の客土の場合、板鼻の天神山のふもとの山土が採取されましたが、土取りの跡地は企業局が古城団地として整備した経緯があります。しかし、現在では新たに山林を探して大規模に土取りをすることは非常に困難となっています。

 そうしたなかで、同じ安中市内で、距離的にも数キロしか離れておらず、しかも桑畑だった県有地が10ヘクタールも存在していたのです。

■群馬県では、平成19年まで県の稚蚕人工飼料センターが所有していた飼料用原料確保のための桑園施設を全国農業協同組合連合会群馬県本部(以下:JA)に施設を賃貸し、JAが経営を行っていました。しかし、人工飼料の需要の減少(繭、生糸の価格が著しく下落したこと、及び養蚕農家の高齢化による蚕糸産業が縮小したこと)により、JAが経営から撤退したため、平成20年に群馬県の直営となっていました。さらに、生産設備を見直した結果、高崎市金古町の工場に集約化し、安中市鷺宮にあるこの桑園の用途を廃止したのでした。そのためこの安中桑園は平成20年から行政目的では使用されておらず、遊休地となっています。

 群馬県ではこの県有地を保有していることから、安中製錬所周辺の公特事業が円滑に進められるように、安中桑園の表土の確保を優先的に考えていたようです。

 ところが、県の縦割りの弊害で、信じがたいことに、公特事業を管轄する県農政部技術支援課と、安中桑園を管轄する県農政部蚕糸園芸課との対応は全く異なっていたのでした。

■当会ではこの背景を確認すべく、技術支援課(027-226-3061)に電話をして経緯を尋ねて見ました。その結果、同課では、公特事業の着実な実施のためには、客土用に良質な表土を確保することを重視しており、遊休地となっている広大な安中桑園にある表土はまさにうってつけの「資源」として認識していたことがわかりました。

 そのため、公特事業を推進する安中市が、安中桑園を購入することで、当然、表土が公特事業に使用されるものと信じていた技術支援課が、年明け間もない平成25年1月9日(水)に安中市と協議した際、安中市から「(安中桑園の)土が使えなくなった」と説明を受けた際、初めは何を言っているのか分からなかったということです。しかも、なぜ桑園を土取り場にすることを断念したのか、安中市から詳しい理由がなく、安中市からは単に「使えなくなった」という説明のみだったそうです。

 技術支援課としては、それまでその桑園の土を公特事業の客土用に使うという計画で来いただけに驚きは隠せませんでした。

 当会では、「既に安中桑園は県から安中市に売却したのでしょうか?」と技術支援課に質問したところ、同課からは「安中桑園土地の売買については、蚕糸園芸課のマターなので自分のところは知らない。心当たりがない」という回答がありました。

 恐るべき縦割り制度には驚かされますが、同課では「安中桑園の表土を使うのがダメになったため、客土のアテがなくなったので、再度安中市のほうと打合せをする必要がある」とぼやいていました。

 技術支援課には、公特事業に関して、カドミウム等重金属の汚染土壌検査について、どう考えているのかについても、訪ねました。その結果、次の回答がありました。
@事業をやる前に、まず地元で土地利用計画をつくるのが先決。そのためにアンケート調査をする必要がある。
A汚染状況については、今の計画は昭和53年の汚染状況に基づく計画書になっており、その後の汚染状況の実態を把握する為に、まさに現在調査をしているところ。
Bこの結果を元に工法、すなわち排客土の厚みと、対象エリアを再度決定する必要がある。

■続いて、当会では、群馬県農政部蚕糸園芸課(027-226-3121)に電話をして、安中桑園が既に安中市に売却されたのかどうかについて尋ねてみました。その結果、次のことが判明しました。

●聴取内容:安中桑園跡地の現況
@安中市とは平成24年11月に仮契約済み。
A安中市からは買取の下話はだいぶ前からあった。
B平成20年度に安中桑園の処分について、利用中止が決定していた。
Cこの背景として人工飼料の原料としての桑の供給が間に合ってきたという背景がある。
D安中桑園の安中市への売却については現在、開会中の県議会3月定例会で討議が予定されている。3月1日からの委員会が開催され3月19日の閉会までに2回程度、本件について会議が開かれる予定
E群馬県と安中市との間の安中桑園の売買契約の成立は県議会で議決後、本契約となる。
F安中桑園を所管する蚕糸園芸課の業務範囲は桑園の売買のみであり、当該桑園土地の売却の以外の契約には関与しない。
G契約後の当該土地の整地の予定などは安中市などで、そちらに聞いてほしい。
Hまた、金額や支払方法等、売買契約の条件についても、県議会の議決前の現時点では守秘義務があるので何も言えない。

■このように、当会が懸念したとおり、東邦亜鉛安中製錬所周辺の地域の将来を左右する、公害除去特別土地改良事業には暗雲が立ち込めています。現在開催中の、群馬県議会で、何とか当該土地を安中市に売却しないように、関係議員には強く要請したいと思います。

