「2021年ルーキー回顧64 矢野 雅哉(亜細亜大)遊撃」
状況説明
矢野 雅哉(広島6位)遊撃 (亜大出身)
蔵の入団前評価:☆(下位指名級)
セーフティバントで揺さぶりをかけるなど俊足が魅力で、プロでも遊撃ができる高い守備力が売りでした。特に、球界でも屈指とも言えるぐらい強肩ぶりは見るものを魅了できるレベルがあります。打撃は、当てる能力はあるものの、明らかにひ弱だったところをどうみるかでした。
そんな矢野選手の一年目は、一軍で 13試合(6打数)でヒットはなし。
二軍では、69試合(197打数)1本 16点 9盗(6失) 打率.208厘 といった内容に。
まず、一二軍合わせて 82試合・203打数 の経験はそれなり。大卒ルーキーの目安である、打率2割5分には遠く及ばず、高卒ルーキーの目安である打率2割越えをなんとか達成。打力の弱さは、やはり気になります。
盗塁成功率は6割とやや低く、まずはこれを7割以上にしたいところ。守備では三塁手として7試合(守備率1.000厘)。遊撃手としては65試合で(守備率.957厘)。遊撃手としての守備率の目安は、.970厘ですから、まだ安定感という意味ではもう一つだったことがわかります。快速・強肩の身体能力を、まだ完全には活かしきれていないのかと。
もう少し打撃を細かく観てみると、197打数で50三振。三振比率は、25.4% とやや高め。コツコツ当てるタイプの選手にしては、数字が低いのは気になりました。一軍への目安は、20%以下。その点では、まだ振ったバットが、イメージどおりには捉えることができなかったことが伺えます。
四死球は30個で、四死球率は 15.2% と優秀。これは10%以上が目安であり、15%以上だとかなり優秀です。それだけボール自体は見えていて、見極められていたことになります。そのため打率は.208厘でも、出塁率は.310厘 と、けして低くはなかった。
こう考えると、ボール自体は見えていたけれど、技術的に未熟だったのか? はじき返す筋力が足りなかったのか? 打率に反映させることができませんでした。そのへんは、技術や筋力の増加で改善できるものであり、2年目の今年は成績を伸ばして行ける可能性は感じます。ことルーキーイヤーとしては、可も不可もなしといった及第点だったのではないのでしょうか。
蔵の印象:△ (全て能力の引き上げを)

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