2013/3/17  9:36

汚染状況重点調査地域なのに0.23μSv/h以上の場所は無いと県内で唯一汚染実施計画を策定しない安中市  東北関東大震災・東電福島原発事故


■環境省によれば、「汚染状況重点調査地域」とは、放射性物質汚染対処特措法に基づき、1時間当たり0.23マイクロシーベルト以上の地域について重点的に調査測定が必要な地域として指定されている地域のことを指します。
http://josen.env.go.jp/zone/summary/list.html

 これは、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う、原子力発電所の事故によって放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(放射性物質汚染対処特措法)に基づいて、汚染状況重点調査地域として指定された地域で、群馬県では、当初、桐生市、沼田市、渋川市、安中市、みどり市、下仁田町、中之条町、みなかみ町、高山村、東吾妻町、川場村及び片品村の12市町村でしたが、その後、平成24年24年12月14日にみなかみ町と片品村が、空間線量の測定の結果、空間線量率が減少して、解除をされ、同12月27日に告示が交付されたため、現在では、桐生市、沼田市、渋川市、安中市、みどり市、下仁田町、中之条町、高山村、東吾妻町及び川場村の10市町村が指定となっています。また、他県も含めた汚染状況重点調査地域に指定されている市町村は、101市町村あります。

 「汚染状況重点調査地域」として指定を受けた市町村は、汚染の状況について調査測定を実施し、除染を実施する区域や除染の実施者、手法などを定めた除染実施計画を策定します。市町村、県、国等は、この計画に基づき除染を実施していますが、平成25年1月829日現在で、除染実施計画を策定済みの市町村は、合計93市町村に上っています。

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除染実施計画策定済み市町村(計93市町村)(平成25年1月29日現在の計画策定状況)
岩手県(3):一関市、奥州市、平泉町
宮城県(8):白石市、角田市、栗原市、七ヶ宿町、大河原町、丸森町、亘理町、山元町
福島県(35):福島市、桑折町、鏡石町、天栄村、湯川村、会津美里町、西郷村、泉崎村、中島村、矢吹町、棚倉町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町、広野町、新地町、田村市、須賀川市、伊達市、鮫川村、相馬市、大玉村、川俣町、小野町、二本松市、会津坂下町、川内村、国見町、本宮市、白河市、石川町、三春町、郡山市、南相馬市
茨城県(19):日立市、土浦市、龍ケ崎市、常総市、常陸太田市、高萩市、北茨城市、取手市、牛久市、ひたちなか市、鹿嶋市、守谷市、稲敷市、つくばみらい市、東海村、美浦村、阿見町、利根町、つくば市
栃木県(8):佐野市、鹿沼市、日光市、大田原市、矢板市、那須塩原市、塩谷町、那須町
群馬県(9):桐生市、沼田市、渋川市、みどり市、下仁田町、中之条町、高山村、東吾妻町、川場村
埼玉県(2):三郷市、吉川市
千葉県(9):松戸市、野田市、佐倉市、柏市、流山市、我孫子市、鎌ケ谷市、印西市、白井市