 もし、この土地が、安中市のものになった途端に、岡田市長は、貴重な表土を別の用途に転用するでしょう。そうなると、東邦亜鉛による公害地のレッテルを剥がすことは、我々の世代では不可能となり、ますます安中製錬所周辺の過疎化に拍車がかかることになります。それこそまさに、東邦亜鉛が望む状況なのです。

【ひらく会情報部】

※参考情報
■「平成22 年度 包括外部監査の結果報告書」 群馬県包括外部監査人 平田稔
http://www.pref.gunma.jp/contents/000132964.pdf
(意見14)
次の財産はすでに行政財産としての利用をしていない財産であり、今後行政財産として使用する可能性があることから行政財産として管理しているが、明確な利用予定もなく漠然と将来の可能性があるとしているものであれば、処分も含め他の利用可能性を積極的に検討する必要から用途廃止し、普通財産とすべきである。また、利用予定のない老朽化した建物については早期に解体撤去することが望まれる。
名称(補足)/所管課/種類/地積又は延べ床面積(単位:u)/評価額(単位:千円)/摘要
1/烏渕県有林事務所/西部環境森林事務所/土地/311.00/928
                               建物/101.69/1,676/※1
2/榛名県有林作業舎/西部環境森林事務所/建物/78.82/1,547/※2
3/大桁県有林造林小屋/富岡森林事務所/建物/9.72/86/※3
4/稚蚕人工飼料センター(安中市)/農政部蚕糸園芸課/土地/102,298/662,076
                                      建物/418.05/23,239/※4
5/前橋警察署副署長公舎/警察本部前橋警察署/土地/370.24/26,197
                                  建物/83.63/1,378/※5
6/高崎警察署片岡公舎2号・3号/警察本部高崎警察署/土地/404.21/−
                                  公舎2号/60.75/956
                                  公舎3号/63.90/1,053/※6
7/旧前橋東商業高校/教育委員会管理課/土地/39,505.00/1,136,716
                             建物/9,364.00/597,538/※7
8/沼田警察署鎌田公舎/警察本部沼田警察署/建物/85.29/1,032/※8
9/高崎合同庁舎2(高崎財務事務所長公舎跡地)/西部行政事務所/土地/404.16/35,762/※9
10/岩神11号公舎/総務部消防保安課/土地/404.08/17,713
                           建物/96.50/883/※10
※1. 榛名県有林の巡視員の拠点として事務所併用住宅の建設のため、昭和32年10月敷地を357.02u取得した。事務所建物は昭和32年に625千円で新築し、その後増築され現況床面積80.99uである。物置は昭和45 年に建築した。平成12年所掌替え(県道整備のため)により46.02u減少し、現況311uとなっている。平成15年4月1日巡視員の交代があったが、新巡視員が入居しなかったため未利用となった。しばらくは中継拠点、道具置場として利用していた模様だが、ほとんど未利用であったことから平成20年9月に水道、11月に電気を停止している。
※2. 昭和59年3月農林大学校が林業の研修施設として軽量鉄骨造平屋を新築した。平成3 年11月林務部から森林事務所へ所管替があった。さらに平成13年3月には緑化推進課へ所管替された。しかし、県有林内に所在する建物であるため再度森林事務所の所管となった。少なくとも7 年間はまったく使用されていない。
※3. 当該造林小屋は、大桁県有林で作業する際の作業者の休憩施設(食事、休憩、暖房)に利用されていた。現在では、交通手段の進歩、事業量の減少により利用はされていない。維持経費はかかっておらず修繕に経費も要していないことから、取り壊しはせず、休憩施設及び急な降雨、落雷等急激な気象変化時に一時退避する施設として利用できるように、今後も現状のままで維持していくとのことである。
※4. 平成19年度まで全国農業協同組合連合会群馬県本部(以下:JA)に施設を賃貸し、JAが経営を行っていた。しかし、人工飼料の需要の減少(繭、生糸の価格が著しく下落したこと、及び養蚕農家の高齢化による蚕糸産業が縮小したこと)により、JAが経営から撤退、その後群馬県の直営となっている。なお、生産設備を見直した結果、高崎市金古町の工場に集約化し、安中市鷺宮の桑園の用途を廃止した。当該物件は既に行政目的では使用されておらず、売却を予定している。
※5. 本公舎は、平成22年4月に空家となった。家屋は昭和43 年建築の木造平屋であり、41 年経過し警察の戸建て公舎の中では2番目に古い。解体方針であり解体費の予算要求は平成23年度分として平成22年8月23日に起案されている。予算の承認時点で県有地利用検討委員会へ物件情報を提供し、家屋利用希望のないことを確認する予定である。
※6. 高崎警察署片岡公舎2号・3号については、平成22年4月から空き家となった。2棟とも解体を予定しており、予算要求は平成23 年度分として平成22年8月23日に起案されている。予算が承認されれば、県有地利用検討委員会へ情報提供し他部署での利用希望を確認したうえで普通財産への用途廃止、売却を進める予定とのことである。
※7. 第4.3.(1)B 売却又は利用について継続検討事例14参照
※8. 第4.5.(4)公舎等の取壊し予算について事例1参照
※9. 第4.3.(1)B 売却又は利用について継続検討事例9参照
※10. 建物は昭和47年建築、昭和57年改築である。また、土地は、当該敷地内に駐車場スペースがないため、近辺の公園の一部を前橋市から購入している。平成10年まで管財課が管理していたが、館林地区消防本部の職員が消防保安課に派遣されるにあたり当該職員用の住居を探していたところ、管財課所管の当該公舎に空きがあったことから消防保安課で利用することになったものである。平成20年3月31日までは利用していたが、その後北関東自動車道の整備により館林からの通勤が可能になったこと、老朽化してきたことから現在未利用となっている。現在、県有地利用検討委員会では民間への売却に向けて準備、検討中の物件とされていることから、平成22 年度に建物を壊し、更地としたうえで平成23 年度中に一般競争入札にかける予定となっている。_

