「2020年ルーキー回顧49 長岡 秀樹(八千代松陰)遊撃」
状況説明
長岡 秀樹(ヤクルト5位)遊撃 (八千代松陰出身)
蔵の入団前評価:☆ (下位指名級)
守備・走塁に際立つものはなかったのですが、柔らかく膝を使える対応力の高い打撃に魅力のある選手でした。6位の武岡が甘い球を逃さないタイプならば、こちらは難しい球もヒットしてしまうミート力に優れた好打者です。
そんな長岡選手の一年目は、高卒ルーキーながら
一軍で 6試合(12打数)で 打率.083厘ながら、プロ入り初ヒットを記録しました。また
二軍では、71試合(237打数) 2本 26点 1盗(1失) 打率.219厘 という内容でした。
まず一二軍合わせて 77試合で249打数 を経験できたことはまずまずかと。特に、高卒一年目で、一軍を経験し初ヒットまで記録できたことは今後の糧になるのではないのでしょうか。また、高卒ルーキーの目安である打率2割越えも達成し、今後に明るい材料となっています。
元々走力はあまり期待していなかった選手なので、1盗塁1失敗は想定の範囲内。守備では、二塁で50試合(守備率.984厘)、三塁では19試合(守備率.959厘)、遊撃では8試合(守備率.862厘)といった内容でした。
守備は、高校時代守っていた遊撃での出場は少なく、守備率はかなり低め。主にセカンドを守っていたことが伺えます。このへんは、武岡を獲得した時からそうなるのかなと思ってみていました。セカンドでの守備率の目安は、.980厘以上あれば信頼できる二塁手ということで、その点ではルーキーながら合格レベル。三塁の場合は、.960厘以上が目安なので、それとほぼ同じ.959厘と高卒ルーキーとしては悪くありません。ショートの人材としては厳しそうですが、二塁・三塁という部分では安定感あったのは確かのようです。
打撃成績をもう少し細かく観てみると、237打数で48三振。三振比率は、20.3%と、一軍を意識できる20%以下にわずかに届かない程度。高卒ルーキーであることを考えれば、割合イメージに近くボールは当てることはできていたのではないかと。
四死球は24個であり、四死球率も 10.1%であり、基準である10%以上をわずかながら満たしております。ボールも見えていたし、ある程度当てることができた一年目だったことがわかります。ただそれをまだヒットに結び付けられないことが多いのが、打率.219厘という数字に留まった要因ではないかと。
数字の上から見えてくるのは、技術以上に肉体的にまだプロの球に対応できるほどのスイングの鋭さ・筋力・体力等に課題が大きかったのではないかと。しかしそのへんは、経験と肉体の成長で充分補える部分であり、二年目以降の飛躍が期待できます。そう考えると、守備・打撃に関しては、高卒ルーキーとしては合格点の一年目ではなかったと評価できます。今後の活躍が、ある程度見えた一年目だった気がします。
蔵の印象:◯(打率以上に内容は良い)

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