「2021年ルーキー回顧25 来田 涼斗(明石商)中堅手」
状況説明
来田 涼斗(オリックス3位)中堅 (明石商出身)
蔵の入団前評価:☆☆ (中位指名級)
中森俊介(ロッテ)投手と共に、明石商では1年時から活躍して、スーパー1年生として注目されました。ただし、最終学年では充分なアピールができず、伸び悩んだ感はありました。走力はまずまずで地肩も悪くなかったのですが、打球勘の悪い守備は気になっていました。打撃は、筋肉が付きすぎて硬くなった印象はあったものの、元々天才肌なのと大舞台でこそ光るタイプのイケイケ系の打者。そういった秘めたる打撃の潜在能力は相当高いのではないかと評価していた選手です(詳しくは上記の氏名をクリックすると当時の寸評が自由に読めるようになっているので参考にしてみてください)。
そんな来田選手の一年目は、高卒ルーキーながら
一軍で 23試合(71打数) 2本 8点 1盗(2失)打率.211厘 と起用され期待の高さが伺われます。
二軍では、89試合(321打数) 2本 26点 5盗(6失) 打率.255厘 といった成績に。
まず、一二軍合わせて 112試合に392打数の多くの経験を積み、さらに一軍でもある程度数字を残せたことは、経験という意味では大きかったかと。またそれだけ戦えぬけるだけの、心身のタフさがすでにあったということだと思います。
また高卒野手の目安である、二軍で2割どころか一軍でこれをクリア(打数は少ないけれど)。二軍では、大卒野手の目安である2割5分をも上回った点は、やはり打撃に関しては非凡なものを持っていたのだなと改めて感じました。
これだけ試合に出てヒットも打った割に、ホームラン2本はちょっと物足りないかなといった感じ。5盗塁6回失敗は、ある程度想定の範囲内の数字かと。守備では5つの失策と、やはり外野手としては多すぎます。それでも7個の捕殺は、光るものがありました。
二軍の打撃成績をもう少し詳しく見てみると、321打数で89三振。三振比率は、27.7% とやや多いです。やはり一軍を意識するのであれば、三振比率は20%以下ぐらいの対応力が欲しいところ。高卒1年目で致し方なかった部分はあったのですが、イメージどおりには振ったバットが中々ボールを捉えることができなかったということなのでしょう。
四死球は14個で、四死球率は 4.4%とかなり低いです。これは、ボールが良く見えなかったというよりも、早いカウントから積極的に打っていたからではないのでしょうか。そうじゃなければ、打率が残らなかったはずでから。一概に四死球率が低いから、ボールが見えていなかったというわけでは無さそうで、そのへんは残した打率から判断してゆくしかありません。
この数字からすると、今年さらに数字を伸ばせるかどうかは微妙です。ただし、経験という意味では非常に大きな一年だったので、現状を打破しようという意識が強ければ一気に一軍戦力に定着しても不思議ではありません。逆にここで満足してしまうようだと、年々成績は尻窄みになってゆく気がします。そういった意味では、今年は試金石の一年になろうかと。ことルーキーイヤーとしては、合格点の与えられる一年だったと評価できます。
蔵の印象:◯ (非凡なところは周りに印象づけられた)

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