■このように、群馬県内で、汚染状況重点調査地域に指定された10市町村のうち、未だに除染実施計画を策定していないのは安中市のみとなっています。

 安中市では、最初のうちは、除染実施計画を検討したようですが、その後、平成24年1月から2月にかけて安中市内の山林を除く地域を1km四方のメッシュで区切って、その中の1箇所を計測し、高線量を検出した41メッシュを再計測したところ、「面的」に除染が必要な毎時0.23マイクロシーベルトを超える箇所がなかったとして、また、小中学校の校庭についても平成24年1月に測定したら0.23マイクロシーベルトを超えた学校が4校あったが、同2月の測定ではどの学校も超えなかったとして、除染対策を施さずにこのまま時間や自然現象による減衰に委ねる、つまり、何も対策を採らないという方針を打ち出しています。
http://www.city.annaka.gunma.jp/news/taisaku.pdf
■一方、安中市内の市民団体の「放射能から子どもを守ろう安中の会」の会報No.5(2013.2.14発行)によれば、平成24年10月21日に、安中市内の保育園における土壌調査測定を実施したところ、次の表1の結果が得られています。
<表1 安中市内保育園の土墳銅壷測定結果と健康への影響>
       測定結果[ベクレル/kg] 過剰死※[人/1,000人]
保育園A @  234          0.28
     A 2,127          2.57
     B 1,149          1.38
     C 3,280          3.43
保育園B @  743          0.88
     A  858          0.83
     B  730          0.98
     C  499          0.61
※表中の過剰死とは、放射締の影響で1000人のうち何人がガンで死亡するのかを表した数値。

 同会では、安中市での除染が全く進まない現状の中、せめて子どもたちの集まる場所だけでも除染を実施するには、目に見えない放射能を数値で「見える化」し、日常的に子どもたちが被曝をしているという現状を現場の方ノマに伝えるしかない、との思いから、安中市内の2か所の保育園園庭の土壌測定調査(土そのものに放射性物質がどのくらい含まれているかを測定する調査)を、各園4か所ずつ、合計8か所行ったものです。測定結果から、園庭で子どもたちが過ごすことで、どの位の健康被害が出るのかという試算評価は、群馬県立県民健康科学大学診療放射線学部の倉石政彦氏が行いました。

 安中市のホームページを確認すると上記の2園とも、除染をするか否かの基準値である空間放射線量:毎時0.23マイクロシーベルトを超えている場所はないと結論付けられています。しかし、同会では、「上記の土壌測定結果から、基準値を超えていない=身体への影響が全くないというわけではない」と判断しています。

 その判断の理由として、同会では「この毎時0.23マイクロシーベルトという基準値は、教育現場においてももちろん、“これを超えなければ問題ない値”という認識をされています。しかし、私たちは@この数値は大人も含めた基準値であり、放射線の感受性が高い子どもにもそのまま適用してもよいのかA“子ども”と一口に言っても0歳児と12歳児が同じ基準値でいいのかBそもそも空間放射線量のみの測定で、子どもたちにとって安心な場所といえるのかC科学的に解明されていない低綾里の恒常的な被曝についてはどのように考えるのか、など疑問も多々あります」と述べています。

■同会では、平成24年12月13日に、上記の土壌測定調査を行った2つの保育園で、主に両保育園の保護者を対象に「放射能対策を考える会」を開いたところ、参加者20名のうち保育園保護者は5名(対象家庭は約80家庭)しか来ませんでした。

 同会では、この「考える会」を企画した当初は、案内用チラシに両保育園名を明記し、プログラムの中にも両保育園園長の挨拶を予定していましたが、チラシに保育園名が出ることで「ここの保育園だけが汚染されているように思われると困る」などの懸念が保育園側から出されたため、保育園名の明記や園長挨拶を取りやめざるを得ませんでした。保育園の園長は、安中市行政との係わり合いが深いことから、安中市の意向が影響を及ぼしていたことは想像に難くありません。

 同会によれば、保護者以外の参加者から次のコメントがあったということです。
●学校関係者の方:「放射能の影響を受けやすい小さな子どもほど、早い対策をとった方がいい」
●安中市市議会議員:「安中市の空間放射線量は、生活実態に則った測り方をしていない。妙義児童館では、グランドの土を5cm剥いで土を入れ替えて徐染している。市議会でも保育園の除染を要望しているので、是非当事者からも声をあげて欲しい」
●近隣の除染業の方:「まずきちんと測り、危険を知る事が大事。私たちは3.11以前に戻すために命がけで除染している。」
●地域の方:「現在でも0.15ある。安心できるレベルでない。事故前に戻すことが私たちにとって当然の権利ではないか。しかし、測ろうとすると地域で怒られたりもする。だからこそ、早く署名などして私たち自身が動いていかないと、声を上げていかないと。」
●保護者:「将来息子に『放射能の危険が解ってたのに、なぜお母さんは何もしてくれなかったjと言われないように、今自分ができることを頑張ってやっていきたい。』

