「2020年ルーキ回顧16 立野 和明(21歳・東海理化)投手」
状況説明
立野 和明(日ハム2位)投手 (東海理化出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆ (上位指名級)
高卒3年目での指名であり、一年目からある程度一軍で投げつつ、今後の成長も促せるといった半即戦力的な存在の投手でした。ただ一年目は、ファームで漬け込むこともある程度予想できた選手でもありました。
そんな立野選手の一年目は、一軍登板はなし。
二軍では、12試合 2勝3敗1S 防 3.81 と平凡な成績に終わります。まだ本当の意味で即戦力の力はないとみていましたが、一年間通じて、全く一軍に上げなかったのは正直以外でした。
もう少し数字を細かくみてみると、52イニングで被安打が54本と、投球回数を上回ってしまっています。いつも言うように、被安打の目安は投球回数の80%台で一軍を意識でき、70%台ぐらいに圧倒できると一軍定着レベルかと。それが100%を越えてしまっているので、なかなか一軍にお呼ばれしなかったのも頷けます。ただし、ボールの威力はある投手でしたから、問題は制球・フォーム・配球など別のものにあったということなのでしょう。アマ時代の寸評(氏名をクリックすると読めます)を見る限り、合わされやすいフォームに改善が観られなかったのではないかと推測します。
四死球率は、44.2%と、やはり甘い。四死球率の目安は、投球回数の1/3(33.3%)以下。多少ボールに力がある投手でも、30%台にはとどめたいところ。そのへんも、まだ詰めの甘さを感じます。
しかし奪三振は48個であり、1イニングあたり0.92個であり、先発の基準である0.8個以上、あるいはリリーフの基準である0.9個以上もクリアできています。元々ストレートの勢いと縦の変化球には一定の力があり、その片鱗を魅せてくれました。
四死球率が高い選手が、ある程度ふんばれるのは、三振が取れるかが大事。彼の被安打の多さや四死球のアバウトさで防御率が3点台で済んだのも、三振が取れたことが大きかったのかもしれません。
元々1年ぐらいファームで漬けこまないと厳しいかもしれないと書いていた選手なので、結果的にはこういったことになりました。この経験が、2年目に活きると良いのですが。ことルーキーとしては、残念な一年だったと思います。ただ先日の橋本侑樹(中日2位)とは違い、ある程度こうなることも折込済みでの指名だと思うので、及第点の1年目だったと評価したいところです。
蔵の印象:△ (この経験を活かせないと辛い)

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