「2019年ルーキー回顧1 辰己 涼介(立命館大)外野手」
状況説明
辰己 涼介(楽天1位)外野 (立命館大出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆☆(1位指名級)
プロでもゴールデングラブ賞を受賞できる守備力に、俊足、底しれぬ打撃の潜在能力、関西人特有のチームのムード変えてくれそうな明るいキャラなど、非常に楽しみな素材だとして高い評価をしました。細かい部分の評価は、氏名をクリックするとアマチュア時代の寸評が読めるようになっているので、ぜひ参考にしてみてください。
そんな辰己選手一年目は、
124試合(314打数) 4本 25点 13盗塁(3失)打率.229厘 という成績を一軍で残しました。
まず一軍で124試合に出場し、314打数を経験できたことは素直に評価できるポイント。また一年間、一軍の試合に出場できたことも一定の評価ができそうです。
打率.229厘は、正直2割5分以上は一年目からイケるかなと思っていただけに、これは思ったほどではなかった気がします。元々この選手、爆発力がある一方で持続性に課題があったので、その辺は長く険しいシーズンへの適応に苦労したのかもしれません。
13盗塁で3回の失敗の盗塁ですが、成功率は.813厘と充分に合格圏内。盗塁という作戦は、7割以上成功することが求められますから。むしろこれだけ出場していたのならば、20盗塁ぐらいは望みたいですし、将来的には30盗塁も期待できる素材だとは思います。
守備に関しては、ファインプレーの動画作られるぐらいですから、プロの世界に混ざっても目立ったのでしょう。しかし3失策ということで、性格的にポカも結構あるタイプなのかなと感じます。
4本塁打の長打力に関しては、将来的に15本〜20本ぐらい打ててもおかしくないパンチ力はあると思うので、この辺も慣れて行くに従い数は増えてゆくのではないかと見ています。
もう少し成績を細かく見てみると、314打数で101個の三振は多すぎます。三振比率は、32.2% に昇ります。一軍でも25%以上が許されるのは、よほど長打力があるとかそういったタイプの打者。彼のように4本塁打の選手が、これだけ三振が多いのはこれからの課題だと言えます。それだけ振ったバットが、ボールを捉えられなかった可能性が高く、技術的に未熟だったことが伺えます。
四死球は44個で、四死球率は 14.0% とまずまず。四死球率の目安は、10%以上が1つボールが見えていたかのポイントになります。一軍で15%を超えるような選手は、相当ボールを見極める眼を持っているといえ、彼はそれに近い見極めができていた可能性があります。すなわちボール自体は見えていたけれど、技術的に課題があって対応できなかったということ。ようは、技術的な改善が見られれば打てる確率は高いということになります。
ということで、潜在能力はこんなものではないと思いますし、これから球界を代表する外野手に昇りつめていってくれると確信しております。2年目以降の爆発に、期待してみたいところ。ことルーキーイヤーとしては、数字的には物足りなかったです。しかし一軍のレギュラーとして試合に出続けられたことを考えれば、合格点の与えられる一年目だったのではないのでしょうか。
蔵の印象:◯ (才能の片鱗は示せた)

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