■平成24年6月に原発事故子ども・被災者支援法(支援法)が成立しましたが、この第一条(目的)には、「放射性物質による放射線か人の健康に及ぼす危険について科学的に解明されていない」と明記されています。そして、「特に子どもへの配慮」が必要であり、この法律がその者たちの「不安解消及び安定した生活の実現に寄与することを目的とする」とあります。そこで同会では、この支援法対象地域に群馬県も指定されるよう、関係省庁への働きかけを行うように、群馬県と安中市に要望書を提出しました。

 同会では、支援法対象地域になるメリットとして、次の点を挙げています。
 @支援対象地域になれば、もしも健康被害が出た場合、被曝と病気の因果関係の立証責任を被告である国が負う。逆に支援対象地域外では、その立証責任は被害者が負うことになってしまう。
 Aまた安中市のように除染が進んでいない地域でも、支援法では子どもたちの被曝線董を下げるための除染も網羅しており、遅々として進まない現状を打開できる手段になりうる。
 B除染となると、風評被害を心配する声も出るが、この支援法は子どもたちの“もしも”のためのセーフティネットを今から構築しておこう、という前向きな法律の性質上、風評被害の声をかわすことができる手段となりうる。

■同会では、平成25年1月28日に安中市保育園園長会に出席し、「空間線量が基準値以下でも土壌自体には明らかに放射性物質は存在し、子どもたちは恒常的に外部被曝に加えて内部被曝している」ということを、土壌調査結果をもとに報告しました。また、「放射性プルームが安中市に到達した時点では子ども達は無防備に相当量の被曝をしており、このような初期被曝を考えると、今現在基準値以下だから何もしなくてもいいのだろうか」と問題提起をしました。

 しかし、安中市では、ひたすら、時間の経過による放射線量率の減衰を待ち、その間、何の対策も採らずに、この子どもたちに重大な影響を及ぼしかねない問題を乗り切ろうとしているようです。

■当会のこれまでの測定記録を見ても、とりわけ、松井田地区では、0.23マイクロシーベルトを超える場所も依然としてかなり存在することは間違いありません。

 にもかかわらず、安中市の除染対策は、ごく限られた範囲に留まっており、このままでは、せっかく汚染状況重点調査地域に指定されたのも関わらず、みすみす除染対策を講ずる機会を見過ごしかねません。

 安中市は、東邦亜鉛安中製錬所によるカドミウムをはじめとする重金属汚染土壌の除染作業にもきわめて消極的です。そうした臭いものには蓋をするという体質が、ふるさとの将来を背負う子どもたちの将来に影を落とす放射能汚染に対して、消極的にさせているのかもしれません。

■こうした将来へのビジョンに乏しい安中市政を憂い、「放射能から子どもを守ろう安中の会」では、群馬県内で汚染状況重点調査地域に指定された市町村のうち、安中市だけが「除染計画」を策定していないことから「このままでは、除染の意思がないということで、県や環境相から指定取り消しを促されかねない」と危機感を強め、自ら「除染計画」を策定することを決意しています。

 こうした中、群馬県が平成25年3月13日に、県内各地の放射線量をまとめた県放射線マップを作成して、群馬県のHP上で公開を始めました。このことを報じた平成25年3月14日付の上毛新聞の見出しは、あたかも放射能の不安がかき消されつつあることをイメージさせます。