■群馬県稚蚕人工飼料センター   所在地:高崎市金古町909−1
 蚕の稚蚕時の飼料となる専用桑園の確保と採桑、飼育などの省力化、蚕病予防などから、1,2,3齢時を共同飼育所に委託して環境良化による成育の揃い、養蚕農家の労力削減をするためには人工飼料が不可欠なものになりました。
 稚蚕人工飼料センターでは、乾燥桑葉粉末、デンプン、脱脂大豆粉末、ビタミンなど蚕に必要な栄養素を混合して羊羹状にした稚蚕用の飼料を製造しています。
 昭和52年(1977)、実用化パイロット事業として旧佐波郡東村に製造施設(湿体1.2トン/日規模)を設置。53年春蚕期からモデル飼育を開始しました。55年、農林水産省蚕糸試験場養蚕部が筑波に移転したことに伴い、関根桑園579アールを譲り受け、稚蚕人工飼料センター(湿体6トン/日規模)を建設しました。
 隣接する総合スポーツセンター施設整備のため、高崎市金古町に人工飼料センター建設と付設桑園を造成。安中市には付設桑園の造成と管理棟を建設し、平成7年4月に事業を開始しました。この年は、掃立箱数37,279箱、普及率74.6%でした。
クリックすると元のサイズで表示します
これが群馬県で使われている人工飼料「くわのはな」。巨大なようかん状のものだ。群馬県稚蚕人工飼料センターで製造されている人工飼料で、他県にも出荷されている。材料は、桑葉、でんぷん、大豆粉末やビタミンなどの栄養素。1齢用、2齢用、3齢用の3種類がある。

■広報あんなか 2007年8月号
養蚕と安中E   学習の森文化財係
 安政6年の横浜開港以来、日本の基幹産業として栄えた蚕糸業も歴史の大きな流れの中で時宜を失えば衰退するのもやむを得ないかもしれません。しかし、本市域の先人がわが国の産業史の中で燦然と輝く業績を残したことは、紛れもない事実です。その精神の遺伝子を受け継いだ私たちにも新たな挑戦をする意志と力が備わっているはずです。
 本市の鷺宮には、群馬県稚蚕人工飼料センターの桑園があり、群馬町金子(現高崎市)の同センターでつくられる人工飼料「くわのはな」の原料となる桑を生産しています。最近では、4齢まで人工飼料で飼育できる品種や桑の葉を混ぜない安価な人工飼料でも育つ広食性の品種も研究されているようです。また織物業者などのニーズに合わせ太さや色の違う糸をつくるため各種のカイコが農家で飼育されています。製糸および絹製品では、日本でとうとう2社だけとなった碓氷製糸農業協同組合が、ホルマリンを使わない方法で赤ちゃんの産着をつくるなど不断の努力と工夫によって成果を上げています。市内の養蚕農家の皆さんもこういった周囲の力強い取り組みに励まされ今年も元気にカイコを飼っているのです。(終わり)

■東邦亜鉛の企業情報
所属業界:非鉄金属
平均年収:550.7万円 ↑UP
平均年齢:42.7歳
平均勤続年:19.1年
従業員数:656人
推定生涯賃金:1億8224万円
所在地:東京都中央区日本橋本町1丁目6番1号
平均年収順位:業界内;21位/37社
       全上場企業;1885位/3545社
東邦亜鉛は非鉄金属業界に所属する企業。証券コードは5707。非鉄金属業界における年収順位は37社中21位で業界内年収は平均より低い部類に入る。
http://careerzine.jp/kaisha/%E6%9D%B1%E9%82%A6%E4%BA%9C%E9%89%9B/detail/912/
0



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