**********上毛新聞2013年3月14日一面
県 放射線マップ公開
最大4割低減 不安払拭へ1115地点測定
 県と35市町村でつくる放射線対策会議は13日、県内1115地点の放射線量(2012年9月末時点)を地図上で閲覧できる県放射線マップを作成、県ホームページで公開を始めた。継続調査している679地点は1年前との比較が可能。毎時0.3マイクロシーベルト以上の比較的高線量だった5地点がゼロになるなど、「場所によっては約4割の線量低減」(県環境保全課)を視覚的に確認できる。同会議は今後、年2回ずつ更新し、県民の不安払拭に役立てていく。[17面にc票差結果一覧]
 調査は地表から高さ1mでの線量を測定。市町村が選んだ学校や公園、公共施設などの「生活圏」を測定地点とした。マップは0.1ミリシーベルト未満から0.4マイクロシーベルト以上まで、0.1ミリシーベルト刻みで段階に色分けして表示。線量の高い赤色やだいだい色から、黄色、水色、紺色へと低くなる。
 全県マップを見ると、11年9月末に県北部に5地点あっただいだい色(0.3以上0.4未満)は、12年はゼロに。逆に、紺色(0.1未満)や水色(0.1以上0.2未満)の割合が4.8ポイント増の98.5%を占め、線量低下が見て取れる。
 除染の目安になる0.23マイクロシーベルトを含む黄色(0.2以上0.3未満)は北毛に17地点あるが、前年の38地点から半減した。
 マップは縮尺2500分の1まで拡大でき、測定値のほかに測定場所の名称や住所、地面の状態など詳しい情報を調べることができる。このほか、文部科学省が北関東3県と東北の被災3県で11年9月と12年12月に実施した航空機によるモニタリング調査結果も掲載している。
 県は8ページの小冊子にしたマップ概要版を1千部作成し、市町村や公的機関に配布して住民や利用者が閲監できるようにする。
 本県では現在、半減期が約2年の「セシウム134」と約30年の「セシウム137」が影響している。県内の線量が1年間で4割前後も低減した理由として、県はセシウム134の減衰に加え、市町村が取り組んでいる除染の効果、通常の清掃か都合や雨などで洗い流された可能性を挙げる。
 県内全域で放射線量の推移を詳細に比較できるマップは他県でも例がない。同会議は県内全域で安全宣言を発表できるまで更新を続けていく考え。
http://www.pref.gunma.jp/05/e0900088.html

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群馬県放射線マップ(2011年9月30日現在)
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群馬県放射線マップ(2012年9月30日現在
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■放射線や放射能が目に見えないことをいいことに、実際には健康に被害を及ぼす状況であっても「風評被害」などという都合のよい言葉を使いたがり、放射線や放射能に対して「正しく恐れる」ことをさせたがらない行政やマスコミのやり方には注意しなければなりません。あくまでも放射能汚染の原因者は東京電力であり、原子力の安全神話をでっちあげてきた責任は政府自民党であることを常に認識しておかなければならないのです。

【ひらく会情報部】

※参考情報
【群馬県放射線マップ測定値別の放射線量】(マイクロシーベルト/時。2012年9月30日時点)
<測定期間・前橋市>
測定地点・名称          測定価
第二保育所            0.06
元総社保育所           0.07
清里保育所            0.08
細井保育所            0.09
富士見保育所           0.06
下川淵小学校           0.08
永明小学校            0.07
駒形小学校            0.08
大室小学校            0.07
滝窪小学校金丸分校        0.09
月田小学校            0.05
大胡中学校            0.08
富士見総合グランド        0.08
王山運動場            0.06
粕川西部運動場          0.1
総合運動公園           0.08
六供清掃工場南東(出入口)    0.06
亀泉清掃工場北東(出入口)    0.06
大胡クリーンセンター北西(角地) 0.06
前橋市最終処分場南(出入口)   0.06
富士見最終処分場西(出口)    0.07
水質浄化センター東境界(東門)  0.07
六供西公園            0.09
六供町南部公園          0.05
前橋市道路補修センター      0.05
薬師公園             0.05
雷電公園             0.05
河原添公園            0.06
上新田地下ポンプ場        0.05
六供生川公園           0.06
六供天神公園           0.11
前橋工科大グランド        0.07
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